未分類筋肉少女帯, 非日常

今日も行ってきたぞ! 「蔦からまるQの惑星」ツアー二日目! しかし開演前のアナウンスでは昨日と同じく「蔦からまるQのツアー」だった。渡されたメモが間違っていたのだろうか。大したことでは無いがやや気になる。

ところでだ。今回は、ついに初めて! 自発的に橘高ゾーンに行ってきた。まだライブ慣れしていない頃に人の波に流されて橘高ゾーンに来てしまったときはそのあまりの激しさに対応できず、散々な結果に終わってしまったが今回は! ばっちりと堪能することが出来た! 多少なりとも経験値を積んだ結果だな!

ただし上手前方にいたために、ギターとベースの音はよく聴こえるのだがボーカルは少し聴こえづらかった。おかげで今日のオーケンは歌っている姿よりも喋っている姿の方が印象に残っている。やはりバランス良く音を聴くにはもう少し下がった方が良いのだろう。でもついつい前方に突っ込みたくなるんだよなぁ。行けるうちには行っときたいのだ。

本日のセットリストは以下の通りである。昨日と似た構成であるため覚えやすかったが、イワンのばかの位置だけ曖昧だ。とはいえここ以外に入る場所は無いよなぁ…。暁のロシアの家なき子が人形抱えて蓮華畑、ダメなエンジェル、モコモコツアーファイナル、香菜とドライブ境目サンフラアデイ、という覚え方だったのだ。

アウェー イン ザ ライフ
レセプター(受容体)

仲直りのテーマ
ワインライダー・フォーエバー(筋少ver)

あのコは夏フェス焼け
暁の戦力外部隊
ロシアンルーレット・マイライフ

家なき子と打点王
爆殺少女人形舞一号
蓮華畑

踊るダメ人間
心の折れたエンジェル
イワンのばか
モコモコボンボン
ツアーファイナル

~アンコール~

香菜、頭をよくしてあげよう
若いコとドライブ~80’sから来た恋人~
境目のない世界
サンフランシスコ
ア デイ イン ザ ライフ

「蓮華畑」も予想外だったが、それ以上に嬉しかったのは「境目のない世界」をやってくれたことである。ライブで聴いたのは初めてだ。筋少の中では珍しくアダルトテイストの漂う曲だが絶妙なバランスで下品さを感じさせない。直接表現がほとんど無いところも、オーケンの歌詞が好きな理由の一つなんだな。意識的か無意識的かはわからないが、オーケンの中で「詩」はエッセイや小説とはまた別の位置に置かれているように思う。その違いが興味深い。だってエッセイや小説じゃあれだけ下ネタや性表現を使う人なのに、歌詞にはほとんど出てこないんだぜ。猥談も好きな人なのに。だからこそ、「歌詞」に対する思い、「歌」に対する思いは特別なのかな、と思ってしまうのだ。わからないけどね。

初っ端は昨日と同じくアウェー イン ザ ライフ! いつかのライブで一曲目がツアーファイナルだったことがあったので、今日はあえてアデイ イン ザ ライフから始めたりするかな、と思ったが変化球は来なかった。次のレセプターも昨日と同じ。間奏の語りがカットされているのが少々残念。間奏では「筋肉少女帯でーす!」と挨拶してたかな。

ここで最初のMC。今日のライブは特別なライブ、何と筋少は明日でデビュー二十三周年を迎えるとのことで、今日が最後の二十二年目とのことだ。これはおめでたい! そしてオーケン、内田さん、エディの三人も明日でデビュー二十三周年! おおおおお。何だか感慨深いなぁ。

二十三年間いろいろなことがあったと話すオーケン。頷く内田さん。ここでオーケン、デビュー当初の自分は女の子の胸を掴んで「モーレツ~」と言わせてモーレツア太郎に入っていた、でも今過去の自分に会ったら説教したい。それは当時は面白かったかもしれないけど、四十四歳になると恥ずかしいんだよ! と。何歳までは恥ずかしくなかったんだろうか。

しばらく思い出話のようなMCは続く。橘高さん曰く、オーケンは何度もバンド名を変えようとしたとのこと。だがオーケンは記憶に無いらしく、「嘘! どんなバンド名にしようとしたの?」と驚いた顔をしている。「良いのが思いつかなかったから変えなかったんだよ」とは橘高さん。そして話題はそのままバンド名に関することに。オーケン、二十三周年に入るのに未だ名前を「筋肉少女隊」に間違えられる。聖飢魔IIのデーモン小暮閣下がバンドの綴りを間違えられることを怒っていたとき、それくらいのこと…と思ったが、帯の字を間違えられるとやっぱり頭にくるとのこと。確かに。CD屋に行ってバンド名が間違ってないとむしろ喜びを感じてしまうものな。期待値の低さが我ながら悲しい。

思い出話から仲直りのテーマ、ワインライダー・フォーエバーへ。ラインライダーの掛け合いでは昨日と同じく全員楽器を外し、ハンドマイクを握って叫んでいた。今日も失敗は一つも無くバッチリ成功! 橘高さん前にいたので橘高さんと内田さんがよく見えたのだが、橘高さんは「腕に!」と叫んだとき左の二の腕に触れるポーズをとっていた。観客含め全員で声を合わせての「クランクアーーップ!!」は格好良くも気持ちが良い。「ウ、ハッ!」のところでは客が拳を「グー、パー」と動かしていて、それを見たオーケン、同じようにしないと悪いかなと思ってグー、パーの振りを真似したそうだ。

振りの話で、エンゲキロックの「アウェーインザライフ」にゲスト出演したとき最後に踊るダメ人間をやって、内田さん達は初めてダメジャンプをしてみたがきつかったそうだ。それでオーケン、ダメジャンプの部分はきついから曲の長さは半分で良いんじゃない? と言うと客席から不満の声。「皆マゾなんだよ」と橘高さん。「じゃあ二倍にしよう」と内田さん。「ドSかよ」と橘高さん。オーケン、タオル回しもきついけど皆やったことある? と聞くとやったことがあると答える内田さん。意外そうなオーケン。橘高さんが「内田はいつもやってるよ」と教えていた。

他にここではテレビの話と夏フェスの話を。昨日のMCで、家に帰ってもワールドカップなんか見ずにテレ東の鬼平犯科帳を見ろ、見てるかどうか明日クイズを出してチェックをするからな、と言っていたのだが、鬼平犯科帳はテレ東ではなくフジテレビだったことをまず謝罪。エンゲキロックがTBSのお世話になっているため他局の番組を薦めるのは控えようかと思ったが、テレ東なら良いだろうと思ったのに意味が無かったとのことだ。

そのうえオーケンも鬼平犯科帳は見ていなくて、「ようこそ☆おちこぼれカレッジ」という、どこの大学にも受からなかった主人公が、しかし落ちたことを言い出せず、ついに自分で大学を作ってしまい、するとどうしようもない人間が山ほど集まったが最終的には良い大学になった…ようなストーリーの映画を見たそうだ。「絶対筋少聴いてるような奴だよ!」とオーケンに言われる主人公。オーケンは自分のファンをどんな奴らだと思っているのだろうか。

そして夏フェスの話題。いつもライブに来てくれている筋少ファンが夏フェスでは少ない、だからもっと来て欲しいと昨日言ったけど、物販の湯飲みが完売した報告を受けて、あぁ、湯飲みが完売するんじゃしょうがないなと思った、皆さん湯飲みでお茶を飲んでらっしゃるんですね、もういいです、と諦めるオーケン。そして「せめて次の曲で夏フェスの気分を味わわせてやるぜー!」と叫ぶと客席から勢いよく「おー!!」と声が返ってきて、「味わいたいんだ…」とオーケンが苦笑した。わはは。

あのコは夏フェス焼け、暁の戦力外部隊までは昨日と同じ流れ。暁の戦力外部隊は昨日は間延びした印象を受けたが今日は決まったなぁ。たった一日で変化してくるのだから面白い。

ここから昨日と変化してロシアンルーレット・マイライフ! 楽しいけどきつい、きついけど楽しい。拳を振り上げて叫んでいるうちに脳がだんだん馬鹿になっていく感覚が生じる。トビマストビマス! 印度じゃないのに!

