未分類橘高文彦&本城聡章, 非日常

まだ名前のないおいちゃんと橘高さんによるアコースティック・ユニット。筋肉少女帯のデビュー三十周年を記念してか、突如開催が決定されたこのツアー。まさかこんな特別な催しをやってくれるとは夢にも思わず、喜び勇んでチケットの申込みをし、期待で胸をいっぱいにして阿佐ヶ谷ロフトに訪れた。

家を出る直前まで習慣の常備菜作りに奔走し、気付けば味見以外で腹に入れたものは何一つないまま電車に乗ってしまって、目的地に着いてから近くのパン屋で腹ごしらえをした。整理番号は四十番台で、まあまあの数字。わくわくしながら開場を待ち、中に入れば四列目に座ることができた。ステージは高く、視界良好。ステージの奥と袖にはズラリとギターが並べられていて、あぁ、ギタリストのライブなんだなぁと実感してニコニコしてしまう。

そうして始まったライブといえば、カロリー消費過多のエネルギー溢れるライブだった。それはもう、アコースティックというライブを勘違いしてしまいそうになるほどに。

そもそも自分がよく行くアコースティックライブが水戸さんの100曲ライブで、これがもう飛んで跳ねてシャウトして、汗だくになりながら歌うエネルギー消費の激しいライブ。そして今日観たそれはメタルアコースティックというか、アコースティックメタルというか。えっゾロ目ってアコースティックでやる曲か……? と激しくかき鳴らされる手元と歌唱に魅せられながら驚愕したのであった。そろそろ本当に、アコースティックライブを誤解しそうである。

名前のないユニットは今日がデビューライブということで、このツアーを通して名前が決まって、今後も続けていけたらという話もあった。もともと橘高さんのドリームキャッスルというイベントにおいちゃんをお招きしていて、その中の一コーナーでアコースティックライブもやっていて、それをメインにしてみても良いのでは、という思いつきが発端だった模様である。そしてその思いつきが生じたことに、己は深く深く感謝したのであった。

思ったこと。おいちゃんはテンプテーションの使い手なのかい……?

まず「航海の日」のインストゥルメンタルで始まり、基本的においちゃんと橘高さんが交代交代で歌っていく形式で、最初に歌われたのが「機械」。このとき、おいちゃんの囁くような歌声に魅せられながら、機械ってこんな曲だったっけか……? と驚きも感じた。

全体を通して見るとおいちゃんの曲はアコースティックで演奏するにあたりアレンジが利いていて、筋少を何度も何度も聴き続けた身でも、イントロだけでは何の曲か掴めず、歌声と共に聴いてもまるで別の曲のように捉えられることがあった。オーケン以外の人物がオーケンの歌詞を歌う不思議さと、オーケンの声ではないからこそ、改めて感じさせられる歌詞の美しさ。今まで隠れていた筋少の別の側面を見せられたような気がした。

それは独特なボーカルから離れると、もしかしてこれは、合唱曲にもなるんじゃないかと思うような。

「キーが高いから大変なんだ」と前置きの後に橘高さんの歌声によって歌われた「レティクル座の花園」では、「モルヒネの麻酔の幻さ」の箇所をオーディエンスが合唱した。客層は女性が多く、故に透き通った声が幾重にも重なり、それはかつて学生時代の音楽の時間を彷彿とさせながらも歌われるのは痛ましい歌詞。しかし、綺麗だなぁ、美しいなぁ……と声を重ねながら思った。同時に、こうして知らない人々と大好きな筋少の曲を共に歌えることに幸せを感じた。

ソロコーナーではおいちゃんによる「ザジ、あんまり殺しちゃだめだよ」が披露され、あまりの美しさに心臓が握りつぶされる思いがした。今日は筋少のライブではなかなか聴けない曲も多く演奏され、それだけでも嬉しかったが……このザジの美しさは一際素晴らしかった。

おいちゃんは歌いだしのとき、マイクから離れていることが多く、故に頭の歌詞がマイクに乗らないこともあったのだが、その強弱も良いと思わされた。

あとさぁ、当たり前っちゃ当たり前なんだが、ギタリストのユニットなんだから当たり前なんだが、ギターが素晴らしいんだよなぁ……!!

