未分類0杯, 橘高文彦&本城聡章, 非日常

何度も見かけたことはあるものの話したことはない人と、一緒にテーブルを囲んでご飯を食べるのは何とも不思議なものである。そうして己は違和感を楽しみながら真昼間からビールを傾けたのであった。

場所は埼玉県川口市のライブミュージック&レストランバー「ショックオン」。ここで橘高さんとおいちゃんの弾き語りライブが行われるということで電車にガタゴト揺られて目的の地へ。開場は昼の十二時で、開演は十三時。入ってすぐ右手側にステージがあり、ステージと向かい合うようにテーブルが並べられている縦長の構造だった。ちなみに椅子にまっすぐ座るとちょうどステージに体の側面を向ける形になるので、演奏中は体と首を斜めにする必要がある。でないと見えない。

番号が後ろの方だったので後方のテーブルにつき、食事と飲み物を注文して食べながら開演を待つ。テーブルがあるだけで随分待つのが楽だなぁ、と思った。

そして始まった今回の公演も……最高に楽しかった!

このツアーでとったチケットは三枚だ。前回が一回目、今回が二回目、最後の最後、ツアーファイナルで三回目。だが、二回目を終えまだあと一回残っているにも関わらず抱く欲求と言えば、まだ観たい、もっと観たいというものだった。

オーケンの歌詞をオーケン以外の人物が歌うことにより、歌詞から生じる新たな側面に出会える楽しさ。ニコニコしながら心底楽しそうにお喋りをする橘高さんとおいちゃんの微笑ましさ。聴き慣れた曲がアレンジされる新鮮さに、筋少のライブでもなかなか聴けないレアな曲を聴ける嬉しさ。そして、橘高さんとおいちゃんによるオーケンへのまっすぐなリスペクトとメンバー、バンドへの溢れる愛に、格好良いギターと歌声を間近で聴ける高揚感!

きっと楽しいに違いないとは思っていたが、思っていたが! こんなに楽しいなんて、軽々と期待を超えてくれることがたまらなく嬉しくて仕方がない。

今後に繋がることについて橘高さんもおいちゃんも前向きでいてくれることが嬉しい。このツアーの中でユニット名を決めましょうと初回の阿佐ヶ谷公演で話していて、各地でも様々な案が出てきたそうだ。有力候補としては「たちばなキャッスル」があり、本日はルースターズの伝説的MCから「てん」というユニット名が生まれ、橘高さんとおいちゃんのツボにはまったのかライブ中に散々ネタになっていた。ちなみにこれ、ピリオドを打って「てん」と読む。

曲の入れ替えも多くて嬉しい。今回初めて聴いたのは「トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く」「お散歩ネコちゃん若き二人の恋結ぶ」「サイコキラーズ・ラブ」「指」「愛のためいき」「パノラマ島失敗談」の六曲。中でもたまらなかったのは「お散歩ネコちゃん若き二人の恋結ぶ」と「パノラマ島失敗談」だ。この二つはどちらもおいちゃんのボーカルで、おいちゃんが歌うことにより甘酸っぱさが増していて素晴らしかった。「LIVE HOUSE」に見られるような、ちょっぴり照れてしまいそうな青春の甘酸っぱさをニコニコと正面から歌い上げるおいちゃんのボーカル。そのスタイルがガツンとはまっていて、妙な言い方だが筋少の曲ではないような、まるで街角で流れるお洒落なポップスのように感じられるのだ。そのうえでバラバラ死体なんて言葉が出てくるギャップがまた、良い。

もともと男性ボーカルによる女性一人称曲が大好きで、故に「パノラマ島失敗談」は好みのど真ん中なのだが……おいちゃんのボーカル、すごく良かったなぁ……。

「サイコキラーズ・ラブ」ではマイクから口を遠ざけ、ぐっと噛み締めるように地声で歌うシーンも。サビの部分ではおいちゃんと橘高さんの声が重なり、おいちゃんが低いパートを歌っていてそのハーモニーが実に美しかった。

橘高さんが歌うオーケンの歌詞も絶妙だ。「トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く」「レティクル座の花園」「愛のためいき」が特に好きだ。中でも「レティクル座の花園」「愛のためいき」ではコーラスパートがオーディエンスに委ねられ、知らない人々と声を揃えて桃子の悲しさを歌うのはしんみりと心地良かった。