で、だ。次のMCがすごかったなぁ。メンバーがステージを去った後エディと長谷川さんとの会話になって、それからおいちゃん、内田さん、橘高さんの順でオーケンがメンバーを一人一人ステージに呼び込むのだが、何と内田さんがビワを手にしてやってきた。しかも実だけではない。枝つきの。いや、むしろビワの実がついた枝と表現する方が正しいだろう。枝がでかいのだ。

今日オーケンが楽屋に入ると内田さんがビワを片手に立っていて驚いたことから話は始まる。何故こんなものを持って内田さんは立っていたのか。それはエディが原因だった。内田家の庭にはビワの木があり、毎年大量に実が成って処分に困っている。そんなわけでこの間ビワを友人にあげたらしい。それを聞いたエディが自分も欲しいと言ったので、今日持ってきたのだそうだ。しかしエディ、欲しいと言ったとき「うちまで取りに来て」なることを言われて面倒くさくなり、昨日の帰りに美味しいビワを買って冷蔵庫に冷やしているとのこと。よって「もういらない」と持ってきたビワは断られ、そして今に至るということだ。

持ってきた枝に蜘蛛の巣が張っていたことによってエディの食欲が減退されたことも拒否の理由の一つらしい。枝を持って勧める内田さん、拒否するエディ、おいちゃんはどうかと振るオーケン、「内田の家にビワだけはいらない」と何故か頑なに拒否。最終的に持て余されたビワの枝は橘高さんのマーシャルアンプの壁の間にぶっ刺された。オーケンとおいちゃんが話をしている間にこっそりやったことで、イタズラを仕掛けた子供のように突っ込まれることを期待していたように見えた内田さんだったが、しばらく誰も気付かずビワはスルーされていた。だが、照明さんは気付いてくれたのだろう。ビワにスポットライトが当たっていた…。

ようやく橘高さんがやって来てギターの話に。ギターを習い始めたばかりのオーケンに早くソロが弾けるようになると良いねと橘高さん。するとオーケン、俺は弾き語り派だから云々、トンボとか歌うの、なることを喋る。弾き語り派って何だよと橘高さん。あれ、この前だったかな。おいちゃんとは最近ギターの話ばかりしているとオーケンが言って、おいちゃんがそんなにしてないよ、ビワの話の方が多いよと突っ込みを入れ、橘高のピックよりおいちゃんのピックの方が使いやすいからちょうだい、とおいちゃんにピックをねだって一枚もらっていた。何故今ここでもらうのだ。

ギターの話から昨日と同じく、橘高さんにメンバーがリクエストをし、お題に沿ったギターソロを即興で演奏するという大サービスを見せてくれた! 上手の定位置に橘高さん、下手に内田さん、オーケン、おいちゃんが並び、マイクを持った内田さんがあれとあれとあれ、とリクエストをする。何とかオフって言ってたかな。ライトハンドを希望したのはオーケンかな。あー、これはギターを知ってる人だったらもっと楽しめたんだろうなぁ。

この即興演奏を目の前で見られた。正直な話何をしているのかわからないが、橘高さんの奏でるソロからイメージする音よりも、ガシガシギシギシした硬く力強い音だった気がする。ちゃんと記憶できないのが惜しい。そのまま昨日と同じく家なき子と打点王へ。昨日よりもコールアンドレスポンスが決まっていたように感じる。間奏部分では橘高さんはエディのところまでは行かず、上手と下手で大バトル。あー、もう、たまらないなぁ。

照明が落とされると爆殺少女人形舞一号へ。アルバムに無いピアノの調べから始まりアルバムのイントロに繋がる。タイトルのごつさと曲調のギャップが激しいといつも思う。ピアノの後の「ジャーンジャーン」と響く、あのギターが好きだ。あの重く暗い切りつけるような音が、人形がただの可愛らしい人形ではなく、暗殺道具であることを表現しているんだろうなぁ。

続くは蓮華畑! エンゲキロックで役者さんの歌うバージョンを聴いたとはいえ、久しぶりだなぁ。これ聴きたかったなぁ。しみじみとしてしまった。

あー、ダメジャンプについての話はここでしてたんだっけ。ここのMCで何を話していたかよく覚えてないのだがとにかく怒涛の後半戦へ! 踊るダメ人間でダメジャンプをし、エンジェルで拳を突き上げ、イワンのばかではオーケンがステージ下まで降りてきて、ただでさえ盛り上がる曲なのに興奮した観客が前方に押し寄せて大騒ぎだ。残念ながらステージを降りたオーケンの姿を見ることは出来なかった。そんな余裕無かったって!

イワンが終わるとオーケンがステージを去り、じゃあ三人でやっちゃうぞ、と内田さんボーカルでモコモコボンボン! ドスが利いてて格好良いなー! オーケンボーカルよりも邪悪さが増す。内田さんボーカルの音源を作ってくれないかと思うほどである。

無論オーケンは引っ込んだままではない。昨日と同じくリラックマの着ぐるみを着て再登場! 内田さんのボーカルを引き継いで歌うリラックマオーケン。…このリラックマを情けを捨ててぶん殴らなければいけないのか…。

モコモコボンボン終了後。着ぐるみを気に入ったらしいオーケン、このままで良い? 脱いだ方が良い? 次ツアーファイナルだけど着たままで良いの? と言って結局脱ぐ。別に良いんじゃないという空気だったが流石にどうかと思ったらしい。脱ぎ終わると宣言通りツアーファイナルへ。

本編終了後程無くしてアンコール。アコースティックのセットがステージに作られ、アンコール一曲目は「香菜、頭をよくしてあげよう」だ。良い曲ではあるが正直ちょっと期待外れではあった。ゴミ屋敷の王女をこのあたりでやってくれないかなと思っていたのだ。ゴミ屋敷の王女と捨て曲のマリアは昨日今日のライブではやらなかった。新曲発表ライブやインストアイベントではやっていたので今更出し惜しみをすることも無いと思うがどうしたのだろう。今まで演奏する機会が多かったから寝かせているのだろうか。

「若いコとドライブ~80’sから来た恋人~」でしんみりし………たが次がまさかのレア曲! やってくれるとは思わなかった! 「境目のない世界」だー! 香菜、若いコで落ち着いていた観客がいきなり爆発、そりゃ橘高ゾーンにいるんだから当たり前だ。ヘドバンの嵐が巻き起こり首がどうにかなるかと思った。そのまま勢いに乗ってサンフランシスコ! 盛り上がらないわけがない!

「ハァッ!!」でジャンプをしてからも客席の動きは止まらない、小さく跳ね続け、拳を振り上げたままコーラスを叫ぶ。そうだ、この曲は珍しいベースソロが堪能できる曲でもあるんだ! 橘高さんが手を広げて内田さんがソロをやるぞとアピール。ライトの下で照らされて響き渡る重く低く歪んだ音色。かぁっこ良いなぁ!!

相手を魅せながら、負けるものかと魅せ付けるギターとピアノのバトルにくらくらした。何て贅沢な時間なんだろう。それももうすぐ終わりを迎える。「まだ百曲も二百曲も出来る!」と強がった後「あと一曲で勘弁してください」と弱って見せるオーケン。最後は言わずもがな、「アデイ イン ザ ライフ」。

別れを惜しむ歌にジンと来ていたら橘高さんが枝ごとビワを客席に投げ込んで笑ってしまった。橘高さん、すごいものを投げるなぁ。誰かが美味しく食べていると良いな。

こうして二日間のライブは終了。まだやっていない曲はツアーファイナルのリキッドの期待したい。特にゴミ屋敷の王女。これが聴きたくてたまらないんだ。

他、MCでは、何の話か忘れたが、橘高さんがオーケンの喋りを真似したとき、妙になよなよした喋りでおかしかった。あとオーケンが橘高さんに水戸黄門の新しいキャストが誰かと教えていたときにまたおいちゃんが宇宙に行っていて、それをオーケンと橘高さんが突っ込んだら、おいちゃんが「助さん格さんが誰々だってことは知ってるよ」と反論し、何でそんな上から目線…だったかな? 高圧的? 偉そうに? 忘れてしまったがそんなニュアンスで、言うの? とオーケンと橘高さんに笑いながら突っ込まれていた。

未分類筋肉少女帯, 非日常

「蔦からまるQの惑星」ツアー初日に行ってきた。あの曲この曲聴きたいものは山ほどある。待ちに待ったライブの日を迎えられたことを喜んで、心躍らせて赤坂ブリッツにすったか向かった。赤坂ブリッツに行くのは今月で三度目になるので流石に電車の乗り換えその他は把握している。明日も行く。計四回だ。

物販を買うために早めに到着。赤坂ブリッツの壁にでかでかと掲げられていた「アウェーインザライフ」の看板が無くなっていたのが少し寂しかった。そうだ、もう東京は千秋楽を迎えたんだものなぁ。筋少が赤坂ブリッツを占拠するのも明日で終わりなんだ。しんみりと感傷的な気持ちになったが、あちらこちらのラーメン屋の出店から漂う油っぽいにおいに心がしらけたので壁を見上げるのを止めてさっさと物販の列に並んだ。

なかなかの長蛇の列である。筋少の物販でこんなに賑わっているのを見たのは去年のレア曲ライブ以来だなぁ。今回魅力的な商品が多いしな。湯飲みの登場には驚いた。まさか本当に作るとは。MCネタを本気で実現させる筋少はすごい。しかし湯飲みは買わなかった。実物を見たら笑えてしまってそれで満足してしまったのさ。タオルとリストバンドは買ったよ。

番号は自分にしては良い方だ。前の方に行けそうなので内田さん前あたりに並ぶ。最近は内田さん前を選ぶことが多い。オーケン前ほど激しくなく、それでいて見やすいから居心地が良いのだ。

五分程度押しただろうか。携帯電話の電源を切ってしまっていたため正確な時間はわからないが、恐らく開演時間を少々過ぎた頃、照明が落とされて期待の声があちこちで上がった。自分も上げた。前へと進むと五列目くらいか。視界はそこそこ。全体を見渡すには向かないが、メンバー一人一人に狙いを定めれば見えるといった感じである。一曲目は予想通り、アウェー イン ザ ライフ!