ギターってこんなにいろんな音が鳴るんだな、と改めて思い知らされる。この音がこの二人の指先によって奏でられていると思うと感嘆せざるを得ない。期待していたが、期待していたが、期待の百倍楽しかった。

オーケンがギターを勉強して弾き語りを行い、それから楽器演奏の大変さを知ったと言う。故に今回おいちゃんと橘高さんはボーカルの大変さを体感しようという試みとのことで、咽喉を温存するためMCは控えめにしたい……ようだったが、流れるような爆笑トークで笑わせてくれた。このサービス精神がありがたい。

前半は各自の作曲した曲を責任を持って歌っていたが、他のメンバーの曲も歌いましょうということで内田さん作曲の「蓮華畑」が披露された。

「3歳の花嫁」は当初、オーケン以外のメンバーが歌う曲があっても良いのでは、というオーケンの発想から作られ、キーもメンバーが歌うことを想定して作られたが、詩ができたところで「やっぱり僕が歌う」とオーケンが言い出し、今の形に作り直しになったと言う。そんなエピソードがあったんだなぁ。

「ゾロ目」の迫力に圧倒されつつ、最後は「アデイインザライフ」で多幸感に包まれながら終わりを迎えた。しかし、まだツアーは続く。今日披露した楽曲の二倍の数をおいちゃんと橘高さんは練習したそうで、故に各会場では楽曲の入れ替わりもあるだろうとのこと。わぁ、嬉しいなぁ! と思いつつ、あの曲をまた聴けたら良いなぁと願いつつ。この新たな活動のスタートに喜びを抱くのであった。

こちらはセットリストだが、楽しくて記憶がぐちゃぐちゃになっているので間違っている可能性が高い。こんな曲をやったんだなぁ、と参考程度に見て欲しい。ご容赦を。

航海の日
機械(おいちゃんボーカル)
僕の歌を総て君にやる(ふーみんボーカル)
ドナドナ(おいちゃんボーカル)
レティクル座の花園(ふーみんボーカル)
奇術師

KISSのカバー
~ふーみん退場でおいちゃんソロコーナーへ~
ザジ、あんまり殺しちゃだめだよ
生きてあげようかな

~おいちゃん退場でふーみんソロコーナーへ
傀儡のワルツ
リテイク

青ヒゲの兄弟の店
蓮華畑
世界中のラブソングが君を
3歳の花嫁
LIVE HOUSE
ゾロ目
アデイインザライフ



180408



未分類0杯, 筋肉少女帯, 非日常

くったくたに疲れた帰り道。ラーメン屋に寄ってラーメンと餃子を注文したら、餃子そのものよりも酢醤油が異常に美味しく感じられて、つまりこのとき欲していたのは塩気と酸っぱさ。あぁ全力で楽しんで全身疲れきったんだなぁ、としみじみしながら酒を呑むが如く酢醤油をちびちび呑んだ。そんな夜である。

春分の日の開催であるため「春の筋肉少女帯ワンマンフルライブ!!」とタイトルがつけられたものの、今日は春の気配が全く感じられない寒の戻りの激しさが凄まじい日で、布団から床へと足を下ろせば冷え冷えとした感触に足が引っ込み、テレビをつければ雪の降った地域が紹介される。そんな中で唯一、おいちゃんのピンクのスーツと笑顔だけはまさに春そのものの暖かさだった。