トリフィドの後に聞いた意外な話も面白かった。歌詞に書かれないコーラス部分で何を歌うかはメンバーが決めているそうで、オーケンは作っていないそうなのだ。「大槻さんに頼んでも作ってくれないんだよね~」と話し、うんうん頷く二人が微笑ましい。同時に納得した。なるほど、いつかの筋少ライブで再殺部隊か何かの曲のコーラスが話題になったとき、オーケンが「そんなこと言ってたんだ、知らなかった!」というようなことを話していて、いやいやあなたが作った歌詞じゃあないですか、とその当時は思ったものだが、作ってなかったのか。合点がいった。

故に、トリフィドの「トリフィド! トリフィド! 流星! トリフィズ!」も、橘高さん曰く「まずトリフィドが来て、トリフィドが来て、流星があって、もう一体トリフィドが来るから複数形でトリフィズ!」とのことで、続々とトリフィドが襲来する様子を身振り手振りで表してくれて面白かった。

ここ以外でも何度もオーケンの話題が出て、随所にオーケンへのリスペクトが感じられて非常に嬉しかった。オーケンがギターの練習を始めたとき、当初橘高さんは一時的なものだろうと思ったそうだ。ところがしっかり続いて弾き語りツアーまで始め、そんな新しいことにチャレンジする姿勢に感銘を受けたらしい。また、少しずつ練習を積み重ねるオーケンを見て、かつてギターの練習を始めたばかりの自分を思い出し、今その過程を踏んでいることを羨ましく思ったそうだ。そこで、オーケンがギターを始めるなら、自分達はボーカルを頑張ってみようとチャレンジしたとのことである。

おいちゃんはオーケンのためにたくさんのタブ譜を書いたそうで、「Future!」の制作中にも「この曲を弾きたい」とリクエストされて「Future!」の曲のタブ譜を作ったそうだ。タブ譜も最初の頃は簡単に弾けるものだったが、最近は難しい要素も取り入れて作っているという。ニコニコしながらオーケンについて話す二人を見ていると、いやーなんかもう嬉しくなってしまうね。

後方の席だったためギターを奏でる手元が見えづらかったことは残念だったものの、相変わらず「ゾロ目」は圧巻の迫力で凄まじかった。これは……アコースティックギターでやる曲なのだろうか……? 

最後の「アデイインザライフ」ではパッと青空が開けるような開放感の中、気持ちよくライブは終了。そして……嬉しかったこと! 何と最後、演奏が終わってから橘高さんとおいちゃんがステージを下りて後方まで歩いて来てくれたのだ! 手に触れることこそできなかったものの、間近まで来てくれて嬉しかったなぁ……! ドキドキしてしまったよ!

次回参戦するのはツアーファイナル。終わってしまうのは寂しいがきっとまたその先があると信じて最終日の開催を待とう。楽しみだ!!



航海の日
機械(おいちゃんボーカル)
トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く(ふーみんボーカル)
ドナドナ(おいちゃんボーカル)
レディクル座の花園(ふーみんボーカル)
奇術師
Cheap Trickのカバーで「Surrender」

~ふーみん退場でおいちゃんソロコーナーへ~
お散歩ネコちゃん若き二人の恋結ぶ
サイコキラーズ・ラブ

~おいちゃん退場でふーみんソロコーナーへ

愛のためいき

~ステージに二人が戻る~
青ヒゲの兄弟の店
パノラマ島失敗談
蓮華畑(メンバーの曲を歌ってみよう)
世界中のラブソングが君を
ゾロ目
LIVE HOUSE
アデイインザライフ



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日記録0杯, 日常,

2018年4月15日(日) 緑茶カウント:0杯

くたくたに疲れ切ってラーメン屋に入った夜。ラーメンと餃子を注文し、ふぅと息を吐きながら小皿に醤油と酢を注ぐ。この店の小皿はお猪口のような形で深さがあり、珍しいなと思った。酢と醤油の割合は4:1ほど。酸っぱさが強い方が好きなのだ。

そうして待つうちにまず運ばれてきたのは餃子。カリカリ熱々の餃子を酢醤油に浸し、パクリと口に含む。美味い。じゅわっと肉汁が染み出て、ジャクジャクとした野菜の歯ごたえが楽しく、もちもちした皮が心地良い。また一口齧る。美味い。

