痴人の

2016年9月30日(金) 緑茶カウント:3杯

改めて考えてみるに、己が「痴人の愛」のヒロインを心から拒絶し、その品性下劣さに呆れ返り、嫌な気分になったのは、彼女を育てた主人公と歳が近いからかもしれない。

それはきっと、接し方さえ間違わなければ彼女はそんな浅はかかつ下劣な人間になぞならなかっただろうと落胆するから。そしてそれを育ててしまった人間に心から嫌気が差すから。うんざりすると同時にがっかりする。呆れ返ると同時にため息が出る。そのうえで、彼女が主人公にこそ発揮するであろう可愛げが、己には全く感じられないのである。

あぁ、嫌だなぁ。嫌だなぁと思いながら読んでいる。ろくなことにならないと思いながら読んでいる。唯一の救いは、彼女の世界と己が隔たれているということ、ただそれだけだ。だから読書は面白い。

あぁ、嫌だなぁ。



日記録3杯, 日常