未分類0杯, 水戸華之介, 非日常

水戸さん、五十二歳のお誕生日、おめでとうございます!!

水戸さんによる、毎年恒例お祭りイベント「不死鳥」に行ってきた。これまでは三月の開催が常であったが、去年は五月、今年は六月と、だんだんと後ろ倒しになっており、その理由は水戸さん曰く、年々一年が早くなっているせいで、体感では六月の開催で間違いないそうである。ただ誤算だったのは六月が梅雨の季節ということで、本日も奇しくも雨。「お足元の悪い中ようこそおいでくださいました」というお言葉をいただいた。

不死鳥では毎回ゲストが呼ばれるが、今年は大槻ケンヂ、橘高文彦、アキマツネオの三人で、何と筋少メンバーの四分の三が集うという人選である。ここまで来たら何故おいちゃんがいないのかと思うほど。水戸さんファンであり筋少ファンである自分にとっては盆と正月が一緒に来たようなライブである。いやーもう期待したね。絶対楽しいに決まっているからね。

この日の自分にとっての目玉は、橘高さんの「幽霊」と、オーケンの「ONLY YOU」だ。

ゲストは橘高さん、アキマさん、オーケンの順で入場。ゲスト同士の被りはなく、一人が退場したら一人が入場、という流れ。この日はてっきりオーケン橘高さん参加で「サイクリング」をやると思っていただけにこの順番は意外だった。サイクリングも聴きたかったなー。

ところで。不死鳥のお約束と言えば入りの「映像」である。毎回、メンバーが入場する前に、スクリーンでその日限りの面白映像が流されるのだ。これは色々な事情があるので、DVDには収録されない。ライブに来た人間だけが楽しめる趣向である。今回は水戸さんの衣装が忍者ということで、「仮面の忍者 赤影」をごにょごにょした映像が流された。場内大爆笑である。

そして! 映像の終了と共にメンバーがステージに現れ、スクリーンが上がるとその裏に控えるは忍者姿の水戸さんと、赤影を思わせる赤い衣装に身を包んだ踊り子の二人! して、始まるはしょっぱなからファンキーナンバーでくのぼう! 「でっでっでくのぼー!」と叫ぶのが実に楽しい。

次が意外な曲で「庄屋の倉」に、さらに意外な一曲「愛のパロディ」。「庄屋の倉」は忍者っぽい曲を探した結果、ようやく見つけたそれっぽいものということだった。

今日のセットリストはほとんどアンジー。アンジーじゃない曲は水戸さんソロの「ふたりは」だけかもしれない。3-10Chain名義のものはゼロだったはずだ。そのうえで、アンジー曲の中でもレアなものが多かった。このセットリストには何か意味が込められているのか、気になるところだ。3-10がゼロというのも珍しい。

個人的にはレアな曲が聴けて嬉しかったのだが、ちょっと乗りづらかった印象を抱いている。レアな曲が多いのもあるが、緩急がつきすぎていた。盛り上がったかと思えば落ち着いた曲になりの繰り返しで、客席が爆発するまで時間がかかったように思う。爆発したのは後半で「天井裏から愛をこめて」が始まったときだ。このときまで前後左右に空間がたっぷりだったのが、いきなり客が前方に殺到し跳ね出すという事象が発生したのだ。「天井裏すごすぎるだろ…天井裏って何なんだ…」とそのとき自分は思っていた。

一人目のゲスト橘高さんを呼び込む前、水戸さんは誕生日について大してこだわりが無いことを語った。自分の誕生日なんて下手をすれば忘れるほどで、メンバーもあまり誕生日に関心が無い、そんな中で唯一、誕生日に強い関心を抱く人間がいる! という流れで呼ばれた橘高さんは、何と、両手から溢れるほどの立派な薔薇の花束を抱えてステージに登場し、祝いの言葉を述べながら水戸さんに差し出した! 流石である!

笑いながら花束を受け取る水戸さんは、誕生日に薔薇の花束をもらったのは初めてと語り、橘高さんも、誕生日に薔薇の花束を贈ったのは初めてと語った。そのうえで「水戸さんの初めての男になれて光栄です」と橘高さん。水戸さんはステージのどこかに薔薇の花束を置こうとしつつも良い配置が見つからず苦心をし、床にそのまま置こうとする水戸さんに、「何だったら(楽屋に)下げてもらって構わないですよ」と橘高さんは気をつかうが、どうにかしてステージに置きたかったらしい水戸さん、花瓶を探したりしつつも、最終的にはベースアンプの上に乗せるかたちで落ち着いた。うーん、見れば見るほど立派な花束だ。