ラーメンが運ばれ、麺をすくって口へと運ぶ。塩分がガツンと脳に響いて気持ちが良い。あー、やはり疲れていたんだなぁと思いつつもぐもぐと噛み、ふとお猪口のような小皿に入った酢醤油に目が行った。餃子はもう食べ終わったが酢醤油は残っている。……何となく、日本酒を楽しむように酢醤油を傾けた。

そしてこの日、己は気付いた。己は餃子も好きだがそれ以上に酢醤油が好きで、酢醤油だけでも充分楽しめる人間であることに。

後日、家でショットグラスに酢醤油を注いで飲んでみた。餃子も何もなかったが美味しかった。何と、酢醤油を肴にビールを呑めた。んまかった。

と、いう話を人にしたら「マジかよ」と若干引かれたので、皆様是非お試しください。ンマイよ、酢醤油。



日記録0杯, 大槻ケンヂ, 日常, 最上魁星

2018年4月2日(月) 緑茶カウント:0杯

さて今年のエイプリルフールは何をしようかな、とぼんやり考えつつもなかなか思いつかない日々を過ごす中。ふと日常の中で頭に浮かんだ言葉が「最上魁星 平成総選挙FINAL」。瞬間、「あ、これだ」と思った。しかし何故またこの言葉が閃いたのかはわからない。

最初は「最上魁星 平成総選挙FINAL 最上&最上withレジェンド最上」にしようかと思ったが、よく考えたらそれぞれ名前があるからそれを使えば良かろう、ということで「最上魁星 平成総選挙FINAL カイザー&リバースwithバイカイザー」となった。



というわけで最初に作ったのがこのロゴ。大変だった。ものすごく大変だった。ロゴの作り方なんぞ知らないので地道に描くしかない。とりあえず似た書体の活字を打ち込み、パンフレットの文字を凝視して特徴を掴みつつ、「こんな感じならそれっぽいか……?」と考え考え線に装飾を施し太くしたり短くしたりしながら作った。よってよく見るとところどころ歪んでいるが、そこはご愛嬌ということで。

あとはそれぞれの最上魁星のイラストと説明文に、優勝者へのプレゼントのネビュラバグスター。ネビュラバグスターは、不老不死以外に最上魁星が欲しいものは何だろう……と考えた結果行き着いた優勝商品である。減らされたら仮面ライダーの前に出て来ざるを得ないくらい大事にしているものなら一年分もらったら嬉しかろう。一年分のネビュラバグスターが何体かは知らないが。

ちなみに「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL」の登場人物の中で一番最初に描いたのがネビュラバグスターである。最上魁星でもバイカイザーでもなく。自分でもまさかこいつを先に描くとは……と思わざるを得なかった。

ロゴとページデザイン自体は先に終えたがイラストの着手が遅く、三月三十日の二十三時からスタートし資料を探しながらぶっ通しで描き続け、朝の八時頃にバイカイザーの歯車を数えていたときが一番辛かった。格好良いデザインってのは……手間がかかるものだね……!!

そうして昼の十二時に全ての素材が揃い、ポチポチとキーボードを叩きつつ体裁を整え、出来上がったのが十四時頃か。ちなみにこの日ライブに行く予定があり、疲労困憊の日々を抜けトドメに徹夜を完遂した身に耐えられるのか……と思ったがとっても楽しかった。アコースティックだったのが幸いだったように思う。

この企画に込めたのはとにかく愛。オーケンが仮面ライダーの映画に出演したことをきっかけに初めて仮面ライダーを観て、気付けば劇場に七回通い、放送中のビルドや過去作のオーズも観るようになった。新たな楽しみが得られた嬉しさと、作品への思いと突っ込みを凝縮させた。大変だったが、作っていて楽しかったなぁ。

返す返す思うことは、最上魁星というキャラクターの何と魅力的なことだろう、ということだ。オーケンの特性をそれぞれ切り取ってキャラクターへと昇華してくれたことの嬉しさに、ビルド本編にも影響する立ち位置の喜び。こんなに良い役をオーケンが担当することになって本当に嬉しい。この嬉しさと喜びを噛み締めるためにも、早くDVDで反芻したい。よってDVDの発売が待ち遠しくてならないのだ。発売は五月。あぁ、早く来ないかなぁ。

