NEW ALBUM 『蔦からまるQの惑星』発売記念インストアイベント (2010年6月6日)
新宿タワーレコードにて行われた、筋肉少女帯の「NEW ALBUM 『蔦からまるQの惑星』発売記念インストアイベント」に行ってきた。イベントが決定した翌日に新宿まで予約に走ってイベント券をゲット。前回は予約せず発売日前日にCDを買ったときにイベント券をもらったが、流石に遅い番号だったためほとんど前が見えなかった。その反省を生かしての行動である。これが正しかった。何と、予約分だけでイベント券が終了してしまったそうなのだ。おおー。蔦Q売れてるんじゃないのかい。嬉しいなぁ。六月三日付けのオリコンデイリーチャートではめでたく四位にランクインしたし、なかなかどうして、好調のようじゃないか。オーケンが嬉しそうに話す姿が眼に浮かぶようである。
実際、眼に浮かべるまでもなく目の前でその姿を見ることができた、ってったってモニター画面でだがな。手に入れたイベント整理券は五十番以内、とはいえ狭い会場にぎゅんぎゅん詰めで立ち見をするため人と人の間に隙間が少なく、ステージも低い位置にあるため前回よりも遥かに良い番号であったのだが、直接メンバーの姿を見ることは難しかったのだ。よって全体を見たいと思ったときはメンバーの後ろ上方に設置された大きなテレビ画面に映されたメンバーを眺めることになったのである。しかし! おいちゃんだけはしっかり見ることができたので、本日は主においちゃんをじっくり見ることにした。
拍手に迎えられてメンバーが登場、おいちゃん、オーケン、内田さん、橘高さんといういつもの並びである。まずオーケンが新譜「蔦からまるQの惑星」が発売ということで、メンバー各自に何か一言と進め、橘高さんが優等生的なコメントをしたのだが、橘高さんが話しているときもおいちゃんが話しているときもずっと内田さんが下を向いていたことが気になっていた。何かをいじっているようであるが何をしているのだろうか。
すぐにその謎は解明される。何と! 内田さんがいじっていたのは発売されたばかりのiPadだったのだ! iPhone大好きな内田さん、各所で買うに違いないと囁かれていたが、やはり買ったか、そして持ってきたか。このiPadと内田さんが今日の主役と言っても過言ではなかろう。去年欠席した分を挽回するかのように、大活躍というか大目玉になってくれて大いに笑わせていただいた。いやーははは、これ見てiPad欲しくなった人もいるんじゃないかなぁ。
内田さん曰く「アコースティックでベースを弾きたくない」「内田はいつもやることがない」、よって本日はiPadを持ってきて、楽器として使用するとのこと。それに対し空バカのようだと話が出て、「次のアルバムの路線は決まったな!」と橘高さんが言った。空バカみたいな筋少アルバム…冗談だとはわかりきっているが、今の筋少で空バカのようなものを作ったらどうなるかと想像するのは楽しい。お遊びで一曲くらいそんな曲を作ってみたらどうだろう、なんて思ってしまうね。
そういやこの話に入る前、内田さんがすげぇことを言ってたな。昨日アウェーインザライフを観てきたという話になり、「演劇とロックと組み合わせなんて、しゃらくせぇと思うじゃないですか」といきなり暴言。何で唐突にそんなロックになってるんですか内田さん、と笑いつつもトークは進む。「そしたら結構、面白かった」「改めて聴くと、筋少の曲って良いなぁと思った」とこれまたらしからぬ発言、そこに橘高さんが「俺みたいなこと言うね」と突っ込んだんだっけ、オーケンが「橘高みたい発言だね」と言ったんだっけ。少々曖昧である。
おいちゃんからはアルバムをしっかり聴きこんで、ライブでは何も言わなくても参加してくださいとのこと。確か去年も同じようなことを言っていた気がする。去年はまたロシアンルーレット・マイライフがあったものなぁ。あれも立派に定番化したなぁ。あれから一年、早いものだ。
そうして始まる一曲目は「捨て曲のマリア」……だが、iPadの準備が整わずiPad待ちの状態に。購入したばかりでまだ操作に慣れていないらしい。発売してから数日だものなぁ、と思っている間に準備完了、何のソフトを使っているのかは知らないが、iPadを叩く内田さんの指によってイントロが奏でられる………が、ギターが入ったところで思いっきり音が外れてメンバーも客もずっこけそうになった。これがまた何とも間抜けな音だったんだな。
タワレコ七階で沸き起こる爆笑。iPadが滑らか過ぎて操作ミスをしてしまったと言い訳をする内田さんに、アップルの回し者かといった内容のことを突っ込むオーケン。ひとしきりコントのようなやりとりが終わった後、気を取り直して捨て曲のマリアへ。今度は失敗しなかった。
