日記録1杯, 大槻ケンヂ, 日常

2015年5月22日(金) 緑茶カウント:1杯

オーケンのエッセイ本「おまけのいちにち(その連続)」発売記念サイン会に行ってきた。サイン会は十九時で、今は日付が変わって深夜一時を過ぎた頃。そしてこの時点になってようやく己は晩飯を食べていなかったことに気付いたのであった。胸がいっぱいになってしまって忘れていたのである。

まず「こんばんは~」と挨拶をしてくれ、己の話を聞いてくれ、答えてくれ、「○○さんって言うの~?」とサインを書きながら己の名前を呼んでくれ、握手をしてくれ、握手が終わった後も少し話す時間があって。感無量である。オーケンの声は穏やかで耳に心地良く、こんなにのほほんとした声の人がステージではひっきりなしに叫び続けているのだから不思議だなぁ、と改めて思うのであった。

嬉しいな。嬉しいな。嬉しいな。今も反芻しながら噛み締めている。嬉しいな。



未分類4杯, ROLLY, 大槻ケンヂ, 谷山浩子, 非日常

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出演者はROLLY、大槻ケンヂ、谷山浩子。大槻ケンヂは言わずもがな大ファンであるし、谷山浩子も大好きで、ROLLYについては突っ込んで聴いたことは無いものの、ROLLYと谷山浩子とのバンド「からくり人形楽団」のアルバムは、「谷山浩子の楽曲がロックになったら面白いだろうなぁ」という夢想を実現してくれて、そりゃあもう素晴らしかったし、たまにテレビで見かけるそのキャラクターも好きである。いつかきちんと聴きたいものだと思いつつすかんちにまで手を広げられていない状態というか。そんな自分が、この三名が同じステージに立つと聞いたら行かないわけが無いだろう。

ところで。実はこのコンサートについての詳細を把握していなかったため、てっきり谷山浩子が二人を招いたのかと思っていたのだが、逆だったことを会場で知った。「東京うたの日コンサート」という催しが毎年あり、ROLLYとオーケンがここ数年は恒例で出演していて、両名の共通の知り合いということで谷山浩子がゲストに招かれたという流れだそうだ。

さて。今日のライブの感想はと言うと。非常にゆるゆるとゆるかった。

前半はゆったりしながらもサクサク進んだが、谷山さんが退場し、ROLLYとオーケンが二人でステージの椅子に腰をかけた途端、コンサート会場はまるでオーケンのトークイベント「のほほん学校」のような雰囲気に化け、二人の話はいつまでも止まらない。昔の音楽番組の話やら雑誌の話やらでいつまでもゆるゆる盛り上がるのである。

またROLLYがすごい。話が突拍子も無く、繋がったような会話をしつつも繋がっていない、ということがたびたびあるのだ。そこで突っ込みやら笑いが起き、遠回りしつつ元の話に戻ったかと思えば、またぶっ飛んだ方に話が戻ってしまうのである。どちらかと言うと順序良く話すイメージがあったので驚いた。

すごいと言えば、今日ここに来るまで谷山さんは、何の曲をやるか聞いていなかった、という話もすごい。いつかのオーケンと石川さんのコンビ「ケンヂ浩司」のライブが行われた際も、石川さんは当日まで何をやるのか何も聞いていなかったそうだが、まさか谷山さんまでとは思わずこれには本当にびっくりした。

さらに。何と三人揃ってリハーサルしたのは当日の今日が初めてだったそうで。そんなわけで今日は、出だしを間違える、やり直す、といった巻き戻し作業が何度と無く発生した。一回のライブでこんなにやり直すのを見るのは初めてだったと思う。

とはいえそれで空気が険悪になることも無く、それはそれでアリでしょう、気楽にやりましょ、とでも言うような、ゆるゆる~とした肩の力が抜ける、まるでぬるま湯に浸かってまどろんでいるような心地良いライブであった。

客電が落ち、ステージに現れたのはオーケン一人だった。オープニングSE無しでほてほてと歩いてステージの中央へ。ギターを肩から下げ、のほほ~んとした空気のまま口を開き吟じ出す。「二日酔いのぉぉ~、無念極まる僕のためぇ、もっと電車よ、真面目に走れーーーーーッ!!」

えーーーーーーっ!!? アコースティックでスラッシュ禅問答やるの!?

マジかよどうすんだよ何これ、とびっくりしていたら始まったのは「死んでいく牛はモー」だった。弾き語り中、オーケンはたびたび変なタメをつくり、生まれる無音の空間に笑いが生じる。テレビのオーケンしか知らない人は「大槻ケンヂってこんな人だったんだ…」と驚いたかもしれない。

歌詞は「春はそこまで~カム~」の部分だけすっぽ抜けていた。全体的に馬鹿っぽい歌詞だが、「カム~」は中でもとりわけ馬鹿っぽくて気に入っているので、消失したことが印象に残っていたので覚えていたのだ。

続いてタンゴ、オンリー・ユー、香菜、ノゾミ・カナエ・タマエをオーケンが一人で歌う。オンリー・ユーと香菜は順序が逆だったかもしれない。オンリー・ユーについては先日水戸さんのライブで、水戸さんとオーケンが歌うロックなオンリー・ユーを聴き、「そうだよこれが聴きたかったんだ!!」と大いに感動したばかり。そして今日は聴き慣れたゆったりとしたアコースティックなオンリー・ユー。やっぱり、「君の子供生んでみたい!!」と男性視点で叫ぶ熱情の歌は、ロックバージョンの方が個人的にはしっくり来るなぁ、と思った。

オーケンはステージに上がる際、いつものようにオープニングSEを流す予定だったのだが、谷山さんに「そのまま入ればいいのよ~」と言われ、「え、あ、はい」と今日はSE無しでほてほて歩いてステージに上がったことを語った。なるほどそれでふら~っと入ってきたのか。SEが無いだけでのほほん加減が増すから面白い。

これは光栄なことに谷山さんがすごく気に入ってくれた曲なので、今日やります、という前置きの後始められたのが「ノゾミ・カナエ・タマエ」。おお、これを今日も聴けるとは嬉しい。意外とこの曲、筋少のライブでもあまり聴いたことが無いんだよなぁ。