と、こんな感じの思いを詰め込んで作った企画である。楽しんでもらえたなら最高に嬉しい。

そうそう。当初は集計する予定はなかったものの、せっかくなので数えてみた。結果は下記の通りである。メカ最上とファンキーな最上で一騎打ちになるかと思いきや意外な結果で驚いた。ファンキー最上人気あるなぁ。

1位:最上魁星(カイザーリバース/白い和服でファンキーな方) …15票
2位:最上魁星(研究員時代) …7票
3位:最上魁星(余り) …6票
4位:最上魁星(カイザー/左半身機械な方) …5票
5位:バイカイザー …2票
その他(選べない、箱推し) …2票

「最上魁星 平成総選挙FINAL」の跡地はこちら。



未分類0杯, 筋肉少女帯, 非日常

くったくたに疲れた帰り道。ラーメン屋に寄ってラーメンと餃子を注文したら、餃子そのものよりも酢醤油が異常に美味しく感じられて、つまりこのとき欲していたのは塩気と酸っぱさ。あぁ全力で楽しんで全身疲れきったんだなぁ、としみじみしながら酒を呑むが如く酢醤油をちびちび呑んだ。そんな夜である。

春分の日の開催であるため「春の筋肉少女帯ワンマンフルライブ!!」とタイトルがつけられたものの、今日は春の気配が全く感じられない寒の戻りの激しさが凄まじい日で、布団から床へと足を下ろせば冷え冷えとした感触に足が引っ込み、テレビをつければ雪の降った地域が紹介される。そんな中で唯一、おいちゃんのピンクのスーツと笑顔だけはまさに春そのものの暖かさだった。

さて、そんなわけでライブが始まるまでは寒々としていたが、始まってしまえば熱気の渦の中、春も冬も関係ない熱さで汗を流すばかりである。ワンマンフルライブということでタイトルからはセットリストが想像できず、何が聴けるだろうとわくわくしていたら思いがけずもレア曲がたくさん聴けて非常に興奮した。一曲目から久々の「モーレツア太郎」に、最近ご無沙汰だった「レジテロの夢」「僕の歌を総て君にやる」「中学生からやり直せ!」の畳みかけ。「ワインライダー・フォーエバー」と「ロシアンルーレット・マイライフ」もしばらく聴いていなかったように思う。

そして極めつけがアンコール一曲目の「恋の蜜蜂飛行」! これが最高に嬉しかった。歓声の中ステージに戻ってきたオーケンがそのままいつも通りMCに入るかと思いきや……立ち止まるや否や、さらりと特攻服の背中を見せ、合図と共に始まったのは激しいギターソロにドロドロとしたドラム! 己の心を鷲づかみにし、虜にしてやまない怒涛の勢いで奏でられる一曲が始まったのだ。この始まり方がもう、また、格格好良かったんだ……!

そのうえでさらに感激したのは、昨今「恋の蜜蜂飛行」では間奏で学園天国ヘイヘイコールが挟まれることが多かったのだが、今回はそれが無かったこと。学園天国のコールアンドレスポンスも楽しい。確かに楽しい。しかしこの曲だけは、ギターとドラムの音色と共に最初から最後まで目まぐるしく駆け抜けたいのだ。その願望を叶えられ、全身に大好きな音の洪水を浴びて、最高に幸せだった。

一曲目の「モーレツア太郎」もたまらなかったなぁ。「新人」でセルフカバーされたバージョンが大好きで大好きで、「どこへでも行ける切手」のDVDに収録されているそれを何度繰り返し観たことだろう。あぁ、聴くことができて、観ることができて嬉しい。筋少は「モーレツア太郎」でデビューしたから、今度の六月に開催するデビュー三十周年ライブの一曲目にやれば良かったね、とっとけば良かったね、とオーケンが語っていたが、いやいやいやいや、良いじゃないですか今日やって六月にまたやっても。そのときは是非、黎明も合わせて聴きたいなぁ。

「モーレツア太郎」について、エディがオーケンの声を褒めるシーンも。エディには様々な音が音符で聴こえるのだが、オーケンが独特の節をつけて叫ぶ「モーーーレーーーツ!!」や「ノーーーーーッマンベイツ!!」は音符に変換されないそうだ。そのうえその声を今も出すことができる、すごいと話していた。対するオーケンは照れもあったのか、十九歳か二十歳の頃の感性で作った曲を今歌うことに言及し、今五十の親父が「モーーーレーーーツ!!」って朝四時の居酒屋で叫んでたらやばいよねとちゃかして笑いをとったところ、若い頃に「モーレツア太郎」を歌うとき最前列の女の子の胸を揉んでスタートしていたことをエディに掘り起こされ、たじたじとなっていた。