アウェー イン ザ ライフ
レセプター(受容体)

仲直りのテーマ
ワインライダー・フォーエバー(筋少ver)

あのコは夏フェス焼け
暁の戦力外部隊
これでいいのだ

家なき子と打点王
爆殺少女人形舞一号
子犬にしてあげる

イワンのばか
ロシアンルーレット・マイライフ
戦え!何を!?人生を!
ツアーファイナル
モコモコボンボン

~アンコール~

蜘蛛の糸
若いコとドライブ~80’sから来た恋人~
心の折れたエンジェル
釈迦
ア デイ イン ザ ライフ

後半がちょっと自信が無いのだが…順番はともかく曲目は間違ってないと思う。本編ラストがモコモコボンボンってのが痺れたなぁ。まさかやってくれるとは!

アウェー イン ザ ライフは初めてライブで聴いたときは「DESTINYをぶん殴れ」に引っ張られて体が混乱したが、もうすっかり染みこんでいた。ベースが格好良いよなぁ。

お次は期待のレセプター。これこれ! アルバムで一回聴いたときから大好きなんだ。何と言ってもリズムが気持ちよい。初めて演奏される曲にも関わらず客席は乗りに乗っていた。このまま突っ走ったらかなり激しいライブになるんじゃないか、と一抹の不安を覚えるほどだ。

しかし杞憂であった。MCが挟まれたために流れが一旦落ち着いたのだ。筋少のMCは毎度長いが、今日のMCは特に長かった気がするなぁ。楽しいから歓迎するが、回を重ねる毎に長くなっていく気がする。やはり立て続けに演奏をすると体が疲れてしまうのだろうか。

ふわふわして凍結して、八年経って仲直りした大人がやることはすごいってことを次の二曲で教えてやる、みたいなことをオーケンが言って、いやだいぶ違うが実際はどんなんだったっけか、とにかく、お約束の喧嘩ネタを持ち出してきたからには仲直りのテーマが来るに決まってる! そして後に続く曲は…ある意味で今回一番期待のあれ! 四十代のラップもどき、遊び心が爆発したセルフカバー! ワインライダー・フォーエバー!!

待ってましたあああ!!

タワレコインストアイベントであのラップ部分を全員やる気まんまんだとわかってから尚更楽しみで仕方が無くなったあの掛け合いをついに! 生で! いやー期待以上だった。何がすごいって、ラップ部分じゃ全員楽器持ってない!

わざわざ肩から外して気合充分でラップに挑む。素晴らしい。内田さんはハンドマイクだったが橘高さんとおいちゃんはどうだっただろう。オーケン曰く、かなり練習したとのことでバッチリと失敗することなく掛け合いが決まった。最初の、内田さんから始まる出だしはアルバムよりも伸ばした言い方だったかな。

掛け合い中のメンバーの動きも見所だ。と言ってもオーケンと内田さんしかじっくり見ることは出来なかったのだが。自分の出番以外のところでは暇なのだろう、軽く体を動かして踊っていた。内田さんは結構ノリノリだったなぁ。随分と楽しげに踊っていた。橘高さんとおいちゃんの様子も見たかったなぁ。

ワインライダー終了後は照れ隠しのようなMCから始まり、夏フェスでこれをやったらどうだろうとオーケンが言い出して、橘高さんが止めといた方が良いと思うと提言した。夏フェスの会場でおじさん達がラップみたいなことをして、エグザイルのように踊りだしたら観客がポカーンとするんじゃないか、と言いながらオーケンがエグザイルのように体をぐるぐる回す。それにおいちゃんも乗ってオーケンの後ろでぐるぐる体を動かしたのだが、橘高さんにオーケンと同じタイミングで回っているから意味がない、との突っ込みをされていた。微笑ましいなぁ。

筋少は今度ROCK IN JAPAN FES 2010に出演する、出順はまだ言えないけど今度もすごい、筋少ファンも夏フェスにおいでよ! なることをオーケン。と言うのもいつもの顔ぶれのファンがフェスではぐっと見られなくなるのだそうだ。夏フェスに来ない理由をオーケンなりに分析したのか、ファンをニートや引きこもり呼ばわり。無論冗談であると明記しておくが、ひどさに笑った。

蔦Qには夏フェスの曲がたくさんある、と言ってから、「たくさん」が二曲であることに気付くオーケン、ここぞとばかりに突っ込みをいれる観客。それに対して苦言を呈すオーケン。そんなことはいちいちその場で突っ込みなんか入れないで、家に帰ってブログに書けばいいでしょ、とすね始める。この流れだったかなぁ。記憶が曖昧なのだが、似たような突っ込み話でおいちゃんに「オーケンが間違えたなう」ってTwitterに書けばいいでしょ! みたいなことを言っていて、おいちゃんがにこにこしながら携帯電話を操る素振りをしていた。どこだったかなーこれ。

夏フェスの話題が出たからにはってことで「あのコは夏フェス焼け」! そして「暁の戦力外部隊」! 暁の戦力外部隊は途中ちょっとだれたかなー。似たような調子が続く曲だからだろうか。だが「ね!」のコールアンドレスポンスはしやすい。楽しく拳を振り上げられる曲だ。

てっきり次も新曲が来るつもりでいたので「これでいいのだ」が来て驚いた。慌ててタオルを外して備える。そうだ。新曲ツアーと言っても、アルバム収録曲は十一曲なんだから半分はこれまでの曲なんだよな。すっかり失念していた。

家なき子と打点王に入る前、オーケンがギターを始めて橘高さんとおいちゃんのすごさに気付いた話をした。ここのMCも長かった記憶がある。他の話もしたんだっけ。どっかでエンゲキロックのゲスト出演にまつわる裏話もしてくれたはずだが、まぁそれは後でまとめて書こう。話は戻って、そうして「こう!」「こう!」と言いながら早弾きの真似をするオーケン。意図は無いのだろうが馬鹿にしているというかギャグにしているようにも見えて、予想通り橘高さんに突っ込まれていた。

そして橘高さんにリクエストをするオーケン。次の曲はギターのリフで始まると格好良いと思うからやって欲しい、との要望。考えつつも橘高さん、あれとあれとあれを入れてやるから聴いとけよ! とリクエストに応えてギターを奏で始める。「あれ」にはそれぞれ専門用語が入っていたのだがギターを知らない自分は覚えられなかった。だがわからないながらも、格好良かったなぁ…。しかしそれに見入るオーケンの顔芸とオーバーリアクションが…おかしかったなぁ…。さらにギターを弾きながらオーケンに向かってライオンが吼えるときのような表情を向ける橘高さん、橘高さんだけ見ればものすごく格好良いのだが、その正面のオーケンの顔芸との組み合わせのせいで…おかしかった…。

家なき子の見所は何と言っても間奏だ! 案の定、ギターとピアノのバトルに入ると橘高さんはエディのところまでやって来た。自分の位置からはキーボードの音がやや小さく聴こえたのが残念だが、それにしても鬼気迫る迫力。だがゾクゾクと背筋を駆け上る感覚とは違う。待ちわびた心地よいものが体中に染み渡っていく感覚だ。あの音が聴けて良かったと心から思う。

この後が爆殺少女人形舞一号ってんだからたまらない。イントロのピアノはアルバムとは異なる出だしで始まってからアルバムのイントロに繋がった。初めてライブで聴いたときに目を見開き、演奏終了後しばらく拍手が鳴り止まなかったことを昨日のことのように思い出す。つい体を動かすのを忘れて聴き入ってしまった。曲が終わると今日もまた拍手が静かに沸き起こった。筋少を知らない人、興味の無い人にも聴いて欲しい。

今回のレア曲は「子犬にしてあげる」のようだ。再結成してからは初めて演奏する曲らしいが、それよりも、まさかのオーケンの「エア犬の散歩」が復活することになろうとは! 説明しよう! エア犬の散歩とは、オーケンが犬を飼いたがっていた時期に架空の犬と戯れて………やっぱ止めた。…これを生で見るときが来ようとは思わなかった。大槻さん、良い笑顔だったな…。

愛犬家のエディには「犬は咽喉をごろごろ鳴らさない」と突っ込まれたそうである。あ! ここかな? おいちゃんに「オーケンが間違えたなう」って言えばいいでしょってオーケンが言ってたのは。ここだっけ。結局よく覚えてないのだが、間違えたオーケンに突っ込みを入れるネタは二回ほどあったと思う。