せっかく橘高さんに来てもらったので、ギターをたくさん弾いてもらおうと思った水戸さん。何だったら最初から最後までギターソロ弾いてても良いよ、ということで選曲された曲が一曲目だったのだが、これ、聴いたことが無かった…。そうか、まだ水戸さんの曲の中にも知らない曲があったのかと思いつつ、そうだよよく考えたら自分、まだアンジーの「@」を手に入れられてないんだよ。探しても見つからないんだよ。何て曲なんだろうこれ…と思いながら、確かに最初から最後まで弾きまくっている橘高さんを見ていた。

二曲目は橘高さんがギターだけでなく、ボーカルとしても活躍する「誰だ」。この曲に入る前、橘高さんがアルバムにギター&ボーカルで参加していたのに、ギターをクレジットするのを忘れてしまい、サーッと血の気が引いたという話を水戸さんがしていた。うん。それは血の気も引くよな…。自分もこのアルバムを買ったとき、橘高さんのクレジットが無いことに気付いて、「えっまさかボーカリストとしての参戦…? いやでも、これ、橘高さんのギターソロ…だよなぁ……?」と混乱したものなぁ。

ビブラートを利かせた橘高さんの「誰だ」は最高に素敵だったが、それ以上に! それ以上に格好良かったのは「幽霊」だ! 三曲やってくれるとは思わなかっただけに喜びも一入で、その一曲が大好きな「幽霊」だなんて! こちらは完全にギタリストとしての参加で、橘高さん独特のメロディアスなギターが実に美しく格好良く、たまらなかったよ。本当に。

橘高さんが退場した後はアキマさんが入場。今日が水戸さんの誕生日と知らされていなかったらしく、橘高さんのようにお祝いを持って来られなかったことを悔やんでいるというか、何かすみません……というような感じだった。いや、橘高さんが特殊なんですよ。この場では。

アキマさんと水戸さんのMCで最高に面白かったのが、「不死鳥Rec.」のアルバム収録にあたり、水戸さんから曲データを送ってもらったのだが、今まではCDに焼いたものをもらっていたから簡単だったのに、そのときから宅ファイル便でデータを送られるようになったせいで、データのダウンロードがまず出来ず何度も失敗するし、ようやくダウンロード出来たかと思えばCDに焼けないしで苦労の連続。最終的には、昔の子供がラジオから流れる曲を息を潜めてテープレコーダーに録音したのよろしく、パソコンから流れる曲を録音してCDに焼いて練習したのだそうだ。

会場は爆笑。そこにアキマさん。「でも! 次にやるロックンロールな曲のデータを送ってもらったんですけど…ステレオで、片側しか入ってなかったんですよ! だから水戸さんも、俺と同じように、息を潜めてパソコンから流れてくる曲を片側だけ録音して、それを送ってきたんですよ!」と発言。笑いながら水戸さんは「片側だけなんて、そんなはずはない!」ということを言うが、「お母さんの声が入ってましたよ! 華ちゃん、ご飯だよーって」なる作り話をアキマさんが畳み掛ける。もうここんとこすごく面白かった。

そのロックンロールな曲はアンジーの「ロックンローラー」で、これもなかなかレアだったなぁ。

次のゲストは大槻ケンヂことオーケン。ほてほてと現れ、水戸さんと話し出すと止まらないトーク。最近の若いバンドの名前がすごいという話やら、ライブをやると近所で知り合いがライブをしているという話やら、何でバンドマンはこの年になって何十年も付き合いのある知人と手を繋いでバンザイしなければならんのか、などなど、もう喋る喋る。一気に空気がのほほん学校になってしまうからすごいものだ。

とはいえ延々と喋っているわけにもいかないので曲に入りましょうということで、一曲目は水戸さんのバラード「ふたりは」。これはアコースティックライブでは客いじりの定番曲で、この歌のときは必ず水戸さんが客席を練り歩きながら、客の頬を撫ぜたり手にキスをしたといじりまくってくれる。かく言う自分も顎に手を添えられくいっと持ち上げられたことがあった。あれはなんつーか、めっちゃ照れた。

今回は客いじりなしで全力で歌う二人の姿が見られ、随分気持ち良さそうに歌っているなぁ、と思っていたら実際かなり歌っていて気持ち良いらしく、オーケンは気に入っているようだった。弾き語りしたら良いじゃないですか大槻さん。

次の曲は「不死鳥Rec.」でオーケンがゲスト参加した「蝿の王様」。オーケンの「ボランティアじゃねーぞ!」が前回のライブのときよりも様になっているように聞こえた。

で。オーケン参加曲はこれで終わりだと思ったんだよね。

ところが。「蝿の王様」の途中、曲調が変わり、あれ、と違和感を抱きつつも耳を澄ますと聴いたことのあるイントロ。…え、と思う間もなく始まったのはばちかぶりの「ONLY YOU」! しかも! ロックバージョン!!