それにしてもオーケン、本当ギター上手になったな…。アコースティックなオーケンを観る機会が少ないとはいえ、観るたびに上手になっている気がする。すごいものだなぁ。愛だなぁ。

「ノゾミ・カナエ・タマエ」の後、谷山浩子が登場! 待ってました! まさかまたこの二人がステージに立つ姿を観られるとは…。嬉しいことがあるものだよ。

オーケンと谷山さん、二人で歌ったのは「戦え! ヌイグルマー」と「機械」の二曲。オーケンがギター、谷山さんがピアノを弾き、二人の声が重なり合う。

前回オーケンが谷山さんの「猫森集会」にゲストとして招かれたとき、ほんの二、三曲歌う程度だと思っていたらたくさん歌うことになってびっくりした、というエピソードが話され、だから今回は僕の歌を歌っていただきます、という前置きで始まったと記憶している。また、谷山さんの「機械」がとても素晴らしいので、これは是非僕のファンに聴いてもらいたい、という内容のことも。オーケン、筋少のライブDVD「4半世紀 LIVE」の特典についていたオーディオコメンタリーでも谷山さんの「機械」を絶賛していたものなぁ。

ただ、「機械」も素晴らしかったが、谷山さんの歌う「蜘蛛の糸」も鳥肌ものだった、ということをここに明記しておく。あれは是非、どこかで音源に残して欲しい。筋少の「蜘蛛の糸」は「熱」だが、谷山さんの「蜘蛛の糸」は、ピアノの音もあいまって、とても冷たい印象で、その違いがまた面白いのだ。

谷山さんのノゾミ・カナエ・タマエも聴いてみたい。いつか聴けないだろうか。

ここでオーケンが退場し、谷山さんがステージに一人立つ。今回の「東京うたの日コンサート」は最後に「暗黒編」の仮題が付いているので、そんな曲を探してみました、と言って「SAKANA-GIRL」。

「SAKANA-GIRL」を歌い終わった谷山さんは、「これはよく、人間を食べる歌なの? と聞かれることがあるけど違うんです。男の子が、スーパーかどっかで買ってきたパックに入っているムロアジの開きか何かに、”何故君は僕を見ない…”ってぶつぶつ言いいながら食べる歌です」と言ってた。谷山さん、それカニバリズムよりも怖いです。

続いて「鳥籠姫」「卵」「終電座」。「鳥籠姫」はよく「ウーロン姫」と読み間違えられるそうで、カラオケでも「ウ」の欄に入っていたこことがあったそうだ。

「終電座」が聴けたのは嬉しかった。前回の猫森集会でオーケンは「終電座」も歌いたかったのだが、当時カラオケに入っておらず、練習が出来ないため見送られたらしい。ところが、その話が広まった影響かカラオケでリクエストがどんどん集まり、今は配信されているとのこと。と、いうことはいつかオーケンの歌う終電座が聴けるかもしれないということだろうか。よし、期待をして待とう。

それにしても谷山さんはCD音源とのブレがほとんど無いというか、声が安定していてすごいなぁ…。何度か水を飲みつつ咽喉の調子を整えている姿が見られたので、もしかしたら咽喉の調子が良くなかったのかもしれないが、それを感じさせない声だった。

「終電座」を初めて聴いた人はあの物語にきっと衝撃を受けたことだろう。あぁ、その反応を見たい。と思いつつ、次に入場するはROLLY! 人生初の生ROLLYである。口ひげをつけて頭には黒のシルクハット。からくり男爵の姿である。格好良い!!

ROLLYの持つ楽器はギターシンセサイザー。マイクに向けて出した声を増幅させ、ギュンギュンと歪ませながら音に変えていく。すおぎなーハイテクだなーと思いつつ始まったのは「ねむの花咲けばジャックはせつない」。この曲の谷山さんの歌声がやけに可愛いと思っていたので生で聴けて嬉しかった。

次は、まだ聴いたことの無い曲だった。確か冒頭で「The March Of The Black Queen」をROLLYが遊びで少し弾いたかな?

確かこの後谷山さんが退場し、ROLLY一人に。ROLLYの曲はほとんど知らないのでわからなかったのだが、歌が上手くて華のある人だと思った。それでいてキュートである。よし、今度すかんちのCDを聴いてみよう。

印象に残ったのは「ROLLYちゃん♪」と歌う何やら愛らしい歌と、アヴェ・マリアにROLLYがオリジナルの歌詞を載せたもの。手塚治虫の漫画「ザ・クレーター」の主人公の視界を歌った曲、だったかな。曲の始まる前に「ザ・クレーター」の物語の粗筋が語られた。地球の滅亡を月面で見守る人類最後の男の曲である。

ROLLYのソロが終わって、今度はオーケンが入場。ここからがすごかった。急にステージがのほほん学校の空気になり、トークがいつまでも止まらない。そのうえ、谷山さんがいないことを良いことに結構な下ネタが飛び出す。いや、でもROLLYはこの後谷山さんが入場してからも下ネタ叫んでたな…。

この二人で歌った曲はルパン三世の曲が一つと、後を覚えていない。カバーだったような気がする。

そうそう。このときROLLYはオーケンのギターを弾いていて、「このギターすっごく良い」とROLLYが絶賛。するとオーケン、「そのギターは僕以外の人が弾くと良い音がするんですよ」と自虐。それに対しROLLYは「いや、上手になったよ!」とオーケンを褒め、「いや~下手なギターですよう」と謙遜するやりとりが観られた。

歌詞カードを離して見るROLLYに、オーケンが「見えなくなってきましたか」と尋ねると、ROLLYは「そうだよ~大槻君より年上だからね」と言って、その流れで眼鏡の話に。オーケンは言う。「俺はずっと眼が良くて、最近見えなくなって眼鏡をかけるようになったんだけど、レンズが薄いの。するとね、ずっと眼鏡をかけてる人達が僕に眼鏡貸してって言って、かけて、鼻で笑うんだよ!! こんな度が低いの? 何も見えないよ? って感じで!」と。あぁ、それはわかる。目が悪いことなんて別に自慢することでも何でも無いんだけどね。つい見えないことを自慢してしまうんだよな…。