「馬鹿で有名なあいつがやって来たー!」とのシャウト、直後に「間違えたー」といくらなんでもこの入り文句は無かったかと後悔しつつ「イワンのばか」へ。オーケンが「失敗した」と言い出したとき、まさか高木ブー伝説が始まるんじゃないだろうなとハラハラしたのだが、イワンで良かったイワンで。馬鹿で有名なイワンで良かった。

イワンの後にロシアンが来たことははっきり記憶している。この並びはすごいなと少し驚いたのだ。さらに「戦え!何を!?人生を!」に続くってんだから恐ろしい。楽器班の咽喉が心配になるセットリストだ。心配になるセットリストだが、「戦え!何を!?人生を!」は大好きな一曲! 今日やってくれて本当に嬉しかった。

この死に物狂いのような全力のコールは心に刺さる。特に後半、橘高さんの叫ぶような声はたまらない。そして感極まったところで奏でられる心を震わすギターソロ。橘高さんのギターソロの中でもかなり好きなものだ。これを今日、間近で目の前で、橘高さんがギターを奏でる姿を見ることができた。ほとんど視界を妨げるもの無しに。嬉しかった。

ツアーファイナルで本編終了、かと思いきやオーケンがステージを去った後、内田さんが「まだ物足りないんじゃないのかい」と言い出した。そしてあまりライブでは馴染みの無いイントロが始まって…。うわあ! 内田さんボーカルのモコモコボンボンだー!

これは貴重! 内田さんバージョンはドスが利いていて…格好良いなぁ……と思っていたらうわああああ! 下手から! やって来たのは! ヌイグルマーならぬキグルマー! リラックマの着ぐるみに身を包んだ大槻ケンヂーーって何だこれ!!

何やってるんですか大槻さん。何でもありですね大槻さん。大好きですよ大槻さん。すげぇ。

そうして本編は終了し、すかさずアンコールを求める拍手が響いてメンバー登場、アンコール一曲目はアコースティックで蜘蛛の糸。うわー嬉しいなー。蜘蛛の糸は初めて聴いた筋少曲だから感慨深い。ここから筋少に入ったんだよなぁ。……ここから筋少に入ったんだよなぁ…。

アコースティックの蜘蛛の糸は歌詞はどうしようもなく暗いのにどこか優しげ。この曲なら第二章の結末を迎えることは無かったのではないか、とぼんやり思った。

「しんみりしちゃったねぇ」とオーケン。じゃあ八十年代の恋人とドライブに行くような明るい曲を! ってことで始まったけど、この曲も結構しんみりするよ大槻さーん! 曲調は明るいけど寂しいよー!

最初の語りはカット。うーん残念だが想定の範囲内。明るい曲調なだけに切なさが際立つが、切なさの余韻に浸る間もなく振り払うように「心の折れたエンジェル」! 「釈迦」! 大いに盛り上がったところでやってくれた! 「ア デイ イン ザ ライフ」!

始まりの機械をかけられたような「アデイアデイアデイ…」の声はそのまま流され、爆発するようにオーケンのボーカルが入る。「霊媒師」のところで一瞬照明が暗くなるのが印象的だった。歌詞を頭の中で追い、終わりが近いことを再認する。この楽しいライブももうすぐ終わり。別れがたい。寂しい。歌声に共鳴したせいか、普段よりも強く別れの寂しさを感じさせられた。

最後の締めと音と共に、アルバムが物語を終えるようにこの空間も終わる。あぁ。終わったんだなぁ。明日もある。明日もあるが今日のライブは終わってしまった。去りがたいのか、ステージでカーテンコールの真似事をしてお辞儀をするメンバーはいつもより長くステージに留まってくれた。楽しそうな表情だった。楽しかったなぁ。

新曲のうちやらなかったのは「捨て曲のマリア」と「ゴミ屋敷の王女」。「ゴミ屋敷の王女」は特に好きな曲なので、明日やってくれないかなぁと希望している。最初に聴いたのは前回のライブだが、気に入ったのはアルバムで何度から聴いてから。これをまたライブで聴いて印象の違いを確かめたい。

他、MCでは、「蔦からまるQの惑星」がデイリーランキングで四位になったことについて。「どうすんの? 筋少また人気になっちゃうんじゃないの? PV撮るのにゾウ来たらどうしよう、ゾウ!」とやたらとゾウにこだわる。そこに橘高さん、「また男と絡まなきゃいけないかもな」と氷の世界のPVについて言及。オーケンにとって、あれは黒歴史のようなものらしい。そりゃな。

はしゃぎながら「筋少に負けるアーティストって…」と馬鹿にしてるんだか自虐してるんだかわからない冗談を言うオーケン。また、橘高さんが、いつかのランキングで安全地帯と筋肉少女帯が並んでいることがあって、「帯」の字が二つ並んでいることから、きっとあちらさんも迷惑していただろうと話していた。

何かのアーティストがスキャンダルで話題になってCDが売れたので、嘘でも良いからオーケンと水野さんが何か写真を撮られれば良かったのに! と橘高さん。するとオーケン、俺は木野花さん萌えだから木野花さんが良いと反論! わはははは。笑った。

デジもの好きの内田さんは楽屋でiPadを使って「iPhoneの予約時間だ!」なることを言って新しいiPhoneを予約したそうだ。本当にiPhone好きなんだなぁ。

ライブではエディコールが巻き起こるのが最早恒例になっているが、今回はオーケンの音頭でコージコールも起こった。しかしサポートミュージシャンのコールはあってもメインメンバーのコールは無い。寂しいね、とオーケン。

エディは毛量が多いらしく、毛穴から三本髪の毛が生えていて、つむじが三つあるらしい。髪の毛をかき混ぜながら「誰かに分けてあげたいよ!」と言ってオーケンが「つむじを三つもらっても困るよ!」なることを言っていた。ちょっとハラハラした。

夏フェスでだったかな。自分は気付かなかったのだが、観客が新しい振りを始めていたらしく、オーケンがそれについて言及していた。オーケンは観客が自発的に始めたと思ったらしい。ところが観客はエディの真似をしていたと主張する。するとエディは「本城にやってって頼まれてやった」と衝撃の告白。何と作曲者本人が考案した振りだった! どんな振りだったんだろう。

エンゲキロック「アウェーインザライフ」では、ゲストで筋少が出演するとき、橘高さんがやけに熱くなってしまい、メンバーに「これは………こうなのか? こうなのか? はっきりしろよ!」と細かく確認していたらしい。橘高さんの真面目な性格が窺い知れるエピソードである。「橘高一座」なる劇団があったら暑苦しいんだろうな、とオーケンが言っていた。

また、カーテンコールでは役者とバンドとゲストが横一列に並んで手を繋いでお辞儀をするのだが、このとき誰と並ぶかがオーケンとしては重要だったそうで、水野さんとソニンちゃんの間が本命、百歩譲って木野花さん、だったのに内田さんと隣になってしまって不満だったと言っていた。さらに内田さんの隣では橘高さんが手を繋いでいて、あっちの方から嫌な空気が流れてきたと笑っていた。わははは。ひっでぇ。

あとこれはどの場面か忘れたのだが、オーケンが頬を膨らませて口を窄めて「ぶるるるる」と言って不満を表明しているのを見たとき、このおっさんは自分が可愛いと言われていることをしっかり自覚しているな、と思った。オーケンファンだけど思った。それにしても四十四歳男性のする動作じゃない。二十歳の女性でもしないのでは無かろうか。やるなぁ。

未分類インストアイベント, 筋肉少女帯, 非日常

新宿タワーレコードにて行われた、筋肉少女帯の「NEW ALBUM 『蔦からまるQの惑星』発売記念インストアイベント」に行ってきた。イベントが決定した翌日に新宿まで予約に走ってイベント券をゲット。前回は予約せず発売日前日にCDを買ったときにイベント券をもらったが、流石に遅い番号だったためほとんど前が見えなかった。その反省を生かしての行動である。これが正しかった。何と、予約分だけでイベント券が終了してしまったそうなのだ。おおー。蔦Q売れてるんじゃないのかい。嬉しいなぁ。六月三日付けのオリコンデイリーチャートではめでたく四位にランクインしたし、なかなかどうして、好調のようじゃないか。オーケンが嬉しそうに話す姿が眼に浮かぶようである。

実際、眼に浮かべるまでもなく目の前でその姿を見ることができた、ってったってモニター画面でだがな。手に入れたイベント整理券は五十番以内、とはいえ狭い会場にぎゅんぎゅん詰めで立ち見をするため人と人の間に隙間が少なく、ステージも低い位置にあるため前回よりも遥かに良い番号であったのだが、直接メンバーの姿を見ることは難しかったのだ。よって全体を見たいと思ったときはメンバーの後ろ上方に設置された大きなテレビ画面に映されたメンバーを眺めることになったのである。しかし! おいちゃんだけはしっかり見ることができたので、本日は主においちゃんをじっくり見ることにした。