脳が爆発するかと思った。

自分の知らなかった欲望に気付いた瞬間である。自分はこれまで何度か、オーケンの「ONLY YOU」を聴いたことがあった。それはのほほん学校で聴いたことが主であり、全てアコースティックバージョンであった。自分にとってオーケンの「ONLY YOU」はアコースティックしかなかった。オーケンのカバーアルバムでロックバージョンを聴いたことはあるものの、生ではアコースティックバージョンしか聴いたことが無かったのだ。

オーケンが叫ぶ声を聴いたとき、全身に電流が走る感覚があった。それは筋少の歌い方に近く、それでいて長年歌ってきたこともあり、ぐっとこなれていて、様になっており、非常に格好良く、そこに水戸さんの歌声が入り、もう言葉にならない豪華さであった。

あぁ、自分はずっと、ロックバージョンの「ONLY YOU」が聴きたかったのか、知らなかったなぁ、と感慨深く思うと同時に、自分は「筋少」のオーケンが一番好きなんだなぁと思った。

このようにしみじみ思っていたのだが、オーケン、「ONLY YOU」が終わる頃「水戸ちゃーん! おめでとー!」と叫びながら綺麗にはけようとしたのだが、これ、「蝿の王様」から続く短いメドレーで、つまり「ONLY YOU」が終わった後「蝿の王様」に戻るんですよ。それを忘れていたようなんですよ。ものすごく盛り上がる流れのはずなのに、繋ぎで爪弾かれるベースのベンベン言う音が響く中、引き戻されるオーケン、引き戻す水戸さん、気付くオーケン、笑う水戸さんと、妙に和やか~な空気になってしまった。あれはおかしかった。

ちなみに。終演後サイン会があり、買ったばかりのCDにサインをしてもらいながら、「ONLY YOU」が聴けて嬉しかったことを水戸さんに伝え、ここはDVDに収録されるのか聞いてみたところ、「聞いてみないとわからない」ということで、もし許可を得られなかったら流れ的に次の不死鳥DVDではオーケンは「ふたりは」だけ歌って退場することになるようである。是非許可が下りて欲しい。切実に。

ゲストが退場した後はロックメドレーの流れで、ここだったかな? 「祈り」「霧の中」「灰色の恋は溜息」を聴けたのは。どれも大好きで、それこそ二週間ほど前は、ずっとひたすらひたすらアンジーの曲ばかり聴いていたことがあり、そのときひたすら聴いていた中の一つがそれぞれだったので、たまらなかったなぁ。

「天井裏から愛をこめて」で爆発し、最後は「遠くまで」だったかな。これがまた、切ないんだよなぁ。

アンコール一曲目は「すべての若き糞溜野郎ども」で、このとき水戸さんがペットボトルの水を口に含む、プーーーッと霧の如く噴出したものが結構かなり口に入り、特に嬉しいも嫌もなく普通に飲み込んだのだが、ファンとしては「やったーーーーー!!!!!」と大喜びしながら飲み込むべきなのだろうか……と若干思案した。

最後の最後はゲスト全員揃っての「アストロボーイ・アストロガール」。このとき、入場時にオーケンが蝋燭を一本立てたケーキを持ってそろりそろりと現れ、ハッピーバースデーの大合唱の中、水戸さんが火を吹き消すという楽しいイベントが起こった。オーケンがケーキを持つ姿は見事なまでに似合わなかった。

「アストロボーイ・アストロガール」で大いに盛り上がって終演。ちなみに橘高さんとアキマさんはアンコールのためにわざわざ着替えていて、その衣装の強烈さは凄まじく、間に挟まれる水戸さんが異空間から連れて来られた人のようだった。ちなみにオーケンは着替えてなかった。

やっぱりライブは良いなぁ、と思いながら帰路についた。水戸さんは今年で五十二歳と言うことで、思えば父と六つしか違わないのだが、きっと水戸さんならまだまだ楽しませてくれるに違いない。まずは手に入れたこの新譜を楽しませてもらうこととしよう。あぁ、楽しかったし、まだまだ楽しみがある。有難いなぁ、と切に思った。



未分類0杯, 100曲ライブ, 水戸華之介, 非日常

140412_2140

昨年の100曲ライブは全公演を通して参戦した自分だが、今年は五公演中三公演の参戦である。叶うならば全て行きたかったが、予定が被ったり何だりで諦めざるを得なかったのである。

そして今日の公演も実はちょっと行くのに迷った。というのも、よりにもよって今日、筋肉少女帯のライブが重なってしまったのである。しかもレア曲満載の! ずっと聴きたかった「ペテン」「鉄道少年の憩」「飼い犬が手を噛むので」をやると言うのである。特に「ペテン」は好きで好きでたまらない曲。ライブの日程が重なってしまったことを知ったとき、己は何度もカレンダーを見つめたものだ。見つめたところで公演日がずれることなど無いのだが、そうしないではいられなかったのである。

