「蔦からまるQの惑星」ツアー (2010年6月20日)

今日も行ってきたぞ! 「蔦からまるQの惑星」ツアー二日目! しかし開演前のアナウンスでは昨日と同じく「蔦からまるQのツアー」だった。渡されたメモが間違っていたのだろうか。大したことでは無いがやや気になる。

ところでだ。今回は、ついに初めて! 自発的に橘高ゾーンに行ってきた。まだライブ慣れしていない頃に人の波に流されて橘高ゾーンに来てしまったときはそのあまりの激しさに対応できず、散々な結果に終わってしまったが今回は! ばっちりと堪能することが出来た! 多少なりとも経験値を積んだ結果だな!

ただし上手前方にいたために、ギターとベースの音はよく聴こえるのだがボーカルは少し聴こえづらかった。おかげで今日のオーケンは歌っている姿よりも喋っている姿の方が印象に残っている。やはりバランス良く音を聴くにはもう少し下がった方が良いのだろう。でもついつい前方に突っ込みたくなるんだよなぁ。行けるうちには行っときたいのだ。

本日のセットリストは以下の通りである。昨日と似た構成であるため覚えやすかったが、イワンのばかの位置だけ曖昧だ。とはいえここ以外に入る場所は無いよなぁ…。暁のロシアの家なき子が人形抱えて蓮華畑、ダメなエンジェル、モコモコツアーファイナル、香菜とドライブ境目サンフラアデイ、という覚え方だったのだ。

アウェー イン ザ ライフ
レセプター(受容体)

仲直りのテーマ
ワインライダー・フォーエバー(筋少ver)

あのコは夏フェス焼け
暁の戦力外部隊
ロシアンルーレット・マイライフ

家なき子と打点王
爆殺少女人形舞一号
蓮華畑

踊るダメ人間
心の折れたエンジェル
イワンのばか
モコモコボンボン
ツアーファイナル

~アンコール~

香菜、頭をよくしてあげよう
若いコとドライブ~80’sから来た恋人~
境目のない世界
サンフランシスコ
ア デイ イン ザ ライフ

「蓮華畑」も予想外だったが、それ以上に嬉しかったのは「境目のない世界」をやってくれたことである。ライブで聴いたのは初めてだ。筋少の中では珍しくアダルトテイストの漂う曲だが絶妙なバランスで下品さを感じさせない。直接表現がほとんど無いところも、オーケンの歌詞が好きな理由の一つなんだな。意識的か無意識的かはわからないが、オーケンの中で「詩」はエッセイや小説とはまた別の位置に置かれているように思う。その違いが興味深い。だってエッセイや小説じゃあれだけ下ネタや性表現を使う人なのに、歌詞にはほとんど出てこないんだぜ。猥談も好きな人なのに。だからこそ、「歌詞」に対する思い、「歌」に対する思いは特別なのかな、と思ってしまうのだ。わからないけどね。

初っ端は昨日と同じくアウェー イン ザ ライフ! いつかのライブで一曲目がツアーファイナルだったことがあったので、今日はあえてアデイ イン ザ ライフから始めたりするかな、と思ったが変化球は来なかった。次のレセプターも昨日と同じ。間奏の語りがカットされているのが少々残念。間奏では「筋肉少女帯でーす!」と挨拶してたかな。

ここで最初のMC。今日のライブは特別なライブ、何と筋少は明日でデビュー二十三周年を迎えるとのことで、今日が最後の二十二年目とのことだ。これはおめでたい! そしてオーケン、内田さん、エディの三人も明日でデビュー二十三周年! おおおおお。何だか感慨深いなぁ。

二十三年間いろいろなことがあったと話すオーケン。頷く内田さん。ここでオーケン、デビュー当初の自分は女の子の胸を掴んで「モーレツ~」と言わせてモーレツア太郎に入っていた、でも今過去の自分に会ったら説教したい。それは当時は面白かったかもしれないけど、四十四歳になると恥ずかしいんだよ! と。何歳までは恥ずかしくなかったんだろうか。

