日記録2杯, 旅行, 非日常


赤城

土曜日に友人と赤城山にドライブに出かけ、沼に向かってひたすら勢いよく石を投げまくったら翌日右肩が筋肉痛に苛まれ、そういえば投げるなんて動作は日常生活じゃ全くやらないものなぁと気付かされた。

ちなみに何故石を投げまくったかと言うと、実は本来は石を投げたかったのでは無く、水切りをしたかったはずなのだが、全くうまくいかないためいつの間にかただただ沼に石を投げては飛沫を散らすという遊びに変更され、それを存分に楽しんだのである。友人は水切りをしていたが。

さて赤城山。とりあえず赤城山に行って、あとは着いたら考えよう、ということで赤城神社に行き、近くの食堂兼土産物屋で腹ごしらえをし、大沼と小沼を見て、八十以上のカーブを曲がりながら山を下りて、じゃあ次はどこ行くかってんで分福茶釜で有名な「茂林寺」を見学し、夕飯を食べて帰った。


赤城
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湛えられた水を見るとテンションが上がる。赤い欄干と青い水面の組み合わせが美しい。

お参りを済ませるとすぐ近くにおみくじの箱が。そういえば今年に入ってからおみくじを引いていなかった。せっかくなので、と引いてみたところ中吉。まぁまぁの内容だが、失せ物については諦めろと書かれていたのが悲しい。友人は「何で俺はいつもお産の項目の内容がすごく良いんだろう…」とおみくじを見ながらいぶかしんでいた。もしかしたら何かを産むのかもしれない。

ところで友人は通常のおみくじの他に恋愛に特化したおみくじも引いていたのだが、人がいるところで引くのは恥ずかしいと言って、周囲には知人など誰もいないにも関わらず、人気の無いところを見計らってくじを引いていたのが何だか微笑ましかった。

おみくじを括りつけてから売店へ。自分は厄について無頓着で、今まで一度も気にしたことが無かったが、友人に勧められ「八方厄除」のお守りを購入した。知らなかったが、今年は八方塞の年であるらしい。九年に一度こんな年を迎えるなんて嫌だなぁ。お守りに守ってもらおう。

神社を出た頃には良い時間。では、ちょっと腹ごしらえでも済まそうか、と食堂の並ぶ通りを歩き、まぁどこも似たようなものなので、適当に空いているところに入ろうとしたら売店のおばちゃんに呼び止められる。そしてあれよあれよと言う間に饅頭としいたけ茶を試食でいただき、さらにしいたけ茶に乾物まで入れられてしまい、うっかり満ちてしまう腹。「昼食はこれで良しとしよう」と意見が一致して車に戻り、大沼の外周を回ることにした。

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「沼」と言う名前から想像する、ぬかるんだ地面、濁った水、じめっとした空気はどこにも無い。どちらかと言うと「湖」という言葉のイメージに近い。沼なのにこんなに綺麗なんだなぁ、と思いつつ眺めていると友人が石を物色している。そしてヒュッと投げると水面を跳ねる石。水切りだ。よし、自分もやってみるか、と手頃な石を見つけ放ると飛び散る飛沫に沈む石。何度か試したが全くうまくいかないのでただただ沼に石を放り込んで楽しんだ。おかしいな、子供の頃は出来たはずなんだが。

大沼から移動して小沼へ。

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波が行き来していて海のようだ。タオルを持っていたら足の一つも突っ込んだのだが、持参していないので自重した。


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蛙の卵があった。これはまだ深いところにあったが、今にも打ち上げられそうな卵もたくさん見受けられ、他人事ながら心配になった。あいつらは無事に孵化することが出来るのだろうか。無理かなぁ。

小沼でも石投げ遊びを楽しみ、八十以上のカーブを曲がって山を下りる。自分はかなり酔いやすい体質であるため少々身構えていたが、一度も気持ち悪くなること無く山を下りることが出来た。友人に感謝である。

その後の予定は何も決まってなかったが、群馬県民なら誰でも知っている「分福茶釜の茂林寺」に行くことになった。向かう途中、面白い看板を見つけ、それを再度見るためにわざわざ迂回して道を戻るなどして、そういったことの一つ一つがやけに楽しく面白い。実に愉快だ。

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茂林寺に着いたのは何時頃だっただろうか。拝観時間をとっくに過ぎていたことは確かだが、来たときはまだ明るかった。写真は茂林寺の駐車場にいた狸。こちらはキュートである。

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しかしあなたは怖い。

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参道に並ぶカラフルな狸達。色合いのせいかどこか漫画チックでチャーミング………だが顔が怖い。目玉の大きさと口元の形がやけに魚っぽいのである。

