日記録2杯, 日常

楽しかったなぁ。

友人の結婚式に行ってきた。二時間かけて電車移動し、結婚式に出席し、三時間かけて帰宅した。帰りの方が時間がかかったのは時間の関係で乗り継ぎが必要となったからである。結婚式はしっかりと形式に則ったものだったがくだけた雰囲気もあり、新郎新婦が選んだと思われる音楽が凝っていて面白く、堅苦しくなく過ごすことが出来た。

それにしてもこのところ隔週で群馬に帰っているせいで移動の感覚がおかしくなりそうだ。二時間の電車移動くらい余裕、と思いつつある。ただ体力的にはいけるものの金銭的にはきついのだが。

何はともあれおめでとう。幸せになれ!

日記録4杯, 日常

楽しい一日でございました。

筋少のインストアイベントに行き、アルバム「4半世紀」にまつわるトークをたっぷり聴いて、帰宅後はニコニコ生放送で歴代PVとライブ映像、そして内田さんの単独インタビューを堪能。さらにこれから大槻内田のまんが道コンビがテレビに出演。正直もう早く布団に入りたくて仕方が無いほど体は疲れているのだが、起きて待つしか無いだろう。こんなお祭りみたいな日には。

明日は間違いなく寝不足だが、それもまた良し。カフェインをたっぷり摂ってすごそうじゃないか。

日記録1杯, アルバム感想, 日常, 筋肉少女帯

筋肉少女帯のセルフカバーベストアルバム「4半世紀」を買ってきて、余韻に浸っている。想像を超える格好良さだった。過剰さに過剰を重ねた装飾美。しかし内容はシンプルだ。ライブで演奏することを前提にしているのか、はたまたライブ演奏をコンセプトにしているのか、筋少メンバーとサポートメンバーの楽器と声だけで曲が構成されている。オリジナルの「機械」にあった鐘の音は無く、「日本印度化計画」のシタール演奏はギターで再現されている。コーラスも女性のゲストは無い。そのせいか今までのアルバムではあまり前面に出てくることが無かったベースの音がかなり存在感を放っているのが印象的だ。

オーケンの歌も素晴らしい。正直な話、驚いた。失礼ながらこんなに表現力のあるボーカルだったか、と思わされたほどだ。アルバムを聴く前に読んだ雑誌のインタビューで「4半世紀」にはキーを半音下げた曲もある、とオーケンは語っていた。そのときはやや残念に思ったが、下げたことにより今のオーケンの持つ歌声の魅力が発揮され、当時のオーケンは持っていなかった歌い方によって、その曲の新たな魅力が引き出されている。年を重ねて変化することにより、別の味が生まれている。そうだ、年を重ねることは悪いことでは無いんだ。肉体は徐々に衰えるが、同時に技術と経験は積み重ねられていく。若い頃には持っていなかった色彩を披露することが可能になるのだ。

「自分達はここまで出来るんだぜ?」と見せ付けるようなアルバム。齢五十を目前にしたロックバンドの全力を見た。そのうえで、「まだまだ行けるんだろう?」と思わせてくれるのが嬉しい。きっとライブではさらにあっと驚くようなパフォーマンスを見せてくれるに違いないのだ。

日記録0杯, 日常,

酒好きだがこだわりはあまり無く、無論味の好き嫌いなどはあるものの、この料理を食べるときにはこれ、この酒の味を引き立たせるならこれ、といった選び方はせず、とりあえずビールから始まりエンドレスビール、肉でも魚でもチーズでもケーキでも和菓子でもビールで良し、それどころかつまむものが無くても良し、といった人間で、昨日も一応きゅうりとミョウガを梅干と鰹節と醤油で和えたものを用意したものの、さっさと食べ尽くして後はずっと音楽を肴に酒オンリーで楽しんでいた。

これはこれで楽しい。これはこれで楽しいが、反面、料理によって酒を変え、味わいの変化を楽しむことが出来る人をうらやましくも思うのである。良いなぁ、これぞ酒呑みだよなぁ、と思うのだ。

ワカコ酒」という漫画を買った。主人公である村崎ワカコは大の酒好きの二十六歳。彼女が酒場や自宅で一人酒を楽しむ漫画……と書くと人によっては寂しく見えるかもしれないが、全くそんなことは無い。「料理」と「お酒」と「彼女」によって一つの世界が構築され、料理の見た目、香り、味が簡潔な言葉で丁寧に描写される。鮭の塩焼き、出汁巻き卵、焼き餃子、ざる豆腐、ポテトサラダといった馴染みの品々の、強く意識することの無い、しかし多くの人が感じているだろう「魅力」が的確に描かれ、納得しつつ引き込まれるのである。また料理の絵がとても美味しそうなんだ。