さて、そんなわけでライブが始まるまでは寒々としていたが、始まってしまえば熱気の渦の中、春も冬も関係ない熱さで汗を流すばかりである。ワンマンフルライブということでタイトルからはセットリストが想像できず、何が聴けるだろうとわくわくしていたら思いがけずもレア曲がたくさん聴けて非常に興奮した。一曲目から久々の「モーレツア太郎」に、最近ご無沙汰だった「レジテロの夢」「僕の歌を総て君にやる」「中学生からやり直せ!」の畳みかけ。「ワインライダー・フォーエバー」と「ロシアンルーレット・マイライフ」もしばらく聴いていなかったように思う。

そして極めつけがアンコール一曲目の「恋の蜜蜂飛行」! これが最高に嬉しかった。歓声の中ステージに戻ってきたオーケンがそのままいつも通りMCに入るかと思いきや……立ち止まるや否や、さらりと特攻服の背中を見せ、合図と共に始まったのは激しいギターソロにドロドロとしたドラム! 己の心を鷲づかみにし、虜にしてやまない怒涛の勢いで奏でられる一曲が始まったのだ。この始まり方がもう、また、格格好良かったんだ……!

そのうえでさらに感激したのは、昨今「恋の蜜蜂飛行」では間奏で学園天国ヘイヘイコールが挟まれることが多かったのだが、今回はそれが無かったこと。学園天国のコールアンドレスポンスも楽しい。確かに楽しい。しかしこの曲だけは、ギターとドラムの音色と共に最初から最後まで目まぐるしく駆け抜けたいのだ。その願望を叶えられ、全身に大好きな音の洪水を浴びて、最高に幸せだった。

一曲目の「モーレツア太郎」もたまらなかったなぁ。「新人」でセルフカバーされたバージョンが大好きで大好きで、「どこへでも行ける切手」のDVDに収録されているそれを何度繰り返し観たことだろう。あぁ、聴くことができて、観ることができて嬉しい。筋少は「モーレツア太郎」でデビューしたから、今度の六月に開催するデビュー三十周年ライブの一曲目にやれば良かったね、とっとけば良かったね、とオーケンが語っていたが、いやいやいやいや、良いじゃないですか今日やって六月にまたやっても。そのときは是非、黎明も合わせて聴きたいなぁ。

「モーレツア太郎」について、エディがオーケンの声を褒めるシーンも。エディには様々な音が音符で聴こえるのだが、オーケンが独特の節をつけて叫ぶ「モーーーレーーーツ!!」や「ノーーーーーッマンベイツ!!」は音符に変換されないそうだ。そのうえその声を今も出すことができる、すごいと話していた。対するオーケンは照れもあったのか、十九歳か二十歳の頃の感性で作った曲を今歌うことに言及し、今五十の親父が「モーーーレーーーツ!!」って朝四時の居酒屋で叫んでたらやばいよねとちゃかして笑いをとったところ、若い頃に「モーレツア太郎」を歌うとき最前列の女の子の胸を揉んでスタートしていたことをエディに掘り起こされ、たじたじとなっていた。

ソールドアウトと言うことで場内はぎっちりみっちりで、開演待ちの間に二回ほど「一歩ずつ前に詰めてください」とアナウンスされたため開演前からぎゅうぎゅう状態だった。当初はあまり視界が芳しくなく、開演と同時に照明が落とされて若干動きが生じたときに、高い位置で髪をまとめている人の後ろに立ってしまって「あちゃー」と位置取りに失敗したことを痛感したが、その後ライブの最中に動きがあり、中盤以降は見晴らしよく楽しむことができた。しかし髪を高い位置でまとめるのはやめようぜ。見えないから。見えないから!

