未分類のほほん学校, 大槻ケンヂ, 非日常

オーケンのトークイベントであるのほほん学校に行ってきた。タイトルは「緊急開催大決定!GWのほ学だよ、行くとこないやつみんな来い!どうなる筋少ニューアルバム『蔦Q』!?」である。長い。

十八時半開場十九時開演、終わったのは二十一時四十分くらいかな。およそ二時間四十分に渡り時に爆笑、時にぐだぐだ、楽しませていただいた。まず夕飯に松屋へ入り牛丼の並を食して新宿ロフトプラスワンへ。前回来たときと同じ、下手側の奥の段差があって見やすい位置を陣取り、ビールを呑みつつトークを聴いた。前回はドリンクカウンターの位置がわからなかったため終演後にドリンクを引き換えたが今回は把握しているので大丈夫だ。休憩中にもう一杯追加で買って、そして家では発泡酒。ビール呑んだ後の発泡酒はどうしても薄く感じてよろしくないな。

開演を待つまでの時間はスクリーンに映されたCDJでの映像やこの間発売された「どこへでも行ける切手」のDVD映像を眺めて時間を潰した。いやーこういう時間潰しを用意してくれるのは親切で良いなぁ、と思ってる間にオーケン登場、しかし! ステージの上手側に何故かトマトジュースらしきものがこぼれているという謎のハプニング! どうやら前の出演者がこぼしたものらしいが、それにしても何故トマトジュースらしきものが。スタッフに要請して謎の液体を拭いてもらいつつ本日一人目のゲスト登場。アウェーインザライフの脚本家楠野一郎さんである。と、いうわけでまずはアウェーインザライフの話から。

アウェーインザライフの稽古をオーケンが見に行った話、その時オーケンが持っていったお土産が、歌を歌って台詞を喋ってと稽古で役者は咽喉がカラカラになるのに何故かパンだった話、しかもオーケンは稽古場見学に行く話をしていたのに楠野さんと待ち合わせ場所で落ち合ったとき、近くにある柔術道場を見に行かないかと誘った話、などがされた。お土産については楠野さんのブログに詳しく書かれていて、ブログで突っ込まれていたこととほぼ同じことをオーケンにぶつけていた。何故パンなのか。何故出演者は二十人近くいるのにパンは七つなのか。ロールケーキやハムのパンはともかく味の無いバターロールを選んだのは何故か、などなど。

パンが七つなのは七人の侍に関係して云々かんぬん、いくつかの映画の話を持ってきて、七という数字が重要であること、二十人のうちの七人こそが選ばれし者であり、みたいな話をしていたが、おかしくて忘れてしまったなぁ。ビール呑んでたし。何かあったらアルコールのせいにすれば良いと思っている面は、まぁ、否定できない。すまん。

柔術道場に見に行かないかと誘った件については、オーケンはギターの他にも何か始めたいと考えているそうで、その何かってのが武道の類らしいのである。それも東洋と西洋両方を一つずつ。昔空手をやっていたんじゃないのかなることを楠野さんに聞かれ、続かなかった的なことをオーケンは語っていた。

あと何だっけ。オーケンは演劇に興味があるのかって話になって、楠野さんに演劇興味ないでしょ、というようなことを言われて、いや、俺は古くから演劇に触れていた、とケラさんの話を持ち出してオーケンは語っていた。そこで有頂天は演奏の合間にコントを挟むバンドだったけど、あるときから急にコントの内容がシュールになって、その瞬間を目にして驚いた記憶があるとオーケンは語っていた。それで有頂天に在籍していたおいちゃんの演じていたシュールなコントを再現し、その再現のひどさから楠野さんに演劇とケラさんと本城さんをコケにしてるでしょ! とつっこまれていた。あと一人ケラさんとおいちゃんの間に名前が挙がっていたのだが、それについては忘れてしまった。オーケンは笑いながら「そんなことはない!」と否定していた。

オーケンの物真似ってのがまた似てなくて、この後にみのすけさんと、どういう流れかは忘れたがX.Y.Z.→Aのニイハラさんの声真似もしていて、ニイハラさんの方はどう聞いてもボースカの声にしか聞こえなかった。というよりオーケンが声の高い人の真似をしようとすると全てボースカになるんだよな。

それでそうだ、アウェーインザライフにからめて「蔦からまるQの惑星」発売の告知もして、ジャケットを発表っつって出されたのがあれだよ。爺さんの顔写真の上に「蔦からまるQの惑星」と書かれた透明の下敷きのようなものを重ねたり、前のオーケンが十歳の頃としまえんで描いてもらった似顔絵に蔦からまるQの惑星、その時オーケンのお父さんも似顔絵を描いてもらってそれにも蔦からまるQの惑星、さらにまたもう一枚似顔絵が増えて、それが何とその人の背後霊まで描いてくれるという似顔絵師、スクリーンに映されたオーケンの似顔絵の後ろにはゴーグルを額につけた謎の海パン男子が! それに蔦からまるQの惑星! 腹を抱えて笑った。最初のお爺さんの写真は誰だか知らなかったのだが、オーケンのお父さんだろうか。わからない。わからないけど笑った。

で、嬉しかったのが、「蔦からまるQの惑星」に収録されている「捨て曲のマリア」の完成版とデモ版を聴かせてもらえたことだ! アルバム発売前に曲を聴けるだけでも嬉しいのにデモ版までとは、大サービスだなぁ、嬉しいなぁ。個人的一番の目玉はこれだった。

まずは完成版の「捨て曲のマリア」を聴いてから、いっちゃん最初の「鼻歌版」へ。楽器の出来ないオーケンが鼻歌で作曲するのはファンの間では有名な話だが、鼻歌状態のものを聴くのはこれが初めてだ。どんなものだろうかと耳をすますと………鼻歌ではなく、熱唱である。しかもノリノリだ。

「ふ~んふふ~んふふふ~ん♪」のようなものを想像していただけにこれには驚いた。さっき聴いたばかりの完成版から曲を抜いたものにほぼ近い。曲が作られてない状態でよくぞここまで歌えるものだと感心するほどだ。いや、歌や曲の作り方をわからない素人が言うのも何であるが。

この鼻歌版はスタジオで録音されたそうで、オーケン曰く、スタジオにはビデオカメラがついているから、大槻ケンヂが入ったぞ、何してるんだろう、とスタジオのスタッフに、楽器も使わずノリノリで足でリズムを取りながら熱唱する姿を見られたかもしれない、とのことだ。鼻歌版にはきちんと手で腿を叩いてリズムをとる音も録音されていた。ちなみに、昔はペンで机か何かを叩いてリズムをとって録音していたのだが、あまりにふざけているとNARASAKIさんに怒られて以来それはやめたらしい。………あまり変わらない気もするが。

この鼻歌版を内田さんに渡して曲を作ってもらったそうで、その第一段階はジャズ風のものだった。音はズンドコ、いや、ズンボコかな。完成版よりもムーディーで、ズンズン響く感じがする。しかしこれ、オーケン的には少し違うらしい。というわけで、TOTOっぽくとイメージを伝えて作り直してもらったのが第二段階、これを元にしてレコーディングをしたそうだ。

この第二段階も聴かせてもらい、その後に再び完成版を聴いたのだが、ほとんど曲調に変わりはないものの完成版の方がずっと筋少らしい。第二段階だと格好良いのだが「らしくない」感じが強すぎるのだ。いったいどこに違いがあるのだろう、と考えるまでもなくわかった。橘高さんのギターの有無の違いだ。橘高さんの「ギュワーン」というギターの音が入るだけで一気に筋少らしくなるのだなぁ、て思ったね。

おいちゃんの持ってくるデモはいつも完成されていて直すところがないそうだ。これは初耳で驚いた。おいちゃんすごいなぁ。

この後かな? 流れは忘れてしまったが、オーケンと水野美紀さんの演技対決ビデオが流された。「稽古を見てたけど、あれくらいなら俺にもできる」と嘘くさく豪語するオーケンと水野さんに同じお題を出してそれぞれに演じてもらうというものである。ちなみに水野さんは九時間の稽古の後このビデオを撮るために演技をしてくれたのだそうだ。しかもその頃にはオーケンは既に帰っていたそうだ。ひでぇ。

お題は「うきうき気分で家を出たら犬の糞を踏んでがっかり」「愛する人を守って銃で蜂の巣にされる」「コンビニで肉まんを買って食べたら腹からエイリアンが出てきた」というもので、加えてもう一つ、オーケンのみ「殺人拳で恩師を殺してしまう」なるお題が出されたが、結果は言わずもがなである、っつーかオーケンはそもそも演技をすることに照れていて、始終ニヤニヤしていたりやたらと変な顔を作っていたりしていた。対して水野さんの迫真の演技はすごい。何というか漢らしい。特に三つ目のお題「コンビニで肉まんを買って食べたら腹からエイリアンが出てきた」では、本当に肉まんを頬張っているように見えるリアリティ、腹に異常を感じながらも尚も肉まんを食べ続ける食い意地、服に手を突っ込んでドーンと突き出しエイリアンが腹を破る様を表現するときの大胆な動き、表情! 格好良かった、すごかった。面白かった、笑えた。