しかし。もともと100曲ライブのチケットを先にとっていたこと、そして何より、この回を一番楽しみにしていたため、予定通り自分は今日、公演の行われるライブハウス「七面鳥」に赴くことにした。

もし来年、また100曲ライブが行われるとして、さらに吉田一休回が盛り込まれたとき、チケットの倍率が高まるようなことをここに書いて己の首を絞めるようなことはしたくないが、あえて言わせてもらおう。100曲ライブにおいて一番楽しく、盛り上がり、馬鹿みたいに笑えるのは吉田一休回である!

ほんっとうに楽しかった!

水戸さん曰くこの回は「チャレンジ枠」ということで、「間違ったり止まったりしても、元気で面白ければ成功!」とのこと。このあたり、自分は吉田一休について未だに深く存じ上げず、水戸さんのライブのゲストとしての姿しか観たことが無い。よって、何故演奏技術においてちゃかされるのか、心配されるのか、その由縁を知らないのだが、いかにも先輩後輩のような力関係があることは何となく伺える。そしてちゃかされながらも懐きまくり、いじられると目を細めて大口を開け、満開の笑顔を見せて笑う彼の姿はどこか愛らしい。

吉田一休の楽器はギターとハーモニカ、そしてカズー。まさか水戸さんとのダブルカズーを見せられるとは思いもしなかった。今日のライブは盛り上がる曲、馬鹿みたいな曲が多いセットリストになっているためか、カズーの登場頻度も若干多かった。「D.K.H」のダブルカズーはすごかった。ブビビビブビビビうるっさいのにちゃんと音楽になっているあたりがすごい。それに手拍子をする客も。

曲は屑の「ルック商店街」から始まり、「家のない子に」「無実のためのレインボー」「君を守りたい」「ベッドルーム・ロック」「しあわせになれ」「労働混成曲」など、屑の曲が多めで、アンジーの曲は普段よりも少なかったように感じられた。あぁ、でも「天花粉」「マグマの人よ」「奈々」「カナリア」「ゆきてかえらず」をやったから、少ないってほどでも無かったかな?

屑の曲の演奏を期待していたので、たくさん聴けて嬉しかったなぁ。「君を守りたい」は屑の登場SEで使っていたため、実際に歌うのは今日が初めてとのこと。レアである! 嬉しい!

ところでこの「君を守りたい」、何らかのネタが仕込まれているらしいことに気付いてはいるのだが、未だに何のネタなのかがわからない。今日も水戸さんと一休さんが歌っているとき変な笑いが起きていたので何かしらあるようなのだが、何なんだろうか。わからん。いつか気付きたいものだ。

今日の個人的な目玉は「ゆきてかえらず」である。ギターを爪弾かず、無音の中で水戸さんと一休さんのダブルボーカルにより曲が始まったときは、そのシンプルかつ重厚な存在感に息を呑んだ。そのうえで実感した。吉田一休の声は、とても良い!

去年の100曲ライブで、ゲストが吉田一休である理由を、水戸さんは「コーラスを買って」と言っていたのを思い出す。二人の声の重なりによって、音がどんどん立体的になっていく。これがすこぶる気持ち良い。

オリジナルの「ゆきてかえらず」は本当に疲れきり、心が擦り切れてしまった人の声だが、今日の「ゆきてかえらず」は、疲れきってしまった人の過去と現在に何があり、どうして疲れてしまったのかを正確に理解し、その切なさを見つめているように聴こえた。

「奈々」は自分でもどうしてここまで気に入っているのかわからないのだが、好きで好きでたまらないので、始まった途端テンションがガーッと上がってしまった。そのうえまさかのここでの客いじり!「なーななーななななーなー♪」と歌いながら、水戸さんの指示に従い、右手左手で動きを変えてあわあわしたり、泡踊りのように手をひらひらさせたり、頭上に掲げて元気良く両手を振ったりと、手を振りまくったよ。楽しかったなぁ。

アンコール一曲目の「カナリア」も嬉しかった。吉田一休がハーモニカをくわえ、あの陽気な音色を奏で始めたとき、「これが来たーーーーー!!!!!」と驚きつつもびっくりした。そうだよ! DVD「不死鳥」の吉田一休ゲスト参加バージョンのカナリアが大好きで何度も繰り返し聴いたのに、今の今まで何故か、それをすっかり忘れていた。だから驚いたのだ。自分の聴きたかったものがまだ残っていたことと、それをいきなり聴けたことに!