今年はデビュー三十周年ということで、嬉しい告知もたくさんあった。去年の五月に開催された「筋少シングル盤大戦!」のDVD化に、「レティクル座妄想」「ステーシーの美術」「きらきらと輝くもの」「最後の聖戦」がデジタルリマスターされて再発! さらには、かつてVHSで発売されていた「science fiction double feature~筋肉少女帯 Live & PV-clips~」のDVD化! これには嬉しくて悲鳴が上がりそうになってしまった。最後の聖戦ツアーの映像である。ずっと観てみたくて、欲しくて、しかし手に入らなくて、いつかDVDにして再発してくれないだろうか……とずっとずっと待っていたのだ。まさか今叶うとは! 嬉しいなぁ、ありがたいなぁ。

あとびっくりしたのが「4半世紀」「THE SHOW MUST GO ON」「おまえのいちにち(闘いの日々)」「Future!」のアナログレコード盤が発売されるということ。レコードプレーヤーは持っていないが、部屋に飾るためにこれも欲しい……。はっはっはっ。どんどん財布が軽くなりそうだ。嬉しいことである。

この告知をしてくれたのは橘高さんで、笑顔で淀みなくすらすらとリリース予定を発表してくれる姿の頼もしさったら。「みんな、わかってるよね?」とにっこり笑顔を向けられた日には、今から財布の紐をゆるっゆるに緩ませる準備をするしかない。

「航海の日」では珍しい光景も。この曲を演奏するとき、オーケンはステージからいなくなって着替えや休憩をするのが恒例な中、初めてステージに残ったのだ。そしておいちゃんの隣で椅子に腰掛け、アコースティックギターを抱えてニコニコ爪弾く。シールドこそ刺さっていなかったものの、とても楽しそうだった。

今までも、これと言って特に疎外感を抱くようなことはなかったに違いない。しかしこうして今、メンバーと並んでギターを弾けることがとても嬉しそうに見えて、シャンシャンと鳴り響く爽やかな音に耳を傾けながら、この光景を観られることを幸せに思った。

思えばオーケンがギターを始めたのは四十四歳の頃。あれから歳月が流れ、五十二歳のオーケンは定期的に弾き語りツアーを行い、照れくさそうな様子を見せつつも弾き語りのアルバムも発売した。奏でられる曲数も増え、二枚目のアルバムの制作にも意欲的な姿勢を見せている。七年前、八年前には思いも寄らなかったことだろう。

オーケンは言った。ハードで体力を使う筋肉少女帯は十年後二十年後どうなるか、先日橘高さんがオーケンのラジオにゲスト出演したとき、橘高さんが話したことを紹介して。「十分後にできてたらできたんだなと思えば良いし、できてなかったらあぁできなかったんだなと思えばいい」と。つまり、十年後二十年後どうなるかはわからないがやり続ければいい、できなかったらそのときに考えようと。

いつか気付く日が来るかもしれない。同時に、オーケンがメンバーと一緒に「航海の日」を爪弾く未来が来たように、過去には思いがけなかったものを観られる日も来るだろう。

今日のライブのセットリストは十七曲。最近は十八曲で構成される日が続いていた中でさりげなく一曲少なくなった。かつては二十曲だった。今回の十七曲がイレギュラーか否かはわからない。ただ、少しずつ変遷しつつも筋少は筋少としてステージに在り続けてくれるのだろう。だったら自分も、いつまでもステージの下からその光を仰ぎ見ようじゃないか。四十になっても五十になっても。

三ヶ月後のデビュー三十周年記念ライブには何を魅せてくれるだろう。無論、共に駆け抜けていく所存である。



モーレツア太郎
混ぜるな危険

レジテロの夢
僕の歌を総て君にやる
中学生からやり直せ!

イワンのばか
地獄のアロハ
愛の賛歌

ベティー・ブルーって呼んでよね
航海の日
パノラマ島へ帰る

ワインライダー・フォーエバー
ロシアンルーレット・マイライフ
釈迦
機械

~アンコール~
恋の蜜蜂飛行
ディオネア・フューチャー


未分類0杯, 水戸華之介, 非日常

水戸さんの持ち歌を100曲歌うことをコンセプトに、五年前に始まったこの企画。当時は次回があるかはわからないと語られていたものの嬉しいことに恒例化し、結果多くの曲が掘り起こされることとなった。