拍手に迎えられてメンバーが登場、おいちゃん、オーケン、内田さん、橘高さんといういつもの並びである。まずオーケンが新譜「蔦からまるQの惑星」が発売ということで、メンバー各自に何か一言と進め、橘高さんが優等生的なコメントをしたのだが、橘高さんが話しているときもおいちゃんが話しているときもずっと内田さんが下を向いていたことが気になっていた。何かをいじっているようであるが何をしているのだろうか。

すぐにその謎は解明される。何と! 内田さんがいじっていたのは発売されたばかりのiPadだったのだ! iPhone大好きな内田さん、各所で買うに違いないと囁かれていたが、やはり買ったか、そして持ってきたか。このiPadと内田さんが今日の主役と言っても過言ではなかろう。去年欠席した分を挽回するかのように、大活躍というか大目玉になってくれて大いに笑わせていただいた。いやーははは、これ見てiPad欲しくなった人もいるんじゃないかなぁ。

内田さん曰く「アコースティックでベースを弾きたくない」「内田はいつもやることがない」、よって本日はiPadを持ってきて、楽器として使用するとのこと。それに対し空バカのようだと話が出て、「次のアルバムの路線は決まったな!」と橘高さんが言った。空バカみたいな筋少アルバム…冗談だとはわかりきっているが、今の筋少で空バカのようなものを作ったらどうなるかと想像するのは楽しい。お遊びで一曲くらいそんな曲を作ってみたらどうだろう、なんて思ってしまうね。

そういやこの話に入る前、内田さんがすげぇことを言ってたな。昨日アウェーインザライフを観てきたという話になり、「演劇とロックと組み合わせなんて、しゃらくせぇと思うじゃないですか」といきなり暴言。何で唐突にそんなロックになってるんですか内田さん、と笑いつつもトークは進む。「そしたら結構、面白かった」「改めて聴くと、筋少の曲って良いなぁと思った」とこれまたらしからぬ発言、そこに橘高さんが「俺みたいなこと言うね」と突っ込んだんだっけ、オーケンが「橘高みたい発言だね」と言ったんだっけ。少々曖昧である。

おいちゃんからはアルバムをしっかり聴きこんで、ライブでは何も言わなくても参加してくださいとのこと。確か去年も同じようなことを言っていた気がする。去年はまたロシアンルーレット・マイライフがあったものなぁ。あれも立派に定番化したなぁ。あれから一年、早いものだ。

そうして始まる一曲目は「捨て曲のマリア」……だが、iPadの準備が整わずiPad待ちの状態に。購入したばかりでまだ操作に慣れていないらしい。発売してから数日だものなぁ、と思っている間に準備完了、何のソフトを使っているのかは知らないが、iPadを叩く内田さんの指によってイントロが奏でられる………が、ギターが入ったところで思いっきり音が外れてメンバーも客もずっこけそうになった。これがまた何とも間抜けな音だったんだな。

タワレコ七階で沸き起こる爆笑。iPadが滑らか過ぎて操作ミスをしてしまったと言い訳をする内田さんに、アップルの回し者かといった内容のことを突っ込むオーケン。ひとしきりコントのようなやりとりが終わった後、気を取り直して捨て曲のマリアへ。今度は失敗しなかった。

トークを挟んで次は何と「アウェー イン ザ ライフ」! まさかアコースティックでアウェー インザ ライフをやるとは思っていなかった。これは嬉しい予想外。捨て曲のマリアでは静かに聴いていた観客も肩を揺らして乗っている。力強いコーラスもきっちり入って格好良い。アコギをかき鳴らすおいちゃんを画面越しでなくばっちり見ることができた。普段の筋少ライブのアコースティックコーナーはアコースティックらしい静かな曲が多いから、これはなかなか貴重なものが見られたなぁ。嬉しい。

ラストの三曲目は「ゴミ屋敷の王女」。今日やった三曲の中では一番好きかもしれないな、これ。三月のライブで聴いたときはさほどピンと来なかったのだが、どんどん好きになって行く。アルバムの曲順もあるかな。流れと言うか。染みるんだよなぁ。

歌が終わり、語りが入るところで「本日はありがとうございました」とオーケンが挨拶し、ステージを去っていくメンバー。……しかし、内田さんだけが一人ぽつんと残ってiPadでアウトロを奏でている。メンバーが去っていった方に首を伸ばしつつも最後まで演奏し終え、iPadと接続していたスピーカーか何かから線を引っこ抜く。何やら「ブツッ」というでかい音がして驚くような素振りを見せる内田さん。そして立ち上がるとiPadを顔の前に掲げる。そこには蔦Qの歌詞カードに載っていた、内田さんのバストショット写真が! それをぐーんぐいーんと画面の中で拡大縮小して見せて、最後に写真を橘高さんのものに変えて去っていった。その間客は大喜び。笑いと歓声とウッチーコールが巻き起こり、美味しいところを全部かっさらって行ってしまった。

とにかく内田さんはiPadを手に入れたことが嬉しくてたまらないようで、今度のツアーの日程を誰かきちんと覚えていますかとオーケンがメンバーに振ったとき、iPadにスケジュール帳が入っているからと内田さんが読み上げるために操作するもまたもiPad待ちになったり、スケジュール帳が表示されても何故か五月のところを見ていて橘高さんに突っ込まれたり、結局iPadの起動を待つより橘高さんとおいちゃんの記憶力の方が優秀だったりと大笑い。しっかり覚えている橘高さんとおいちゃんは偉い。そうして発表された日程に内田さんがiPadを見ながら「合ってる」と呟き、それに対して「打ち込みが間違ってたら意味無いけどな」と橘高さんが上乗せするように突っ込んでいた。

橘高さんがらみの話では、オーケンが「橘高さんは今度ひらパー兄さんになるんですよね」と冗談を言い、その流れから橘高さんが「枚方に住もう」と言うと、オーケンが「枚方にスタジオってあるんですか?」と返し、「俺がひらパーにスタジオを作る!」と橘高さんが断言し、インストアライブ、筋少ライブ、アウェーインザライフゲスト出演による三日間の大阪滞在の意気込みを見せてくれた。

そういえば今日の橘高さんはサングラスをかけていなかったな。おいちゃんがサングラス、オーケンが釈迦PVを彷彿とさせる黒縁眼鏡、内田さんが眼鏡の中で一人だけ眼鏡無し。これで橘高さんがサングラスをかけていたら眼鏡率百パーセントになるとこだったな。だからどうしたという話であるが。

あと「ゴミ屋敷の王女」に入る前、オーケンの譜面台の上に開かれていたページが何故か戦国自衛隊のエンディングテーマだか何だかで、隣に座っていた内田さんが何を歌うつもりなのだろうと不思議に思っていたと言う。どうしてそんなページを開いていたのだオーケン。謎である。

「ワインライダー・フォーエバー」に関する言及もあったな。オーケンが「ラップ部分はメンバーが各自で練習してきてください」と言うと、橘高さんが「大槻はラップラップと言ってるけど、あれをラップと言うのはラップの人に失礼」と突っ込み、あれは寸劇であると言い切った。わはは。寸劇か、確かに。あれをライブでやってくれたら盛り上がるだろうなぁ。

和やかで楽しいiPadの販促イベントならぬ蔦Q発売記念インストアイベントは終了した。iPadからの音はどこかチープな感じで、それがまた生で聴いたことは無いにしろ、空バカっぽい雰囲気で面白かった。時間は確か三十分ほど。終わった後もしばらくはタワレコ内に蔦Qの曲が流れていて、そいつが何だか嬉しかった。あーそうそう、おいちゃんの髪型が格好良かったなぁ。ライブやアルバム用の写真じゃいつも波打ってるが、あれはわざわざ手間隙かけて作ったものなんだね。パーマをあてているわけじゃないらしく、本日はまっすぐで珍しくも新鮮だった。こういうイベントだと普段と違う姿が見られて貴重だなぁ。

そうだこいつを忘れてた。トークの中で、新人、シーズン2、蔦Qで再結成三部作とオーケンは考えているけれど、これで終わりというわけではないことが名言されたことが何より嬉しく、ほっとした。ブログで三部作って言い出したときからもしやこれで終わりになるんじゃないかとハラハラしてたんだよなぁ。橘高さんが五年後、「筋少と言えば蔦Qだよね」と言われるくらい育っていってくれたら嬉しいと言ったとき、オーケンが「それじゃその後のアルバムがだめみたいじゃないか」と突っ込んだときも、今後をやる気があるのだと感じられて安心したのだ。我ながら心配性だとは思うが、ついな。あー良かった。ははははは。

未分類ウタノコリ, 水戸華之介, 非日常




アコースティックライブに行くのは生まれて初めてだ。いつもオールスタンディングなので座って聞くのも生まれて初めてだ。アコースティックと聞いてイメージするのはしっとりとした空間で奏でられる静かな音楽だが、さて、どうだろうか。そんなわけで本日は水戸華之介のアコースティックライブ、「ウタノコリ~黄金の日々 一年半ぶりに贈る珠玉のアコースティックライブ」に行ってきた。

