オーケンのミニミニのほほん学校!ミニミニセプテンバー小作戦! (2013年9月8日)
自分は結構なオーケンファンであり、オーケン関連のイベント・ライブにもそれなりに通っている。また、オーケンが影響を受けたという音楽や本にも手を出したことが多々ある。知りたいという欲求もある。しかしだ。それにしてもだ。
率直な感想を申し上げるならば、今回ののほほん学校は、辛かった……。
前半がこの夏の振り返り。後半がオーケンの好きな曲の聴き会で、この後半が長かった。辛かった。文字通り、オーケンの好きな曲を皆で聴いてみようという趣旨の企画なのだが、これ、阿佐ヶ谷ロフトでやる企画じゃないと思うんだぜ。
会場内にぎっしり敷き詰められたパイプ椅子。隣に座ったロリータファッションの女性のスカートが、どんなに小さく畳もうとしても膝にかかる距離である。歩き回れば人の視線を遮ることになるため気軽に立ち上がることも出来ず、無論パイプ椅子ゆえ背もたれは無く、クッションも無いに等しい。そんな環境で二時間オーケンの好きな曲を取り止めも無く聴かされるのである。
辛かった………。
あぁ、自分が好きな音楽はハードロックなんだなぁ、としみじみ実感する二時間だった。何が辛いって、オーケンのかける曲があまり自分の好みに合わないことで、井上陽水と頭脳警察はグッと来たが、後半のファンク責めと、映画「書を捨てよ、町へ出よう」のエンディング曲は本当にしんどかった。しかもほとんどフル尺で流すのである。
企画自体は面白いと思う。ただ、もっと気軽に聴ける環境で聴きたい。それこそライブバーX.Y.Z→Aのような場所が良い。ゆったりとくつろいでお酒と食事を楽しみながら聴ける環境であれば楽しかっただろう。例えそれが自分の興味の無い音楽でも。身じろぎの出来ない環境で次から次へとかかるので拷問のようだったのだ。
ゲストがオーケンと歳の近い人だったらまた違ったかもしれない。今回のゲストは自殺チンパンジーのファンタさん。ミュージックステーションで「釈迦」を聴いてからショックを受けたオーケンファンで、基本的にオーケンの肯定しかしないため、会話が転がらないためトークのおかしみも無く、ツッコミが入ることも無いのである。
前半、UFO関連の番組に出演した話をしたとき、UFO番組におけるUFO否定派の存在意義は、いつまでも喋り続ける肯定派の話を遮るためにあると熱弁していた。納得である。納得であるが、それと同じことが! 今まさに起こっているじゃあないか! 大槻さん!
ここにもしツッコミを入れてくれる水戸さんか橘高さんがいてくれたら良いスパイスを与えてくれたかもしれない。
オーケン自身は楽しそうだったが、聴き会が進むにつれ会場の反応が薄くなってきたためか「たまにはこんなのも良いよね!」とまるで自分に言い聞かせるように何度も言っていた。
ちなみに前半は弾き語りで「タンゴ」「あのさぁ」「オンリーユー」から始まり、その後この夏の振り返りへ。「大槻ケンヂの日本のほほん化計画」という番組の開始が決まった報告と、番組でシールを作ったので今日いらっしゃった皆さんに一枚ずつ差し上げますねという発表が。
これである。これを家の一番目立つところ、もしくは表札近くの「犬」シールの近くに貼るようにというお達しだ。玄関ドアーのど真ん中にでも貼ってやったらイカスかもしれない。
あと、ロッキンジャパンフェスの現状未公開映像も見せてくれた。これは嬉しかったなぁ。オーケンはそのとき体調を崩していたため、顔がむくんでいたことを気にしていたそうだが、血のりのせいかよくわからなかった。ちなみにこのときか、もしくは別のときか記憶が曖昧なのだが、顔がむくんでいること、または最近老けてきたことを気にしていることについて「僕って乙女じゃない?」と言い、「ええ」とファンタさんにあっさり肯定されて動揺していたのだが、乙女発言について正直何の疑問も抱かず、「やっぱりそう思ってるのか」と自分は思った。むしろ。
嬉しかったのはカラオケとはいえ谷山浩子の「おはようございますの帽子屋さん」を歌ってくれたこと。谷山浩子のイベント「猫森集会」にゲスト出演する関係で、最近はカラオケに通い詰めだそうである。そこで谷山浩子の曲を練習しているそうなのだが、何と谷山浩子も筋少の曲を歌うとのこと! しかも「まるで谷山さんのために作られた曲みたい」にバッチリものにしているそうなのだ。谷山浩子が歌う筋肉少女帯!! いったい何を歌うのか想像するだけでわくわくする。個人的にはキュートな曲よりもダークな曲を歌ってもらいたい。あぁ、でも「そして人生は続く」なんてのもはまるだろうなぁ。
橘高さん主催の「ドリームキャッスル」の思い出では、橘高さんは頭が良いから、曲を作るのと同じようにイベントも頭の中できちんと設計図を作って進行する、とリスペクト発言。ただ、遊びを入れるのを許さないから、ちょっとずれたことをやるとバッサリ切られることが何度かあってびっくりした、と笑うオーケン。なるほどなー。だがしかし。オーケンも想定外の橘高さんのボケを拾いきれずにスルーすることが結構あるよな、と思うのだった。
イベントは脅威の三時間越え。そのうち二時間は聴き会だっただろう。流石に尻と背中が痛く、今日ばかりは余韻どうこうなんぞ言ってられんので、早く帰って自分の好きな音楽を聴いて横たわって寝たいと思った。