しばらく思い出話のようなMCは続く。橘高さん曰く、オーケンは何度もバンド名を変えようとしたとのこと。だがオーケンは記憶に無いらしく、「嘘! どんなバンド名にしようとしたの?」と驚いた顔をしている。「良いのが思いつかなかったから変えなかったんだよ」とは橘高さん。そして話題はそのままバンド名に関することに。オーケン、二十三周年に入るのに未だ名前を「筋肉少女隊」に間違えられる。聖飢魔IIのデーモン小暮閣下がバンドの綴りを間違えられることを怒っていたとき、それくらいのこと…と思ったが、帯の字を間違えられるとやっぱり頭にくるとのこと。確かに。CD屋に行ってバンド名が間違ってないとむしろ喜びを感じてしまうものな。期待値の低さが我ながら悲しい。

思い出話から仲直りのテーマ、ワインライダー・フォーエバーへ。ラインライダーの掛け合いでは昨日と同じく全員楽器を外し、ハンドマイクを握って叫んでいた。今日も失敗は一つも無くバッチリ成功! 橘高さん前にいたので橘高さんと内田さんがよく見えたのだが、橘高さんは「腕に!」と叫んだとき左の二の腕に触れるポーズをとっていた。観客含め全員で声を合わせての「クランクアーーップ!!」は格好良くも気持ちが良い。「ウ、ハッ!」のところでは客が拳を「グー、パー」と動かしていて、それを見たオーケン、同じようにしないと悪いかなと思ってグー、パーの振りを真似したそうだ。

振りの話で、エンゲキロックの「アウェーインザライフ」にゲスト出演したとき最後に踊るダメ人間をやって、内田さん達は初めてダメジャンプをしてみたがきつかったそうだ。それでオーケン、ダメジャンプの部分はきついから曲の長さは半分で良いんじゃない? と言うと客席から不満の声。「皆マゾなんだよ」と橘高さん。「じゃあ二倍にしよう」と内田さん。「ドSかよ」と橘高さん。オーケン、タオル回しもきついけど皆やったことある? と聞くとやったことがあると答える内田さん。意外そうなオーケン。橘高さんが「内田はいつもやってるよ」と教えていた。

他にここではテレビの話と夏フェスの話を。昨日のMCで、家に帰ってもワールドカップなんか見ずにテレ東の鬼平犯科帳を見ろ、見てるかどうか明日クイズを出してチェックをするからな、と言っていたのだが、鬼平犯科帳はテレ東ではなくフジテレビだったことをまず謝罪。エンゲキロックがTBSのお世話になっているため他局の番組を薦めるのは控えようかと思ったが、テレ東なら良いだろうと思ったのに意味が無かったとのことだ。

そのうえオーケンも鬼平犯科帳は見ていなくて、「ようこそ☆おちこぼれカレッジ」という、どこの大学にも受からなかった主人公が、しかし落ちたことを言い出せず、ついに自分で大学を作ってしまい、するとどうしようもない人間が山ほど集まったが最終的には良い大学になった…ようなストーリーの映画を見たそうだ。「絶対筋少聴いてるような奴だよ!」とオーケンに言われる主人公。オーケンは自分のファンをどんな奴らだと思っているのだろうか。

そして夏フェスの話題。いつもライブに来てくれている筋少ファンが夏フェスでは少ない、だからもっと来て欲しいと昨日言ったけど、物販の湯飲みが完売した報告を受けて、あぁ、湯飲みが完売するんじゃしょうがないなと思った、皆さん湯飲みでお茶を飲んでらっしゃるんですね、もういいです、と諦めるオーケン。そして「せめて次の曲で夏フェスの気分を味わわせてやるぜー!」と叫ぶと客席から勢いよく「おー!!」と声が返ってきて、「味わいたいんだ…」とオーケンが苦笑した。わはは。

あのコは夏フェス焼け、暁の戦力外部隊までは昨日と同じ流れ。暁の戦力外部隊は昨日は間延びした印象を受けたが今日は決まったなぁ。たった一日で変化してくるのだから面白い。

ここから昨日と変化してロシアンルーレット・マイライフ! 楽しいけどきつい、きついけど楽しい。拳を振り上げて叫んでいるうちに脳がだんだん馬鹿になっていく感覚が生じる。トビマストビマス! 印度じゃないのに!