谷山さんが入場し、ステージに三人揃う。谷山さん交えてのトークという名のゆるゆるとしたおしゃべりはさらに続き、谷山さんとオーケンが知り合ったきっかけについて話された。オーケンの弾き語りライブのゲストに六角精児さんが出演するということで、谷山さんは六角さんを目当てにライブを観に行った。すると「こんなにゆるくて良いんだ」と驚くほどのゆるゆるした雰囲気で、その雰囲気とオーケンの曲「ノゾミ・カナエ・タマエ」を気に入り、谷山さんが自身のライブ「猫森集会」のゲストにオーケンを招いたことで、繋がりが出来たのである。

ただ、谷山さん、それまで親交こそ無かったものの、人に勧められて筋肉少女帯のアルバムは聴いたことがあったそうだ。そして、歌詞カードが縦書きになっているのを見て、「良いな~」と思って縦書きの歌詞カードを真似たのだと言う。縦書きと言うと、「サーカス団パノラマ島へ帰る」だろうか。

これを聞いていじけ出したのがROLLYである。突然谷山さんのことを「谷山様」と呼び始め、「大槻君は、今まで谷山様と親交が無かったって言っても…良いじゃないですか! アルバム聴いてもらえてたんだから! 僕なんか…」

曰く。谷山さんのライブのゲストとして、ROLLYはどうか、とスタッフから聞かれていたそうなのだが、当時谷山さんはタレントとしてのROLLYしか知らず、断り続けていたらしい。それを聞いて大笑いするオーケン。「タレント風情が! 私のライブのゲストになんてってことですか!」と大げさな口ぶり。ROLLYはROLLYで「谷山様が! 谷山様が!」とこれまた大げさにいじけ、谷山さんは「あああ~違うのよ~」と、その姿はまるで調子に乗ってふざける後輩を落ち着かせようとする部活の先輩のようで、ここは本当に面白かった。

三人揃って歌ったのは谷山さんの「フィンランド」。このフィンランドのゆるゆるっぷりがすごかった。オーケンとROLLYはわかるところしか歌わないという潔さ! 三人揃って合わせたのは今日が初めて、というのもある意味納得である。でももうちょっと練習しても良かったんじゃないか…と正直思った。

フィンランドの後はカバーで、「亜麻色の髪の乙女」と、街の片隅で膝を抱えてる人を柔軟体操無しで海に放り込む歌だった。海に放り込む歌を歌い終わった後、「そんな膝を抱えている人をいきなり海に連れ出しちゃいけないよね」と語る三人が、いかにも非体育会系といった感じで非常に親近感を覚えた。何でこの曲を選択したんだろう。

アンコールが起こったが、持ち歌が終わってしまったということで、挨拶をして終演。三時間オーバーの非常に内容の濃いライブであった。体感では四時間くらいあったなぁ。またこの三人でのライブを観たいものである。そのときにはもっとROLLYの曲を知っている状態で参戦したいものだなぁ。

そうそう。オーケンとROLLYが昔の音楽番組の話をしていたとき、オーケンの口から「P-MODEL」という単語が出てちょっと興奮したんだった。思わぬところから思わぬ名前が出ると喜んでしまうね。

余談だが、万が一谷山さんと平沢さんが組んだらすごく面白いだろうなぁ、と密かに思っている。自分の中では谷山さんと平沢さんは同じカテゴリーに入っているのである。これもまた、なかなか無いだろうが、いつか観てみたい。



未分類2杯, のほほん学校, 大槻ケンヂ, 非日常

いやあ楽しいひと時だった。オーケンののほほん学校のスペシャル版。ゲストは水戸華之介、和嶋慎治、ゆるキャラの方々、そして飛び入りで向かいのライブハウスでライブを控えているにも関わらず体を張って参加してくれたニューロティカのあっちゃんに、そのあっちゃんの尻に重い蹴りを叩き込んだアクション女優武田梨奈。基本はオーケン、水戸さん、ワジーが三人で、お題に沿ってだらだらとトークをし、思い出したかのように歌を歌うというもの。「ミュージシャンはこういうとき歌を歌えるから便利だよね!」「歌っとけば何と無く仕事したって感じがするからね!」と笑う面々。確かに、トークだけでも十二分に楽しいが、間間に歌が入るとメリハリがついて楽しいなぁ。

スペシャルということで今回の会場はいつものパイプ椅子が並べられたライブハウスではなく、背もたれとクッションのついた椅子がゆったりと並べられたホールである。ホールでのほほん学校に参加したのは今回が初めてだが、思いのほか快適だった。体がすごく楽である。現在進行形で体調を崩しているため、普段よりも体力が落ちていることも関係しているだろうが、背もたれの存在が非常にありがたかった。何せこの十月、外出は必要最低限に抑え、休みの日はひたすらベッドで眠るという日々を過ごしていたのだ。電車を乗り継いで高円寺に向かうだけで息が上がってびっくりした。

会場につき、ホールの中へ足を進めると薄暗闇の中からオーケンの絶叫が聞こえた。見ればステージの上に設置された巨大なスクリーンには花道を歩き堂々と歌うオーケンの映像が流されている。おお、これは何の映像だろう、と見ればDDTの文字。DDTプロレスに筋肉少女帯がゲスト出演したときの映像のようだ。観たことが無い映像を見られてラッキーと思いつつ座席に深々と座り休息を得る。ライブ映像が終わるとオーケンがその歌詞に衝撃を受けたと言う「アイドルばかり聴かないで」のPVが流れ、映像が終わると同時に開演の合図か、筋肉少女帯の「そして人生は続く」が大音量で流れ、マイクを持ったオーケンがステージに現れた。

おお! この歌を歌ってくれるのか! と喜びかけたがすぐに違和感に気付く。オーケンはマイクを持ち、口を動かしつつステージの中央に設置された譜面台をチラチラと確認してはいるが、どう見ても口と歌が合ってない。そのうちわざとマイクを遠ざけたり、変なポーズをとったりしてニコニコしながらふざけ出した。隠す気の無い公然の口パクという名の、本人による余興である。

