日記録2杯, 日常

2015年1月7日(水) 緑茶カウント:2杯

網はある。網はあるものの、何故にこの眼科はこの激流を採用しているのか。

何度ここで冷や汗をかいたかわからない、とある眼科の洗面台。主にコンタクトレンズの着脱に使われるそれは綺麗に磨きぬかれ、右側には鏡とティッシュ、左側にはコンタクトレンズのケースが備えられている。ごく一般的な眼科の洗面台だ。しかしセンサー式の水道に手を翳すと一転、異常な洗面台として目に映る。何故だか知らぬが、一般家庭の蛇口を全力でひねった結果生じるレベルの水圧で、勢いよく激流が放たれるのである。

初めてこの洗面台を使用したときは、何かの罠に引っかかったのかと思った。指先に乗せたコンタクトレンズは激流に呑まれ渦を巻き、あわや排水口の奥へと思われたが、網に拾われて事なきを得た。事なきを得たいかがなものか。そもそも、眼科じゃなくともこんな勢いの水が出るセンサー式の水道なんぞ見たことが無い。そのうえで、何故よりにもよってコンタクトレンズの着脱のための洗面台で、これ。

センサー式ゆえ強弱の調節が出来ないのがまた歯がゆい。激流は突発的に流れ、勢いは衰えることなく、いきなりビャッと止まるのだ。実に歯切れが良い。メリハリがあるにも程がある。

この激流を前に己に出来ることはただ一つ。とにかく真剣に注意深く蛇口を向き合うことのみ。だが、いつも想像を超える激流が放たれるのでわりと毎度びっくりする。しかし。びびりつつ、使いづらいと思いつつ、ここに来てこの激流を見ると「あーこれこれ」と嬉しくなるようになってしまったので、使いやすくなったら寂しいかもしれない。

こういうわけのわからないものは、楽しい。



日記録2杯, 日常

2015年1月5日(月) 緑茶カウント:2杯

まぁ予想はしていたが。しかし達成してしまうとは。人生で一番体重が多かった時期と同じ体重になってしまった。無論身長は伸びていない。ギリギリ標準体重内ではあるものの、手持ちのズボンがきつくなってしまっている。ベルトも普段使わない穴に金具が通る。よろしくない。

十二月に、四月までに四キロ体重を落とすことを目標に掲げたが、とりあえず今月中に一キロ半落とそう。そのためには運動の再開と飲酒の断絶が必要である。あと糖分摂取も控えようか。

とりあえずせっかくなので、今の自分の写真を撮っておこう。そして毎月見比べてみるのである。こういう楽しみを設定するとやりがいが出来るのでよろしい。よし、やってみましょうぞ。



日記録0杯, 日常

2015年1月4日(日) 緑茶カウント:0杯

どんなときでも新しい年は始まるもので、気付けば三日も消費している。

今年は日記のペースを意識的に緩めて、書かないときは書かないことを心がけてみようと思う。そしてその分の時間を他に充てたい。よく考えて、思考する一年にしよう。そうしてより良い三十歳を迎える準備をするのである。

抱負かな? 抱負だよ。



日記録4杯, 日常

2014年12月29日(月) 緑茶カウント:4杯

酒を呑みながら、ゆったりとした日常を過ごしているのである。楽しい。

楽しい、の中に寂しさが見え隠れする。これが己の年末年始である。

でも、きっと楽しいのだ。きっと。



未分類0杯, 電車, 非日常

行きたいな、と思いつつも、年末だしな、と自重していたのだが、直前になってスケジュール的には問題なく行けることに気が付いた。そしてそのとき己は非常に疲れ切っていた。脳が爆発しそうだった。そこで己を鼓舞するため急遽チケットを購入した。何とか、眼前に人参をぶら下げることで乗り切ろうとしたのである。

そういった経緯で、今年最後のライブは「電車」となったのだった。

電車のセッションに行ったのは2011年の1月3日。正月に死体洗いのアルバイトの歌や自爆テロの歌、鳥葬の歌、男女の別れの歌を聴き、今年は年の瀬にそれを聴く。場所は同じ吉祥寺のSTAR PINE’S CAFE。ただし今回はセッションではなく、電車という「バンド」の演奏だ。ついに今日、本物の電車による、電車の曲を聴けたのである。