で、だ。次のMCがすごかったなぁ。メンバーがステージを去った後エディと長谷川さんとの会話になって、それからおいちゃん、内田さん、橘高さんの順でオーケンがメンバーを一人一人ステージに呼び込むのだが、何と内田さんがビワを手にしてやってきた。しかも実だけではない。枝つきの。いや、むしろビワの実がついた枝と表現する方が正しいだろう。枝がでかいのだ。

今日オーケンが楽屋に入ると内田さんがビワを片手に立っていて驚いたことから話は始まる。何故こんなものを持って内田さんは立っていたのか。それはエディが原因だった。内田家の庭にはビワの木があり、毎年大量に実が成って処分に困っている。そんなわけでこの間ビワを友人にあげたらしい。それを聞いたエディが自分も欲しいと言ったので、今日持ってきたのだそうだ。しかしエディ、欲しいと言ったとき「うちまで取りに来て」なることを言われて面倒くさくなり、昨日の帰りに美味しいビワを買って冷蔵庫に冷やしているとのこと。よって「もういらない」と持ってきたビワは断られ、そして今に至るということだ。

持ってきた枝に蜘蛛の巣が張っていたことによってエディの食欲が減退されたことも拒否の理由の一つらしい。枝を持って勧める内田さん、拒否するエディ、おいちゃんはどうかと振るオーケン、「内田の家にビワだけはいらない」と何故か頑なに拒否。最終的に持て余されたビワの枝は橘高さんのマーシャルアンプの壁の間にぶっ刺された。オーケンとおいちゃんが話をしている間にこっそりやったことで、イタズラを仕掛けた子供のように突っ込まれることを期待していたように見えた内田さんだったが、しばらく誰も気付かずビワはスルーされていた。だが、照明さんは気付いてくれたのだろう。ビワにスポットライトが当たっていた…。

ようやく橘高さんがやって来てギターの話に。ギターを習い始めたばかりのオーケンに早くソロが弾けるようになると良いねと橘高さん。するとオーケン、俺は弾き語り派だから云々、トンボとか歌うの、なることを喋る。弾き語り派って何だよと橘高さん。あれ、この前だったかな。おいちゃんとは最近ギターの話ばかりしているとオーケンが言って、おいちゃんがそんなにしてないよ、ビワの話の方が多いよと突っ込みを入れ、橘高のピックよりおいちゃんのピックの方が使いやすいからちょうだい、とおいちゃんにピックをねだって一枚もらっていた。何故今ここでもらうのだ。

ギターの話から昨日と同じく、橘高さんにメンバーがリクエストをし、お題に沿ったギターソロを即興で演奏するという大サービスを見せてくれた! 上手の定位置に橘高さん、下手に内田さん、オーケン、おいちゃんが並び、マイクを持った内田さんがあれとあれとあれ、とリクエストをする。何とかオフって言ってたかな。ライトハンドを希望したのはオーケンかな。あー、これはギターを知ってる人だったらもっと楽しめたんだろうなぁ。

この即興演奏を目の前で見られた。正直な話何をしているのかわからないが、橘高さんの奏でるソロからイメージする音よりも、ガシガシギシギシした硬く力強い音だった気がする。ちゃんと記憶できないのが惜しい。そのまま昨日と同じく家なき子と打点王へ。昨日よりもコールアンドレスポンスが決まっていたように感じる。間奏部分では橘高さんはエディのところまでは行かず、上手と下手で大バトル。あー、もう、たまらないなぁ。

照明が落とされると爆殺少女人形舞一号へ。アルバムに無いピアノの調べから始まりアルバムのイントロに繋がる。タイトルのごつさと曲調のギャップが激しいといつも思う。ピアノの後の「ジャーンジャーン」と響く、あのギターが好きだ。あの重く暗い切りつけるような音が、人形がただの可愛らしい人形ではなく、暗殺道具であることを表現しているんだろうなぁ。

続くは蓮華畑! エンゲキロックで役者さんの歌うバージョンを聴いたとはいえ、久しぶりだなぁ。これ聴きたかったなぁ。しみじみとしてしまった。

あー、ダメジャンプについての話はここでしてたんだっけ。ここのMCで何を話していたかよく覚えてないのだがとにかく怒涛の後半戦へ! 踊るダメ人間でダメジャンプをし、エンジェルで拳を突き上げ、イワンのばかではオーケンがステージ下まで降りてきて、ただでさえ盛り上がる曲なのに興奮した観客が前方に押し寄せて大騒ぎだ。残念ながらステージを降りたオーケンの姿を見ることは出来なかった。そんな余裕無かったって!