場所は代官山の「晴れたら空に豆まいて」。地図を印刷するためにライブハウスのサイトを検索したのだが、これが面白い。温かみをコンセプトにしたライブハウスと言えばいいだろうか。壁は土壁、畳と板張りの桟敷席があり、豆を重要視するとのこと。内装はまるでお洒落な喫茶店、もしくはレストランのようだ。そもそもアコースティックライブで使われるような座席のあるライブハウスに行ったことがないのもあるが、ライブそのものだけでなく、いつもと違う知らない空間に行く楽しみもできてより今日のこの日が待ち遠しくなった。

地図を見る。簡単に到着することができそうだが、念のため余裕を持って早めに家を出たところ、道に迷うことなく無事辿りつくことができ、入り口からリハーサルの音が聞こえてきて思わず覗き見をしたような、フライングをしたような気持ちになる。別に悪いことをしたわけじゃないとわかっちゃいるんだがドキドキするね。さらに入り口付近で開場時間を待っていたら入り口から出てきた水戸さんがさーっと横を通り過ぎて行ったのだから、ははは。心臓に悪いよ。

このライブに行くと決めたのはわりと最近のことなのであまり番号はよろしくない。うーむ、どのあたりに座れるかなぁとやや心配していたが、ちょいと前の方にちょうどよく見やすそうな場所が一つ空いていたのでこれは嬉しいと腰を下ろした。一人で行くと身軽で良いね。

ドリンクチケットはおはじきである。ライブハウスによってドリンクチケットに違いがあるのも面白い。バッジだったりコインだったり。こういうところにもそれぞれの特徴が表れてくるのだなぁ、としみじみしつつさっさとビールに取り替えて開演を待った。空きっ腹にビールは効くなー。ちょうど良い具合に酔ってきたぞ。しかしジョッキ重いなー。

空になったジョッキをドリンクカウンターに戻し、携帯電話の電源を切ってじわじわと開演を待つ。開場から開演まで、同じ一時間だとしてもやっぱ座って待てるとそれだけで楽だよなー。飲み物を飲みながら待てるってのもあるが、オールスタンディングほど待つのが苦にならなかった。お、ついに開演だ。

照明が落とされて登場するは藤原マヒト、澄田健、水戸華之介の三人だ! 待ってましたとばかりに始まるは「世界が待っている」! 大好きだ!

以下、セットリストとは言い難い曖昧な曲目である。

世界が待っている
愛に愛はあるのかい?
唇にメロディ、心に牙を
カナリア
犬と夕暮れ
地図
生きてるうちが花なのよ
かざぐるま
ジョンのうた
おやすみ
誰だ
(「わよ」と連呼する曲)
(ふたりで?)
天井裏から愛をこめて
(数年経ってから拾い上げた曲?)

~アンコール~
情熱の薔薇

蝿の王様
センチメンタル・ストリート
しあわせになれ

マグマの人よ

「天井裏から愛をこめて」までは曲名はともかくとして順番はだいたい合っていると思うが、そっから後は……ごちゃごちゃだ…。本編ラストが未聴の曲、アンコールは三回、ラスト二曲は間違いないはず。ただし最初のアンコールと二番目のアンコールの曲数は覚えておらず、もしかしたら一曲抜けているかもしれない気もする。うーん…無念。

数々の曲の中ですごいなと印象に残る歌詞ってのはいくつかあり、その「すごい」と思う理由もそれぞれ違うが、「世界が待っている」の「長い飛行機雲だな 未練がましくて スッとしないから好きじゃないな」には感性の部分にハッとさせられた。「あ! 飛行機雲だ!」と笑顔で空を見上げる人は今までも数限りなく見聞きしてきた。どちらかというとラッキーなものとして認識されていると思う。嫌なものと捉える人の話は聞いたことがない。あれに未練たらしさを感じ取る水戸さんの感性に驚嘆するとともに、目に浮かんだのは青空を分断する一筋の飛行機雲を眺めて眉を顰める男の顔だ。

「世界が待っている」「地図」「誰だ」「天井裏から愛をこめて」「蝿の王様」「マグマの人よ」が特に聴けて嬉しかった曲だが、今回特筆すべきは「ジョンのうた」だろう。ジョンのうた。あのさ、今までライブで涙目になったことはあるけれど、涙が流れたことは無かったぞ。ボロボロとまではいかないもののたらたら涙が垂れてきて鼻もぐずつき、もうちょっと勢いがついたらまさに泣いている状態そのものである。これは来た。

歌詞内容は男の子が母親と家を出て行くことになったが、飼い犬を連れて行くことはできず、飲んだくれの父親のもとに置いていかなければならなくなって………ってこんな文章読むよりもさっさと本物を聴くべきだ。悲しい歌だよ。胸に迫るよ。思い出すとため息が出る。歌ってすごいや。

「かざぐるま」「ジョンのうた」「おやすみ」としんみりした曲が続き、ぐっと盛り下がる観客、そして盛り下げた水戸さん。次はファンキーな曲で盛り上げていくつもりなだけのこのままでは何なので、ってことで面白いMCで笑わせてくれた。しかしここで話されたMCがどの内容だったかは忘れてしまったぜ! 澄田さんのお父さんが夏休みの工作を手伝ってくれたは良いが、作ってくれたのは三度笠と草鞋だった話か、同じく澄田さんがホテルでTシャツ一丁の状態でトイレに行こうとしたらドアーがオートロックで部屋から閉め出された話か、最近の子が曲中で褒め合いをしていて理解ができないという話か、どれだったかなぁ。

そしてファンキーな曲とは何かと言えば…「誰だ」が来た! いよっしゃーこれ大好きだ! そうかこれがファンキーな曲なのか! 未だにファンキーってのがどういうものなのかよくわかってないためにここで勝手に納得した! ちなみに自慢するこっちゃないが、何を持ってバラードと言うかってこともよくわかっていない。あれやそれがバラードらしいってことは何となくわかるんだが、わかるんだがな。

次の曲がまた面白かったなぁ。掛け合いがたっぷりで、「はりつめたー弓のー」と水戸さんがうろ覚えなもののけ姫っぽいものを歌い、マイクを観客に向けて歌わせた直後、「知らないのに歌うんじゃない!」って内容のことを言って笑いが起きたり、そしてあれだ。何と言ってもウルトラソウルだ。

「わよー!」「わよー!」と連呼する中で、「ウルトラソウルッハイッ!!」てのを混ぜてくるのだ。言わずもがな、B’zの「ultra soul」における有名な一節である。あれを掛け合いの中に混ぜてきて、しかも水戸さんによる「ウルトラソウルッハイッ!」の言い方のご指南もあった。よく知らない人は「ウルトラソウルッ」で拳を振り上げてしまうけど、一拍置いて「ウルトラソウルッハイッ!」で拳を振り上げるのが正しいそうだ。これを知らないとカラオケで一人先走って拳を振り上げて恥をかくはめになってしまうと言う。なるほど、良い勉強になった。

盛り上げ曲はまだまだ続く。今度の曲では水戸さんがステージから下りてきて観客をいじりまくっていておかしかった。歌いながら握手をしたり、一人の女性の手をとって頬に添えたり、客の眼鏡を抜き取って自分の眼鏡の上に重ねてダブル眼鏡にしてみたり、サービス満点である。いじられて嬉しそうな恥ずかしそうな、それていてちょっと困ったような顔をしてはにかむお客の様子も面白かった。

中でも一人、一番後ろに座っていたアフロっぽい髪型の男性は二度もいじられていて面白いやらおかしいやら。ステージを下りて一直線に男性のもとへと早足で歩いていく水戸さん、男性の髪をもしゃもしゃしたり、肩を抱いているのか抱え込んでいるのか格闘しているのかよくわからないものの、何となく男性が抵抗しているらしいことが伺えたり、さらにステージに戻ってからももう一度水戸さんはその男性のもとへ一直線、ついに男性も立ち上がりその場で一緒に踊らされていた。わははははは。すげぇー。

悲しみを吹き飛ばして沸き立つ観客は「あの」イントロのもとさらに沸騰する。「天井裏から愛をこめて」! 流れとしてはラブソング続きといったところだが、このラブソングは怖いよな! 「大好き大好き!」のコールがぴったりはまっていて感動した。「かび臭いのも素敵なものさ」の部分を歌う水戸さんがやけに格好良かったのが印象に残っている。爆発を前にして溜めに溜めている緊張感と怪しい声の響きのせいか。

本編ラストは未聴の曲で、タイトルを耳にしたはずだが忘れてしまったのが残念だ。「風」という単語が入っていた気がするのだが…。どうだったかなぁ。

アンコールの手拍子が鳴り響き、メンバーはすぐにステージに戻ってきてくれた。こっからなー。記憶が定かじゃないんだが、「情熱の薔薇」はブルーハーツのトリビュートに参加して、頑張って覚えたからせっかくだから歌う、ってことだったかな。笑えるのが、同じレーベル繋がりで参加することになったのに、録音した曲はそのレーベルをブルーハーツが出て行った後の曲だったことに録音した後に気付いたという話だ。わはははは。いい加減だなぁ。