綺麗な人が顔を崩すことを厭わず、すごい表情や動きをしたりするってのは格好良いなぁ、美しいなぁ。大好きだ。

他にもオーケンはコーナーを用意していたそうなのだが、思わぬところ、どこかっつーとパンのくだりなのだが、そこで時間を使ってしまったため全部消化することはできず、また来てくださいねと挨拶をして楠野さんは退場。しばしの休憩を挟み第二部へ。休憩時間中は「どこへでも行ける切手」のハイライトシーン、おサル音頭の映像が流されていた。この隙に温くなったビールを飲み干して新しいビールを買いにドリンクカウンターへゴー。受け取った後段差に気付かずバランスを崩してちょっとビールを零してしまった。人にかけることはなかったが、右の袖を通ってビールが腕を伝っていき、自分の席に戻ってから腕まくりをしてハンカチで拭ったもののベトベトは残ったままで、自業自得ではあるもののこれはちょっと嫌だった。

第二部のゲストは末飛登さん。筋肉少女帯の元マネージャーで、ステーシーあたりの時代にオーケンと「T.P.M」という遊びのフォークバンドを組んだり、いくつかの曲にコーラスを入れたりしていた人だ。自分の中では末飛登さんと言うとまず思い浮かぶのは「お散歩モコちゃん」である。よって、末飛登さんが登場してからしばらく脳内BGMはお散歩モコちゃんだった。ラ~ラララララララ~♪

ということでT.P.Mで地方ライブをしていた頃の映像が流された。「長髪の頃の俺だ!」と昔の自分の映像を見て驚くオーケンが面白い。おっかけてきたファンの女の子達がしょっちゅう画面に映り、彼女達を見てオーケンが「知ってる人だ!」と懐かしそうにしていた。

そして盛り上がったのが妊娠、出産の話である。二ヶ月ほど前に末飛登さんは娘さんが生まれたそうで、そのことに対しオーケンがひどく関心を抱いていた。妊娠すると奥さんはどうなるの? 酸っぱいものや壁土が食べたくなるって本当? マタニティブルーってあった? 子供が生まれると変わる? などなど。オーケンは結婚はしたいとは思わないが子供は欲しいと思うそうで、散々質問した挙句末飛登さんに婚活をしたらどうかと勧められたら困ったような顔をして話題を変えてしまった。そうそう、それで末飛登さんに携帯電話で娘さんの写真を見せてもらったときだ。「あの」ボースカの声になって、「いやーんかわいー、パパでしゅよー」なることを呟いていて末飛登さんに突っ込まれていた。「パパでしゅよ」はだめだよな、そりゃ。わはは。

この後だろうか? 公開ギター練習へ。練習してるけどなかなか上手くならない、ギターを始めてからいかに橘高さんと本城さんがすごいかわかったとオーケンは語った。それで何だっけ。家で練習したときはもっと上手く弾けたのに! なることを言ったら橘高さんに怒られたそうだ。橘高さんがプロデュースしている若いバンドの子も似たようなことを言って怒られたらしい。オーケン……。

曲目は「あのさぁ」「オンリー・ユー」「猫見に行ったら犬がいた」「テレパシー」「Guru」…の他にもあったな、確か。順番もぐちゃぐちゃである。ただ、やたらテンポが速かったり、途中で立ち止まったりはしたものの、結構様になってたよ! すごいよ! 前に見たときよりも上達してるって! などとネットに書くとどんどん話が大きくなってハードルが上がるから困るそうだ。でもなー。本当、弾き語りライブも夢じゃないと思うなー。飽きなければ。

ってな感じで盛りだくさんののほほん学校は終了。最後の方でオーケンより「皆さん連休を持て余してください」なるありがたいお言葉をいただいてロフトプラスワンを後にした。終演後にかかった最初のBGMは「アウェー イン ザ ライフ」。もちろん最後まで聴いてから外に出た。

明後日のレピッシュとの対バンライブも楽しみだ。こんな近くに楽しみが集中しているなんて贅沢だなぁ。

未分類筋肉少女帯, 非日常

筋少って何でこんなに楽しいんだろう…。

そんなわけで本日も、昨日に引き続いてGod of Thunder ! Day 2に行ってきた。あぁーもう本当、肋骨が痛いことなんざどうでもよく感じるほど楽しかったね! 最高のエンターテイメントだよ。

本日のセットリストは以下の通り。恐らく完璧に近いはずだ! 頑張った!

トゥルーロマンス
くるくる少女

ソウルコックリさん
ハッピーアイスクリーム
ロシアンルーレット・マイライフ

アウェー・イン・ザ・ライフ(新曲)
踊る赤ちゃん人間
暴いておやりよドルバッキー

世界中のラブソングが君を
爆殺少女人形舞一号(新曲)

これでいいのだ
パリ・恋の都
ドナドナ
ツアーファイナル
心の折れたエンジェル

~アンコール~
ゴミ屋敷の王女(新曲)
仲直りのテーマ
未使用引換券

釈迦
トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く

まさか新曲をもう一曲聴けるとは思わなかった。昨日とほぼ同じ曲目でありつつ、定番曲をばらしたり、昨日か今日のどちらかでしかやらない曲があったりと、両日行く人間にとっても大満足なセットリストだ。サービス精神旺盛だなぁ。

一曲目はお馴染みのイントロでトゥルーロマンス…なのだが、イントロのギターが一箇所調子が外れたかな。しかしそれ以上にオーケンの歌詞がメッタメタだった。すげぇ! ひでぇ! 新曲の歌詞を覚えるのに夢中で忘れてしまったのだろうか。あまりのメタメタっぷりに思わず喜んでしまった。

本日は下手の端から客電が落ちたと同時に移動して、オーケンと内田さんの間あたりの六、七列目に立つことができた。それでだ。昨日書いた、「客電が落ちた後に一瞬だけ発生するぽっかりと空いた謎の空間」がどうして発生するものなのかようやくわかった。柵のせいなんだな。中央が柵で区切られてて、今まで柵の前までみっちりいた人々がわーっと前に詰めて行き、だけれども柵の後ろの人は前に進まないわけだから空いた空間ができるんだ。気付くのが遅いな、我ながら。

見晴らしは上々、なかなか良い位置だ。くるくる少女で盛り上がったところでMCに入る。昨日のTwitterコントの話を引っ張りながらオーケンが…何をここで喋ったっけ。夢中になりすぎて忘れてしまった。わはは。

ソウルコックリさんは語りのところでヘイヘイコールとメンバー紹介。今回はおいちゃんは「ギター、Twitter!」ではなくいつも通りに「ギター!」だけ。長谷川さんを紹介するときは「サポートドラマー! 長谷川浩二!」だったけど、エディのときは「サポーテッドピアニスト、三柴理、エディ!」だった。サポートとサポーテッドで言い換える理由は何かあるのだろうか。気まぐれか?

ソウルコックリさん、ハッピーアイスクリーム、ロシアンルーレット・マイライフは昨日と同じ流れ。ハッピーアイスクリームを二日続けて聴けて嬉しい。周囲の掛け合いがバッチリでテンションがガンガン上がる。ハッピーアイスクリームは掛け合いの言葉も決まったパターンだからわかりやすくてやりやすいね。ロシアンの掛け合いも盛り上がった! アウトロのだんだん早くなるオイオイも楽しい。酸欠を感じつつもここで途切れてなるものかと気合で持ちこたえ、やりきった後の達成感! 気持ちが良い!

ロシアンが終わったら休憩でMC。ここでオーケンが、昨日はゲストで水野さんが来たという話をした。楠野さんも来たのに楠野さんには一切触れず、水野さんについてのみ語っていたオーケンはらしいなぁ。

昨日来ていなかった人のためにオーケンが説明を始める。しかし「風車男ルリヲを歌った」「首がないんだよ、のところがゾクッと来た、流石役者さん」「ルリヲの後猿の左手象牙の塔を歌った!」「そしてワダチを歌った!!」と嘘ばっかり言っていた。客席の反応から、ルリヲのあたりまでは信じていた人もいたようだ。流石にワダチまで行ったら気付いたようだが、でも、それは置いといて、だ。ワダチやってほしいよ。やってくれよ!

