緊急開催大決定!GWのほ学だよ、行くとこないやつみんな来い!どうなる筋少ニューアルバム『蔦Q』!? (2010年5月2日)

オーケンのトークイベントであるのほほん学校に行ってきた。タイトルは「緊急開催大決定!GWのほ学だよ、行くとこないやつみんな来い!どうなる筋少ニューアルバム『蔦Q』!?」である。長い。

十八時半開場十九時開演、終わったのは二十一時四十分くらいかな。およそ二時間四十分に渡り時に爆笑、時にぐだぐだ、楽しませていただいた。まず夕飯に松屋へ入り牛丼の並を食して新宿ロフトプラスワンへ。前回来たときと同じ、下手側の奥の段差があって見やすい位置を陣取り、ビールを呑みつつトークを聴いた。前回はドリンクカウンターの位置がわからなかったため終演後にドリンクを引き換えたが今回は把握しているので大丈夫だ。休憩中にもう一杯追加で買って、そして家では発泡酒。ビール呑んだ後の発泡酒はどうしても薄く感じてよろしくないな。

開演を待つまでの時間はスクリーンに映されたCDJでの映像やこの間発売された「どこへでも行ける切手」のDVD映像を眺めて時間を潰した。いやーこういう時間潰しを用意してくれるのは親切で良いなぁ、と思ってる間にオーケン登場、しかし! ステージの上手側に何故かトマトジュースらしきものがこぼれているという謎のハプニング! どうやら前の出演者がこぼしたものらしいが、それにしても何故トマトジュースらしきものが。スタッフに要請して謎の液体を拭いてもらいつつ本日一人目のゲスト登場。アウェーインザライフの脚本家楠野一郎さんである。と、いうわけでまずはアウェーインザライフの話から。

アウェーインザライフの稽古をオーケンが見に行った話、その時オーケンが持っていったお土産が、歌を歌って台詞を喋ってと稽古で役者は咽喉がカラカラになるのに何故かパンだった話、しかもオーケンは稽古場見学に行く話をしていたのに楠野さんと待ち合わせ場所で落ち合ったとき、近くにある柔術道場を見に行かないかと誘った話、などがされた。お土産については楠野さんのブログに詳しく書かれていて、ブログで突っ込まれていたこととほぼ同じことをオーケンにぶつけていた。何故パンなのか。何故出演者は二十人近くいるのにパンは七つなのか。ロールケーキやハムのパンはともかく味の無いバターロールを選んだのは何故か、などなど。

パンが七つなのは七人の侍に関係して云々かんぬん、いくつかの映画の話を持ってきて、七という数字が重要であること、二十人のうちの七人こそが選ばれし者であり、みたいな話をしていたが、おかしくて忘れてしまったなぁ。ビール呑んでたし。何かあったらアルコールのせいにすれば良いと思っている面は、まぁ、否定できない。すまん。

柔術道場に見に行かないかと誘った件については、オーケンはギターの他にも何か始めたいと考えているそうで、その何かってのが武道の類らしいのである。それも東洋と西洋両方を一つずつ。昔空手をやっていたんじゃないのかなることを楠野さんに聞かれ、続かなかった的なことをオーケンは語っていた。

あと何だっけ。オーケンは演劇に興味があるのかって話になって、楠野さんに演劇興味ないでしょ、というようなことを言われて、いや、俺は古くから演劇に触れていた、とケラさんの話を持ち出してオーケンは語っていた。そこで有頂天は演奏の合間にコントを挟むバンドだったけど、あるときから急にコントの内容がシュールになって、その瞬間を目にして驚いた記憶があるとオーケンは語っていた。それで有頂天に在籍していたおいちゃんの演じていたシュールなコントを再現し、その再現のひどさから楠野さんに演劇とケラさんと本城さんをコケにしてるでしょ! とつっこまれていた。あと一人ケラさんとおいちゃんの間に名前が挙がっていたのだが、それについては忘れてしまった。オーケンは笑いながら「そんなことはない!」と否定していた。

オーケンの物真似ってのがまた似てなくて、この後にみのすけさんと、どういう流れかは忘れたがX.Y.Z.→Aのニイハラさんの声真似もしていて、ニイハラさんの方はどう聞いてもボースカの声にしか聞こえなかった。というよりオーケンが声の高い人の真似をしようとすると全てボースカになるんだよな。