イワンが終わるとオーケンがステージを去り、じゃあ三人でやっちゃうぞ、と内田さんボーカルでモコモコボンボン! ドスが利いてて格好良いなー! オーケンボーカルよりも邪悪さが増す。内田さんボーカルの音源を作ってくれないかと思うほどである。

無論オーケンは引っ込んだままではない。昨日と同じくリラックマの着ぐるみを着て再登場! 内田さんのボーカルを引き継いで歌うリラックマオーケン。…このリラックマを情けを捨ててぶん殴らなければいけないのか…。

モコモコボンボン終了後。着ぐるみを気に入ったらしいオーケン、このままで良い? 脱いだ方が良い? 次ツアーファイナルだけど着たままで良いの? と言って結局脱ぐ。別に良いんじゃないという空気だったが流石にどうかと思ったらしい。脱ぎ終わると宣言通りツアーファイナルへ。

本編終了後程無くしてアンコール。アコースティックのセットがステージに作られ、アンコール一曲目は「香菜、頭をよくしてあげよう」だ。良い曲ではあるが正直ちょっと期待外れではあった。ゴミ屋敷の王女をこのあたりでやってくれないかなと思っていたのだ。ゴミ屋敷の王女と捨て曲のマリアは昨日今日のライブではやらなかった。新曲発表ライブやインストアイベントではやっていたので今更出し惜しみをすることも無いと思うがどうしたのだろう。今まで演奏する機会が多かったから寝かせているのだろうか。

「若いコとドライブ~80’sから来た恋人~」でしんみりし………たが次がまさかのレア曲! やってくれるとは思わなかった! 「境目のない世界」だー! 香菜、若いコで落ち着いていた観客がいきなり爆発、そりゃ橘高ゾーンにいるんだから当たり前だ。ヘドバンの嵐が巻き起こり首がどうにかなるかと思った。そのまま勢いに乗ってサンフランシスコ! 盛り上がらないわけがない!

「ハァッ!!」でジャンプをしてからも客席の動きは止まらない、小さく跳ね続け、拳を振り上げたままコーラスを叫ぶ。そうだ、この曲は珍しいベースソロが堪能できる曲でもあるんだ! 橘高さんが手を広げて内田さんがソロをやるぞとアピール。ライトの下で照らされて響き渡る重く低く歪んだ音色。かぁっこ良いなぁ!!

相手を魅せながら、負けるものかと魅せ付けるギターとピアノのバトルにくらくらした。何て贅沢な時間なんだろう。それももうすぐ終わりを迎える。「まだ百曲も二百曲も出来る!」と強がった後「あと一曲で勘弁してください」と弱って見せるオーケン。最後は言わずもがな、「アデイ イン ザ ライフ」。

別れを惜しむ歌にジンと来ていたら橘高さんが枝ごとビワを客席に投げ込んで笑ってしまった。橘高さん、すごいものを投げるなぁ。誰かが美味しく食べていると良いな。

こうして二日間のライブは終了。まだやっていない曲はツアーファイナルのリキッドの期待したい。特にゴミ屋敷の王女。これが聴きたくてたまらないんだ。

他、MCでは、何の話か忘れたが、橘高さんがオーケンの喋りを真似したとき、妙になよなよした喋りでおかしかった。あとオーケンが橘高さんに水戸黄門の新しいキャストが誰かと教えていたときにまたおいちゃんが宇宙に行っていて、それをオーケンと橘高さんが突っ込んだら、おいちゃんが「助さん格さんが誰々だってことは知ってるよ」と反論し、何でそんな上から目線…だったかな? 高圧的? 偉そうに? 忘れてしまったがそんなニュアンスで、言うの? とオーケンと橘高さんに笑いながら突っ込まれていた。

未分類筋肉少女帯, 非日常