そういやオーケン猿の左手象牙の塔の存在をちゃんと覚えていたんだな。失礼ながら少し意外だった。何となく忘れているような気がしてた。これもいつか歌ってくれんかな。好きなんだよ、特に最後の方が。今のオーケンが歌うとどんな風になるのだろう。

舞台アウェーインザライフの紹介を少しした後に、新曲「アウェー・イン・ザ・ライフ」へ入る、その前に。新曲だから皆ノリ方がわからないだろうからとオーケン先生の指導により練習することになった。

まずオーケンが「アウェー、アウェー、アウェー、一つ置いて、インザライフ!」と自ら調子のとり方の手本を示し、長谷川さんにドラムを叩いてもらって客席皆で小声で歌いながら練習をする。自身もそのうちの一人だったが、変な光景だった。

普通ないよなー、わざわざノリ方の練習をするなんて。でもこういうのをやっちゃうところが筋少の面白いところなんだよな。練習の成果もあって、昨日よりはノれたかな? けど、まだ「DESTINYをぶん殴れ」につられるところがあった。ついつい「殴れ!」って言いそうになってしまうのだ。アルバム聴き込んだら慣れるかな。

スタッフがよだれかけをオーケンのクビに巻き、ガラガラを手渡したら踊る赤ちゃん人間をやる合図だ。オーケンはガラガラを振りながらいつものように「あばばあばば」と言いながらふざけていたが、何度も見た光景なので幸か不幸かもうすっかり慣れてしまった。あの姿が「普通」に見えてしまうとは。恐ろしい。

あ! 思い出したぞ。ソウルコックリさんの前には確かラーメン筋肉少女帯のMCがあったんだ。どういう流れかは忘れきったままだが、オーケンが「明治通りにラーメン筋肉少女帯の恵比寿店を作る!」と妄想を語りだして、右手を振ってやたらと湯切りの真似をしていたんだ。面白かったのはオーケンが湯切りの真似をするたびに、いちいち橘高さんがギターで湯切りの効果音を入れてたことだ。オーケンも「そんな入れてくれなくてもいいよ!」と笑っていた。わはははは。優しいなぁ。

オーケンの湯切りに「なってない!」と突っ込みを入れたのはラーメン好きのおいちゃんだ。このやりとり笑ったなぁ。そしてラーメンの話はその後も引き継がれ、赤ちゃん人間の前にオーケンがガラガラを振ってまた湯切りの真似をして、それにもいちいち橘高さんがギターで効果音をあてていた。

赤ちゃん人間、ドルバッキーと盛り上がったところで休憩、そしてアコースティックタイムへ。オーケンがタイトルコールをしようとしたものの「世界中の…」で噛んでしまい、ドッと受けた客に向かって橘高さんが「いつものことだろ!」と突っ込みを入れていた。

昨日もアコースティックでゆったり聴いたときに思ったことだが、やっぱオーケン歌うまくなったよなぁ。何だか上から目線の感想で申し訳ないが、そう思う。しっとり聴けて気持ちが良い。

お次は「爆殺少女人形舞一号」。ここだったかな。橘高さん、オーケン、おいちゃんと三人並んだところでオーケンが二人に「どんなテレビを見てるの?」と話を振った。橘高さんはテレビはあまり見ないけど、夕方のニュースの、万引きとかクラゲが大発生だとか、そういう特集が好きらしい。おいちゃんはラーメン番組の他、大食い番組も見るそうで、とある大食い番組で「爆食女王」の文字を見てから「爆殺少女」のタイトルを見るたびそれを連想してしまうそうである。

と、いう話をおいちゃんがしたところで、「そうねー、爆殺少女人形舞一号って小説を今書いてるのよ」とオーケンがいまいち繋がってない繋げ方をしたが、これは単にオーケンが自分の話を喋りたかっただけなのだろう、きっと。そしてオーケン、おいちゃんに「俺の小説読んでないでしょ?」と聞くと「読んでない」との返答が。けど「もらえたら是非読みたい」のだそうだ。対して橘高さんはオーケンの小説をもらって読んでいるらしい。「うまくなったね」と褒めていた。

このやりとりが終わった後で新曲「爆殺少女人形舞一号」が。オーケンは「新曲」と大々的にコールせず、イントロの中で静かにタイトルを口にしただけだった。昨日の客の歓迎振りから自信を持ってのことかな、と思う。

二度目に聴くのでどんな展開の仕方をするのかはだいたい把握しているが、やはり良い。昨日のような衝撃は無いものの、待っていたものを与えられる幸福感がある。今度はなるべく歌詞を聴き取れるように注意して耳を済ませた。だけれども全てを頭に収めることはできない。早く歌詞カードを見つめながら聴きたいなぁ。イントロはピアノで始まる。昨日の「捨て曲のマリア」もそうだったかな。

怒涛の後半戦前に本編最後のMCに。オーケンが役者を目指す話を始めた。オーケン曰く、主人公が悩んでいるときにちょっとアドバイスするだけで、普段はぼーっとしているような、そんな役者になりたいらしい。そして内田さんに「役をあててくれ」と無茶振りをする。内田さんがオーケンに与えた役は「新進気鋭のラーメン屋」。またしきりに湯切りをするオーケン、勢いをつけすぎてラーメンが背後にぶっ飛んでいくオーケン。

しばらくラーメン屋になりきった後、「自分で役を決めていい?」と内田さんから許可をとり、「十三年の間無実の罪で檻の中に閉じ込められ…しかし、最後には自分の人生はこれてよかったと肯定する、いや、こういう事件はあっちゃいけないんだけど…」と「無実の罪で十三年間檻の中に閉じ込められた男」の役になりきって、タオルを掲げて「これでいいのだ」! うわー!!

待ってましたとばかりに盛り上がる客席! だが! ちょっと盛り上がりすぎだ! 特に隣のおっさんが凄まじい。縦横にでかい体で揺れまくり、そのうえハイになりすぎてんだか素なんだか知らないが周囲の客と明らかにノり方が違う! 大暴れするにしろ周囲とノリが合っているなら対応できるが、そうでないためぶつかり、潰されるばかりである。痛い。すげー痛い、つーか怖い。

こりゃたまったもんじゃねぇ、と文化系チビのオタクである己はドナドナあたりでおいちゃん側に避難して事なきを得た。これで移動ができなかったらきつかったな。

ツアーファイナルでは照明がバシバシと激しく点滅して目に刺さるようだった。すっげー格好良いけどポケモンショックとか、そんなことにはならないだろうか、と思いつつも必死で拳を振り上げる。続けて本編ラストは心の折れたエンジェル! エンジェルコールたまらねぇ!

ほっと一息ついてアンコール。メンバーはすぐに出てきてくれて、曲の前にトークコーナーが開始された。何だっけ。メンバーとのお話タイムとか言ってたっけ。違うかな。

オーケン、今までも何度か話していたが、エロに興味が無くなった、枯れてきたと語りだす。人からもらったものも含めて、今まで所有していたアダルト雑誌やDVDをだいぶ処分してしまったそうだ。だが、それでもベスト5だかなんだかは捨てられず手元に残しておいたらしい。そのベスト5の一人の名前をあげ、内田さんに話を振る。

内田さんといえば猥談嫌いで有名だ。視界が悪いのでずっと見えていたわけではなかったが、オーケンがその手の話をしている間内田さんはずっと腕組みをして客席の上の方を眺めていた。そんな内田さんに「ねぇ、聞いてる?」と声をかけるオーケンすげぇ。しかし、さらにすごいのは、内田さんが話に乗ってきたことだよ!

オーケンが名前を挙げた人物に対して「ラッパを吹く人でしょ? 知ってるよ」と返答する。オーケンは「ほら貝だけどね」と一部訂正をする、そしてステージの端の方で大笑いをする橘高さん、嬉しそうなオーケン。橘高さんがこういう話で大うけしてるのが嬉しいらしい。笑いつつ橘高さんは、「内田が絡んでて、いいなぁと思ってた」と感想を漏らした。やっぱ珍しいことなんだな。

トークが終わってアンコール一曲目は新曲「ゴミ屋敷の王女」。おお! これは昨日はやってない! まさか新曲を四曲もやってくれるとは思わなかった! 嬉しいなぁ。歌詞は部分部分しか覚えてないが、「ガラクタか宝物」が耳に残った。ラストは女性二人の声とオーケンの声が重なったコーラスが流される。これも早くアルバムで聴きたいなぁ。

「ゴミ屋敷の王女」が終わると間髪入れずに「仲直りのテーマ」! 「未使用引換券」! 二日続けて未使用引換券とは嬉しいな! もちろん仲直りのテーマも大好きだ!