「屑」とは別の形でも、ゲスト参加という形式でも何でも良いので、今後も、せめて年に一度はこうして水戸さんと吉田一休のコンビを観たいものだとつくづく思わされた、そんな楽しいライブだった。水戸さん曰く、若手の追い上げもあるとのことで、一休さんの「チャレンジ枠」も脅かされつつあるとのことだが、いやいやいやいや。「チャレンジ枠」は是非吉田一休でお願いしたい。どうかそこは固定にしていただきたい。多分来年も自分はこの日を一番楽しみにするのだから。

ところで今日、水戸さんは「七面鳥」の近くにあるライブハウスの前で、変な格好をした女の子達をたくさん見て、「何て読むのかわからないような名前のビジュアル系バンドのライブがあるのだろう」と思ったのだそうだ。ところが一度そこを通り過ぎ、後でまた通りかかったとき、髪を立ち上げ、黒の特攻服を着たおっさんがいて、「ん?」と思ってよく見ると特攻服の胸に「サーチライト」と刺繍がしており、その聞き覚えのある単語で、「何て読むのかわからないようなビジュアル系バンド」ではなく、筋肉少女帯のライブがあることを知ったのだそうだ。ちなみに水戸さんはその特攻服のおっさんについて「多分スタッフだと思うんだけど……」と言っていた。水戸さん、その人は多分スタッフじゃなくてファンですよ。変な格好をした女の子達と同じ。

そして水戸さんは内田さんに、今日筋少もライブがあるんだね、というような内容のメールを送ったところ、「うほほ~い」という返信があったそうである。

あとMCでは、さだまさしがMCのみのCDを何枚も出している話があり、そのMCを水戸さんが「どんなMCかと言うと……宇都宮の餃子の話っていうのがあって」とカバーしてここで披露したら意外と受けてしまったり、いつかの血のしたたるフィレステーキが再登場したり、部分入れ歯が隣の客のトレーに挨拶をしに行ってしまたっりと、大爆笑で大盛り上がりであった。腹から笑えて気持ち良かったなぁ。



日記録4杯, 日常, 水戸華之介

2013年9月3日(火) 緑茶カウント:4杯

多分何かしらの意味があるのだろうが、さっぱり意味を読み取れない。鍵を掴めば理解出来るのだろうが、鍵の在り処がわからない。それとももしや、実は意味があるように見えて何も意味も無いのだろうか。いやいや、この人の作ったものなら何かしらの意味があるはずだ。

水戸華之介、杉本恭一、吉田一休の三人から成るユニット「屑」。この屑の曲の一つに「君を守りたい」というタイトルのものがあるのだが、こちら、歌詞カードを見ても歌詞は書かれておらず、しかしインストゥルメンタルというわけでもなく、意味があるのか無いのかわからない音を三人で楽しげに歌うというもので、楽しそうなのは良いことだが、どうしてそれが「君を守りたい」というタイトルになるのかが、全然わからないのである。

で、あれば検索してみれば良いだろう、と思ったものの、ネタの解説なんぞ野暮がするもんよ、と言うかの如く鍵の手がかりは何も検索に引っかからず、そもそも「屑」に関わる記事すら少なく、身近な人に聞こうにも身近に屑を聴いている人がいないため、謎は深まるばかりなり。

常に気になっているわけでは無いが、たまに思い出しては何だろうと思い、今度聴くときには何かに気付けるかもしれないと思い耳を澄まして聴いてみるもやはりわからず、いつか鍵を見つけられる日が来るのだろうか。これで何の意味も無かったら泣く。



日記録3杯, 不死鳥, 水戸華之介, 非日常

非常に素晴らしいライブだった。

水戸さんのライブは今までにも何度か参戦したことがあったが、曲の盛り上がりのわりに観客が落ち着いていて、押しもほとんど無く、まったりと自分のスペースを確保しながら騒ぐことが出来る。それは快適でありつつも、いつも小さく物足りなさを感じていた。無論アコースティックライブでそれを求めることはしないが、バンドなら、この曲なら、こんなに格好良い曲なんだから! もっと弾けたい! と常々思っていた。

そして二十五周年記念のこの興行。当日券は若干数販売の大入り満員。己の整理番号は百番以内。入場後しばらく経つと後ろの方まで人人人。さらに、開演前にスタッフから、入り口付近が混雑しているので一歩ずつ前に詰めてください、とアナウンスがあった。

これはもしかして、今回はすごいんじゃないか?