トークを挟んで次は何と「アウェー イン ザ ライフ」! まさかアコースティックでアウェー インザ ライフをやるとは思っていなかった。これは嬉しい予想外。捨て曲のマリアでは静かに聴いていた観客も肩を揺らして乗っている。力強いコーラスもきっちり入って格好良い。アコギをかき鳴らすおいちゃんを画面越しでなくばっちり見ることができた。普段の筋少ライブのアコースティックコーナーはアコースティックらしい静かな曲が多いから、これはなかなか貴重なものが見られたなぁ。嬉しい。
ラストの三曲目は「ゴミ屋敷の王女」。今日やった三曲の中では一番好きかもしれないな、これ。三月のライブで聴いたときはさほどピンと来なかったのだが、どんどん好きになって行く。アルバムの曲順もあるかな。流れと言うか。染みるんだよなぁ。
歌が終わり、語りが入るところで「本日はありがとうございました」とオーケンが挨拶し、ステージを去っていくメンバー。……しかし、内田さんだけが一人ぽつんと残ってiPadでアウトロを奏でている。メンバーが去っていった方に首を伸ばしつつも最後まで演奏し終え、iPadと接続していたスピーカーか何かから線を引っこ抜く。何やら「ブツッ」というでかい音がして驚くような素振りを見せる内田さん。そして立ち上がるとiPadを顔の前に掲げる。そこには蔦Qの歌詞カードに載っていた、内田さんのバストショット写真が! それをぐーんぐいーんと画面の中で拡大縮小して見せて、最後に写真を橘高さんのものに変えて去っていった。その間客は大喜び。笑いと歓声とウッチーコールが巻き起こり、美味しいところを全部かっさらって行ってしまった。
とにかく内田さんはiPadを手に入れたことが嬉しくてたまらないようで、今度のツアーの日程を誰かきちんと覚えていますかとオーケンがメンバーに振ったとき、iPadにスケジュール帳が入っているからと内田さんが読み上げるために操作するもまたもiPad待ちになったり、スケジュール帳が表示されても何故か五月のところを見ていて橘高さんに突っ込まれたり、結局iPadの起動を待つより橘高さんとおいちゃんの記憶力の方が優秀だったりと大笑い。しっかり覚えている橘高さんとおいちゃんは偉い。そうして発表された日程に内田さんがiPadを見ながら「合ってる」と呟き、それに対して「打ち込みが間違ってたら意味無いけどな」と橘高さんが上乗せするように突っ込んでいた。
橘高さんがらみの話では、オーケンが「橘高さんは今度ひらパー兄さんになるんですよね」と冗談を言い、その流れから橘高さんが「枚方に住もう」と言うと、オーケンが「枚方にスタジオってあるんですか?」と返し、「俺がひらパーにスタジオを作る!」と橘高さんが断言し、インストアライブ、筋少ライブ、アウェーインザライフゲスト出演による三日間の大阪滞在の意気込みを見せてくれた。
そういえば今日の橘高さんはサングラスをかけていなかったな。おいちゃんがサングラス、オーケンが釈迦PVを彷彿とさせる黒縁眼鏡、内田さんが眼鏡の中で一人だけ眼鏡無し。これで橘高さんがサングラスをかけていたら眼鏡率百パーセントになるとこだったな。だからどうしたという話であるが。
あと「ゴミ屋敷の王女」に入る前、オーケンの譜面台の上に開かれていたページが何故か戦国自衛隊のエンディングテーマだか何だかで、隣に座っていた内田さんが何を歌うつもりなのだろうと不思議に思っていたと言う。どうしてそんなページを開いていたのだオーケン。謎である。
「ワインライダー・フォーエバー」に関する言及もあったな。オーケンが「ラップ部分はメンバーが各自で練習してきてください」と言うと、橘高さんが「大槻はラップラップと言ってるけど、あれをラップと言うのはラップの人に失礼」と突っ込み、あれは寸劇であると言い切った。わはは。寸劇か、確かに。あれをライブでやってくれたら盛り上がるだろうなぁ。
和やかで楽しいiPadの販促イベントならぬ蔦Q発売記念インストアイベントは終了した。iPadからの音はどこかチープな感じで、それがまた生で聴いたことは無いにしろ、空バカっぽい雰囲気で面白かった。時間は確か三十分ほど。終わった後もしばらくはタワレコ内に蔦Qの曲が流れていて、そいつが何だか嬉しかった。あーそうそう、おいちゃんの髪型が格好良かったなぁ。ライブやアルバム用の写真じゃいつも波打ってるが、あれはわざわざ手間隙かけて作ったものなんだね。パーマをあてているわけじゃないらしく、本日はまっすぐで珍しくも新鮮だった。こういうイベントだと普段と違う姿が見られて貴重だなぁ。
そうだこいつを忘れてた。トークの中で、新人、シーズン2、蔦Qで再結成三部作とオーケンは考えているけれど、これで終わりというわけではないことが名言されたことが何より嬉しく、ほっとした。ブログで三部作って言い出したときからもしやこれで終わりになるんじゃないかとハラハラしてたんだよなぁ。橘高さんが五年後、「筋少と言えば蔦Qだよね」と言われるくらい育っていってくれたら嬉しいと言ったとき、オーケンが「それじゃその後のアルバムがだめみたいじゃないか」と突っ込んだときも、今後をやる気があるのだと感じられて安心したのだ。我ながら心配性だとは思うが、ついな。あー良かった。ははははは。