そして最後のMCへ。よく覚えてないがオーケンは内田さんにトークを勧めた。すると内田さん、昨日振られて喋れなかったから今日は話を用意してきたと嬉しいお言葉! 客席もワーッと盛り上がった。

内田さんが長々喋るのは珍しい。今度レピッシュと対バンするという話から始まり、この間オーケン内田、MAGUMI恭一で対談をしたんだけど、記者だか司会者だかに「二組とも中学からの同級生なんですよね」と話を振られたら全員黙り込んでしまった、と話してくれ、客席からドッと笑いが起きた。

それに対してオーケン、さっきので何が受けたのかわからない、むしろ内田さんが喋ってる最中に痰が絡んでいたことの方が面白かった、と発言。内田さん、さっきコーラスをたくさんしたから痰が絡んだと話す。

そこから「何でこんなにコーラスが多いのか」という話になった。これについて橘高さん曰く、「内田の家でプリプロをするんだけど、コーラスは客に盛り上がって欲しいところで入れていて、作業が長くなるにつれ寂しさが増すと、客の反応を考えているうちにどんどんコーラス部分が増えてしまう」とのこと。正確ではないがだいたいこんな内容だった。なるほどそういう経緯だったのか。

つっても、筋少のあの野太いコーラスは大好きだから、例え寂しくなくてもガンガン入れてほしいな! 楽器隊は大変だろうけど。

この後だろうか。ちょっと順番が曖昧なのだが、中学時代に内田さんがオーケンの部屋に勝手に入ってくるのは嫌で、オーケンは自分の部屋に画鋲を撒いて「マキビシ!」などと言いながら撃退しようとしたのだそうだ。これ、多分初めて出た話じゃないかなぁ。客席の驚きの反応がすごかった。しかし内田さん、めげずに画鋲をよけて歩いたのだそうだ。

また、当時のオーケンの部屋はゴミ屋敷のように散らかっていて、内田さんと友人の何人かでオーケンの部屋を掃除にしに行ってあげたことがあるそうだ。どんだけ汚れていたというのだ。するとベッドの下から何かが出てきたと話す内田さん。まさか内田さんらしくない話を自ら内田さんが…? と思うと、出てきたのは「大量の湯飲み」。これには笑った。

「何で湯飲みがあったの?」の質問に「湯を飲んでたんだよ!」と答えるオーケン。それにしたって大量の湯飲みって。いったい大槻家にはいくつ湯飲みがあるんだ。さらに何でベッドの下に溜め込むのだ。全く意味がわからない。

「ゴミ屋敷の王女」に関連して、ゴミ屋敷で孤独死するのは不幸なようだけど、それを選んだ本人にとっては幸福なことなのかもしれない、というような内容のことをオーケンが話した。そして、「俺は孤独死すんだろうな~。孤独死したら湯飲みを内田にあげるよ」と続け、内田さんが湯飲みを握る仕草をして「オーケン…」とつぶやき、「オーケンが湯のみになっちゃった…」とオーケンが説明を加える。そのやりとりの面白さにおいちゃんも宇宙から帰還した。

残りはあと二曲! オーケンが煽ってキラーチューン「釈迦」の開始! よっしゃあ釈迦だ! 聴きたかった! 咽喉が張り裂けんばかりに「シャララシャカシャカ!」と大声で叫び、拳を振り上げもみくちゃになり、ラストは何かと思えばトリフィドだ! この曲も久しぶりだー!! 聴けて良かった! ちょうど今小説のトリフィドを読んでるところなんだよ! だからどうしたって話だが、盛り上がるよな!

二日目のライブも大満足で終了した。楽しかったなぁ。そういえばアンコールの時かな、初めておいちゃんのペットボトルシャワーを浴びたよ。あれ冷たくて気持ちが良いな。ピックは二回ほどとれそうな位置まで飛んできたけど残念ながら。次はとれるといいな。

一瞬でジンバックを飲み干してモスを買って帰宅した。昨日も思ったことだが、筋少は本当に楽しい。出会えて良かったと心から思うよ。

未分類筋肉少女帯, 非日常

押し合いへし合いのぎゅうぎゅうづめになって、赤の他人の汗にまみれたり髪の毛が口に入ったり殴ったり殴られたり、呼吸困難になったとしても、それでも最高に楽しかった!! と思えるってのは素晴らしいことだ。行ってきたぜ! 春のGod of Thunder ! Day 1に! ああーああああああ! もう! 最高だった!

ニューアルバム「蔦からまるQの惑星」のレコーディングが先日ついに終了したということで、今回は新曲を三曲披露してくれた。アルバム発売前にライブで新曲を聴くのは実は初めての体験で、前情報で今日は聴けそうだって話を耳にしてから非常にわくわくしていた。が、同時にちょっと不安でもあった。HMVのサイトで曲のタイトルが公開されているのを見て、「筋少っぽくないな」と思っていたからだ。

どちらかというと特撮テイストのタイトル群だ。そしてセルフカバーにはUGSのワインライダー・フォーエバー。個人的に、筋少と特撮とオーケンソロはそれぞれ分けてほしいと考えている。それぞれに個別の味があるんだから個性を際立たせるためにもごっちゃにならないでほしいなぁ、ってね。新人にGuruが収録されたときにもこれは思った。だって全部混ざってしまったらもったいないじゃないか。

だが、披露された三曲、特にそのうちの一曲を聴いたらそんな不満もぶっ飛んだ。何だこの格好良さは!

さて、セットリストである。だんだん覚えるコツを掴んできたぞ。

くるくる少女
へそ天エリザベスカラー

ソウルコックリさん
ハッピーアイスクリーム
ロシアンルーレット・マイライフ

アウェー・イン・ザ・ライフ(新曲)
仲直りのテーマ
踊るダメ人間

生きてあげようかな
爆殺少女人形舞一号(新曲)

イワンのばか
バトル野郎~100万人の兄貴~
ドナドナ
ツアーファイナル
トゥルーロマンス

~アンコール~
捨て曲のマリア(新曲)
君よ!俺で変われ!
未使用引換券

サンフランシスコ
心の折れたエンジェル

くるくるのへそ天のコックリさんがハッピーアイスでロシアンコサック、アウェーに仲直りしたけどダメ、それでも生きてあげようかな爆殺少女でイワン野郎がドナドナでツアーファイナルはロマンス、捨て曲で変われ! 未使用のサンフランシスコで心折れる、みたいな感じに記憶した。どんな話だ。

あと「ソウルコックリさん」「ハッピーアイスクリーム」「ロシアンルーレット・マイライフ」の流れは亡霊ゾーンと頭の中で勝手に名付けた。

今回整理番号はBの200番台、後ろも後ろの方なのでゆっくり家を出たらちょっとゆっくりしすぎたらしく、ライブハウスに着いたら既に開場時間になっていた。入場が遅れる心配は無いがロッカーが使えない危険性は多いにある。電車に揺られてリキッドルームに向かう途中にそのことに気付き、やべーなぁと思ったが、何とかロッカーは確保できたので一安心。上着と鞄を身につけたままライブに行くのは避けたいからな。

番号を呼ばれて中に入ると当然と言えば当然だが中は人人人の人の山。流石今年最初の筋少ライブ、皆さん気合が入ってらっしゃる。ソールドアウトしたって書いてたしなぁ、さーてどこに行くかなぁ、と、考えて、おいちゃん側に行くことにした。良さげなところを見つけたらしばらくはまったり待つだけである。

時間通りかな? 五分くらいは押しただろうが。体感としてはほとんど時間通りに客電が落ちて、だーっ!! っと民族大移動が始まる。前にもあったが、突然目の前にぽっかりとした空間が出来て、そこへ向かって進んで行くといつの間にやら前から六列目付近、といった感じになった。このぽっかり空間が出来るのが不思議なんだよな。多分、前の人がものすごくつめたことで一瞬だけ発生するものなんだろう。

しょっぱなからくるくる少女で盛り上げて、お次はへそ天エリザベスカラー! よっしゃあ! この曲大好きなんだよ! 年末には聴けなかったから大喜びしてしまった。今日のライブは新人・シーズン2の聴きたかった曲が多めに感じて興奮した。かなり好みの曲目である。たまらん!

へそ天が終わって最初のMC。これがすごかった。冴え渡っていて尚且つ神がかっていた。しかも長い! まだ二曲しかやってないとは思えないくらいだった。

話のネタはTwitterだ。いやー、オーケンがTwitterを気にしていることはエッセイなどでわかっていたことだが、そのくせ全くTwitterというものを理解も把握もしてない事実が判明して大笑いをした。

最初になんだっけ。「ライブに集中しろよ! Twitterなんかするなよ!」という内容のことをお客に言って、「でもおいちゃんはいいよ」というように繋げて笑いをとり、それに対しておいちゃんが「冒険から帰ってきました!」と高らかに帰還報告をして、おいちゃん前のお客がワーッと盛り上がる。でもオーケンはおいちゃんが何を言っているのかわからない。

「冒険」と言うのは橘高さんの説明によると、おいちゃんがレコーディングの状況をTwitterでつぶやいて報告していたのだけど、専門用語を使ってつぶやいても意味がわからないので、RPGゲーム風に例えてつぶやいていた、ところが「冒険」になぞらえた結果かえって意味がわからなくなった、ってことだ。おいちゃんが横でTwitterを使うのを橘高さんは何度も見たらしい。この橘高さんの補足説明は他の場面でのMCだったかな。

話は戻って、全く意味がわからないオーケンは「そうやってネットやってる人しかわからない話をして!」と拗ねて、「じゃあおいちゃんから次の曲をつぶやいてもらうよ!」と言い、黒いティッシュ箱を取り出してそれをiPadに見立ててTwitterの真似事を始めたのだ。これがもうすっげぇ面白かった。

オーケンはTwitterをメールの仲間のようなものだと思っているらしい。オーケンに乗っておいちゃんがTwitterでつぶやく真似をすると、オーケンはiPadという名のティッシュ箱を片手に「今おいちゃんのつぶやきが届いたよ」「フォロワーするよ」と名言を炸裂させ、客とメンバーを大受けさせた。

しかし笑われたところでオーケンは何がおかしいのかわからない。しょうがなく内田さんがTwitterはそういうものじゃないと教える場面もあった。こんなコントのようなやりとりを続け、やっとおいちゃんからオーケンのiPadに届いた曲名を読み上げて曲に入る。ソウルコックリさんだ! 初期曲ライブでやって気に入ったのかな?