予想は的中。ステージに水戸さんが現れた途端前へ押し寄せる人、そして「祈り」「すべての若き糞溜野郎ども」で初っ端から爆発する観客。やったよ! これを望んでいたんだよ! と心の中でガッツポーズをしながら、しかしいつもの様子を想定して来たと思われる、あのご年配の方は大丈夫だっただろうか、と右前方に立っていたご婦人を思ったが、気付けば自身もぐんぐん押され、あー念の為ロッカーに荷物を預けていて良かったと思いつつ、拳を振り上げ、押しに耐えながら力の限り叫んだ。

楽しかった。

水戸さんは冒頭で「デビュー二十五周年」なんて所詮自称だからね、デビュー二十五周年と言ったって、デビューする前から頑張ってるわけだから、ここをスタート地点と思っているわけでは無いと思う、と話し、二十五周年に駆けつけた観客に対し、皆キリの良い数字が好きだな! と茶化して笑っていたが、やっぱり二十五周年、四半世紀ってのはすごいよな、と思った。

これは後の方のMCだったが、水戸さん達がデビューした頃は四十代のロックミュージシャンなどいなかった、ロックは若い人の音楽で、それをいつまでもやっている姿など想像が付かなかった、だから今この世代のロックミュージシャンは前人未到の領域に到達しつつある、という内容のことを話していた。

会場には水戸さんと同年代か、それよりも少々下の人達が多く見られた。筋少よりも年齢層が高い印象を受けた。しかし若い人もたくさんいた。水戸さんではなく、ゲストを目当てに来た人もいるだろう。だがそのゲストも皆水戸さんとほぼ同年代。いわゆるアラフィフのロックミュージシャン達だ。

筋肉少女帯の大槻ケンヂ、レピッシュのMAGUMIに杉本恭一、人間椅子の和嶋慎治、そしてアンコールで飛び入り参加の橘高文彦。橘高さんは本日XYZ→Aのライブがあったが、終演後わざわざ水戸さんのために駆けつけてくれたのだ。水戸さんはそんな橘高さんに対し「律儀な子なので来てくれました!」と言って大喜びしていた。

各々が自分の音楽の道を歩みながら、その中で築かれた縁。二十五年間自身の道を進みながら築いていった縁。特に今回集まった人達に関して言えば、戦友であり盟友のようなものだよな、と思う。

自分は今年二十七歳。何も考えていない赤ん坊の頃から数えてようやく二十七年経つが、自我が芽生え、育ち、自立して生きていく二十五年はまだまだこの先にある。五十歳になったとき、己は自信を持って二十五年を振り返ることが出来るだろうか。特に自分は結婚をする気も無ければ子供を作る気も無いので、何の節目も迎えずに、だらだらと生活し続けてしまいそうな恐ろしさを若干抱いているのである。

などと思うのはあくまでもライブが終わって落ち着いてから。ライブ中はそれどころではなく、大いに盛り上がって楽しんだ。

今回一番グッと来たのは「ゴルゴダ」だ。「ゴルゴダ」はゲストでワジーが参加し、ギターを思いっきり弾き鳴らした。これが美しいのなんのって! また、あのワジーの独特の歌声が実に絶妙に合っていたのだ。「ゴルゴダ」はアンジーのアルバムでも聴いていたが、これはこんなに美しい曲だったのか………と驚きながら再認識させられた。直後にゲストで登場したオーケンが絶賛したのも納得である。

オーケンは「蝿の王様」「31のブルース」を歌ったが、MCも出番の一つとして数えられていたのではないか、と思うほどよく喋った。MCの内容は主に「ミミズ」の話。水戸さんはオーケンに「ミミズ」を歌ってほしいと依頼したが、「生理的に受け付けない」という理由で断られたというもの。ここだけ聞くとオーケンがひどい人のようだが、「生理的に受け付けない」理由は曲がどうこうじゃなくて、「ミミズ」という生き物自体がどうしても苦手なためとのこと。オーケン曰く、「ミミズ」という言葉を口にするのも耐え難いそうで、「ミミズは畑を耕しているんだよ!」「役に立っているんだよ!」と水戸さんが言うたび、顔をくしゃくしゃにしてイヤイヤしていた。

いやーでもオーケンのミミズ聴きたかったなぁ。オーケンは女言葉のボーカルが合うから、絶対ぴったりだと思うんだよなぁ。

あと面白かったのが、オーケンがステージに登場するや否や、オーケンは水戸さんに「今日人見知り大丈夫?」と心配されていた。何でも数ヶ月会わないと人見知りしてしまうらしい。だが今回のオーケンは自信満々。「ワジーとは一緒にバンド(白髪鬼)やってるから大丈夫だよぉ!」とニコニコしていたが、あろうことか内田さんに対し人見知りを発動していた。内田さんに「一昨日会ったよ」と言われるとパァッと顔を綻ばせて「そうだぁ!一昨日会ったねぇ!」と元気になっていたが、三十年以上付き合っている幼馴染くらい慣れてくれよと思わざるを得なかった、例えネタだしとしても。

「蝿の王様」では「銭ゲバ!」と叫び、「31のブルース」では「ヘイユウブルース」を熱唱し、オーケンは退場。まさか不死鳥のライブでヘイユウブルースを聴くとは思わなかったのでびっくりした。オーケン本当にヘイユウブルース好きだなぁ。

「天井裏から愛をこめて」を中盤にやり、大盛り上がりの後MC。今はアコースティックとバンドを半々くらいでやっている。アコースティックは若い頃には出来なかったこと。でも、出来るか出来ないかは別として、自分の中ではまだまだ「やりたい」気持ちがある。そして今回二十五周年記念ライブをやるにあたり、一番やりたいことがあった。

と言って始まる次の曲は、重たいベースの音が地響きのように振動する曲。「ミミズ」だ!