曲が終わるとゲストが登場。「水戸華之介&3-10Chainの水戸華之介、人間椅子の和嶋慎治!」というオーケンの呼びかけに応じて二人が壇上に姿を現す、がワジーは何故か一輪車を持参。しかも乗ろうと試みてはみたものの、乗れなかったらしくそのまま転がしてやってきた。そして一輪車はまるで楽器の仲間であるかのように、ギターの隣に置かれた。この一輪車の謎は後ほど明かされることになる。

まずは冒頭の口パクの説明へ。開演前に流していたPV「アイドルばかり聴かないで」のアンサーソングは、筋肉少女帯の「そして人生は続く」ではないかとオーケンは考え、よって「アイドルばかり聴かないで」を流した後にこれを歌おうと思ったが、カラオケが無いため曲をそのまま流すことになり、よって口パクをすることになったとのこと。この流れで、口パクは普通に歌うよりも技術が必要となるという話題になる。まぁ、特にオーケンの場合はそうだろうなぁ。口パクだときっちりしっかり歌詞を覚えなくてはならないのだから。「だからねぇ、○○とかはすごいよ!」とあれやこれやの名前が出てきて場内爆笑。あれやこれやの名前は記憶しているが、一応ここでは伏せておこう。

口パクトークの後、今回の「のほほん学校」について説明。前にも書いたが、お題に沿ってトークをしつつ思い出したかのように歌を歌おうというもの。では、お題を見てみましょうとスクリーンを見上げると表示されたのは「飛び入りゲスト」。こんな、今さっきゲストを紹介した直後にいきなり飛び入りゲストが来るのか、と驚いたのが本音である。

ゲストはオーケン原作の映画「ヌイグルマーZ」で「ヌイグルマーZ」役を務めるアクション女優の武田梨奈さん。呼び込み前にいかに武田梨奈さんがすごいか熱弁するオーケン。何と武田梨奈さんをオーケンに紹介したとある映画監督は、いかに武田梨奈さんがすごいかを伝えようとして、狭い会議室の机を端に寄せ、その中央で監督VS武田梨奈でいきなり殺陣を始めた、という衝撃エピソードを披露。そのうえで、武田梨奈さんが監督に実際一発食らわせて勝利したそうだ。

いったいどんな人が来るのだろう、と会場の期待が高まる中、「武田梨奈さーーーーん!」とオーケンが高らかにお招きすると、上手から現れたのは道化のメイクを施した茶髪のおっさん。そのおっさんは全力疾走で上手から下手へと走り去り、呆気にとらせる暇もなく、また全力疾走でステージを横断した。

言うまでもなく武田梨奈さんではない。ニューロティカのあっちゃんだ。

向かいのライブハウスで七時からライブがあるとのことで、飛び入りでのほほん学校に参加してくれたそうだ。おどけたピエロは高らかに倖田來未の物真似をし、水戸さんが腹を抱えながら大笑いしつつ「それ九月に俺のライブでやって受けなかったのにまだやってんの!」と突っ込みを入れていた。自分もまさか十月の終わりにあれを再度見ることになろうとは思っていなかったので驚いた。せいぜいあの数日で消失したネタだったと思いきや、まさか生き残っていたとは。

あっちゃんの後に本物の武田梨奈さんも登場。びっくりするくらい華奢だった。ところが侮る無かれ。空手の熟練者で、曰く「大抵の男には勝てる」とのこと。そして得意技はハイキック。すると突然、「はい」と挙手する人がいた。あっちゃんだ。しかし皆、その挙手の意味が読み取れない。何だろうとオーケン達が促すと、あっちゃんはリアクション芸人のようなことを口にした。

何とハイキックを受けるというのである。ロックミュージシャンとしてデビューして二十九年であるにも関わらず、そこまで体をはるかと驚きを隠せない面々。しかしあっちゃんは穏やかに笑いながら「ここはやっとくとこかと思いまして」と言う。

とはいえ武田さんは本日スカート姿。ハイキックはまずい、ということであっちゃんの尻に蹴りを入れることになった。中腰になり、武田さんに尻を向けるあっちゃん。そんなあっちゃんを見つめるオーケン、水戸さん、ワジー。直後、「ドンッ!!」という低い音が響いた。あっちゃんは本気で痛がった。

「もっとこう、パンッて軽い音がするかと思ったら、ドンッって」と言ったのは水戸さんだったか。「あれが腰に入っていたら骨をやられていたよ」「ライブの前なのにお尻蹴られちゃって…大丈夫?」「良いMCネタが出来て良かったね」と口々に皆が喋る中もあっちゃんは痛そうだった。その後ライブで飛んだり跳ねたりできたのだろうか。

この後だったかな。オーケンが武田梨奈さんについて、彼女はこれからもっと大きくなって、来年には我々の手の届かない存在になるかもしれない、と言う。武田さんは恐縮するがオーケンは続ける。「僕ののほほん学校にお呼びした方の中にもねぇ、その後すごーい人になっちゃってもう近付けないってことがあるからねぇ」といった内容のことを語ると、水戸さんが「そして我々はいつまでも大槻の手のひらから抜け出せない」と自虐して笑いをとり、オーケンがあわあわと慌てていた。

「でもねぇ、そうしてビッグになって、何十年後か、死ぬ間際にふと思い出すんだよ。………そういえば、あのときピエロの尻を蹴ったわ…」って、と未来の武田さんの回想シーンを捏造して場内爆笑。確かに、ピエロの尻を蹴るなんてことは一生に一度、いや、普通に生きていたらまず無い体験だろう。ちなみにあっちゃんの尻は結構硬かったそうである。

武田さんはその後予定があるとのことで、十八時半に退場。あっちゃんはその後、皆にせがまれて「香菜、頭をよくしてあげよう」を歌って退場したが、「それなりに歌えていた」ためオーケンと水戸さんからはブーイングの嵐。どうやらあっちゃん、これまでにも何度も「香菜」を歌っていたのだが、いつまでも全然覚えられずにいて、それが面白かったとのこと。だから「それなりに歌えていた」状態がつまらなかったそうだ。

「せっかく来てくれたのに、お尻を蹴られて、つまらないって言われるなんて!」とあっちゃんの境遇を的確に表すオーケン。ごもっともである。尻は大丈夫だったのだろうか。

飛び入りゲストが去り、次のお題が「笑っていいとも、アンパンマン、あまちゃん」だったが、あまちゃんについては全く触れられなかった。「笑っていいとも」については、オーケンが何度かいいともにゲスト出演した話と、いいとものテレフォンショッキング繋がりで井上陽水と接点が出来た話が語られた。あと、「笑っていいとも」が始まる前に起きたら合格、始まった後に起きたら人間として不合格、という風潮が昔あったという話が語られた。水戸さんはこのところずっと不合格だそうである。

