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水戸さん、五十二歳のお誕生日、おめでとうございます!!

水戸さんによる、毎年恒例お祭りイベント「不死鳥」に行ってきた。これまでは三月の開催が常であったが、去年は五月、今年は六月と、だんだんと後ろ倒しになっており、その理由は水戸さん曰く、年々一年が早くなっているせいで、体感では六月の開催で間違いないそうである。ただ誤算だったのは六月が梅雨の季節ということで、本日も奇しくも雨。「お足元の悪い中ようこそおいでくださいました」というお言葉をいただいた。

不死鳥では毎回ゲストが呼ばれるが、今年は大槻ケンヂ、橘高文彦、アキマツネオの三人で、何と筋少メンバーの四分の三が集うという人選である。ここまで来たら何故おいちゃんがいないのかと思うほど。水戸さんファンであり筋少ファンである自分にとっては盆と正月が一緒に来たようなライブである。いやーもう期待したね。絶対楽しいに決まっているからね。

この日の自分にとっての目玉は、橘高さんの「幽霊」と、オーケンの「ONLY YOU」だ。

ゲストは橘高さん、アキマさん、オーケンの順で入場。ゲスト同士の被りはなく、一人が退場したら一人が入場、という流れ。この日はてっきりオーケン橘高さん参加で「サイクリング」をやると思っていただけにこの順番は意外だった。サイクリングも聴きたかったなー。

ところで。不死鳥のお約束と言えば入りの「映像」である。毎回、メンバーが入場する前に、スクリーンでその日限りの面白映像が流されるのだ。これは色々な事情があるので、DVDには収録されない。ライブに来た人間だけが楽しめる趣向である。今回は水戸さんの衣装が忍者ということで、「仮面の忍者 赤影」をごにょごにょした映像が流された。場内大爆笑である。

そして! 映像の終了と共にメンバーがステージに現れ、スクリーンが上がるとその裏に控えるは忍者姿の水戸さんと、赤影を思わせる赤い衣装に身を包んだ踊り子の二人! して、始まるはしょっぱなからファンキーナンバーでくのぼう! 「でっでっでくのぼー!」と叫ぶのが実に楽しい。

次が意外な曲で「庄屋の倉」に、さらに意外な一曲「愛のパロディ」。「庄屋の倉」は忍者っぽい曲を探した結果、ようやく見つけたそれっぽいものということだった。

今日のセットリストはほとんどアンジー。アンジーじゃない曲は水戸さんソロの「ふたりは」だけかもしれない。3-10Chain名義のものはゼロだったはずだ。そのうえで、アンジー曲の中でもレアなものが多かった。このセットリストには何か意味が込められているのか、気になるところだ。3-10がゼロというのも珍しい。

個人的にはレアな曲が聴けて嬉しかったのだが、ちょっと乗りづらかった印象を抱いている。レアな曲が多いのもあるが、緩急がつきすぎていた。盛り上がったかと思えば落ち着いた曲になりの繰り返しで、客席が爆発するまで時間がかかったように思う。爆発したのは後半で「天井裏から愛をこめて」が始まったときだ。このときまで前後左右に空間がたっぷりだったのが、いきなり客が前方に殺到し跳ね出すという事象が発生したのだ。「天井裏すごすぎるだろ…天井裏って何なんだ…」とそのとき自分は思っていた。

一人目のゲスト橘高さんを呼び込む前、水戸さんは誕生日について大してこだわりが無いことを語った。自分の誕生日なんて下手をすれば忘れるほどで、メンバーもあまり誕生日に関心が無い、そんな中で唯一、誕生日に強い関心を抱く人間がいる! という流れで呼ばれた橘高さんは、何と、両手から溢れるほどの立派な薔薇の花束を抱えてステージに登場し、祝いの言葉を述べながら水戸さんに差し出した! 流石である!

笑いながら花束を受け取る水戸さんは、誕生日に薔薇の花束をもらったのは初めてと語り、橘高さんも、誕生日に薔薇の花束を贈ったのは初めてと語った。そのうえで「水戸さんの初めての男になれて光栄です」と橘高さん。水戸さんはステージのどこかに薔薇の花束を置こうとしつつも良い配置が見つからず苦心をし、床にそのまま置こうとする水戸さんに、「何だったら(楽屋に)下げてもらって構わないですよ」と橘高さんは気をつかうが、どうにかしてステージに置きたかったらしい水戸さん、花瓶を探したりしつつも、最終的にはベースアンプの上に乗せるかたちで落ち着いた。うーん、見れば見るほど立派な花束だ。