そして六年目の今年は新たな試みとしてカバーライブが催されることとなった。歌われたのはめんたいロックに、ナゴムに、昭和歌謡などなど。己は好きな音楽が偏っているためタイトルがわからないものも多かったが、どの歌を聴いても共通して感じたのは水戸さんの声の威力のすごさだ。水戸さん自身の歌ではなく、他のミュージシャンの歌が紡がれることによって改めてその歌唱力と表現力を思い知らされたように思う。何故なら歌詞と曲への思い入れを抜きにして、水戸さんの歌声そのものを生々しく感じることができたためだ。

あぁ、歌詞と曲はもちろんのこと、己はこの水戸さんの「歌声」にものすごく惹きつけられているのだなぁ。

ルースターズの「どうしようもない恋の唄」、有頂天の「BYE-BYE」、ばちかぶりの「オンリー・ユー」。松任谷由実の「春よ、来い」に、久保田早紀の「異邦人」。「愛の賛歌」「キヨシのズンドコ節」「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」「2億4千万の瞳」「マイウェイ」などなどバリエーション豊かでとても楽しかった。「お祭り忍者」は遥か昔、幼稚園のお遊戯で踊った記憶がまざまざと蘇り、興奮でぶわっと全身の毛穴が開く感覚を得た。まさか四半世紀近く昔の幼稚園の記憶が今になって蘇るとは。びっくりしたなぁ。

最後は「また会う日まで」で、トクロウさんもマイクを握り大胆にアクションを魅せてくれ、午前四時のカラオケ状態で大盛り上がり。ノリノリで朗々と歌いながら水戸さんが客席を練り歩いたとき、もう、すぐそこの! 間近まで来てくれて嬉しかった。格好良かった……!

またこのとき、客席後方へと歩く水戸さんを観ようと振り向いたら、一番後ろの席に内田さんが座っていたことに気づいて驚いた。知らなかった、いらしていたのか!

自分の曲ではなく他のミュージシャンの曲を歌うということで、曲への思い出話や思い入れ、照れ笑いにストレートな愛など、普段とはちょっと違った水戸さんの表情をたくさん観ることができた。「BYE-BYE」では上京した直後、荷物が後日届くため布団がなく困っていた水戸さん達のために、自宅の布団を担いで持ってきてくれたクボブリュさんの心温まるエピソードも。引っ越し先が近所で、偶然の出会いだったそうだ。

今回聴けて特に嬉しかったのは「BYE-BYE」と「オンリー・ユー」。驚いたのは「春よ、来い」。この歌はサビの部分しか聴いたことがなかったため、冒頭では何の曲かわからず、何だこの格好良い曲!? と惹きつけられた。編曲されている可能性があるためオリジナルとは違うかもしれないが、ちょっとこれは調べてみよう。

二十面ダイスによって選ばれたアンコールの曲は、何と直前に歌った「また会う日まで」! 普段であれば直前の曲は流石にダイスを振りなおすと水戸さんが宣言しているが、今回はまぁ良いでしょう! ということで明け方四時のテンションのカラオケが再びスタート。濃くて熱くて素晴らしく楽しかった!!

カバーが歌われるらしいと聞く「華吹雪」に興味を持ちつつも、なかなか都合がつかず行ったことのなかった身としては今日のカバーナイトは願いが叶った気持ちもして、新鮮でとても楽しかった。水戸さんの歌唱によって新たな興味が湧いてきたのも嬉しい。あれとこれとそれをチェックしてみようかな……と今、指折り数えている。世界が広がるのは楽しいものだ。



未分類大槻ケンヂ, 非日常

今回のライブの正式名称は「大槻ケンヂ生誕祭!ロックLIVE編!!オーケンナイトニッポン~52歳を迎えたオーケンが1月遅れのフリーダムなロックライブ! 豪華ゲストも続々登場して、特撮、電車、絶望少女達、カバー、ソロ、大仏連合その他、賑々しく熱唱します!」。そしてこの長々としたタイトル通りの、濃密かつ贅沢な二時間を楽しむことができたのであった。