話は戻るが、何故群馬県民なら誰でも「分福茶釜の茂林寺」を知っているかと言うと、それは群馬県の名産から歴史上の人物までを高密度で詰め込んだカルタ「上毛かるた」に「分福茶釜の茂林寺」が載っているからである。このカルタを群馬県民はかなり本気でやる。学校の授業でもやる。町内会の大会まである。さらに県大会まである。しかし全国大会は無い。だが、英語版のカルタはある。妙なところでグローバルだ。

そして車に戻り、会話の流れで上毛かるたの内容をだいぶ忘れていたことに気付いた我々は、友人のスマートフォンを活用して上毛かるたのおさらいをした。半分以上忘れていてちょっと悔しかった。

夕飯は友人行き着けの居酒屋へ。量が多いから気をつけろという助言を受け、じゃあ最初はこれとこれとこれとこれだけにして、後で追加を注文しよう、と言ったら追加注文どころか枝豆の始末に困るくらい量が多く、握りこぶしのようなサイズの唐揚げに舌を巻いた。

その日は電車で下宿先に戻る予定だったが、急遽実家に泊まることに予定を変更。家でまた呑み直し、ゆっくり眠って今日下宿先に戻った。幼少より群馬で過ごしたが、まだまだ行っていないところがたくさんあるのだなぁ。生きている間に上毛かるたに載っている箇所くらいは制覇してみたいものである。なんてことを思ったりした。

日記録2杯, 日常,

亜鉛のサプリメントを摂取するようになってからしばらく経つ、と言っても一ヶ月程度だが、気付けば口中に苦味を感じることが無くなったので、やはり不足していたのかなぁと思いつつ、そりゃ不足するよなと納得する。

家計簿をつけるようになってから自分の体が何で構成されているのか明示化されるようになった。そして、ほとんど同じものばかりもんばっかり喰い続けていることがよくよくわかったのである。

■レギュラー陣
玉ねぎ
もやし
大根
人参
ごぼう
白菜
鶏肉
豚肉
ベーコン
鶏卵
チーズ
ヨーグルト
バナナ
デコポン

パン
冷凍うどん
緑茶
ミンティア

■準レギュラー
きゃべつ
長ネギ
ナス
きゅうり
レタス
生姜
じゃがいも
舞茸
しいたけ
サッポロ一番味噌ラーメン
スパゲティ
ツナ缶
雑穀
カレールゥ
ビスコ

■ベンチ入り
加工トマト類(トマトペースト、トマト缶など)
にんにく

魚類がツナ缶くらいしか無い。そして貝類が全く無い。そもそも家計簿をつけるまでも無く、貝類を購入したことなど一人暮らしを始めてからただの一度も無いのだが。亜鉛云々は置いておいて果たしてこの食生活はどうなのだろうか。あまりにも同じものばかり食べている気がするが、自炊するだけマシなのか。

まぁ、せめてもうちょっと魚を食べるようにしようかな。

日記録3杯, 日常

起床と共に左目に違和感を覚え鏡を覗き込むと若干白目が腫れているよう。以前白目が腫れたのはアレルギーを発症した際。とはいえアレルギー源である猫はこの部屋にはおらず、これといって思い当たる動作も無く、寝ている間に目をこすり黴菌が入ってしまったのだろうか、と思うしかない。仕方なくコンタクトレンズの装着は諦め眼鏡で過ごした。

ところで自分は目が悪い。どのくらい悪いかと言うと、眼鏡を外した状態で洗面所の鏡で顔全体を見ようとすると何も見えないくらい悪い。ぐっと顔を近づければピントが合うが、すると全体が視界に入らないため結局顔を見ることが出来ない。見えるのはせいぜい目玉や鼻、唇といった部分部分だけである。これが困る。

何に困るかと言うと、裸眼で髪の毛をまともに整えられないことである。

眼鏡をかけろよ、という声が聞こえてきそうだが、ジェルを髪の毛に塗ったくる際、眼鏡をかけていると眼鏡の弦がジェルでべったべたに汚れるし、邪魔になるしでかけられないのである。結果裸眼でぼやけた視界の中で勘を駆使して仕上げるしか道が無く、そうして出来上がったものを矯正した視力で見ればひどい有様。一応まとまってはいるが、細部がてんでばらばらで、雑な仕上がりになっているのである。

そんなわけで今日は一日雑な頭で過ごすはめになり、ならもうどうでも良かろうと極めて適当な衣服をいい加減に組み合わせて着用し、上下ジャージという程ではないがどこかみっともない格好をしていたらそんな日に限って人に会わねばならなくなってそのうえ白目も腫れてるし、あー気を抜きすぎるんじゃ無かったと酷く後悔致しました。あぁ。

