2014年4月20日(日) 緑茶カウント:4杯
オロビアンコの紺のボディバッグが欲しかった。初めてそれを「欲しい」と思ったのは、湘南新宿ラインに乗るためホームに並んでいたときのこと。大荷物を抱えて電車を待ちつつその場に突っ立っていたとき、目の前の男性の背中を斜めに横断する紺色の鞄に目が行って、その色と形に見惚れてしまったのである。
銀色のメダルのようなアクセント、紺色の生地、白と緑と赤のタグ。コンパクトなサイズ。それは好みのど真ん中のデザインだったのだ。
何て素敵な鞄だろう。いったいどこに売っているんだろう。こういう鞄を手に入れたい。いつか持ちたいと己は思った。それから程なくして、その鞄がロフトの鞄売り場で売られているのを見て値段を知り、なかなかのお値段にすぐには手を出せず、いつか買おう、と思いつつ諦めたのだった。
一度気に入るとやけにその鞄が目に入るようになる。今まで興味・関心が無かったので知らなかったが、オロビアンコの鞄は多くの人々に愛用されているようだった。必然、自分は他人の使うそれを何度と無く目にし、眺めた。そして眺めつくした挙句、飽きた。
我ながらどうかと思うが、あまりにも目にしすぎて手に入れる前に見飽きてしまったのである。特に紺色。一番好きな配色なのに、既に食指が動かない。あの、湘南新宿ラインを待つホームで湧き上がった執着が綺麗に消えてしまったのだ。
紺色が好きなあまり、紺の衣服ばかり買ってしまったのも原因の一つだろう。流石に。流石に紺色はもう良いだろうと思ってきたのだ。いくら好きでもこのままでは全身紺尽くめになってしまう。
今欲しいのはルリボシカミキリのような色のボディバッグだ。黒に近いこげ茶とターコイズブルーの組み合わせ。現在理想のものを探している最中だが、今のところ見つかっていない。どうにか飽きる前に見つけたいものである。