せっかく橘高さんに来てもらったので、ギターをたくさん弾いてもらおうと思った水戸さん。何だったら最初から最後までギターソロ弾いてても良いよ、ということで選曲された曲が一曲目だったのだが、これ、聴いたことが無かった…。そうか、まだ水戸さんの曲の中にも知らない曲があったのかと思いつつ、そうだよよく考えたら自分、まだアンジーの「@」を手に入れられてないんだよ。探しても見つからないんだよ。何て曲なんだろうこれ…と思いながら、確かに最初から最後まで弾きまくっている橘高さんを見ていた。

二曲目は橘高さんがギターだけでなく、ボーカルとしても活躍する「誰だ」。この曲に入る前、橘高さんがアルバムにギター&ボーカルで参加していたのに、ギターをクレジットするのを忘れてしまい、サーッと血の気が引いたという話を水戸さんがしていた。うん。それは血の気も引くよな…。自分もこのアルバムを買ったとき、橘高さんのクレジットが無いことに気付いて、「えっまさかボーカリストとしての参戦…? いやでも、これ、橘高さんのギターソロ…だよなぁ……?」と混乱したものなぁ。

ビブラートを利かせた橘高さんの「誰だ」は最高に素敵だったが、それ以上に! それ以上に格好良かったのは「幽霊」だ! 三曲やってくれるとは思わなかっただけに喜びも一入で、その一曲が大好きな「幽霊」だなんて! こちらは完全にギタリストとしての参加で、橘高さん独特のメロディアスなギターが実に美しく格好良く、たまらなかったよ。本当に。

橘高さんが退場した後はアキマさんが入場。今日が水戸さんの誕生日と知らされていなかったらしく、橘高さんのようにお祝いを持って来られなかったことを悔やんでいるというか、何かすみません……というような感じだった。いや、橘高さんが特殊なんですよ。この場では。

アキマさんと水戸さんのMCで最高に面白かったのが、「不死鳥Rec.」のアルバム収録にあたり、水戸さんから曲データを送ってもらったのだが、今まではCDに焼いたものをもらっていたから簡単だったのに、そのときから宅ファイル便でデータを送られるようになったせいで、データのダウンロードがまず出来ず何度も失敗するし、ようやくダウンロード出来たかと思えばCDに焼けないしで苦労の連続。最終的には、昔の子供がラジオから流れる曲を息を潜めてテープレコーダーに録音したのよろしく、パソコンから流れる曲を録音してCDに焼いて練習したのだそうだ。

会場は爆笑。そこにアキマさん。「でも! 次にやるロックンロールな曲のデータを送ってもらったんですけど…ステレオで、片側しか入ってなかったんですよ! だから水戸さんも、俺と同じように、息を潜めてパソコンから流れてくる曲を片側だけ録音して、それを送ってきたんですよ!」と発言。笑いながら水戸さんは「片側だけなんて、そんなはずはない!」ということを言うが、「お母さんの声が入ってましたよ! 華ちゃん、ご飯だよーって」なる作り話をアキマさんが畳み掛ける。もうここんとこすごく面白かった。

そのロックンロールな曲はアンジーの「ロックンローラー」で、これもなかなかレアだったなぁ。

次のゲストは大槻ケンヂことオーケン。ほてほてと現れ、水戸さんと話し出すと止まらないトーク。最近の若いバンドの名前がすごいという話やら、ライブをやると近所で知り合いがライブをしているという話やら、何でバンドマンはこの年になって何十年も付き合いのある知人と手を繋いでバンザイしなければならんのか、などなど、もう喋る喋る。一気に空気がのほほん学校になってしまうからすごいものだ。

とはいえ延々と喋っているわけにもいかないので曲に入りましょうということで、一曲目は水戸さんのバラード「ふたりは」。これはアコースティックライブでは客いじりの定番曲で、この歌のときは必ず水戸さんが客席を練り歩きながら、客の頬を撫ぜたり手にキスをしたといじりまくってくれる。かく言う自分も顎に手を添えられくいっと持ち上げられたことがあった。あれはなんつーか、めっちゃ照れた。

今回は客いじりなしで全力で歌う二人の姿が見られ、随分気持ち良さそうに歌っているなぁ、と思っていたら実際かなり歌っていて気持ち良いらしく、オーケンは気に入っているようだった。弾き語りしたら良いじゃないですか大槻さん。

次の曲は「不死鳥Rec.」でオーケンがゲスト参加した「蝿の王様」。オーケンの「ボランティアじゃねーぞ!」が前回のライブのときよりも様になっているように聞こえた。

で。オーケン参加曲はこれで終わりだと思ったんだよね。

ところが。「蝿の王様」の途中、曲調が変わり、あれ、と違和感を抱きつつも耳を澄ますと聴いたことのあるイントロ。…え、と思う間もなく始まったのはばちかぶりの「ONLY YOU」! しかも! ロックバージョン!!