ソウルコックリさんは語りは無し。語りの部分でメンバー紹介をするも、メンバー紹介する間奏を間違えてちょっとぐだぐだになった。歌詞も「テレビもねぇ!」ばかりになってたな。わはは。

ソウルコックリさんの後はハッピーアイスクリーム!! やったー! ハッピーアイスクリームをライブで聴くのは初めてだ! 嬉しい! 楽しい! うわー! これは掛け合いが盛り上がっていいなー! 前の方にいたからわからなかったけど、少女の声は録音したものを流していたのだろうか。それとも客のレスポンスだけかな。見える範囲ではバッチリ掛け合いが決まっているように感じた。

亡霊ゾーン最後はロシアンルーレット・マイライフ! 今回は位置のおかげでエディもバッチリ見ることができた。これも掛け合いが最高に楽しい。脳内麻薬がバンバン出る。うわー!!

ロシアンの後がMCってのはお決まりのパターンだ。疲れる曲だしな、これ。おかげでセットリストを記憶しやすい。オーケン曰く、ロシアンは新しい曲だけどもう立派なキラーチューンになったとのこと。本当にそうだと心から思うよ!

このMC中にプロペラ犬の楠野さんと水野さんが登場。楠野さんはロシアンのときにこっそり入ってきていたらしいが自分の位置からは見えなかった。せっかく出てきたのにオーケンが面白がってなかなか楠野さんを紹介しないため、困る楠野さんが面白い。

楠野さんの紹介を済ませた後、オーケンが「水野さんは来ないの?」と楠野さんに尋ねる。「水野さん忙しいからなぁ…」と最初に無理そうな顔をして、「来てるかも」と答えたとき、客席から「うそっ!!」と思いのほか大きな声での反応があり、あまりの反応にびっくりしたのか珍しくオーケンが客の声を拾っていた。

あと一回客の声を拾った場面があったな。何かの流れでオーケンが拗ねて見せたとき、橘高さんが「拗ねるなよ!」と突っ込みを入れると、客席から「かわいー!」と声がとんだ。するとオーケン「かわいいでしょ?」と反応し、すかさず橘高さんが「かわいくないっ!!」と全否定。これも笑えた。

「でもねぇ、四十過ぎたら男は可愛さを武器にするしかないんだよ。あとは財力」「筋少は……可愛さしか武器にできないから」とオーケン。そっからかな。何度か「かわいー!」「かわいー!」と叫ばれていた。男からも女からも。かわいいおっさん達である。

プロペラ犬のお二人が揃ったところでアウェーインザライフの紹介と、新曲アウェー・イン・ザ・ライフの披露。曲に入る前にオーケンから解説があり、「これは橘高君の何十周年記念だかのアルバムの曲で、舞台用に使うと良さそうな風だったから、詞をつけてくれた水戸さんに許可をとって新しく詞をつけた」のだそうだ。二十周年くらい覚えておいてあげてくれと頭の中で突っ込んだのは言うまでもない。

というわけで新曲「アウェー・イン・ザ・ライフ」はまさかの「DESTINYをぶん殴れ」の別歌詞バージョン。正直拍子抜けしたのは否定できない。だが考え方を変えれば、筋少凍結中に橘高さんから歌詞を依頼されるもそれを断ったという経緯があって、ついにこのたびオーケンが詞をつけることになり、尚且つ舞台と同名タイトルになったってのは、感動的な仲直りを意味するのではなかろうかと今これを打ちながら無理があるなと思っている。すまんかった。

でもこの曲を筋少の演奏で聴けるのは嬉しいなぁ。だけど「DESTINYをぶん殴れ」は気に入って聴きこんだだけに脳内再生される歌詞につられてノリづらいなぁ。体が「あれ? あれ?」ってなって面白かった。アルバムだとどんな感じだろう。

仲直りのテーマの後に踊るダメ人間が来たのは驚いた。こんなに早くやるのか! うわぁ! 疲れる! 疲れる! 窮屈すぎてバッテンできねー! とダメジャンプならぬ片手だけのスラッシュジャンプで乗り切り、MCを挟んで後一休みでアコースティックゾーンへ。

オーケンが「久しぶりにやります。久しぶりだよね?」と確認をとると、「そう?」と答えた橘高さん。だがオーケン的には久しぶりの曲らしい。何の曲だろうと思いつつ演奏が始まるのを待つと「生きてあげようかな」だった。あまり久しぶりという感じはしないが、この曲を聴いているとき、オーケン歌うまくなったなぁ、とやけにしみじみ思った。

はけていた内田さんも出てきて新曲二曲目「爆殺少女人形舞一号」へ。これに入る前、既に曲名が漏れて流れちゃったんだけど、まだ仮のものなのでタイトルも順番も変わる可能性があるとの説明が入った。ほうほう、それじゃあアルバム発売後どんな違いがあるか見比べる楽しみ方もできるってことだな。

オーケンによる「デスバラードです」との解説の後「爆殺少女人形舞一号」は始まった。これがもう滅茶苦茶格好良かった! すごい! アコースティックっぽいかな? と思わせる始まりの直後ハードになって、途中でワルツっぽくなって、ああ、でも音楽に詳しくないからワルツでいいのかよくわからん! 記憶も既に定かじゃないしな! なんつーかなぁ、曲の雰囲気がコロコロ変わって、五分以上くらいありそうな長めの曲だった。これはすごいぞ!

演奏終了後、大喜びした拍手が客席から鳴り響いて、これが大歓迎! って感じさせる長い拍手だった。オーケンも嬉しそうにしてたなぁ。あぁ、アルバム発売まであと三ヶ月も待たなきゃいけないなんて、待ち遠しい。待ち遠しいことこの上ない。明日も聴かせてもらいたいなぁ。歌詞の中に「油紙」って単語があって、その言葉を好きだな、と思った。

MCでオーケンが人間ドッグに行ったら肺年齢が七十五歳と診断され、医者もいくらなんでもこれはおかしいと思い、ちゃんとしたデータを後で送ってもらうことになったものの、やっぱり結果は七十五歳。体は四十四歳、肺は七十五歳のシャウトを聞きたいか! と煽って怒涛の後半戦一曲目はイワンのばか。こっからアンコールまで休みなしで、楽しくもきつかった。ドナドナを聴けて嬉しいと思いつつも息苦しくてわけわからなくなっていた。横の人に肘で顔をガンガン殴られ、目の前の人の髪の毛が口にあたって息ができなくて、いやーよく生きてられたな。頑張った。

トゥルーロマンスで少し落ち着き、アンコールへ。一曲目は新曲「捨て曲のマリア」。オーケン曰く、捨て曲で適当に作った曲に昔の彼女のことを歌ったら、それが大ヒットしてしまい、今の彼女にまで歌ってとせがまれて悲しい、という内容の大人の恋の歌だそうだ。しっとり系かと思いきや盛り上がるところは盛り上がる、これもアルバムで聴くのが楽しみだ。

「君よ!俺で変われ」の後は「未使用引換券」! ライブであまり聴いたことがないので喜んでしまった。演奏後、オーケンが「意外といいね、たまにやろうよ」みたいなことを言い、内田さんも「たまにやろう」と答えていた。たまにってところが面白い。こうして久しぶりにやって再評価して、ライブでやる曲が増えてくれると嬉しいね。

「サンフランシスコ」は流石定番。もうこれ以上にないほど盛り上がって死ぬかと思った。死ぬ気で! 死ぬ気でジャンプをした! サンフランシスコや釈迦が始まる度に思うのだが、古い曲には年月と共に刻まれた魔力がこもっているようだ。曲自体がパワーを持ってるというかな。まるで化け物のようである。

最後の最後は「心の折れたエンジェル」! 締めのところで再結成後の曲をやるところに、昔の曲ばかりに頼らない、新しい曲も鍛えていこうという気概を感じて個人的には好きだ。いや、筋少側がどう思ってるかは知らないが。エンジェルコールは楽しいなぁ。

心の折れたエンジェル終了後、スピーカーから流された追い出し曲は「アウェー・イン・ザ・ライフ」。やっぱアルバム版はライブ版とは聴こえ方が違うな。ますますアルバムを手に取るのが待ち遠しくなってしまうよ。

他。今回は確かメンバー紹介はソウルコックリさんのときだけだった。このとき「ギター! 橘高文彦!」「ベース! 内田雄一郎!」「ギター、ツイッター! 本城聡章!」と紹介していて面白かった。Twitterが気になって仕方がないのに手を出す気は全くないってのが良いね。是非オーケンはこのままでいてほしい。普通にTwitterを始めるよりこっちの方が面白いと思う。その後エディを紹介するとき、一度キーボードと言った後に続けてピアニストと言ったのは、間違えてしまったので慌てて言い直したって感じだったな。

