2016年4月23日(土) 緑茶カウント:3杯
実に濃い一日であった。
今日は幼馴染の結婚式と、筋肉少女帯のライブがあり、その後大学の友人が急遽開催を決定した呑み会に参加した。恵比寿から大宮に移動して結婚式に参列し、恵比寿に戻ってライブを観て、上野に行って呑み会に参加するという大移動もさることながら、そのそれぞれの内容の濃さったら。三日分くらい生きた気分である。
結婚式の開場はレストラン。親族での式は済ませており、今回は友人のみを呼んでの式である。平服で、とのことだったので、スーツを選びつつ、若干ラフな装いで会場に向かった。
新郎の幼馴染と自分は小学校からの間柄である。友人が結婚するまでは頻繁に遊びに出かけていたが、ここしばらくは全く会っていない。顔を合わすのはおよそ二年ぶりである。久しぶりだなぁ。そういや共通の友人がいないから会場で話す相手いないなぁ。おおーう緊張してきたぞどうやって間を持たせれば良いのだろう。と、ドキドキしたが、何とかなった。
前述の通り共通の知り合いは一人もいなかったのだが、その場で出会った新郎の友人と話をしてみると、知らないながらも互いに友人経由で聞いていた情報があり「もしやあの……」「ああ!」といったやりとりが発生したのである。己がいないところでも友人は己のことを話していたのだなぁと知るのは新鮮で、何だかちょっと嬉しかった。
結婚式が終わり二次会に参加した後大宮から恵比寿リキッドルームへ。三十分ほど遅刻したが、二曲目が終わった後のMCの場面で参加することが出来た。流石MCの長さに定評のある筋少である。助かった。
この日は行くかどうか迷ったライブだった。チケットを購入した後に結婚式の招待状をもらったのだ。招待状を受け取った時点ではライブはキャンセルしようと考えていた。だが、運の良いことに結婚式とライブの時間を照らし合わせてみると両方行けることが判明したのである。さらに。オーケンが咽喉のポリープの除去手術をするため、しばらく筋少のライブはもちろん、オーケンの声を聴く場面に出会えないことがわかったのだ。
優先するのは幼馴染の結婚式だ。だが、出来る限り両方行こう、と心に決めて駆け下りた恵比寿リキッドルームの地下は、いつもとほんのちょっと違う空間だった。
咽喉がつらそうなオーケンを配慮してフォローをするメンバーの温かさと、しんどい中でもファンを楽しませようとするオーケンのサービス精神。そして全力で盛り上げに来てくれた三人のゲストの存在。このゲストも意外性があって驚いたなー。まさか人間椅子のナカジマノブさん、声優の野水いおりさん、ラウドネスの二井原さんが来るなんて誰が予想出来るだろうか。そしてそのゲスト達が流しそうめんの如くサラーッと流れていくのがまたすごい。えーーーー!? もったいないなーーーーーー!? びっくりした。
今回、開演後に入ったことと、スーツ姿という理由もあって前方には行かず上手側の袖で大人しく観ていた。後ろから見下ろすとステージ前でうごめく人の群れが渾然一体となって拳を上げる様がよく見えて、それは普段ライブDVDなどで見慣れた光景であるはずなのに、一つの熱の塊がそこにあるかのようなパワーを感じ、圧倒された。いつもは自分もあの中の一つになっているのだなぁ。
新曲「週替わりの奇跡の神話」で、大好きなフレーズをオーケンが間違えずに歌ってくれたことがとても嬉しく、さらにアンコールのクライマックスでは、全く予想もしていなかった大好きな一曲「枕投げ営業」が聴けて、あまりに嬉しくて悲鳴を上げそうになってしまった。
「なんだかありがと! 頑張るねあたし!!」は今のオーケンの気持ちそのものなのではないか、と思ったり。
最後、ゲストを交えての「釈迦」を堪能して上野へ移動。そこには一年ぶりに会う友人もいて、再会を喜びつつ大いにふざけあった。友人はすぐに己の髪型をぐしゃぐしゃにしてくるので困る。ただ、困るけど嫌ってわけじゃあないんだな。
一年に一度と言わず、もうちょっと頻繁に会おうぜと声をかけ、日付が変わる直前に解散した。そうして大荷物を玄関に下ろし、窮屈なスーツを脱ぎ捨てて部屋に寝転びパソコンの電源を入れる。パソコンが立ち上がるのを待ちながら大荷物を部屋に運び入れ、フライヤーの束や物販の中に埋もれていた一つを取り出す。紺色の包みに赤いリボンのそれは、結婚式の最後に新郎から手渡されたものである。開けてみると中身は台所用品で、便利そうな代物だった。
我が家の食器と台所用品の半分は結婚式の引き出物で構成されている。自分の好みで買ったシンプルな皿の中で存在を主張する、カラフルな食器やキュートなコップ達。どれも絶対に自分では買わないものだ。絶対自分で買わないものが生活の中にあり、活用されている。他者の侵入を許しているなぁと思う。それは何だか、ちょっと愉快である。
あぁ、濃い一日であった。