アンパンマンの話が面白かった。アンパンマンを知らないワジーにオーケンと水戸さんがアンパンマンについて説明するのだが、オーケンの語る独自解釈がたっぷり入ったアンパンマンの面白さったら! これをアンパンマンを知らないワジーに聞かせて良いかと思うほど。主題歌の歌詞「何のために生まれて、何をして喜ぶ」がすごいという話から始まり、ドキンちゃんが好きなばいきんまんと、しょくぱんまんが好きなドンキンちゃんが何故か一緒に暮らしている不可思議さについて、ドキンちゃんは今はわがまま放題だが、彼女は「若くて可愛い」以外の取り得が無いので、数年後にばいきんまんと立場が逆転すること、ねむねむおじさんはガンジャを決めている、などなど。たまに水戸さんがオーケンの暴走を軌道修正するように、訂正・修正を挟むのだが、オーケンにかかるとアンパンマンもカニバリズムやガンジャが組み込まれる物語になってしまうのだなぁ。

そういえばどの流れだったか忘れたが、オーケンは黒目のフチが白くなってきたそうで、白内障ではないかと思い眼科にかかったそうだ。結果はどうか。幸い白内障では無かったが、老人性のものだそうで、医者が「老人性と言っても、昔は四十代で老人でしたから」とフォローを入れたそうだ。異常が無いのは喜ばしいが何とも切ない話である。

しかし。白内障の心配は無いが緑内障の気はあるとのことで。オーケンはそれすらもネタにして「格好良くなっちゃう」と笑っていたが、いやはや。気をつけて欲しいものである。

この日歌われたのは「香菜、頭をよくしてあげよう」「あのさぁ」「オンリーユー」「氷の世界」「日本印度化計画」「踊るダメ人間」だったかな。「香菜」はあっちゃんが前半で歌ったが、後半にオーケンもきっちり歌った。「オンリーユー」はオーケンが水戸さんを絶賛し、水戸さんも「じゃあ持ち歌としてもらおうかな」と笑うが、直後これはオーケンの歌ではなくばちかぶりの田口トモロヲの歌だと気付き爆笑、という場面があった。そう、これオーケンが歌いまくっているからオーケンの歌のような気がしてしまっているが、トモロヲさんの歌なんだよ。

あと素晴らしかったのがワジーのポエトリーリーディング。中原中也の「断言はダダイスト」を語るように歌いながら壇上で一人ギターを爪弾いていく。このとき、オーケンと水戸さんはステージから退場し、ワジー一人が残されて、赤いライトに照らされながら朗々と語り歌っていた。この怪しい迫力は今回の一番の目玉と言っても過言では無い。当初、言葉の意味を追おうとしたが、自分はそれを早々に放棄し、ただ声と音の作る迫力の世界にどっぷり沈むことを選んだ。ワジーは「眠ってもいいですよ」というようなことを始める前に口にしたが、あんなものを目の前にして眠れるわけが無いじゃないか。

水戸さんの氷の世界も格好良かった。三人で分担して歌っていたのだが、水戸さんが全部歌う氷の世界もいつか一度聴いてみたい。水戸さんの作る歌詞に自分は大きな魅力を感じているが、同時にその歌声もたまらなく好きで仕方が無いのだ。

歌詞と言えば、追い詰められて書くか否かの話。オーケンとワジーは追い詰められないと書けないタイプで、水戸さんは追い詰められる前に書くタイプとのこと。何でも、アンジー時代にロンドンでレコーディングを行ったとき、せっかくだからロンドンの空気を吸ってから歌詞を書こうと思い、歌詞を書かずにロンドンに行ったものの、ロンドンがあまりに楽しくてはしゃぎすぎて歌詞を全く書けず、大いに焦ったという経験があるからだそうだ。対してワジーは追い詰められて追い詰められて追い詰められると何かのスイッチが入るのか、書けるようになるそうだ。

トークについては、ひどい名前のバンドの話や、昔は馬鹿なバンドがいっぱいた話などが語られ、そうそう忘れてはいけないのがワジーの一輪車の話。ワジーは去年、筋肉少女帯と人間椅子で対バンをしたとき、筋少のステージを見て、大いに感銘を受けたそうだ。格好良いのに、どこか怪しく、それでいてコミカルでサーカス的。とにかくすごく良いと思ったそうで、その要素を取り入れようとして買ったのが「一輪車」。「一輪車に乗りながらギターを弾こうと思ったけど、結局乗れず部屋の片隅に置いてある」とのこと。それに対しオーケンと水戸さんが口々に、せっかくオズフェスで再ブレイクしてるのにそんな要素を取り入れなくても、というような内容のことを言っていた。

最後はゆるキャラが壇上に登場。頭部が巨大なナン、体が女性の「ナン子ちゃん」に、にんにくと猫のキメラ「十和田にんにん」に、長芋の「十和田ねばっち」のお三方を招き、「日本印度化計画」と「踊るダメ人間」を歌う。「踊るダメ人間」の前では、「ダメダメ~パパパヤ~」で手を振る動作と、ダメジャンプのやり方をゆるキャラの三人にオーケンが指導。結果、限りなく人間に近いナン子ちゃんは卒なくこなせたが、にんにんとねばっちはその体の形状から困難を極めたものの、にんにんは新しい萌えポーズ、ねばっちは猪木の物真似という特技を新しく習得した。成り行きで。

オーケンのすすめによって座っていた観客も立ち上がり、アコギに合わせてゆるゆるとダメジャンプ。イベント名にふさわしく、のほほ~んとした空気の中で和やかにイベントは終了。ステージから退場しようとするも、巨大なねばっちが舞台袖の通路につっかえてしまい、後ろの三人が前に進めなくなって苦笑するという場面もご愛嬌。およそ二時間半の楽しいイベントだった。