薀蓄は語らない。大げさな描写も無い。だからこそしっくりくる絶妙なバランスがすごい。日本酒、焼酎、ウーロンハイやサワー類と馴染みの薄い自分でも、「あぁ、これは合うだろうなぁ」と納得する。きっと同じメニューを同じように食べても、この漫画と同じ受け取り方は出来ないだろう、と自身の味覚の幼稚さから察せられるだけに、まるで自分が相性の妙を堪能出来る人間になれたように錯覚出来るのがまた楽しい。酒好きの人は是非。そうでない人も是非。おすすめだ。

日記録3杯, 不死鳥, 水戸華之介, 非日常

非常に素晴らしいライブだった。

水戸さんのライブは今までにも何度か参戦したことがあったが、曲の盛り上がりのわりに観客が落ち着いていて、押しもほとんど無く、まったりと自分のスペースを確保しながら騒ぐことが出来る。それは快適でありつつも、いつも小さく物足りなさを感じていた。無論アコースティックライブでそれを求めることはしないが、バンドなら、この曲なら、こんなに格好良い曲なんだから! もっと弾けたい! と常々思っていた。

そして二十五周年記念のこの興行。当日券は若干数販売の大入り満員。己の整理番号は百番以内。入場後しばらく経つと後ろの方まで人人人。さらに、開演前にスタッフから、入り口付近が混雑しているので一歩ずつ前に詰めてください、とアナウンスがあった。

これはもしかして、今回はすごいんじゃないか?

予想は的中。ステージに水戸さんが現れた途端前へ押し寄せる人、そして「祈り」「すべての若き糞溜野郎ども」で初っ端から爆発する観客。やったよ! これを望んでいたんだよ! と心の中でガッツポーズをしながら、しかしいつもの様子を想定して来たと思われる、あのご年配の方は大丈夫だっただろうか、と右前方に立っていたご婦人を思ったが、気付けば自身もぐんぐん押され、あー念の為ロッカーに荷物を預けていて良かったと思いつつ、拳を振り上げ、押しに耐えながら力の限り叫んだ。

楽しかった。

水戸さんは冒頭で「デビュー二十五周年」なんて所詮自称だからね、デビュー二十五周年と言ったって、デビューする前から頑張ってるわけだから、ここをスタート地点と思っているわけでは無いと思う、と話し、二十五周年に駆けつけた観客に対し、皆キリの良い数字が好きだな! と茶化して笑っていたが、やっぱり二十五周年、四半世紀ってのはすごいよな、と思った。

これは後の方のMCだったが、水戸さん達がデビューした頃は四十代のロックミュージシャンなどいなかった、ロックは若い人の音楽で、それをいつまでもやっている姿など想像が付かなかった、だから今この世代のロックミュージシャンは前人未到の領域に到達しつつある、という内容のことを話していた。

会場には水戸さんと同年代か、それよりも少々下の人達が多く見られた。筋少よりも年齢層が高い印象を受けた。しかし若い人もたくさんいた。水戸さんではなく、ゲストを目当てに来た人もいるだろう。だがそのゲストも皆水戸さんとほぼ同年代。いわゆるアラフィフのロックミュージシャン達だ。

筋肉少女帯の大槻ケンヂ、レピッシュのMAGUMIに杉本恭一、人間椅子の和嶋慎治、そしてアンコールで飛び入り参加の橘高文彦。橘高さんは本日XYZ→Aのライブがあったが、終演後わざわざ水戸さんのために駆けつけてくれたのだ。水戸さんはそんな橘高さんに対し「律儀な子なので来てくれました!」と言って大喜びしていた。

各々が自分の音楽の道を歩みながら、その中で築かれた縁。二十五年間自身の道を進みながら築いていった縁。特に今回集まった人達に関して言えば、戦友であり盟友のようなものだよな、と思う。

自分は今年二十七歳。何も考えていない赤ん坊の頃から数えてようやく二十七年経つが、自我が芽生え、育ち、自立して生きていく二十五年はまだまだこの先にある。五十歳になったとき、己は自信を持って二十五年を振り返ることが出来るだろうか。特に自分は結婚をする気も無ければ子供を作る気も無いので、何の節目も迎えずに、だらだらと生活し続けてしまいそうな恐ろしさを若干抱いているのである。

などと思うのはあくまでもライブが終わって落ち着いてから。ライブ中はそれどころではなく、大いに盛り上がって楽しんだ。

今回一番グッと来たのは「ゴルゴダ」だ。「ゴルゴダ」はゲストでワジーが参加し、ギターを思いっきり弾き鳴らした。これが美しいのなんのって! また、あのワジーの独特の歌声が実に絶妙に合っていたのだ。「ゴルゴダ」はアンジーのアルバムでも聴いていたが、これはこんなに美しい曲だったのか………と驚きながら再認識させられた。直後にゲストで登場したオーケンが絶賛したのも納得である。