電車はゆる~い雰囲気で、のんびりだらだら進行しつつ、曲に入ると途端に空気が切り替わるのが実に面白い。この点、筋少より顕著である。筋少はMCでゆるゆるだらだらしていても、「ステージ上」であり、「見せるための姿を演じる」気構えが多少はあるように見えるのだが、電車はそれが少なく見えた。より素に近く、肩の力が抜けているように感じられた。

さて、曲のそれぞれにも語りたいが、まずはセットリストの方を。


電車の猛勉強
夢見るショック!仏小僧

OUTSIDERS
死体のこもれび(新東京正義乃士のカバー)

テロルおじさん
ほうろう(小坂忠のカバー)
人間のバラード(筋肉少女帯のカバー)

生まれてビックリ団
パーマのブルース

星屑と赤い闇のブルース
とん平のヘイ・ユウ・ブルース(左とん平のカバー)

喰らわれた女の歌
アタイばっか
包丁とマンジュウ(スターリンのカバー)

~アンコール~

お別れの背景


「テロルおじさん」「ほうろう」「人間のバラード」のあたりの並びはやや記憶が曖昧で、正直自信が無いのだが、他は合っているはず、である。

ステージでは下手からサトケンさん、オーケン、ベラさんが並び、オーケンの前には譜面台が置かれ、背後にはドラムの小畑ポンプさん。さらにその後ろがステージへの出入り口になっているようだった。ステージ前には客席用の椅子が並べられているが、全員分は無く、客の半数は立ち見となる。また、二階もあり、上からステージを見下ろすことも出来る構造となっていた。己は一回の椅子席のやや後ろに並んで立ち、開演前には缶のエビスビールを呑んでいた。天井にはミラーボール。何故かミラーボールを囲むように羽飾りが飾られていた。

客電が落とされ、メンバーが登場すると同時に始まる「電車の猛勉強」。ヘビィなサウンドの上で「べーんきょっ」と平仮名で歌うオーケンがキュートである。今回のライブでは譜面台があるおかげか、歌詞間違いが少ないようだった。とはいえ、たまに舌が回っていない場面もあったが。それはそれでご愛嬌である。

二曲目でいきなり「夢見るショック!仏小僧」と暗黒ナンバーへ。あぁ、電車のライブに来ているのだなぁと実感する場面だった。続いて大好きな「OUTSIDERS」に、死体洗いのアルバイトの歌「死体のこもれび」。「死体のこもれび」を聴いているとき、胸が締め付けられるような思いがした。電車セッションのときにこの曲を聴いたときはこんなに苦しくならなかったのになぁ、と寂しく感じた。

ちなみに今回のライブにおける自分の中でのハイライトは「生まれてビックリ団」「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」「お別れの背景」である。中でもすごかったのが「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」だ。

何故ならこの曲、自分は飽きているのである。オーケンのお気に入りだが、お気に入りと知っているが、自分はそこまで思い入れが無いだけに、悪いとは思うが「またか」と思ってしまうのである。どちらかと言うとオーケンのオリジナル歌詞を聴きたいなぁ、と思ってしまうのである。しかし、今日はすごかった。

この曲をやる前のMCで、サトケンさんがベースだけのCDを今日の物販で販売していて、それがついに九枚目、毎年作っているから今年で九年目になるという話が出ていた。ベースだけのCDとはいったいどんなものだろうと興味を覚えつつ、頭に浮かんだのは「はなわ」であった。いや、無論ベースだけと言うことは歌も無いことはわかっているのだが、ついつい連想してしまったのである。

