そう、あれは三月だ。いったいどこまで食費を引き締めることが出来るだろうか、と好奇心もあって試してみたところ、食費が一万千円、買い食い費も含めた外食費が五千円以内に収まったが、必要最低限のものしか買わず、出来る範囲でギリギリまで節約したため食生活に楽しみを見出せず、非常にストレスが溜まったので、無理なことをするのは止めようと心に決め、それから食費を一万八千円、外食費を六千円に予算を設定し直した。
そして我慢は最低限に留め、必要な食材を好きなように買い、気ままに菓子や果物を食べて過ごした五月の食費が一万二千円、外食費が四千九百円という結果に相成った。
「はぁ!?」と思わずパソコンに向かって声を上げ、キーボードを連打して五月の記入欄を見直したが間違いは無い様子。え? 今月はかなり贅沢、とまではいかないまでも、財布の中身を考えずに食べたい食材をガンガン籠に入れたのにこの結果? 三月とたったの千円しか違わないってどういうことだ?
全体的な収支は合っているので記入漏れは無いと思われる。とすると、気の持ちようの違いだろうか。安くついたならそれに越したことは無いものの。予想外の結果に驚きを隠せない。悪いことでは無いのだが何だか寂しいのは気のせいか。何と言うか、あれだ。安上がりなんだな、自分という人間は………。
今月はビールでも呑もうかと思う。