未分類のほほん学校, 大槻ケンヂ, 非日常

自分は結構なオーケンファンであり、オーケン関連のイベント・ライブにもそれなりに通っている。また、オーケンが影響を受けたという音楽や本にも手を出したことが多々ある。知りたいという欲求もある。しかしだ。それにしてもだ。

率直な感想を申し上げるならば、今回ののほほん学校は、辛かった……。

前半がこの夏の振り返り。後半がオーケンの好きな曲の聴き会で、この後半が長かった。辛かった。文字通り、オーケンの好きな曲を皆で聴いてみようという趣旨の企画なのだが、これ、阿佐ヶ谷ロフトでやる企画じゃないと思うんだぜ。

会場内にぎっしり敷き詰められたパイプ椅子。隣に座ったロリータファッションの女性のスカートが、どんなに小さく畳もうとしても膝にかかる距離である。歩き回れば人の視線を遮ることになるため気軽に立ち上がることも出来ず、無論パイプ椅子ゆえ背もたれは無く、クッションも無いに等しい。そんな環境で二時間オーケンの好きな曲を取り止めも無く聴かされるのである。

辛かった………。

あぁ、自分が好きな音楽はハードロックなんだなぁ、としみじみ実感する二時間だった。何が辛いって、オーケンのかける曲があまり自分の好みに合わないことで、井上陽水と頭脳警察はグッと来たが、後半のファンク責めと、映画「書を捨てよ、町へ出よう」のエンディング曲は本当にしんどかった。しかもほとんどフル尺で流すのである。

企画自体は面白いと思う。ただ、もっと気軽に聴ける環境で聴きたい。それこそライブバーX.Y.Z→Aのような場所が良い。ゆったりとくつろいでお酒と食事を楽しみながら聴ける環境であれば楽しかっただろう。例えそれが自分の興味の無い音楽でも。身じろぎの出来ない環境で次から次へとかかるので拷問のようだったのだ。

ゲストがオーケンと歳の近い人だったらまた違ったかもしれない。今回のゲストは自殺チンパンジーのファンタさん。ミュージックステーションで「釈迦」を聴いてからショックを受けたオーケンファンで、基本的にオーケンの肯定しかしないため、会話が転がらないためトークのおかしみも無く、ツッコミが入ることも無いのである。

前半、UFO関連の番組に出演した話をしたとき、UFO番組におけるUFO否定派の存在意義は、いつまでも喋り続ける肯定派の話を遮るためにあると熱弁していた。納得である。納得であるが、それと同じことが! 今まさに起こっているじゃあないか! 大槻さん!

ここにもしツッコミを入れてくれる水戸さんか橘高さんがいてくれたら良いスパイスを与えてくれたかもしれない。

オーケン自身は楽しそうだったが、聴き会が進むにつれ会場の反応が薄くなってきたためか「たまにはこんなのも良いよね!」とまるで自分に言い聞かせるように何度も言っていた。

ちなみに前半は弾き語りで「タンゴ」「あのさぁ」「オンリーユー」から始まり、その後この夏の振り返りへ。「大槻ケンヂの日本のほほん化計画」という番組の開始が決まった報告と、番組でシールを作ったので今日いらっしゃった皆さんに一枚ずつ差し上げますねという発表が。

これである。これを家の一番目立つところ、もしくは表札近くの「犬」シールの近くに貼るようにというお達しだ。玄関ドアーのど真ん中にでも貼ってやったらイカスかもしれない。

あと、ロッキンジャパンフェスの現状未公開映像も見せてくれた。これは嬉しかったなぁ。オーケンはそのとき体調を崩していたため、顔がむくんでいたことを気にしていたそうだが、血のりのせいかよくわからなかった。ちなみにこのときか、もしくは別のときか記憶が曖昧なのだが、顔がむくんでいること、または最近老けてきたことを気にしていることについて「僕って乙女じゃない?」と言い、「ええ」とファンタさんにあっさり肯定されて動揺していたのだが、乙女発言について正直何の疑問も抱かず、「やっぱりそう思ってるのか」と自分は思った。むしろ。

嬉しかったのはカラオケとはいえ谷山浩子の「おはようございますの帽子屋さん」を歌ってくれたこと。谷山浩子のイベント「猫森集会」にゲスト出演する関係で、最近はカラオケに通い詰めだそうである。そこで谷山浩子の曲を練習しているそうなのだが、何と谷山浩子も筋少の曲を歌うとのこと! しかも「まるで谷山さんのために作られた曲みたい」にバッチリものにしているそうなのだ。谷山浩子が歌う筋肉少女帯!! いったい何を歌うのか想像するだけでわくわくする。個人的にはキュートな曲よりもダークな曲を歌ってもらいたい。あぁ、でも「そして人生は続く」なんてのもはまるだろうなぁ。

橘高さん主催の「ドリームキャッスル」の思い出では、橘高さんは頭が良いから、曲を作るのと同じようにイベントも頭の中できちんと設計図を作って進行する、とリスペクト発言。ただ、遊びを入れるのを許さないから、ちょっとずれたことをやるとバッサリ切られることが何度かあってびっくりした、と笑うオーケン。なるほどなー。だがしかし。オーケンも想定外の橘高さんのボケを拾いきれずにスルーすることが結構あるよな、と思うのだった。

イベントは脅威の三時間越え。そのうち二時間は聴き会だっただろう。流石に尻と背中が痛く、今日ばかりは余韻どうこうなんぞ言ってられんので、早く帰って自分の好きな音楽を聴いて横たわって寝たいと思った。



未分類のほほん学校, 大槻ケンヂ, 非日常

オーケンのトークイベントであるのほほん学校に行ってきた。タイトルは「緊急開催大決定!GWのほ学だよ、行くとこないやつみんな来い!どうなる筋少ニューアルバム『蔦Q』!?」である。長い。

十八時半開場十九時開演、終わったのは二十一時四十分くらいかな。およそ二時間四十分に渡り時に爆笑、時にぐだぐだ、楽しませていただいた。まず夕飯に松屋へ入り牛丼の並を食して新宿ロフトプラスワンへ。前回来たときと同じ、下手側の奥の段差があって見やすい位置を陣取り、ビールを呑みつつトークを聴いた。前回はドリンクカウンターの位置がわからなかったため終演後にドリンクを引き換えたが今回は把握しているので大丈夫だ。休憩中にもう一杯追加で買って、そして家では発泡酒。ビール呑んだ後の発泡酒はどうしても薄く感じてよろしくないな。