それでそうだ、アウェーインザライフにからめて「蔦からまるQの惑星」発売の告知もして、ジャケットを発表っつって出されたのがあれだよ。爺さんの顔写真の上に「蔦からまるQの惑星」と書かれた透明の下敷きのようなものを重ねたり、前のオーケンが十歳の頃としまえんで描いてもらった似顔絵に蔦からまるQの惑星、その時オーケンのお父さんも似顔絵を描いてもらってそれにも蔦からまるQの惑星、さらにまたもう一枚似顔絵が増えて、それが何とその人の背後霊まで描いてくれるという似顔絵師、スクリーンに映されたオーケンの似顔絵の後ろにはゴーグルを額につけた謎の海パン男子が! それに蔦からまるQの惑星! 腹を抱えて笑った。最初のお爺さんの写真は誰だか知らなかったのだが、オーケンのお父さんだろうか。わからない。わからないけど笑った。

で、嬉しかったのが、「蔦からまるQの惑星」に収録されている「捨て曲のマリア」の完成版とデモ版を聴かせてもらえたことだ! アルバム発売前に曲を聴けるだけでも嬉しいのにデモ版までとは、大サービスだなぁ、嬉しいなぁ。個人的一番の目玉はこれだった。

まずは完成版の「捨て曲のマリア」を聴いてから、いっちゃん最初の「鼻歌版」へ。楽器の出来ないオーケンが鼻歌で作曲するのはファンの間では有名な話だが、鼻歌状態のものを聴くのはこれが初めてだ。どんなものだろうかと耳をすますと………鼻歌ではなく、熱唱である。しかもノリノリだ。

「ふ~んふふ~んふふふ~ん♪」のようなものを想像していただけにこれには驚いた。さっき聴いたばかりの完成版から曲を抜いたものにほぼ近い。曲が作られてない状態でよくぞここまで歌えるものだと感心するほどだ。いや、歌や曲の作り方をわからない素人が言うのも何であるが。

この鼻歌版はスタジオで録音されたそうで、オーケン曰く、スタジオにはビデオカメラがついているから、大槻ケンヂが入ったぞ、何してるんだろう、とスタジオのスタッフに、楽器も使わずノリノリで足でリズムを取りながら熱唱する姿を見られたかもしれない、とのことだ。鼻歌版にはきちんと手で腿を叩いてリズムをとる音も録音されていた。ちなみに、昔はペンで机か何かを叩いてリズムをとって録音していたのだが、あまりにふざけているとNARASAKIさんに怒られて以来それはやめたらしい。………あまり変わらない気もするが。

この鼻歌版を内田さんに渡して曲を作ってもらったそうで、その第一段階はジャズ風のものだった。音はズンドコ、いや、ズンボコかな。完成版よりもムーディーで、ズンズン響く感じがする。しかしこれ、オーケン的には少し違うらしい。というわけで、TOTOっぽくとイメージを伝えて作り直してもらったのが第二段階、これを元にしてレコーディングをしたそうだ。

この第二段階も聴かせてもらい、その後に再び完成版を聴いたのだが、ほとんど曲調に変わりはないものの完成版の方がずっと筋少らしい。第二段階だと格好良いのだが「らしくない」感じが強すぎるのだ。いったいどこに違いがあるのだろう、と考えるまでもなくわかった。橘高さんのギターの有無の違いだ。橘高さんの「ギュワーン」というギターの音が入るだけで一気に筋少らしくなるのだなぁ、て思ったね。

おいちゃんの持ってくるデモはいつも完成されていて直すところがないそうだ。これは初耳で驚いた。おいちゃんすごいなぁ。

この後かな? 流れは忘れてしまったが、オーケンと水野美紀さんの演技対決ビデオが流された。「稽古を見てたけど、あれくらいなら俺にもできる」と嘘くさく豪語するオーケンと水野さんに同じお題を出してそれぞれに演じてもらうというものである。ちなみに水野さんは九時間の稽古の後このビデオを撮るために演技をしてくれたのだそうだ。しかもその頃にはオーケンは既に帰っていたそうだ。ひでぇ。

お題は「うきうき気分で家を出たら犬の糞を踏んでがっかり」「愛する人を守って銃で蜂の巣にされる」「コンビニで肉まんを買って食べたら腹からエイリアンが出てきた」というもので、加えてもう一つ、オーケンのみ「殺人拳で恩師を殺してしまう」なるお題が出されたが、結果は言わずもがなである、っつーかオーケンはそもそも演技をすることに照れていて、始終ニヤニヤしていたりやたらと変な顔を作っていたりしていた。対して水野さんの迫真の演技はすごい。何というか漢らしい。特に三つ目のお題「コンビニで肉まんを買って食べたら腹からエイリアンが出てきた」では、本当に肉まんを頬張っているように見えるリアリティ、腹に異常を感じながらも尚も肉まんを食べ続ける食い意地、服に手を突っ込んでドーンと突き出しエイリアンが腹を破る様を表現するときの大胆な動き、表情! 格好良かった、すごかった。面白かった、笑えた。