オーケンは「蝿の王様」「31のブルース」を歌ったが、MCも出番の一つとして数えられていたのではないか、と思うほどよく喋った。MCの内容は主に「ミミズ」の話。水戸さんはオーケンに「ミミズ」を歌ってほしいと依頼したが、「生理的に受け付けない」という理由で断られたというもの。ここだけ聞くとオーケンがひどい人のようだが、「生理的に受け付けない」理由は曲がどうこうじゃなくて、「ミミズ」という生き物自体がどうしても苦手なためとのこと。オーケン曰く、「ミミズ」という言葉を口にするのも耐え難いそうで、「ミミズは畑を耕しているんだよ!」「役に立っているんだよ!」と水戸さんが言うたび、顔をくしゃくしゃにしてイヤイヤしていた。

いやーでもオーケンのミミズ聴きたかったなぁ。オーケンは女言葉のボーカルが合うから、絶対ぴったりだと思うんだよなぁ。

あと面白かったのが、オーケンがステージに登場するや否や、オーケンは水戸さんに「今日人見知り大丈夫?」と心配されていた。何でも数ヶ月会わないと人見知りしてしまうらしい。だが今回のオーケンは自信満々。「ワジーとは一緒にバンド(白髪鬼)やってるから大丈夫だよぉ!」とニコニコしていたが、あろうことか内田さんに対し人見知りを発動していた。内田さんに「一昨日会ったよ」と言われるとパァッと顔を綻ばせて「そうだぁ!一昨日会ったねぇ!」と元気になっていたが、三十年以上付き合っている幼馴染くらい慣れてくれよと思わざるを得なかった、例えネタだしとしても。

「蝿の王様」では「銭ゲバ!」と叫び、「31のブルース」では「ヘイユウブルース」を熱唱し、オーケンは退場。まさか不死鳥のライブでヘイユウブルースを聴くとは思わなかったのでびっくりした。オーケン本当にヘイユウブルース好きだなぁ。

「天井裏から愛をこめて」を中盤にやり、大盛り上がりの後MC。今はアコースティックとバンドを半々くらいでやっている。アコースティックは若い頃には出来なかったこと。でも、出来るか出来ないかは別として、自分の中ではまだまだ「やりたい」気持ちがある。そして今回二十五周年記念ライブをやるにあたり、一番やりたいことがあった。

と言って始まる次の曲は、重たいベースの音が地響きのように振動する曲。「ミミズ」だ!

中盤で天井裏をやるのはもったいないんじゃないか、と思った自分が愚かだった。まさかの「ミミズ」「¥10」「分解マニア」「バンビはどこだ」のメドレー! このあたりはほんっとうに……楽しかった!!

本編ラストは「袋小路で会いましょう」。良い曲だが、「え、二十五周年の本編ラストで袋小路………」と思ったのも本当の話。

和やかに終わってアンコール。アンコールでは内田さんが帽子を脱いで、不死鳥バンダナを頭に巻いて登場。アンコールの曲は何だったか。楽しすぎて忘れてしまった。

そしてダブルアンコールでは橘高さんが駆けつけてくれたってんだから驚きだ! ギターも持たずに歌うために駆けつけたギターヒーローを大笑いするオーケン。完全にリラックスしている(ように見える)オーケンは自身の携帯電話を取り出して記念写真を撮影。写真は公開せず、待ち受けにすると言い張っていたが、ちゃんと大ブログにアップしてくれていた。

最後は全員で「素晴らしい僕ら」を熱唱。この曲はとにかく何もかもを全肯定してくれる多幸感がある。それこそ「金もないコネもない体は病弱で頭も悪い」どうしようもない人間も「素晴らしい」と言い切ってくれる。現実的でシビアな歌を多く歌う水戸さんが歌うからこそ、グッと来る歌である。ただ違和感もあった。とても有難い曲だけど、どうしてそこまで言い切ってくれるんだろう? と言うような。

もし同じ疑問を抱く人がいるなら、「不死鳥Rec.」のインタビューに「素晴らしい僕ら」に対する水戸さんの思いが語られているので是非ご覧頂きたい。ライブはあまりに盛り上がりすぎて、途中後方の人の歌声ばかりが耳に入って水戸さんやゲストの声が聴こえないことすらあったが、それもどうでも良くなるくらい夢中になってしまった。「一緒に歌おう」と促されたところでは大声を出し、アンコールも全力で叫んだので咽喉が枯れてしまっている。その結果がまた嬉しい。

「二十五周年を半分と考えて、五十周年を目指すから、お前ら死ぬなよ!」と言い切る水戸さんはバツグンに格好良く、頼もしかった。三十年、三十五年どころか五十年! 何て有難いんだろうか! はまったミュージシャンのほとんどが、二十も三十も年上なので尚更嬉しい。たまに、あと何年この人達の活動を見られるのだろうか、と思わされてしまうから。例えリップサービスだとしても、すごく喜んでしまうのである。

終演後には水戸さんがサイン会を開いてくれて、一言二言お話しする時間があったのだが、そのとき初めて自分の声がガラガラになっていることに気付かされた。水戸さんの手は大きくて温かかった。