開演を待つまでの時間はスクリーンに映されたCDJでの映像やこの間発売された「どこへでも行ける切手」のDVD映像を眺めて時間を潰した。いやーこういう時間潰しを用意してくれるのは親切で良いなぁ、と思ってる間にオーケン登場、しかし! ステージの上手側に何故かトマトジュースらしきものがこぼれているという謎のハプニング! どうやら前の出演者がこぼしたものらしいが、それにしても何故トマトジュースらしきものが。スタッフに要請して謎の液体を拭いてもらいつつ本日一人目のゲスト登場。アウェーインザライフの脚本家楠野一郎さんである。と、いうわけでまずはアウェーインザライフの話から。

アウェーインザライフの稽古をオーケンが見に行った話、その時オーケンが持っていったお土産が、歌を歌って台詞を喋ってと稽古で役者は咽喉がカラカラになるのに何故かパンだった話、しかもオーケンは稽古場見学に行く話をしていたのに楠野さんと待ち合わせ場所で落ち合ったとき、近くにある柔術道場を見に行かないかと誘った話、などがされた。お土産については楠野さんのブログに詳しく書かれていて、ブログで突っ込まれていたこととほぼ同じことをオーケンにぶつけていた。何故パンなのか。何故出演者は二十人近くいるのにパンは七つなのか。ロールケーキやハムのパンはともかく味の無いバターロールを選んだのは何故か、などなど。

パンが七つなのは七人の侍に関係して云々かんぬん、いくつかの映画の話を持ってきて、七という数字が重要であること、二十人のうちの七人こそが選ばれし者であり、みたいな話をしていたが、おかしくて忘れてしまったなぁ。ビール呑んでたし。何かあったらアルコールのせいにすれば良いと思っている面は、まぁ、否定できない。すまん。

柔術道場に見に行かないかと誘った件については、オーケンはギターの他にも何か始めたいと考えているそうで、その何かってのが武道の類らしいのである。それも東洋と西洋両方を一つずつ。昔空手をやっていたんじゃないのかなることを楠野さんに聞かれ、続かなかった的なことをオーケンは語っていた。

あと何だっけ。オーケンは演劇に興味があるのかって話になって、楠野さんに演劇興味ないでしょ、というようなことを言われて、いや、俺は古くから演劇に触れていた、とケラさんの話を持ち出してオーケンは語っていた。そこで有頂天は演奏の合間にコントを挟むバンドだったけど、あるときから急にコントの内容がシュールになって、その瞬間を目にして驚いた記憶があるとオーケンは語っていた。それで有頂天に在籍していたおいちゃんの演じていたシュールなコントを再現し、その再現のひどさから楠野さんに演劇とケラさんと本城さんをコケにしてるでしょ! とつっこまれていた。あと一人ケラさんとおいちゃんの間に名前が挙がっていたのだが、それについては忘れてしまった。オーケンは笑いながら「そんなことはない!」と否定していた。

オーケンの物真似ってのがまた似てなくて、この後にみのすけさんと、どういう流れかは忘れたがX.Y.Z.→Aのニイハラさんの声真似もしていて、ニイハラさんの方はどう聞いてもボースカの声にしか聞こえなかった。というよりオーケンが声の高い人の真似をしようとすると全てボースカになるんだよな。

それでそうだ、アウェーインザライフにからめて「蔦からまるQの惑星」発売の告知もして、ジャケットを発表っつって出されたのがあれだよ。爺さんの顔写真の上に「蔦からまるQの惑星」と書かれた透明の下敷きのようなものを重ねたり、前のオーケンが十歳の頃としまえんで描いてもらった似顔絵に蔦からまるQの惑星、その時オーケンのお父さんも似顔絵を描いてもらってそれにも蔦からまるQの惑星、さらにまたもう一枚似顔絵が増えて、それが何とその人の背後霊まで描いてくれるという似顔絵師、スクリーンに映されたオーケンの似顔絵の後ろにはゴーグルを額につけた謎の海パン男子が! それに蔦からまるQの惑星! 腹を抱えて笑った。最初のお爺さんの写真は誰だか知らなかったのだが、オーケンのお父さんだろうか。わからない。わからないけど笑った。

で、嬉しかったのが、「蔦からまるQの惑星」に収録されている「捨て曲のマリア」の完成版とデモ版を聴かせてもらえたことだ! アルバム発売前に曲を聴けるだけでも嬉しいのにデモ版までとは、大サービスだなぁ、嬉しいなぁ。個人的一番の目玉はこれだった。

まずは完成版の「捨て曲のマリア」を聴いてから、いっちゃん最初の「鼻歌版」へ。楽器の出来ないオーケンが鼻歌で作曲するのはファンの間では有名な話だが、鼻歌状態のものを聴くのはこれが初めてだ。どんなものだろうかと耳をすますと………鼻歌ではなく、熱唱である。しかもノリノリだ。

「ふ~んふふ~んふふふ~ん♪」のようなものを想像していただけにこれには驚いた。さっき聴いたばかりの完成版から曲を抜いたものにほぼ近い。曲が作られてない状態でよくぞここまで歌えるものだと感心するほどだ。いや、歌や曲の作り方をわからない素人が言うのも何であるが。

この鼻歌版はスタジオで録音されたそうで、オーケン曰く、スタジオにはビデオカメラがついているから、大槻ケンヂが入ったぞ、何してるんだろう、とスタジオのスタッフに、楽器も使わずノリノリで足でリズムを取りながら熱唱する姿を見られたかもしれない、とのことだ。鼻歌版にはきちんと手で腿を叩いてリズムをとる音も録音されていた。ちなみに、昔はペンで机か何かを叩いてリズムをとって録音していたのだが、あまりにふざけているとNARASAKIさんに怒られて以来それはやめたらしい。………あまり変わらない気もするが。

この鼻歌版を内田さんに渡して曲を作ってもらったそうで、その第一段階はジャズ風のものだった。音はズンドコ、いや、ズンボコかな。完成版よりもムーディーで、ズンズン響く感じがする。しかしこれ、オーケン的には少し違うらしい。というわけで、TOTOっぽくとイメージを伝えて作り直してもらったのが第二段階、これを元にしてレコーディングをしたそうだ。