本当に素晴らしく楽しかった。楽しすぎて、何時間もずっと余韻に浸り続けている。ただゆらゆらとライブの楽しさを反芻し、ほうとため息をつきながらトポトポとビールを注ぎ、ゆったりグラスを傾けては夢を見ている。叶うならずっとこのまま、永遠にライブ後の夜を過ごし続けたい。

オーケンの生誕祭ということでオーケンはニッコニコで、嬉しそうにはしゃいでいた。今回のセットリストはきっとオーケンが歌いたいもの、歌って気持ちいいものを集めたのだろう。そう感じたのはこの二時間、オーケンがそれはもう気持ち良さそうに歌っていたからで、伸び伸びとした歌声に魅せられながら、この三十年でオーケンが重ねてきた様々な活動から生まれた音楽の多種多様な色合いを味わったのであった。

そのうえロビーにはオーケンの衣装展も開催されていて、特攻服に血まみれ白衣、絶望少女達のジャケットで着た衣装に、仮面ライダーで演じた最上魁星の衣装まで飾られていた。嬉しかったなぁ。特に最上魁星の衣装の格好良さったら! 衣装展の開催を聞いた際にはてっきりガラスケースに入れられるものかと思いきや、立ち入りを防ぐテープは張られるものの手を伸ばせばすぐに触れられるような距離に衣装が並べられ、まさかこんなに間近で生で見られるとは思わず、その質感や細かい意匠をほれぼれと見つめることができて非常に嬉しかった。半身が機械の最上魁星のズボンには中心に穴が開いた鋲が点々と打たれていて、映画でキラキラ光って見えたそれの正体は鋲だったのか! と驚いた。てっきりラインストーンかと思っていた。

チェキも買えた。嬉しい。それもとても格好良いものが! こんなに楽しいこと、嬉しいことが一日にいっぺんに起こってしまって良いのかと心配になってしまうほどだ。

ハッピーバースデーの音楽と共にオーケンとメンバーがステージに現れ、「ジェロニモ」から始まってのっけからヒートアップ。かと思えば二曲目はくるりと調子が変わって「猫のリンナ」。「猫のリンナ」はチープ・トリックの「I want you to want me」にオーケンが日本語の歌詞を自由に乗せたものだ。猫の中にはあたりとはずれがあり、それは舌の裏で見分けられると可愛らしい歌詞を歌うオーケン。そして二番に移ったとき……下手から聴こえる美しい歌声が紡ぐのは原曲「I want you to want me」の歌詞! ベーシストの竜ちゃんこと高橋竜さんが透き通るような美声を響かせてくれた。

最初のゲストはオーケンをリスペクトしまくっているNoGoDの団長! 何と、ヒビワレメイクを入れての登場である! オーケンに代わって客を煽りに煽り、オーケンは「楽だな~」としみじみと喜んでた。曰く、客を煽るのは歌う以上に疲れることもあるそうだ。

団長はオーケンへの愛とリスペクトをまっすぐオーケンにぶつけていて、照れ笑いを浮かべるオーケンが愛らしかった。いかにオーケンから影響を受けたかを語る様子は見ていて非常に微笑ましく素晴らしい。オーケンも嬉しかったろうなぁ。

オーケンと団長が歌う曲は「ヤンガリー」! ここでオーケン、「ヤンガリー! ヤンガリー!」と叫ぶところだけをやりたいと言い出し、団長に「お客さんのところじゃないですか!」と突っ込まれつつ、団長がメインの歌詞を歌ってオーケンが煽る形に。 いやぁこの曲、エディのピアノの迫力とすっとぼけた歌詞の組み合わせが良いよなぁ……!