そのMCの後のヘイ・ユウ・ブルース。「ヘイユウワッチュアネーム!」と叫ぶオーケンの一声から始まり進行していく。序盤は通常通りである。しかし中盤で変化が起こった。

いつの間にか。オーケンとベラさんがいなくなり、ステージ前方にはサトケンさんだけ。そしてサトケンさんが一人、延々とベースソロを奏で続けるのである。自分はあまり、ベースソロを聴いたことが無い。音楽が好きというもののひたすら筋少を聴いている人間で、その筋少はベースソロがほとんど無い。サンフランシスコに少しある程度である。だから知らなかったのだ。ベースがこんなにも多彩な音色を奏でられるということを。

呆気にとられながら聴き入っていた。そしてベースを奏で切ったサトケンさんがステージを去る。すると次は小畑さんのターンになり、怒涛のドラムソロが始まった。これもまた格好良かった。一つ一つの音が重く、何て言えば良いのだろう。パンチというよりも、厚い平手を喰らうような、そんな音なのだ。ベシンと体に張り付くような衝撃があった。

ヘイ・ユウ・ブルースの演奏中であることを忘れそうになったとき、オーケンとベラさんが戻ってきて、終局へと向かっていった。飽きを感じていただけに、今回のヘイ・ユウ・ブルースは素晴らしかったなぁ。

「生まれてビックリ団」は、筋少で言えば「ゾロ目」の序盤のように、ゆったりと歌い上げるように始まり、しばらくそのまま続いたので、アレンジバージョンかと思った。これも良いが、あのスピード感のある「生まれてビックリ団」も聴きたかったなぁ、と思っていると。「恋してビックリだ、キスしてビックリだ、ふられてビックリだ、切なくてビックリだ」まで歌いきってから曲調が変わり、怒涛のように駆け抜けていくのである。オーケンの声も歌い上げるものから叫ぶものに変わり、そのギャップがまた非常に格好良かった。

「お別れの背景」はとりわけ良かった。そもそも思い入れのある大好きな曲なのでやってくれるだけで嬉しいのだが、オーケンの歌声が素晴らしく良かったのだ。序盤のMCで、いろいろあって疲れているので最後の二曲目あたりで目覚める、と冗談を言っていて、本編ラストの「包丁とマンジュウ」で「目が覚めたぜー!」と叫んでいた。無論冗談だろうとは思うが、その後の「お別れの背景」で、最後にも関わらず、この日一番声が出ていたのである。今日は最初から咽喉の調子が良いようだったが、最後が一番すごかったのだ。

そして嬉しかったのが。CDでは声を張り上げる箇所を、ライブでは声を落として歌う、というのはオーケンに限らず少なくないことだろう。それを否定する気は無い。だが、やっぱりCDと同じように歌ってくれると嬉しくて、「お別れの背景」は、限りなくオリジナルに近い歌い方だったのである。ちょっと歌詞は間違えていたけれども。

最後の最後にこれだからたまらない。嬉しかったなぁ。

時間の割りに曲数が少ないのはトークが長かったから。ちょこちょことトークが挟まれ、そのたびにオーケンがちょこちょこ椅子に座って休み、小畑さん、ベラさん、サトケンさんによる電車ツアーの振り返りがあったり、今後の予定について語られたりと皆が楽しそうにしているのが微笑ましかった。

面白かったのは今度、THUNDER YOU POISON VIPERと対バンする告知がなされたくだりで、小畑さんから「サンダーユーはインストなんでしょ?」と聞かれたオーケンが、「インスト」を「いいひと」と聞き間違え、どのように答えるべきか、極悪人と言うわけにも行かないし、と悩んでいた場面。それとオーケンのおじいちゃん化現象が進んでいること。物の名前が出てこなくなったり、ツアー先のホテルで部屋の鍵を開けられず「開け~開け~」と唱えながら鍵をガチャガチャやっている姿がベラさんにより目撃されたという。

それに対しオーケンは、2015年はいきなり若返る、プラセンタ打ったりなんかして、と冗談を飛ばし、未来の最終形オーケンがアンドロイドならぬロボットに成り果てていたり。ロボット化やプラセンタは流石に困るが、たまに鍛えたりダイエットしたりしつつ、のほほんとライブを続けてくれると嬉しい。今日のライブの余韻に浸りつつ、来年を楽しみに待ちながら帰路についた。

楽しかった。これが己のライブ納めである。