ブルーハーツはテレビなどで耳にする程度でしか聴いたことがなく、「情熱の薔薇」も全く知らない曲だったが、特に違和感は抱かなかった。

「蝿の王様」も楽しかったなぁ! 「銭ゲバ! 銭ゲバ!」なんて実生活じゃまず使わない言葉だから、こういう場所で口に出すと新鮮だ。「ばいばい、落ちこぼれ」で手を振るふりがあったので真似してやってみた。ここだけじゃなく、ほとんどの振りは周囲の人の動きを参考にしながらやっていた。つっても夢中になりすぎて手拍子が止まったりもしていたけどね。手拍子することを忘れるほど引き込まれるってのはあるものだ。単にリズム感が無いために手拍子をうまく保持できないだけかもわからないが。うん、テンポによっては難しくて苦労するんだよな。うん。

「蝿の王様」には「ボランティアじゃねーぞ!」という歌詞があるのだが、ここで水戸さん、「ボランティアじゃないしぃ~」と女子高校生のような口調で一度つぶやいた。そのおかしさに笑いが起こる。が、もう一度、今度はふざけた調子を取っ払って「ボランティアじゃねーぞ!!」と一喝!! 直前とのギャップもあいまってものすごく格好良かった!

「センチメンタル・ストリート」を聴きながら、まだ一部のアルバムしか手にしてないが、水戸さんの歌詞には地図や未来図といった言葉がよく出てくるな、と思った。この曲の入っているアルバムも手に入れたいなぁ。気に入ったというか気になったというか。もう一度じっくり聴き直したい。

最後、水戸さんから「しあわせになれ」というメッセージをたっぷり受け取って、多幸感に包まれながらライブは終わった。だが手拍子は終わらない。客席を立つ者も現れない。無論自分もそのうちの一人である。追い出し曲が流れる中でだんだんとテンポが加速する手拍子を打ちながら、………やったー来てくれたー!

トリプルアンコール!! 嬉しい!

水戸さんはハンチングを脱いで手拭を頭にかぶった姿で登場。マイクを握り、「しあわせになれ」を一部歌った後、始まったのは「マグマの人よ」! あー…。ぐっとくるなぁー…。

「青空を見ようじゃないか」で手のひらをライブハウスの光に向ける。最後にこの曲が聴けるとは。歌を聴いて、言葉が耳から体内に浸透して、勇気が湧いてくる。明日も頑張ろうと前を見据える力が湧く。

アコースティックと聞いてイメージしたしっとりとした空間もそこにはあった。だが、美しく迫力あるグランドピアノ、どこか瑞々しさを感じるアコースティックギター、力漲る歌声とパフォーマンス、手拍子に掛け合いと、空間を支配していたのは力強い熱気だった。あぁ、アコースティックでもエレキでも、ロックはロックなのだなぁと、夢中になりながら、頭の片隅でふと思ったりした。

せっかくだ、何かCDを買っていこうと思い、物販に並んでいると出入り口付近の小さなスペースにふっと水戸さんが現れて、サインと握手をしてくれることになって驚いた。いや、前にもあったし今回もあるかなとは思ったが、告知も何も無かったから驚いたよ! 驚いたおかげであわあわ慌ててろくろく言いたいことも言えなかったが、嬉しかった。また大事なものが一つ増えたぞ。

未分類レピッシュ, 筋肉少女帯, 非日常




ライブが終わってからの数時間が好きだ。心地よい疲れに僅かなアルコールが体にしみて、心はふわふわとライブハウスの世界を引きずっている。現実と非現実の境をたゆたうような気持ちよさ。あぁ、幸せだなぁ。

本日観てきたライブはレピッシュと筋少の対バンライブ、正式名称「MUSUIC DAY 2010  SATURDAY NIGHT R&R SHOW 2010~SPECIAL Vol.2  supported by ぴあ LA-PPISCH / 筋肉少女帯」である。長いな。

筋少と別のバンドが対バンするライブを観るのは初めてだ。いつも筋少のワンマンばっかり観てるからなぁ。対バンだとどんな違いがあるのだろう。やっぱりセットリストは定番曲で行くのかな。レピッシュはどんな曲をやるんだろうなぁ、「レピッシュ」「make」「フラワー」しか聴いてないけど大丈夫だろうか。「COMPLEX」や「ガンジー」「三本辻の少女たち」やらんかな。サイクリングは絶対にやるよなー! 水戸さんゲストで来てくれないかなー。などなどなど考えつつ、思いっきり大胆に阿呆のように道に迷って後、SHIBUYA-AXに到着した。

いや…タカをくくって地図を持たずに来た自分が悪いんだが…。それでも開場一時間十五分前に到着したんだが…。準備が良いのか悪いのかさっぱりわからん。しかもだ。一度C.C.Lemonホール近くまで来た後、ぐねぐね歩いて東急ハンズまで戻り、携帯電話で地図を検索して思いっきり大回りをしてまたC.C.Lemonホールまで歩き、やっと目的地であるSHIBUYA-AXに辿り着いた。自分は頭が悪いのだと思う。

さて、先日ののほほん学校とブログで「早めに来てね」とオーケンが言っていたが何かあるのだろうか、ってだから開場の一時間十五分も前に来たってわけじゃないのだが、結果道の途中で試供品のポテトチップスをもらうことができた。わーい。

特にこれといったサプライズなどは無かったので、多分あれは筋少が先に出ることを言いたかったのだろう、と今になって思う。今回チケットの整理番号は三百番代後半。自分の基準ではかなり良い方だ。これは良いところで観られそうだなとわくわくしつつ、コーラを飲んだりそこらをぶらぶら歩いたりして時間を潰した。

そして筋少では内田さん、レピッシュではMAGUMIさんの正面前から三列目あたりの位置をとることができ、楽しくライブは終了した。……あー楽しかったー!!

やっぱりサイクリングやったー! アンコールでゲストに水戸さん来たー!
平成二十二年にまさかのポコチンロック! 話だけは聴いたことがあったがまさかこの目で見られるとは!
MAGUMIさんすげー! 四十六歳とは思えない動き! ジャンプ! 上半身裸! まさかの客席ダイブ! 初めてダイブ見た! しかもこの手で運んだー!!
つーか歌うたってトランペット吹くってすげぇ! 肺活量すげぇ!
マジック・ブルー・ケイスにCOMPLEXににハーメルンにプレゼント! 嬉しいなー!
橘高さんのピックシャワー、おいちゃんのペットボトルシャワー、MAGUMIさんのダイブを一度のライブで! ピックは取れなかったものの見るだけでも楽しかった!
「第二富士ホテル~♪」聴けたーー!!

とりあえず一番叫びたいところを叫んで満足した。さ、冷静に書くか。

セットリストはおぼろげだ。今回はあまり自信が無い。レピッシュを観ている間に忘れてしまったのだ。

イワンのばか

日本印度化計画
ロシアンルーレット・マイライフ
人間嫌いの歌

新人バンドのテーマ
元祖高木ブー伝説
アウェー イン ザ ライフ

踊るダメ人間
釈迦

レピッシュの方は知らない曲が半分くらいあったから、知ってる曲だけ順不同に。

COMPLEX
パヤパヤ
マジック・ブルー・ケイス
美代ちゃんの×××
ハーメルン
プレゼント

そしてアンコールではゲストに水戸さんを迎えてサイクリング! 十九時開演で終了は二十一時四十分頃。二時間半近くやったかな。

入場してから開演を待つまでの時間をどう過ごすかがいつも問題になるのだが、今回は近くにいた集団が二階席のファンキーさんに手を振ったりしていて面白かったので退屈せずにすんだ。そうかそうか、ファンキーさんも観に来てたのか。

照明が落ちると膨らむ期待感、それを叶えられる歓喜の心。メンバーがステージに現れ送られる声援! 一曲目はいきなりイワンのばか! うっわ最初から飛ばす気かー!?