綺麗な人が顔を崩すことを厭わず、すごい表情や動きをしたりするってのは格好良いなぁ、美しいなぁ。大好きだ。

他にもオーケンはコーナーを用意していたそうなのだが、思わぬところ、どこかっつーとパンのくだりなのだが、そこで時間を使ってしまったため全部消化することはできず、また来てくださいねと挨拶をして楠野さんは退場。しばしの休憩を挟み第二部へ。休憩時間中は「どこへでも行ける切手」のハイライトシーン、おサル音頭の映像が流されていた。この隙に温くなったビールを飲み干して新しいビールを買いにドリンクカウンターへゴー。受け取った後段差に気付かずバランスを崩してちょっとビールを零してしまった。人にかけることはなかったが、右の袖を通ってビールが腕を伝っていき、自分の席に戻ってから腕まくりをしてハンカチで拭ったもののベトベトは残ったままで、自業自得ではあるもののこれはちょっと嫌だった。

第二部のゲストは末飛登さん。筋肉少女帯の元マネージャーで、ステーシーあたりの時代にオーケンと「T.P.M」という遊びのフォークバンドを組んだり、いくつかの曲にコーラスを入れたりしていた人だ。自分の中では末飛登さんと言うとまず思い浮かぶのは「お散歩モコちゃん」である。よって、末飛登さんが登場してからしばらく脳内BGMはお散歩モコちゃんだった。ラ~ラララララララ~♪

ということでT.P.Mで地方ライブをしていた頃の映像が流された。「長髪の頃の俺だ!」と昔の自分の映像を見て驚くオーケンが面白い。おっかけてきたファンの女の子達がしょっちゅう画面に映り、彼女達を見てオーケンが「知ってる人だ!」と懐かしそうにしていた。

そして盛り上がったのが妊娠、出産の話である。二ヶ月ほど前に末飛登さんは娘さんが生まれたそうで、そのことに対しオーケンがひどく関心を抱いていた。妊娠すると奥さんはどうなるの? 酸っぱいものや壁土が食べたくなるって本当? マタニティブルーってあった? 子供が生まれると変わる? などなど。オーケンは結婚はしたいとは思わないが子供は欲しいと思うそうで、散々質問した挙句末飛登さんに婚活をしたらどうかと勧められたら困ったような顔をして話題を変えてしまった。そうそう、それで末飛登さんに携帯電話で娘さんの写真を見せてもらったときだ。「あの」ボースカの声になって、「いやーんかわいー、パパでしゅよー」なることを呟いていて末飛登さんに突っ込まれていた。「パパでしゅよ」はだめだよな、そりゃ。わはは。

この後だろうか? 公開ギター練習へ。練習してるけどなかなか上手くならない、ギターを始めてからいかに橘高さんと本城さんがすごいかわかったとオーケンは語った。それで何だっけ。家で練習したときはもっと上手く弾けたのに! なることを言ったら橘高さんに怒られたそうだ。橘高さんがプロデュースしている若いバンドの子も似たようなことを言って怒られたらしい。オーケン……。

曲目は「あのさぁ」「オンリー・ユー」「猫見に行ったら犬がいた」「テレパシー」「Guru」…の他にもあったな、確か。順番もぐちゃぐちゃである。ただ、やたらテンポが速かったり、途中で立ち止まったりはしたものの、結構様になってたよ! すごいよ! 前に見たときよりも上達してるって! などとネットに書くとどんどん話が大きくなってハードルが上がるから困るそうだ。でもなー。本当、弾き語りライブも夢じゃないと思うなー。飽きなければ。

ってな感じで盛りだくさんののほほん学校は終了。最後の方でオーケンより「皆さん連休を持て余してください」なるありがたいお言葉をいただいてロフトプラスワンを後にした。終演後にかかった最初のBGMは「アウェー イン ザ ライフ」。もちろん最後まで聴いてから外に出た。

明後日のレピッシュとの対バンライブも楽しみだ。こんな近くに楽しみが集中しているなんて贅沢だなぁ。