Twitterでの流れでだったかな。「テクノだ!」「YMOみたいだ!」とオーケンが言い出し、筋少もアバターみたいにならないの? 立体になって飛び出さないの? というようなことを続け、「俺は必要ないんだけどね、俺は必要ないんだけどね、こんなのがあると便利なんじゃないかと思うんだ」としつこく前置きをしたうえで、歌手の目の前に客席からは見えないスクリーンが出て、そこに歌詞が表示されると良い、俺は必要ないけど! と言っていた。「歌詞は全てこのターバンの中に、あっ、もうターバンじゃなかった!」と「ターバンじゃない」ことも何度かネタにしていたな。

新譜についてメンバーがしきりと「やばい!」「やばい!」と言っていて、橘高さん曰く、十四枚出してこれを作るってのがすごい、とのことだ。まるで新人バンドが作るようなすごいものを作ったらしい。「思春期にこれを聴いたら絶対に影響を受けて、同じ歳くらいのときに似たようなことをしようとするよ!」とオーケンが楽しそうに語っていた。こんなにメンバーが自信を持ってやばいやばいと連呼するなんていったいどんな内容なのだろう。早く聴きたいなぁ。

あと、オーケンがハチマキに黒い上着にドサッとしたズボンという自身のいでたちを「応援団みたいだ」と評し、変な声で「フレーッ! フレーッ!」と叫んだ後、着替えてくるから繋げといて、と内田さんに丸投げして珍しくオーケン一人がステージからいなくなった。

内田さんはちょっと喋った後、エディに振り、橘高さんだったかな。「○○での話をしてあげなよ!」とエディにすすめ、エディがトークをしてくれた。どこかの駅で新幹線に乗るとき、怖い人のお出迎えだかお見送りがあって、そのときエディは開いた襟のシャツを着て怖い格好をしていたのだが、どこかと連絡を取り合っている怖い人の一人はエディを見て「カタギです」と報告をしたのだそうだ。その筋の人からは「違う」のだとわかるらしい。エディは「四歳からピアノを習ってるお坊ちゃんですから!」と言って笑いをとっていた。

終演後は大満足で外に出て、ドリンクチケットで引き換えたビールを一気に飲み干し、ライブの余韻で浮かれたまま歩いていたら駅のエスカレーターで派手にすっ転び、膝を強打。激烈に痛い。しかも家に帰ってズボンを脱いだら血が出てて笑った。明日のライブも楽しみだ。

未分類不死鳥, 初参戦, 水戸華之介, 非日常

どうすっかなぁ。魅力的なライブだとは思いつつ、当初は行かない予定だったがやはり行きたくなってきた。しかし前売り券の販売はとっくに終了しているし、当日券は前売りよりも五百円高い、今月は卒業旅行があるから出費も多い、それに月末には既にチケットを購入済みの筋少のライブがある、と否定要素を挙げつつもそれでも行きたい気持ちがじわじわしている。

で、まぁ、結局行ってきた。水戸華之介ライブ【不死鳥007】! ヤマザキ春のパン祭りならぬ春のギタリスト祭り! The Dominatorsの杉本恭一、筋肉少女帯の橘高文彦、人間椅子の和嶋慎治をゲストに迎えた豪華ライブだ!

このゲストが本当に魅力的でね。橘高さんは言うまでもないが、ちょうど最近レピッシュと人間椅子も聴き始めたところだったので、そりゃ行きたくもなるわなぁ。特に人間椅子。人間椅子のアルバムはまだ一枚しか聴いてないが、そのきっかけはオーケンとみうらじゅんと人間椅子がコラボした「君は千手観音」という曲で、これは初めて歌詞でも歌声でもなくギターの音が気になって好きになったって曲なのだ。そのギターを弾いたギタリストが来るのだよ。俄然行きたくなるよなぁ。

とはいえ入場順は販売順というわかりやすい仕組みであるからして、当日券ではそうそう前の方にも行けないだろうから本日は後ろでまったり観るかぁ、でも見えるかわからんなぁ、だが見えなくても音は絶対聴こえるからまぁいっか、と思って当日券を購入したのだが、意外や意外、まあまあ前の方に行けた。順番通りの入場ではあったのだが、開場時間になっても未だ来ていない人が多かったらしく、さっさと中に入れてもらえたのである。土曜日だから忙しくしていた人が多かったのかもしれない。

さらに、見た感じステージが高く、前方はなだらかな斜面になっていて、後ろの人も見やすい工夫が凝らされていた。また、会場内は横長のつくりになっているため一列一列により多くの人が立つことができる。このライブハウス良いな。好きだな。

入場してからしばらくは自分の後ろに並ぶ人が少なく、何だよ何だよ人は来ないのかよと不安を抱いたが、ある時ふと振り返った頃にはびっしりと人が入っていて安心した。後は開演を待つばかりである。

開演時間を十分ほど過ぎたあたりだろうか。照明が落ち、身構えるが雪崩のような押しは無い。これは前回行った3-10Chainでも同じだったな。するとステージの上のスクリーンにライトが当たり、突如映画が始まった。………何だこれー!?

まずタイトルと「この映画はオカルト信仰を何々するものではありません」とお断りが入って笑いが起こる。このお断りの文章をきちんと覚えていないのがまことに惜しい。そして始まったのは、マイケルのマスクを被った謎の男性と黒人女性のデートシーン。女性はマイケルに愛を語る。マイケルはそれが真実かどうか女性に問う。女性が己のそれは真実の愛であることを訴えると、なんと! 謎の男はマスクを脱ぎ、そこに現れたのは―――水戸さんだ!

悲鳴を上げる女性! マスクを中途半端に脱いだままドアップで映し出される水戸さん! 悲鳴を上げる女性! そして映画が終わり、スクリーンが徐々に昇っていくとその裏には三人の人影が。高台に立つ中央はその名も水戸華之介! そして彼の両脇に立つ男は、マイケルに扮する…誰だ………?

仮面をつけた謎の男二人はダンスマンと言うらしい。二人が軽快に踊る中他のメンバーも続々とステージに現れ、そのままライブスタートとなった。最初の曲はまだ聴いたことのない曲で、「そっちの調子はどう」みたいな歌詞があったことを記憶している。以下、大変曖昧な曲目である。

「そっちの調子はどう」みたいな歌詞のある曲
君と瓶の中
「ラブ!」と叫ぶ曲
愛に愛はあるのかい?
唇にメロディ、心に牙を
これっぽっちの悲しみで
蝿の王様
誰だ
サイクリング
全ての若き糞溜野郎ども
でくのぼう
天井裏から愛をこめて
「キムと~」という歌詞の曲
世界が待っている
祈り
( )
~~アンコール~~
地図
( )
イエイエ

うーん、前半は「唇にメロディ、心に牙を」までは合っているはずだ。アンコール一曲目が「地図」、ラストが「イエイエ」ってのも間違いなかろうが、いつにも増してしっちゃかめっちゃかだ。三分の一ほどは知らない曲だったな。だけれども! ものすごーく楽しかった!

特に嬉しかったのは「蝿の王様」「誰だ」「全ての若き糞溜野郎ども」「でくのぼう」、後追いでアンジーの曲が聴けるなんて! しかも「蝿の王様」と「誰だ」は橘高さんのギターでだ! 今日は特別なお祭りなんだってことを感じた瞬間だった。

そして! イントロを聴いて、もしやこれはまさかあれか! とドキドキして、思わず叫びそうになったほど嬉しかったサイクリング! そうだよ! 水戸さんと杉本さんと橘高さんが揃うってことはこの曲をやる可能性があったってのに、露ほども予想してなかったんだ! だからこそ自分にとっては予想外の喜びで、いつかライブで聴きたいものだと漠然と考えていただけに、飛び上がるような思いだった。

水戸さん曰く、レピッシュと筋少のいいとこどりだそうで、水戸さんと杉本さんがボーカルをとり、橘高さんがあのギターソロを弾き、内田さんの野太いコーラスが格好良く、せかされるような怪しげな曲調にぐんぐん引き込まれた。。

そういえばこの日、自分は下手側にいたのだが、位置が良く内田さんも水戸さんも良く見えた。残念なことに橘高さんは少々見えづらかったが、今日の金髪はいつにも増してふわんふわんしていたように思う。出演を待つ間にふわふわに磨きをかけていたのだろうか。

最初のMCで水戸さんはマイケルの遺志は俺が継ぐ! と冗談を言って観客を笑わせ、今日はヤマザキ春のパン祭りならぬ春のギター祭りだと語ってくれた、ような気がする。それで、最初だったか次だったかは忘れたが、ギターの思い出を話してくれた。

水戸さんは昔ギターを買うために一所懸命新聞配達のアルバイトをしたそうで、それでようやくギターを手に入れたのだけれど、ギターを手にした瞬間に弾けるつもりでいたのに全然弾けない、何だこれは、なることを友人に話すと、そりゃ練習しなきゃ弾けないよと返される。水戸さん、俺はギターを買うために一所懸命新聞配達を頑張ったのに、この上まだ頑張らなければいけないなんて嫌だ! ってことで早々とその友人にギターを売ってしまったのだそうだ。わはははははは。練習なんて言葉はこの世から無くなれば良いとか言ってたなぁ。