ソールドアウトと言うことで場内はぎっちりみっちりで、開演待ちの間に二回ほど「一歩ずつ前に詰めてください」とアナウンスされたため開演前からぎゅうぎゅう状態だった。当初はあまり視界が芳しくなく、開演と同時に照明が落とされて若干動きが生じたときに、高い位置で髪をまとめている人の後ろに立ってしまって「あちゃー」と位置取りに失敗したことを痛感したが、その後ライブの最中に動きがあり、中盤以降は見晴らしよく楽しむことができた。しかし髪を高い位置でまとめるのはやめようぜ。見えないから。見えないから!

今年はデビュー三十周年ということで、嬉しい告知もたくさんあった。去年の五月に開催された「筋少シングル盤大戦!」のDVD化に、「レティクル座妄想」「ステーシーの美術」「きらきらと輝くもの」「最後の聖戦」がデジタルリマスターされて再発! さらには、かつてVHSで発売されていた「science fiction double feature~筋肉少女帯 Live & PV-clips~」のDVD化! これには嬉しくて悲鳴が上がりそうになってしまった。最後の聖戦ツアーの映像である。ずっと観てみたくて、欲しくて、しかし手に入らなくて、いつかDVDにして再発してくれないだろうか……とずっとずっと待っていたのだ。まさか今叶うとは! 嬉しいなぁ、ありがたいなぁ。

あとびっくりしたのが「4半世紀」「THE SHOW MUST GO ON」「おまえのいちにち(闘いの日々)」「Future!」のアナログレコード盤が発売されるということ。レコードプレーヤーは持っていないが、部屋に飾るためにこれも欲しい……。はっはっはっ。どんどん財布が軽くなりそうだ。嬉しいことである。

この告知をしてくれたのは橘高さんで、笑顔で淀みなくすらすらとリリース予定を発表してくれる姿の頼もしさったら。「みんな、わかってるよね?」とにっこり笑顔を向けられた日には、今から財布の紐をゆるっゆるに緩ませる準備をするしかない。

「航海の日」では珍しい光景も。この曲を演奏するとき、オーケンはステージからいなくなって着替えや休憩をするのが恒例な中、初めてステージに残ったのだ。そしておいちゃんの隣で椅子に腰掛け、アコースティックギターを抱えてニコニコ爪弾く。シールドこそ刺さっていなかったものの、とても楽しそうだった。

今までも、これと言って特に疎外感を抱くようなことはなかったに違いない。しかしこうして今、メンバーと並んでギターを弾けることがとても嬉しそうに見えて、シャンシャンと鳴り響く爽やかな音に耳を傾けながら、この光景を観られることを幸せに思った。

思えばオーケンがギターを始めたのは四十四歳の頃。あれから歳月が流れ、五十二歳のオーケンは定期的に弾き語りツアーを行い、照れくさそうな様子を見せつつも弾き語りのアルバムも発売した。奏でられる曲数も増え、二枚目のアルバムの制作にも意欲的な姿勢を見せている。七年前、八年前には思いも寄らなかったことだろう。

オーケンは言った。ハードで体力を使う筋肉少女帯は十年後二十年後どうなるか、先日橘高さんがオーケンのラジオにゲスト出演したとき、橘高さんが話したことを紹介して。「十分後にできてたらできたんだなと思えば良いし、できてなかったらあぁできなかったんだなと思えばいい」と。つまり、十年後二十年後どうなるかはわからないがやり続ければいい、できなかったらそのときに考えようと。

いつか気付く日が来るかもしれない。同時に、オーケンがメンバーと一緒に「航海の日」を爪弾く未来が来たように、過去には思いがけなかったものを観られる日も来るだろう。

今日のライブのセットリストは十七曲。最近は十八曲で構成される日が続いていた中でさりげなく一曲少なくなった。かつては二十曲だった。今回の十七曲がイレギュラーか否かはわからない。ただ、少しずつ変遷しつつも筋少は筋少としてステージに在り続けてくれるのだろう。だったら自分も、いつまでもステージの下からその光を仰ぎ見ようじゃないか。四十になっても五十になっても。

三ヶ月後のデビュー三十周年記念ライブには何を魅せてくれるだろう。無論、共に駆け抜けていく所存である。



モーレツア太郎
混ぜるな危険

レジテロの夢
僕の歌を総て君にやる
中学生からやり直せ!

