2014年9月22日(月) 緑茶カウント:5杯
聞いてくれ! ついにあの子がいなくなってしまったんだ! 朝の挨拶をしたときにはいたのに、夜に戻るといつもの場所から姿を消してしまっていたんだ!
お隣さんの玄関ドアーの前にいたアブラゼミの死骸。彼の黒い瞳と毎日毎朝毎夜、己は部屋を出入りするたびに挨拶を交わしていた。あぁ、まだいるな。あぁ、まだ踏まれていないな。確認しながら家を出て、確認しながら家に入っていた日々についに終止符が打たれたのだ。
だんだんと彼の体が重力に負けて平べったくなっていたのが印象的だった。まさか今更蟻が緊急大集合したとも思えない。恐らく、たまに掃除にやってくる大家さんの手によるものだろう。きっと彼は箒で掃かれて、一ヶ月ぶりにその場を移動したのだ。
さらば夏。もういい加減長袖を着ねばなるまい。また次の季節が来るまでしばらくさらば。