確かに己は好きだった。
2022年3月11日(金) 緑茶カウント:0杯
確かに己は好きだった。
およそ十年前、ツイッターで面白いツイートを繰り広げる彼に興味を持ち、公式サイトに行って。そこに掲載されたテキストを読んでぐんぐん惹き込まれ、そうだきっかけは文章だった。そして掲載されていた全てを読み込み、本を買って、ファンである友人からCDを借りてさらに転がり落ちて、いつの間にやらファンクラブに入会しコンプリートボックスを購入していた。
それから初めてライブに行って、実在する彼を目の前にして感動し、会報誌を喜んで読み、ファンイベントで最前列を得て、投稿していた己の悩みに対する回答を得られ、つらいときにも彼の音楽と文章は心の支えになってくれて、本当に心から大好きだった。
過去形になってしまったことが悲しい。
作品と作者は別物だ。しかし割り切れないこともある。今回はどうしても割り切れず、落胆が募った。そんなことは自分勝手に他ならない。勝手に幻想を抱いたこちらが悪い。ただ、それでも。
十年前、彼に出会ったとき。屈託なく文章と音楽を楽しめて、ライブに熱狂できた。そんなひとときを得られたことに感謝したい。そしてその思い出と買い集めたCDを大事に大事に仕舞っておいて。いつかまた、己の中で心の整理ができたときに。封を開こうじゃないかと思う。
ファンクラブの更新を見送った悲しみを未だ整理できないまま、ひとまずの吐露。
しばらくさようなら、平沢進。確かに己は好きだった。