ゲスト一人目の和嶋さんに水戸さんが「練習したの?」と質問をする。この答えがすごかった。和嶋さん、中学生の頃にギターを手に入れて、一日十二時間近く弾いていたそうだ。夕方から弾き始めて夢中になっているうちに、気づくと夜が明けているという状態だという。すげぇ。これには水戸さんも舌を巻き、才能とは努力を努力と感じないってことだ、というような話をし、俺も良い話をするのは苦じゃないから! 努力してないから! とオチをつけていた。

どの曲だったかな。和嶋さんと内田さんが並んで弾いているときに、弾きながら何かを話すか確認するかをしているようで、とても楽しげだった。その最中で内田さんがベースの上の方の弦に口を寄せていて、あれは何をやっているのだろうと思ったのだが、和嶋さんの弾き方を真似していたらしい。歯で弾くってすげぇな。

橘高さんの登場時にも水戸さんは「練習したの?」と質問をしたが、橘高さんは「練習? そんなの生まれて一度もしたことない」と一度とぼけてみせて、直後否定したくさん練習したと話した。

橘高さんは今回初めて不死鳥に出演することになったのだが、水戸さんは橘高さんに電話をして出演依頼をする前に、一度内田さんに打診してもらっていたそうである。曰く、二つ返事で断られたら俺傷つくからとのこと。わはは。

ゲストは和嶋さん、橘高さん、杉本さんの順で、次のギタリストを呼ぶ際に先に来たギタリストがソロを弾き、呼び出したら一緒に一曲やって、一曲終わったら先に来た方が退場する、といった形式だった。杉本さんが登場して橘高さんが退場すると、「杉本は半分メンバーのようなものだから気が抜けそうになる」と語っていた。

「愛に愛はあるのかい?」はこの間の3-10Chainのライブと合わせて聴くのは二回目になるが、今までの曲の中でも澄田さんのコーラスがかなり目立ってきて、メインボーカルである水戸さんの声を追いかけ追い越すようで、そこに内田さんの合いの手のような低く短いシャウトが入って、重なり方がとても楽しい。「唇にメロディ、心に牙を」は歌詞がこれだけで驚いた。ライブじゃ全然気づかんかったなぁ。まさに水戸さんを指すタイトルだと思う。

「蝿の王様」の「銭ゲバ! 銭ゲバ!」がすげー楽しかった。「全ての若き糞溜野郎ども」の「あの」箇所の盛り上がりったらなかったなぁ。ワーッと皆で手を上げて左右に振った。初めて聴いたときはこのメロディに何て歌詞をつけるんだとびびったものだ。

今回のライブで一番印象深かったのは何だろう、と考えると「世界が待っている」だろうか。好きな曲というのもあるが、これは素晴らしかった。照明が落とされ、まずはピアノの編曲でアコースティックっぽくゆったりと始まり、一番が終わったところで、かな? 突如演奏が元のバージョンに切り替わり、照明がステージを真っ白に照らし、天井から赤や青、緑、白、黄色の色とりどりの風船が降ってきた。見上げれば鮮やかな色が視界いっぱいに下りてきていて、落ちてきた風船を手に取るとビリビリと振動する音が手のひらに感じられた。

昔、耳の聞こえなくなったピアニストの少女が、風船から伝わる音の振動を感じて再び音楽を取り戻す漫画を読み、以来、一度そいつを体感してみたいなと思っていた願いが唐突に実現されて、こんなこともあるのかと思った。降ってきた風船を観客はポンポンとステージの方にはたき、弾んだ風船はあちこちの頭の上に戻ってきて、ゆるやかなバレーボールをしているみたいだった。

アンコール一発目の「地図」は、3-10Chainの中でも特に気に入りの、胸にガツンガツンと突き刺さってくる曲で、今日聴けたことが本当に嬉しい。前回の3-10Chainで聴けたときも嬉しかった。

最後の最後はギタリストが全員集合し、何の曲にしようかと思ったがシンプルなロックでということで「イエイエ」。このとき橘高さんが一人衣装を変えて登場した。それも不必要にヒラヒラとした真っ白のドレス。水戸さんがしばらく凝視していたのが面白かった。何となく、橘高さんは「格好良いから」ではなく受け狙いでこの衣装を選んできたような気がする。あえて不調和を作り出そうとしているというか、インパクトのためというか。フェスで白いドレスを着ていることが多いのもそういう理由ではあるまいか。

そんな橘高さんと書生姿の和嶋さんが並ぶと不調和どころの話ではない。そこに澄田さんもやってきて三人並んで立ったところで水戸さんが「同じ職業の人達とは思えない」とつっこんだ。全くである。

あぁ、そういえば、ここじゃなくてどこだったかなぁ。上手側で澄田さん、橘高さん、和嶋さんが並んだときだっけ。内田さんが一人高台の上に上ってベースを弾いていて格好良かったなぁ。内田さんが一人で目立つことは少ないので印象深かった。それと同じく高台で、本編終了直前だったかな、ダンスマンが再登場し、クラッカーを観客に向けて鳴らしたのだが、クラッカーから出た紙くずが内田さんに降りかかって紙くずが内田さんとベースに絡まり、絡まったまま演奏を続ける内田さんが面白かった。あれ邪魔じゃなかったかな。邪魔だっただろうな。ネックに思いっきりひっ絡まってたしな。

そういや橘高さんが登場直後、くるっと回ったときにギターが水戸さんの頭にぶつかりそうになったことがあった。慣れてないと危ないね。

ラストのイエイエでは四人のギタリストが順番にソロを披露。盛り上がらないわけがない。欲を言えば内田さんのソロも欲しかったところだが今日はヤマザキ春の、ならぬ春のギタリスト祭り。終演後もしばらくアンコールの拍手が鳴り止まず、トリプルアンコールが熱望されたが、ボーカリストが物販にいるため不可能であるとの放送がなされて笑った。

さて、何故水戸さんが物販にいるのかと言えば、何と! 本日先行発売される3-10Chainのベストアルバム「鎖の肖像」を購入すると、水戸さんからサインと握手をしていただけるとのサービスが! そりゃーもう、そりゃーもう、もちろん買いましたよ。買わないわけがない。家を出る前、財布にチケット代とドリンク代しか入っておらず、そのまま出ようとしたのだが思いとどまって追加をしてきて良かった。流石にそれだけでは不安かと思ってやめておいたのであるが、ここで追加しなかったらアルバムが買えないところであった。危なかった。

物販購入後、サインを待つ人々の長蛇の列に並び、ライブの余韻を噛み締めながら順番を待った。何か話そうか、どうしようか、と緊張した挙句、水戸さんを目の前にしてつい「こんにちは」と挨拶をしてしまった。挨拶、大切である。人と人とを繋ぐのは挨拶だ。しかしこの場では何か違う気がする。

慌てつつも気を取り直し、水戸さんにサインをしていただく間に「グレーゾーンの客なのでベストが発売されて嬉しいです」「欲しいけど、手に入らなかったので」と告白をした。ベスト盤の発売で、自虐と冗談を交えつつ、「コアなファンしかいないバンドだから皆ベストなんか出さなくてもアルバム持ってるよ!」「これからはグレーゾーンの客を増やしていこう!」と水戸さんが話していたからである。実際、自分はせいぜい半年程度のファンで、3-10Chainのアルバム四枚のうち初期二枚は廃盤になっているためレンタルでしか聴いておらず、アンジーも少しずつ集めている状態。まさにグレーゾーンと呼ぶにふさわしい。

水戸さんはにこやかに「珍しい! これから濃いゾーンに!」と言ってくださり、握手をしていただいた。舞い上がって「はい! 濃いゾーンに入っていきたいです!」って元気良く返事をしちゃったよ。水戸さんの手は温かくて柔らかかった。

サインしていただいたアルバムを大事に鞄にしまい、駅へと歩みを進めながら「客じゃなくてファンって言えば良かったなぁ」と反省したりしつつ、ニッコニコに笑いながら電車に乗って帰宅した。ライブの後はいつも満面の笑みを抑えきれなくなる。筋肉の動きがニヤニヤじゃなくってニコニコなのだ。あぁ、迷ったけど行って良かったなぁ。楽しかった。

そうそう。今回は前回の3-10Chainより水戸さんの声がよく聴こえた。この間は内田さん前の最前付近に立っていたからベースの音はズンズン響いてきたが、水戸さんの声はやや聴こえにくかったんだよな。これくらいの位置だと観るのも聴くのもちょうどが良いね。

後日、水戸さんのブログにセットリストが掲載されたので転載を。

[オープニングビデオ]~BGM
~水戸 with ダンサー
~メンバー IN
1.生きてるうちが花なのよ
2.君と瓶の中
~ダンサー OUT
3.霧の中
MC
4.愛に愛はあるのかい?
5.唇にメロディ、心に牙を
MC~和嶋 IN
6.孤独の叫び
7.これっぽちの悲しみで
MC
8.蠅の王様(~橘高 IN)
~和嶋 OUT
9.誰だ
MC
10.サイクリング(~恭一 IN)
~橘高 OUT
11.キムとキリムのダイジョーブ!
12.すべての若き糞溜め野郎ども
13.沈没船
~恭一 OUT
14.世界が待っている(~ダンサー IN)
15.でくのぼう
~ダンサー OUT
16.天井裏から愛を込めて
17.センチメンタルストリート

En.1
地図
祈り
En.2
Yeah! Yeah!(G.×4)

未分類のほほん学校, 大槻ケンヂ

オーケンのトークイベントであるのほほん学校に行ってきた。本日はオーケンの四十四歳の誕生日ということでイベントタイトルも「オーケン44バースデー・スペシャル!」とそのまんまである。初めて参加するのほほん学校が誕生祝いイベントとは縁起が良い、ような気がする。しかも後で知った話だが、本日は父方の祖父の九十五歳の誕生日でもあった。身内の誕生日によそのおっさんの誕生日を祝ってくるなんて妙な話である。じーさん誕生日おめでとう!