脳が爆発するかと思った。

自分の知らなかった欲望に気付いた瞬間である。自分はこれまで何度か、オーケンの「ONLY YOU」を聴いたことがあった。それはのほほん学校で聴いたことが主であり、全てアコースティックバージョンであった。自分にとってオーケンの「ONLY YOU」はアコースティックしかなかった。オーケンのカバーアルバムでロックバージョンを聴いたことはあるものの、生ではアコースティックバージョンしか聴いたことが無かったのだ。

オーケンが叫ぶ声を聴いたとき、全身に電流が走る感覚があった。それは筋少の歌い方に近く、それでいて長年歌ってきたこともあり、ぐっとこなれていて、様になっており、非常に格好良く、そこに水戸さんの歌声が入り、もう言葉にならない豪華さであった。

あぁ、自分はずっと、ロックバージョンの「ONLY YOU」が聴きたかったのか、知らなかったなぁ、と感慨深く思うと同時に、自分は「筋少」のオーケンが一番好きなんだなぁと思った。

このようにしみじみ思っていたのだが、オーケン、「ONLY YOU」が終わる頃「水戸ちゃーん! おめでとー!」と叫びながら綺麗にはけようとしたのだが、これ、「蝿の王様」から続く短いメドレーで、つまり「ONLY YOU」が終わった後「蝿の王様」に戻るんですよ。それを忘れていたようなんですよ。ものすごく盛り上がる流れのはずなのに、繋ぎで爪弾かれるベースのベンベン言う音が響く中、引き戻されるオーケン、引き戻す水戸さん、気付くオーケン、笑う水戸さんと、妙に和やか~な空気になってしまった。あれはおかしかった。

ちなみに。終演後サイン会があり、買ったばかりのCDにサインをしてもらいながら、「ONLY YOU」が聴けて嬉しかったことを水戸さんに伝え、ここはDVDに収録されるのか聞いてみたところ、「聞いてみないとわからない」ということで、もし許可を得られなかったら流れ的に次の不死鳥DVDではオーケンは「ふたりは」だけ歌って退場することになるようである。是非許可が下りて欲しい。切実に。

ゲストが退場した後はロックメドレーの流れで、ここだったかな? 「祈り」「霧の中」「灰色の恋は溜息」を聴けたのは。どれも大好きで、それこそ二週間ほど前は、ずっとひたすらひたすらアンジーの曲ばかり聴いていたことがあり、そのときひたすら聴いていた中の一つがそれぞれだったので、たまらなかったなぁ。

「天井裏から愛をこめて」で爆発し、最後は「遠くまで」だったかな。これがまた、切ないんだよなぁ。

アンコール一曲目は「すべての若き糞溜野郎ども」で、このとき水戸さんがペットボトルの水を口に含む、プーーーッと霧の如く噴出したものが結構かなり口に入り、特に嬉しいも嫌もなく普通に飲み込んだのだが、ファンとしては「やったーーーーー!!!!!」と大喜びしながら飲み込むべきなのだろうか……と若干思案した。

最後の最後はゲスト全員揃っての「アストロボーイ・アストロガール」。このとき、入場時にオーケンが蝋燭を一本立てたケーキを持ってそろりそろりと現れ、ハッピーバースデーの大合唱の中、水戸さんが火を吹き消すという楽しいイベントが起こった。オーケンがケーキを持つ姿は見事なまでに似合わなかった。

「アストロボーイ・アストロガール」で大いに盛り上がって終演。ちなみに橘高さんとアキマさんはアンコールのためにわざわざ着替えていて、その衣装の強烈さは凄まじく、間に挟まれる水戸さんが異空間から連れて来られた人のようだった。ちなみにオーケンは着替えてなかった。

やっぱりライブは良いなぁ、と思いながら帰路についた。水戸さんは今年で五十二歳と言うことで、思えば父と六つしか違わないのだが、きっと水戸さんならまだまだ楽しませてくれるに違いない。まずは手に入れたこの新譜を楽しませてもらうこととしよう。あぁ、楽しかったし、まだまだ楽しみがある。有難いなぁ、と切に思った。