日記録2杯, 日常

消費期限の切れたものは絶対に食べられない。
車も人も全く通らない田舎道でも、赤信号が点いていたら横断してはいけない。
困っている人がいなくても、健康な人間は優先席に座ってはいけない。
ゴミ出しの指定時刻を過ぎた後には、例えゴミ収集車が来ていなくてもゴミを出してはいけない。

これらは自分の中に「当たり前のこと」として存在している決まりだが、もしかしたらもう少し、柔軟になっても良いかもしれないと思い始めている。

トーストを食べた。焼いてみた。齧ってみた。変な味はしなかった。それは消費期限が二日過ぎていて、表示に気付いた瞬間、慌てて冷凍庫に放り込んでしまった挙句、対処に困り途方に暮れたものである。もったいないと思ってつい冷凍してしまったが、冷凍したところで時が逆行するわけでは無い。食べられないものは食べられないのだ。いったいどうしてくれようか。

しかしある人が助言をしてくれたのだ。消費期限はメーカーが勝手に決めた期限だから、それが絶対では無いんだよ、と。自分の目と舌で確かめてみれば良いんだよ、と。

目から鱗だった。消費期限を疑うなんて考えたことも無かったのだ。これを過ぎたら即ち毒、絶対に食べられないと思っていた。味見をしてみるなんて発想は一つも持っていなかった。

そして食べられたのだ。問題無く。美味しくトーストをいただくことが出来たのだ。

消費期限に限らず、他にも薄々、実はこれは絶対的な決まりというわけでは無いんじゃないか? と思っていたものがある。だがそれを思うのは思うことすら悪い気がしていたのだが、もしかして、もしかしなくても、もっと適当なのか? 世の中って。実は建前だったりするのか? そこまで行かなくても、時と場合で判断する、というのもアリだったりするんじゃないか? 罪悪感を抱かなくても良い場合もあるんじゃないのか?

今更と言われるかもしれないが、ちょっとドキドキしている。

日記録1杯, 日常

今度仲間と独立することになったので来月でこの店を辞めるんです、と言われたのは数ヶ月前のこと。何回か担当してもらった美容師が髪を切りながら笑う。今度ハガキを出すので良かったら来てくださいね、と、嬉しそうに。新しい店の場所は離れたところだった。自分は店を変える気は無かったので、頑張ってくださいねと返した。

そして一ヶ月半ほど経ち、いつもの店に行ったら驚いた。店にはオーナー一人だけ。聞くと、ここで働いていた美容師全員がごっそり抜けていなくなり、皆で独立して新しい店を構えたのだそうだ。仲間と独立するとは聞いていたが、せいぜい二、三人かと思いきや一つの店から丸ごととは。「突然皆辞めちゃったから手が足りなくて困っちゃって」とオーナーはため息。その日はシャンプーからカット、ドライヤー、床に落ちたゴミの片付けまで全てオーナーが一人でこなした。

どんな事情があったか知らないが、元担当の美容師に対して心象が悪くなったのが正直なところ。だが、まぁ社会とはそういうものなのかな、と思ってから一週間か二週間後。元担当から新店へのお誘いのハガキが届いた。新店の住所から。配達日指定などはされていないごく普通のハガキが。店を辞めて一ヶ月以上経ってから。

……持ち出したのか? 名簿を。

ハガキを出すと言ったとき、てっきり元の店にいる間に送ってくるものと思っていたが。自分は確かに初めて来店した際に個人情報を記入して渡したが、それは店に提出したものであって、美容師個人に渡したものでは無いぞ。

何だかなぁ、と思いつつハガキを処分した。それから髪はオーナーのお世話になることとなった。オーナーはカットが上手く、話が面白く、そしてマッサージの腕が非常に素晴らしいため、美容師が丸ごと抜けてしまったことは気の毒だが、腕の良いオーナーに担当してもらえるようになったので、自分としてはかえって良かったと密かに思っていた。店を変える気はもちろん無い。

それからまたしばらく経ち、ハガキのことなどすっかり意識の外に漏れた昨日、夜道を歩いていたらすれ違いざまに勢いよく呼び止められた。見ればそれは元担当の姿。そこはあの何屋かさっぱりわからない謎の料理屋の店先で、どうやら今から呑み会をするところらしく「仲間」と思われる人が暖簾を潜ろうとするところだった。呼び止めた元担当は叫ぶように言った。

「ハガキ!! ハガキ送ったんですけど、ハガキ見ました? 届きました!?」

見たけど捨てましたよ、とはもちろん言わず。名簿についても特に言わず。ただ彼女の切羽詰ったような表情を見て、彼女の中で自分がその店に通うべきことになっているのが不思議なものだ、と思いつつ、呑み会ですか良いですね楽しんでくださいね、と言って別れた。

他のお客さん達はどの程度新しい店に移っていったのだろうか。わからない。