中盤で天井裏をやるのはもったいないんじゃないか、と思った自分が愚かだった。まさかの「ミミズ」「¥10」「分解マニア」「バンビはどこだ」のメドレー! このあたりはほんっとうに……楽しかった!!

本編ラストは「袋小路で会いましょう」。良い曲だが、「え、二十五周年の本編ラストで袋小路………」と思ったのも本当の話。

和やかに終わってアンコール。アンコールでは内田さんが帽子を脱いで、不死鳥バンダナを頭に巻いて登場。アンコールの曲は何だったか。楽しすぎて忘れてしまった。

そしてダブルアンコールでは橘高さんが駆けつけてくれたってんだから驚きだ! ギターも持たずに歌うために駆けつけたギターヒーローを大笑いするオーケン。完全にリラックスしている(ように見える)オーケンは自身の携帯電話を取り出して記念写真を撮影。写真は公開せず、待ち受けにすると言い張っていたが、ちゃんと大ブログにアップしてくれていた。

最後は全員で「素晴らしい僕ら」を熱唱。この曲はとにかく何もかもを全肯定してくれる多幸感がある。それこそ「金もないコネもない体は病弱で頭も悪い」どうしようもない人間も「素晴らしい」と言い切ってくれる。現実的でシビアな歌を多く歌う水戸さんが歌うからこそ、グッと来る歌である。ただ違和感もあった。とても有難い曲だけど、どうしてそこまで言い切ってくれるんだろう? と言うような。

もし同じ疑問を抱く人がいるなら、「不死鳥Rec.」のインタビューに「素晴らしい僕ら」に対する水戸さんの思いが語られているので是非ご覧頂きたい。ライブはあまりに盛り上がりすぎて、途中後方の人の歌声ばかりが耳に入って水戸さんやゲストの声が聴こえないことすらあったが、それもどうでも良くなるくらい夢中になってしまった。「一緒に歌おう」と促されたところでは大声を出し、アンコールも全力で叫んだので咽喉が枯れてしまっている。その結果がまた嬉しい。

「二十五周年を半分と考えて、五十周年を目指すから、お前ら死ぬなよ!」と言い切る水戸さんはバツグンに格好良く、頼もしかった。三十年、三十五年どころか五十年! 何て有難いんだろうか! はまったミュージシャンのほとんどが、二十も三十も年上なので尚更嬉しい。たまに、あと何年この人達の活動を見られるのだろうか、と思わされてしまうから。例えリップサービスだとしても、すごく喜んでしまうのである。

終演後には水戸さんがサイン会を開いてくれて、一言二言お話しする時間があったのだが、そのとき初めて自分の声がガラガラになっていることに気付かされた。水戸さんの手は大きくて温かかった。

未分類100曲ライブ, 水戸華之介, 非日常




「20×5=100 LIVE」第五公演目に行ってきた。二ヶ月近くに渡って続けられた公演の最終日。この催しが始まることを知ったとき、絶対に全ての公演に足を運ぶぞと意気込んだが、まさか実現出来るとは。しかもそのうち二回は最前列で観ることが出来たのである。間近で観る水戸さんの歌唱と熱気。今回は中央に作られた通路に沿って並べられた椅子に腰を下ろしたが、「君と瓶の中」で水戸さんが歌いながら真横を通り抜けたとき、纏う熱気の熱さに驚いた。雰囲気が熱いのでは無く、物理的に熱いのである。

熱さも納得の盛り上がりっぷりを裏付けるかのように、本編終了後、ギターの弦が駄目になってしまい、アンコールでステージに戻ると澄田さんがその場で弦を張替え、その間水戸さんがMCで繋ぐという出来事もあった。澄田さんは3-10Chainで長年水戸さんと一緒にやっているだけあり、何度も水戸さんに「やりやすい」「接しやすい」と言われていた。澄田さんはずーっと口角が上がっていて、もともとそういう表情なのかもしれないが、終始穏やかで楽しそうな雰囲気が溢れている人である。