日記録2杯, 日常

2014年6月4日(水) 緑茶カウント:2杯

鰻が好きなのです。鰻の蒲焼。甘辛くて美味しいよね。ご飯が進むよね。これがなかなか好きで、誕生日がちょうど土用の丑の日に近いので、せっかくだからってんで鰻屋に行って鰻重を食べたりするのですが、お重の横にあるお椀。こいつの名称が解せぬのだ。

だってよく考えて御覧なさいよ。人食い、首齧り、垢舐めときまして、ここに肝吸いが並んでも自然でしょう? どう考えたって妖怪のネーミングじゃないですか。それも結構悪質そうじゃあ無いですか。墓を暴いて死人の腹を裂いて肝を吸ったり、夜道を歩く旅人を襲って生きたまま肝を吸ったりしそうじゃないですか。何で食べ物の名前になってるの。

解せぬ。

しかもそのように考えると、肝吸いを吸ってる自分こそが肝吸いなのですよ。すると尚更おかしい。ちょっとあなた、吸われる方のお前が何故肝吸いを名乗ってるのよ。不思議だ。

多分今年の誕生日も肝吸いを吸いつつ納得出来ない気持ちを抱くと思う。肝吸われ。



日記録3杯, 日常

2014年6月3日(火) 緑茶カウント:3杯

昨日、九時前に設定しているにも関わらず、七時に目覚ましが叩き起こしてくるので困る、起床が遅いのは自覚しているのでもう放っておいてくれたまえよ、と日記に書いたせいか。今朝、ついに愛想をつかされた。時刻を刻む液晶画面に何も表示されなくなったのである。

あ、やべ。言い過ぎた。参ったなーと思いつつ家を出て夜中帰宅。カスタード生クリームチョコバナナクレープとほうれん草のお浸しとスナップエンドウのお浸しを食べてしばしパソコンの前でだらだら。していたら、ふと見ると液晶に時刻が刻まれているが、午前三時!? えっマジで!? とびびったら。パソコンに表示されている時刻は一時だった。

本格的にへそを曲げてしまったのかもしれない。



日記録5杯, 日常

2014年6月2日(月) 緑茶カウント:5杯

どちらかと言うと夜型の世界を生きている。朝は九時前に起き、夜は二時前に眠る。下手をすれば平日でも三時の就寝となるが、それを許さないものがいる。枕の横の机の上に鎮座する、電波式の目覚まし時計が七時に起きろと鳴りわめくのだ。そして自分はベルを叩き、時間を確認し、二度寝をして定刻通りに動いてくれる携帯電話の目覚ましによって本格的に起動するのだ。

どうして七時に鳴るのかわからない。わからないが、たまになるのである。この電波式の目覚ましは、時々宇宙と交信して正確な時刻をその身に刻み直しているようなのだが、その行為によってまれに目覚ましの設定時間がリセットされてしまうようで、恐らく「標準」として設定されている起床時間に、けたたましく活動を開始するのである。自信を持って。

まるで人間らしい時間に起きて人並みに活動しろと説教されているようだ、と二時間近く早く起こされた自分は軽い苛立ちを覚える。放っておいてくれたまえよ、と思いつつ寝る。

ちなみに目覚ましはベルを設定したにも関わらず勝手にベルを解除することもある。それはそれで「もう知りません! ずっと寝ててよろしい!」と三行半を叩きつけられたようで若干腹立たしい。普通に働いてくれよ、普通に。もう。



日記録1杯, 日常

2014年6月1日(日) 緑茶カウント:1杯

年上のお兄ちゃんに手を引かれて、トライダガーXを買いに行ったんだ。

あれは小学校一年か、二年か、三年か。とにかくそのくらい、低学年の頃だ。コロコロコミックで連載していたミニ四駆の漫画。そこに出てきた黒いボディの、炎のあしらいのあるミニ四駆。名前はトライダガーX。自分はそれをとても欲しいと思い、付き合ってくれたのが従兄弟のお兄ちゃんだった。

夏の日の炎天下の坂道、遠い道のりを歩いて模型屋に行った記憶がある。二千円だか、三千円だか、大金を払って買った記憶がある。しかし、十数年後の数年前、おもちゃ屋で見たミニ四駆の値段はせいぜい五百円。こんなに安かったかと驚いた。モーターも、タイヤも、ローラーも、どれもこれも大金を払った記憶があったのに!

金銭感覚が今とまるで違うのだよ、と言われればそれまでだが、まさか五百円とは思わず。だってそれなら、買おうと思えば今ならいくらだって買えるのだよ。でも、今それを手に入れたとして当時のような興奮と喜びはきっと得られないのである。

ちなみにビーダマンとハイパーヨーヨーも通過し、ベイブレードの前に卒業した。コロコロ、好きだったなぁ。