と思ったら一曲目のイワン終了後いきなりMCが長々と。これが長かった! 十分以上喋ってたのではなかろうか。だが今回のMCはレピッシュと筋少の関係やポコチンロックの名前の由来、バンドブームにあったことなどを面白おかしく説明するという、当時を知らない若者や、片方のバンドだけ知っている人間に対して大変親切なMCだった。

「ゴールデンウィークにこんなところ来ちゃって! 今日以外の連休を持て余してるんでしょ?」「どう道を間違えたのか若い人もこんなところに…」と言って若者に向けたコールをし、コールが返って来た直後「年寄りは返事するなーー!!」と絶叫して笑いをとったり、ここらへんが最初のMCだったかな。

普段の筋少よりも曲と曲の間にちょっとしたMCがちょこちょこ入ったのはレピッシュファンに曲の説明をするためだろう。「良かったら一緒に盛り上がってくださいね」というオーケンのスタンスの表れだと思う。

レピッシュと筋少の関係は似たような時期にデビューして、何かのフェスで一緒になり、レピッシュは移動のバスでずっと「第二富士ホテル~♪」と歌って盛り上がっていて筋少側はげんなりしていたが、レピッシュと言えば「第二富士ホテル~♪」というほど印象に残っていた、しかし後に内田さんが恭一さんと一緒にバンドをやったときにその話をしたら「覚えとらん」と言われてショックだった、という話である。

ポコチンロックは、バンドブームの時代にやたらと「何とかロック」とカテゴライズすることが流行り、それに反発して「俺たちはポコチンロックだ!」と二人のキチガイ(レピッシュのMAGUMIさんとアンジーの水戸さん)が言い出して、それに筋少のキチガイ(オーケン)が乗っかったものであるそうだ。そしてポコチンロックのテーマなるものが手拍子つきであるのだが、オーケンが手拍子をしたことで当時を知っていた観客による手拍子が広がり始めてそのテーマ曲が歌われそうになると、「やめろー! 大人なんだから!」と必死な顔をして止めだした。笑った。

定番の日本印度化計画で盛り上げ、新たな定番曲であるロシアンルーレット・マイライフで。この曲の終わりの方でオーケンが入るところを間違えて「いっくよー!」と言ってしまったのだが、ここがすごかった。何がすごいってオーケンが間違えてもメンバーは全く動じてないのである。特に内田さんの平静さったら無かった。目の前で見てたから尚更印象深かった。「えっ?」と反射的に振り向くことすらしない。すげぇな。これくらいはアクシデントのうちに入らないのか。「いっくよー!」の掛け声に客席も含めて誰もついてこないって。すごいものを見た。

ロシアンのアウトロに入る前、オーケンが退場するふりをして、エディがライライ歌いだすと戻ってくるって構図はお決まりのようだ。そうそう、エディと言えばだ。あのポコチンロックの説明はポコチンロックを知らないエディに向けてしたもので、その会話を客席に見せるという形だったのだが、その時のエディのリアクションがいちいちオーバーで面白かった。ところで全く関係ないが、いったい何回ポコチンって打ってるんだよ今日の自分は。今日だけで今までの人生で使用した回数を突破したんじゃなかろうか。

そのうえさらにまだ打つぞ。ロシアンのお次は人間嫌い。ロシアンの後に曲をやるってのは珍しいなぁ、と思いつつン、タン、ンタタンと手拍子をしていると、一人オーケンだけ手拍子ができていない。タイミングがわからなくなったのか内田さんにやり方を聞いている。手拍子をしつつ様子を眺めているとオーケンが手拍子を再開した。しかし、おや、何かリズムが違うぞ。これは……ポコチンロックのテーマの手拍子だー!

さっきやめろと言ったばかりのくせに!

ポコチンロックのテーマを客に歌わせようとするオーケン。だが自分の周りでは照れていたのか、恥ずかしいのか、あまり声に出している人はいなかった。後ろの方はどうだったろう。

MCに入り、筋少が一度活動休止をした旨をレピッシュファンに説明し、「三分ほどの歌にまとめました」と前置きをして新人バンドのテーマへ。「新曲なんか聴きたくない~♪ 昔の曲をやってくれ~♪」と「パパ、ママどこ行くの~♪ うそ、やだ、若くない~♪」のところでドッと笑いが起きてた。何となく自分のことのように嬉しい。

年齢の話では、オーケンがアラフィフをオーバーフィフティと言い間違えたり、この中では若い方と言ったらあまり変わらないと内田さんに突っ込まれ、学年が違う、学年が違うことは重要だ、と力説していた。あと何か高城剛がキモいとかキモくないとか、話のネタはわからないが、若い女の子と結婚したんだか手を出したんだか、その系統のネタだったように思う。そして「キモいキモい言うアラフィフって」と自虐に走り、客席を煽ったりしていた。

高木ブー伝説は久しぶりに聴いたなー。聞き飽きた気もしていたが、改めてじっくり聴くと間奏が格好良くて好きだ。アウェー イン ザ ライフもだんだんノリ方がわかってきた。インザライフ!!

踊るダメ人間前にダメジャンプの元ネタ、Xの話をし、ガーッと盛り上がってそのまま釈迦へ。定番で固めたセットリストは久しぶりだったが、これはこれでなかなか。曲数は少ないながらもアコースティックも混ぜてきて、構成自体はいつもと変わらない。人間嫌いあたりで楽器を持ってない内田さんがオーケンにいじられてたっけ、そう言えば。

ところで今日の筋少は最前付近にも関わらずいつもより押しが少なく、苦しさを感じない程度に余裕があった。ふむ、対バンだからいつもとノリが違うのかな。ところがだ。

筋少が終了しレピッシュの始まりを待つ間、だんだんと人が前へ前へとつめてきた。あぁ、レピッシュファンが前の方に来たのだなと一人納得していたが、始まった途端すっげぇ押し! いつもの最前付近での雰囲気がいきなり再現され、うわああああああああああ!! 盛り上がりがすげええええ!!

そういや筋少のコーラス部分を合唱する人が自分の周りは少なかったような気がする。しゃららしゃかしゃかー、とか。つまりだ。位置的にややアウェーだったらしいのである。なるほど。

知ってる曲と知らない曲が半々くらいだが、今までのライブで見たことのない楽器、トランペットが演奏されるだけで何やら物珍しく、楽しい気分になれた。そして知ってる曲が間にやってくるとテンションが上がるわけだ! COMPLEXが聴けて嬉しいなー! コンプレックス! コンプレックス! コンプレックスまーみーれーっ!! 拳を振り上げてコーラス部分を合唱できた! 楽しい!

筋少はちょくちょくMCを挟んでいたのに比べ、レピッシュはMCが少なく、激しい曲を続けて演奏するので体感的によりハードに感じられた。また客の盛り上がりがすごい! MAGUMIさんがダイブしてからさらにヒートアップした印象を受ける。そりゃあボーカルがダイブして盛り上がらないわけがないからな! いやー負けないようにするのが大変だった。

MCでは「筋少の後だと普段着に見える」、アンプを指差して「うちのあのちっこいの…」と橘高さんの壁のようなマーシャルと比較して笑いをとって、恭一さんが「俺にとっては大きい方」と話したり、などがあった。普段着と言うか、筋少の後にレピッシュメンバーを見たとき自分は「まともな大人の格好だ…」と、つい、思った。つい。つい、な。

ハーメルン、プレゼントはしっとりと聴いた。この二曲は上田現トリビュートにも収録されている曲で、アルバムの中でも気に入っていただけに今回聴けて本当に嬉しかった。ハーメルンはオリジナルとBUCK-TICK版では歌詞が違うんだよな。子供達を連れて行こうとするMAGUMIさんの手つきが妖しかった。

レピッシュ退場後、アンコールの拍手が鳴り響き、歓声を受けて先にステージに現れたのはレピッシュ、そしてMAGUMIさんのコールにより筋少登場、そして! 前ふりに前ふりを重ねついに! ポコチンロックの一人、アンジーの水戸華之介の登場だー! やったー! 水戸さんだー!!

またオーケンがわざとらしく驚いて、「今までどこにいたんですか!」「ずっと話してたじゃない!」と漫才を繰り広げ、さっきMAGUMIさんがダイブした時、帰ってきたらMAGUMIさんじゃなくて水戸さんだった! なんてことになったら面白かったのにとオーケンが話して受けて、次にやるときはそうしよう、なーんて冗談が飛ばされていた。

この三組が揃って演奏されるのは言わずもがな、サイクリングである。MAGUMIさん曰く、アンコールらしい曲じゃないんだけどとのことだがそれも良し! 曲はレピッシュオリジナル版、ギターソロは橘高さん、って感じかな? オーケンと内田さんは下手の本城さん側に行き、水戸さんは目の前へ! 今日はいろいろな人を満遍なく見られて良いなぁ。

サイクリングの、曲が展開するにつれて、ドロドロというか、混ざっていくというか、混沌としていく怪しさが好きだ。おいちゃんと内田さんは楽器を持たずコーラスに専念。三人のボーカリストがマイクを握って熱唱しつつ歩き回る。迫力だ。

惜しむらくはもう一曲、せっかく水戸さんが来てくれたんだからアンコールでやって欲しかったなぁとも思うが、その「もう一口欲しい」と感じるところも含めて良いライブだったと思う。帰り道、レピッシュファンが高木ブー伝説を聴けて喜んでいる会話が聞こえて、これもまた対バンライブの楽しみの一つだな、なんてことを思ったりした。

そうだそうだ。CDの売れない時代だから、筋少ファンもレピッシュファンも互いのバンドのCDを買うようにしましょう、筋少ファンとレピッシュファンはCDの貸し借り禁止! とオーケンが話していた。ははは。いや、売れない云々は笑えないんだけどね。時代が変わったとはいえ寂しいものだなぁ。