第五公演目は水戸さん曰く「良い曲が多い」とのことで、アンコールでお約束の二十面ダイスを振り、その日歌唱された曲の中からアンコール曲を選ぶ際も、どれが選ばれても大丈夫! と安心出来るセットリストだった。その際、よりにもよって「ジョンのうた」が出てしまったときは流石にダイスを振り直したと澄田さんに語っていて、澄田さんも「ジョンが出たのぉ!?」と驚いていたが………この日のダイスが選んだのは「ナイタラダメヨ」。しばし「え、これ………?」という空気に包まれる。「ナイタラダメヨ」は好きな曲だが、アンコールにやるにしてはちょっと違う感じもする。

だが振り直しはせず、本編ではアレンジしたバージョンでやったので、今度はオリジナルバージョンでやることに。ところがちょっとハプニング。ずっとアレンジで練習していたためオリジナルがわからなくなってしまったのだ。水戸さん、澄田さん二人で譜面を睨みつつ、歌いながらメロディを探す。珍しい場面が見られてラッキーだった。

そしてアンコールは終了したが……最終日ということでダブルアンコール! 追い出しの曲がかかるも席を動かずアンコールを要求する観客の声に応え、再び水戸さんと澄田さんが登場! 手には二十面ダイス! そして振られた数字を読むと十二番!!

「ナイタラダメヨ」

まさかである。まさかの「ナイタラダメヨ」。流石にたじろぐ水戸さんと澄田さん。ここで最終日にして新ルール発動。「一度アンコールで選ばれた曲は消されることにする」、ということでダイスを振り直すことになったのだが………神はどうしても水戸さんに「ナイタラダメヨ」を歌わせたいらしい。

驚きの。三回連続「ナイタラダメヨ」。

もう一度振り直してようやく「遠くまで」が出た。神も何とか諦めてくれたらしい。いや、神はなかなか良いチョイスをしていると思うが、三回連続「ナイタラダメヨ」はどうかと思うな!

今回の「客いじり」曲は「君と瓶の中」だった。「君と瓶の中」は聴いたことがある方ならご存知の通り、性的な内容の曲である。そしてこの曲の前に水戸さんのMCがあったのだが………生々しい!!

いや、単に自分がこういう話を苦手にしているだけなんだが。とはいえ引いた。ちょっと引きつってしまったが、半ばやけっぱちになって盛り上がり、続いて演奏された「天井裏から愛をこめて」でちょうど良く爆発出来たので結果オーライと考えたい。そういえば「天井裏から愛をこめて」で席を立ち上がり踊りだす人が現れた。後ろの観客に配慮しているのか、壁にぴったり寄り添いつつもゴーゴー踊り狂っていて、理性と衝動の狭間に立っている姿が実に微笑ましかった。

「20×5=100 LIVE」の総括として語ってくれたこととして、隔週で定期的に同じところでライブをやるというのはとても良かった、また不死鳥の前などにこういうことをやりたい、とのこと。また、俺はずっと延々と続けても良いけどそのうち誰も付き合ってくれなくなる、と言って笑ってもいた。確かに延々と隔週で通うのは難しいが、また来年もしやってくれるならそのときは是非参加したい。二週ごとに水戸さんに会える、しかも毎回違う曲が聴けるなんて、贅沢なひと時だったなぁと振り返ってみて思うのだ。

記念すべき百曲目は「幸運(ラッキー)」。この曲の前だっただろうか。水戸さんは、仕事柄「人とのすれ違い」を多く経験することを意識する、といった話を語ってくれた。それは「気持ちのすれ違い」ではなく、出会って、ある一定期間一緒に過ごして、そして別れるという「すれ違い」。それはバンドを組んだ仲間だったり、一時だけライブに足を運んでくれたお客さんだったり、様々だ。で、その「すれ違い」を意識するとどうなる………という肝腎の部分を………忘れてしまったのである……自分は。何故忘れた。何と無く次の曲が「幸運(ラッキー)」であることを考えると、「でもこうしてひと時を一緒に過ごせたってラッキーだと思う!」というまとめだったような気がするが、本当にすっかり忘れているので間違っている気がすごくする。何て駄目な記憶力なんだ…。

今回の公演で百曲歌いきったが、これは持ち歌のおよそ半分ほどで、選ばれなかった百曲はアコースティックという形態で歌うのは難しいとのことだが、いやいやいやいや。まだまだ聴きたい曲はあるので、是非もし来年やるときには、残りの百曲も是非歌って欲しいものである。まぁ、その前に「不死鳥 十全」があるのだが。会場にはポスターが貼られていて、チラシも配られていた。もちろんもらってきましたよ! チラシ片手ににやつきつつ、ますます楽しみになる「不死鳥 十全」。記念すべきデビュー二十五周年公演、気合を入れて観に行かなければ!