この第二段階も聴かせてもらい、その後に再び完成版を聴いたのだが、ほとんど曲調に変わりはないものの完成版の方がずっと筋少らしい。第二段階だと格好良いのだが「らしくない」感じが強すぎるのだ。いったいどこに違いがあるのだろう、と考えるまでもなくわかった。橘高さんのギターの有無の違いだ。橘高さんの「ギュワーン」というギターの音が入るだけで一気に筋少らしくなるのだなぁ、て思ったね。

おいちゃんの持ってくるデモはいつも完成されていて直すところがないそうだ。これは初耳で驚いた。おいちゃんすごいなぁ。

この後かな? 流れは忘れてしまったが、オーケンと水野美紀さんの演技対決ビデオが流された。「稽古を見てたけど、あれくらいなら俺にもできる」と嘘くさく豪語するオーケンと水野さんに同じお題を出してそれぞれに演じてもらうというものである。ちなみに水野さんは九時間の稽古の後このビデオを撮るために演技をしてくれたのだそうだ。しかもその頃にはオーケンは既に帰っていたそうだ。ひでぇ。

お題は「うきうき気分で家を出たら犬の糞を踏んでがっかり」「愛する人を守って銃で蜂の巣にされる」「コンビニで肉まんを買って食べたら腹からエイリアンが出てきた」というもので、加えてもう一つ、オーケンのみ「殺人拳で恩師を殺してしまう」なるお題が出されたが、結果は言わずもがなである、っつーかオーケンはそもそも演技をすることに照れていて、始終ニヤニヤしていたりやたらと変な顔を作っていたりしていた。対して水野さんの迫真の演技はすごい。何というか漢らしい。特に三つ目のお題「コンビニで肉まんを買って食べたら腹からエイリアンが出てきた」では、本当に肉まんを頬張っているように見えるリアリティ、腹に異常を感じながらも尚も肉まんを食べ続ける食い意地、服に手を突っ込んでドーンと突き出しエイリアンが腹を破る様を表現するときの大胆な動き、表情! 格好良かった、すごかった。面白かった、笑えた。

綺麗な人が顔を崩すことを厭わず、すごい表情や動きをしたりするってのは格好良いなぁ、美しいなぁ。大好きだ。

他にもオーケンはコーナーを用意していたそうなのだが、思わぬところ、どこかっつーとパンのくだりなのだが、そこで時間を使ってしまったため全部消化することはできず、また来てくださいねと挨拶をして楠野さんは退場。しばしの休憩を挟み第二部へ。休憩時間中は「どこへでも行ける切手」のハイライトシーン、おサル音頭の映像が流されていた。この隙に温くなったビールを飲み干して新しいビールを買いにドリンクカウンターへゴー。受け取った後段差に気付かずバランスを崩してちょっとビールを零してしまった。人にかけることはなかったが、右の袖を通ってビールが腕を伝っていき、自分の席に戻ってから腕まくりをしてハンカチで拭ったもののベトベトは残ったままで、自業自得ではあるもののこれはちょっと嫌だった。

第二部のゲストは末飛登さん。筋肉少女帯の元マネージャーで、ステーシーあたりの時代にオーケンと「T.P.M」という遊びのフォークバンドを組んだり、いくつかの曲にコーラスを入れたりしていた人だ。自分の中では末飛登さんと言うとまず思い浮かぶのは「お散歩モコちゃん」である。よって、末飛登さんが登場してからしばらく脳内BGMはお散歩モコちゃんだった。ラ~ラララララララ~♪

ということでT.P.Mで地方ライブをしていた頃の映像が流された。「長髪の頃の俺だ!」と昔の自分の映像を見て驚くオーケンが面白い。おっかけてきたファンの女の子達がしょっちゅう画面に映り、彼女達を見てオーケンが「知ってる人だ!」と懐かしそうにしていた。

そして盛り上がったのが妊娠、出産の話である。二ヶ月ほど前に末飛登さんは娘さんが生まれたそうで、そのことに対しオーケンがひどく関心を抱いていた。妊娠すると奥さんはどうなるの? 酸っぱいものや壁土が食べたくなるって本当? マタニティブルーってあった? 子供が生まれると変わる? などなど。オーケンは結婚はしたいとは思わないが子供は欲しいと思うそうで、散々質問した挙句末飛登さんに婚活をしたらどうかと勧められたら困ったような顔をして話題を変えてしまった。そうそう、それで末飛登さんに携帯電話で娘さんの写真を見せてもらったときだ。「あの」ボースカの声になって、「いやーんかわいー、パパでしゅよー」なることを呟いていて末飛登さんに突っ込まれていた。「パパでしゅよ」はだめだよな、そりゃ。わはは。

この後だろうか? 公開ギター練習へ。練習してるけどなかなか上手くならない、ギターを始めてからいかに橘高さんと本城さんがすごいかわかったとオーケンは語った。それで何だっけ。家で練習したときはもっと上手く弾けたのに! なることを言ったら橘高さんに怒られたそうだ。橘高さんがプロデュースしている若いバンドの子も似たようなことを言って怒られたらしい。オーケン……。

曲目は「あのさぁ」「オンリー・ユー」「猫見に行ったら犬がいた」「テレパシー」「Guru」…の他にもあったな、確か。順番もぐちゃぐちゃである。ただ、やたらテンポが速かったり、途中で立ち止まったりはしたものの、結構様になってたよ! すごいよ! 前に見たときよりも上達してるって! などとネットに書くとどんどん話が大きくなってハードルが上がるから困るそうだ。でもなー。本当、弾き語りライブも夢じゃないと思うなー。飽きなければ。

ってな感じで盛りだくさんののほほん学校は終了。最後の方でオーケンより「皆さん連休を持て余してください」なるありがたいお言葉をいただいてロフトプラスワンを後にした。終演後にかかった最初のBGMは「アウェー イン ザ ライフ」。もちろん最後まで聴いてから外に出た。

明後日のレピッシュとの対バンライブも楽しみだ。こんな近くに楽しみが集中しているなんて贅沢だなぁ。