整理番号は百五十番台だった。聞いた話によると、満員御礼の場合には椅子が足りなくなって立ち見客もでるそうで、できたらなるべく座って観たいなぁ、つっても百五十番台ってどうなんかなぁ、と、ロフトプラスワンがどのような内部構造をしているのか把握していないため不安がっていたのだが、まぁ、何とかギリギリ座れた。中央ではなく、下手側の奥まったところに設置された丸椅子しか確保できなかったが、そこは少し段が高くなっていたので問題なくステージを見ることができた。

しかし流石誕生日。席は確保できたものの会場内はぎゅうぎゅうづめで、ちょいと出歩くのにも苦労する。ドリンクカウンターでビールを一杯いただきたかったが、人込みでドリンクカウンターがどこにあるのかすらわからない。仕方なくドリンクは終演後にすることにして、大人しく開演を待つことにした。

開演までの待ち時間も、スクリーンでアウェーインザライフの告知映像やボヨヨン伝説、パティーサワディーのPVなどが流されていたので退屈することはなかった。ボヨヨン伝説の開き直りっぷりというか、やけくそ気味な映像はすごいな。そうこうしているうちにバースデーソングのSEが流れオーケンが登場。おお、帽子もターバンもつけていない珍しい姿だ。結構髪が伸びたなぁ。なんて思っていたらオーケンが己の髪を指して「可愛いでしょ?」とあのボースカ用の裏声で言った。この時以外でもたびたびボースカの声になることがあり、オーケンは体を三分の一くらいボースカに乗っ取られかけているのではないかと思った。

最初のゲストはオーケンがネットで集めたバンドメンバーの一人、ファンタさん。ファンタさんはこのたび新しくバンドを結成したそうで、名前はフリークスになる予定だと言う。予定と言うのは、先にこの名前を使っているバンドがあるかどうかまだ調べてないためらしい。彼の相槌や突っ込みでオーケンのトークは進行していった。

まずオーケンは去年禁酒を始めた話をし、直後に禁酒ができなかったことを告白し、開始早々ビールとポテトチップスを注文してファンタさんに「最悪の組み合わせじゃないですか」と突っ込まれていた。で、そっから始まったのが去年のフェスでの話だったかな。カウントダウンジャパンでPerfume、筋少、木村カエラという順番だったのだが、Perfumeが終わった途端客席がガラガラになって心が折れそうになり、橘高さんと励まし合った、でも直前になってお客がやってきてほっとした、という内容。

それからカウントダウンジャパンの映像を、ってことでスクリーンに「おもいっきりDON!」で大西ライオンが筋少のステージに乱入するまでのくだりを撮影したものが映された。これ見られなかったから嬉しかったなぁ。大西ライオンの出オチ後の処理の仕方をスタジオの芸人達に褒められていて笑ってしまった。

そんでお次が大槻ケンヂと絶望少女達のダイジェスト映像の一部。七人もの若い女の子と並んでステージに立つオーケンが映り、これとエディや長谷川さんも含めた六人で並んで歌った「じーさんはいい塩梅」を想像して比較してください、みたいなことを言っていた。

あとはもう順番は忘れてしまったが、大槻ケンヂの生涯を振り返るということでオーケンの幼い頃から現在までの写真が公開されたり、小学生のオーケンがショックを受けたという「ウルトラマンエース」の映像が流されて、これはしばらく観て客もその内容に驚いていた。これが子供向け番組の内容なのかよ…。

オーケンは誕生日だということで自分へのプレゼントにギターを買ったそうで、本日それをお披露目してくれた。二人目のゲストとして登場した特撮のサポートベーシスト高橋竜さんによると「とても良いギター」だそうである。そして高橋さんを先生としてステージで公開練習会が行われ、オーケンは「いとしのエリー」と「あのさぁ」を頑張って弾いたが、美味しいところは高橋さんに全て持っていかれていた。

ギターを練習して十年後弾き語りの旅に出ることがオーケンの目標だそうである。その初ライブは十年後の今日に八王子のライブバーX.Y.Z.→Aでやりたいから今からファンキーさんに予約しておこう、と話していた。果たして実現されるのだろうか。実現したらすげぇなぁ。

途中何度か休憩を挟み、休憩中はスクリーンにPVが流された。最初の休憩でオーケンは「世界中のラブソングが君を」を映してと支持を出そうとしたのだが、「世界中のアレがアレして」とぐちゃぐちゃなタイトルになってしまっていて笑った。自分で名付けた曲なのに! まぁオーケンらしいよなぁ。

あとオーケンのヌンチャク映像なんてのもあったな。オーケンがヌンチャクの技を披露する姿をビデオに撮ったもので、目隠ししてヌンチャクをぶん回す技もあった。しかしこれ、スタッフが音声を撮り忘れたそうで、無音の映像にオーケンが「アチョーッ! アチャーチャチャチャチャチャ! アチョーッ!」とまるで昔の映画みたいに脇から声をあてていて、それが映像と微妙にずれていたり、たまにボースカが混じっていたりして大変おかしかった。

しかもヌンチャク映像はこれだけではない。ヌンチャクがどのように動いているのかわかりやすく見せるために、オーケンがヌンチャクを振るう姿をスローモーションで撮った映像も流された。オーケン曰く、ヌンチャクとは遠心力で振るうものだそうで、鎌ヌンチャクも出来るとの話である。日夜見えない敵を相手にヌンチャクをぶん回して戦っているそうだ。

そして。今回一番面白かったのがゲスト、活弁士山田広野さんによる「世界中のオーケンファンの声を集めた映像」だ。映画「This is it」の映像を無音で流し、そこに出てくる人々に山田さんが創作した声をあて、さらにThis is itの映像の間に筋少やオーケン関連の映像を挟んでさも「オーケンファンをインタビューした映像」らしく仕立てたものである。なんつーか、MAD作品みたいな感じかなぁ。そのままDVDにして売り出してほしいくらい良く出来た作品で腹を抱えて笑った。

どんなもんかと詳しく説明すると、This is itを観てないため正確なところはよくわからないが、多分「マイケルのどこが好き?」みたいなことをインタビュアーが世界中のファンに尋ねて、「私はマイケルの大ファンよ! CDを何枚も持ってるわ!」「俺が一番影響を受けたアーティストさ…。彼なしに俺の人生は語れないね」みたいなことを人々が喋り、彼らの話に合わせて関連するマイケルの映像をまるで回想するような形で挟み込む、といったものだと思う。それを無音にして、「オーケンは最高よ! 彼に勇気をもらったわ!」「僕は印度が好きでね。日本にも印度があると教えてもらったよ」「私は橘高さんのファンなの! 彼に憧れて私も金髪にしたわ!」というようなことを喋らせ、つぎはぎで筋少の映像を挟み込む、ような感じだ。伝わるだろうか。

これのラストがツアーファイナルのPVの出だしのところで、内田さんが乾杯の音頭をとるところを無音にして、「ケンちゃんとは長い付き合いだけど…うんぬんかんぬん、お誕生日おめでとう!」というような、絶対に内田さん本人は言わないようなことを喋らせていてとても面白かった。

この後はカラオケだったかな。ユニコーンの「WAO!」、チャットモンチーの「風吹けば恋」、布施明の「君は薔薇より美しい」をとても気持ち良さそうに歌い、のほほん学校は終了した。ちゃんとした形で歌ったのは「SWEETS」だけだったかな。終演後人が空いたところでようやくドリンクカウンターを発見し、ビールで咽喉を潤して、帰り道にあった果物屋で串刺しのいちごを購入してそいつを食って帰宅した。トーク主体のイベントってのには初めて参加したけど結構面白かったな。ゆったりできて楽しかった。

あ。そういや今日のオーケンの挨拶は「お誕生日ありがとうございます」だった。オーケン、お誕生日おめでとう!