イワンのばか
地獄のアロハ
愛の賛歌

ベティー・ブルーって呼んでよね
航海の日
パノラマ島へ帰る

ワインライダー・フォーエバー
ロシアンルーレット・マイライフ
釈迦
機械

~アンコール~
恋の蜜蜂飛行
ディオネア・フューチャー


未分類0杯, 水戸華之介, 非日常

水戸さんの持ち歌を100曲歌うことをコンセプトに、五年前に始まったこの企画。当時は次回があるかはわからないと語られていたものの嬉しいことに恒例化し、結果多くの曲が掘り起こされることとなった。

そして六年目の今年は新たな試みとしてカバーライブが催されることとなった。歌われたのはめんたいロックに、ナゴムに、昭和歌謡などなど。己は好きな音楽が偏っているためタイトルがわからないものも多かったが、どの歌を聴いても共通して感じたのは水戸さんの声の威力のすごさだ。水戸さん自身の歌ではなく、他のミュージシャンの歌が紡がれることによって改めてその歌唱力と表現力を思い知らされたように思う。何故なら歌詞と曲への思い入れを抜きにして、水戸さんの歌声そのものを生々しく感じることができたためだ。

あぁ、歌詞と曲はもちろんのこと、己はこの水戸さんの「歌声」にものすごく惹きつけられているのだなぁ。

ルースターズの「どうしようもない恋の唄」、有頂天の「BYE-BYE」、ばちかぶりの「オンリー・ユー」。松任谷由実の「春よ、来い」に、久保田早紀の「異邦人」。「愛の賛歌」「キヨシのズンドコ節」「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」「2億4千万の瞳」「マイウェイ」などなどバリエーション豊かでとても楽しかった。「お祭り忍者」は遥か昔、幼稚園のお遊戯で踊った記憶がまざまざと蘇り、興奮でぶわっと全身の毛穴が開く感覚を得た。まさか四半世紀近く昔の幼稚園の記憶が今になって蘇るとは。びっくりしたなぁ。

最後は「また会う日まで」で、トクロウさんもマイクを握り大胆にアクションを魅せてくれ、午前四時のカラオケ状態で大盛り上がり。ノリノリで朗々と歌いながら水戸さんが客席を練り歩いたとき、もう、すぐそこの! 間近まで来てくれて嬉しかった。格好良かった……!

またこのとき、客席後方へと歩く水戸さんを観ようと振り向いたら、一番後ろの席に内田さんが座っていたことに気づいて驚いた。知らなかった、いらしていたのか!

自分の曲ではなく他のミュージシャンの曲を歌うということで、曲への思い出話や思い入れ、照れ笑いにストレートな愛など、普段とはちょっと違った水戸さんの表情をたくさん観ることができた。「BYE-BYE」では上京した直後、荷物が後日届くため布団がなく困っていた水戸さん達のために、自宅の布団を担いで持ってきてくれたクボブリュさんの心温まるエピソードも。引っ越し先が近所で、偶然の出会いだったそうだ。

今回聴けて特に嬉しかったのは「BYE-BYE」と「オンリー・ユー」。驚いたのは「春よ、来い」。この歌はサビの部分しか聴いたことがなかったため、冒頭では何の曲かわからず、何だこの格好良い曲!? と惹きつけられた。編曲されている可能性があるためオリジナルとは違うかもしれないが、ちょっとこれは調べてみよう。

二十面ダイスによって選ばれたアンコールの曲は、何と直前に歌った「また会う日まで」! 普段であれば直前の曲は流石にダイスを振りなおすと水戸さんが宣言しているが、今回はまぁ良いでしょう! ということで明け方四時のテンションのカラオケが再びスタート。濃くて熱くて素晴らしく楽しかった!!

カバーが歌われるらしいと聞く「華吹雪」に興味を持ちつつも、なかなか都合がつかず行ったことのなかった身としては今日のカバーナイトは願いが叶った気持ちもして、新鮮でとても楽しかった。水戸さんの歌唱によって新たな興味が湧いてきたのも嬉しい。あれとこれとそれをチェックしてみようかな……と今、指折り数えている。世界が広がるのは楽しいものだ。