ヤンガリーの後に団長が退場し、次の曲は電車から「夢みるショック!仏小僧」。この妖しい曲の中で、オーケンがぎゅっと左目を瞑ってウインクをしていたのがやけに印象に残っている。

そして! ありがとうございます!! 死ぬほど大好きな「お別れの背景」を今日聴けたことの嬉しさったら! この曲は何と言っても情景描写の美しさがたまらない。一番と二番で対比される英雄と犯罪者を背景に、それらをただの「その場で見た出来事」とし、あくまでも自分達の人生の外で起こったこと、メインストーリーである自分達の交際の帰結に比べれば何でもないこととして描かれるカラッとしたドライさがものすごく好きだ。「手錠の男は」とオーケンが高らかに歌いながら、ぐっと両腕を胸の前に並べ、手錠をかけられる仕草をしていたことも印象的だった。

あぁ、嬉しかったなぁ……。

二人目のゲストはえんそくのぶぅくん。彼もオーケンをリスペクトしてヒビワレメイクを入れていて、団長は今のオーケンのメイク、ぶぅくんは昔のオーケンのメイクを再現していたもののオーケン自身はこの日ヒビを入れていないうえ、二人のヒビの違いに気づいていなかったことにぶぅくんが物申していて面白かった。本当に大好きなんだなぁ。どうしてもオーケンにヒビを入れて欲しいのか、「マジック持ってきてください!」と袖に向かって言い放ち、今度オーケンにヒビを入れても良いという約束を得るや否や「生入れしていいんですか!?」「自分の誕生日に後輩へのプレゼントを……ありがとうございまーす!!」と大喜びしていて微笑ましかった。

そうそう、先にステージに現れた団長を指して「あいつはにわかですよ!!」「あいつはXも詳しいですが、俺はXは知りません!!」とオーケンにアピールしているシーンもあり、たじたじとなるオーケンが面白かった。愛されているなぁ。

ぶぅくんを招いて歌ったのは「人として軸がブレている」。今日は本当に、オーケンが活動してきた様々なバンドや企画の曲をたくさん味わえて嬉しい。「ブレブレブレブレ!」と手を振る楽しさったら。一番をオーケン、二番をぶぅくんが歌い、それぞれ女の子の声を高い声で表現していて、歌い終わった後に「女の子の声、どっちがかわいいか対決だったね」とオーケンが言い、「大槻さんの方が可愛かったです」と勝ちを譲るぶぅくんに照れるオーケンという一幕も。自分をリスペクトしまくる後輩と相対するオーケンはいつも、偉ぶるでもなくむしろその勢いにたじたじとすることが多くて愛らしいなぁ。

ぶぅくんがいなくなるや否や、一転してステージの空気が変わる。赤と緑の照明に照らされてカウントされる「ワン・ツー・スリー・フォー」の囁く声。じゃがたらのカバーで「タンゴ」だ。

アダルトかつ色っぽく、危うい歌声と演奏。楽しい軸ブレからの展開に息を呑まざるを得ない。さらに続くは「ゼルダ・フィッツジェラルド」! 赤い照明に浮かぶオーケンの物憂い表情、高らかに歌われる詩。この曲も大好きで、圧倒されつつ魅了された。

MCを挟み、竜ちゃんとエディ、そして長谷川さんが始めたバンド「竜理長」の話題へ。竜理長はオーケンの曲もいくつかカバーしていて、今度オーケンと一緒にツアーをやる告知も。これも行ってみたいんだよなぁ。

オーケンと竜ちゃんのツインボーカルで歌われたのは「SWEETS」。竜理長もカバーしている曲である。竜ちゃんの透明な歌声が非常に印象的で美しかった。あと、オーケンの歌をオーケン以外の人が歌うってのが、やはり慣れず、不思議で、楽しいんだよなぁ……。

エディのやわらかな指先から奏でられるピアノの音色から始まるのは……「Guru」だ。「綺麗だ……」とため息を吐くかのような声とともにステージが真っ赤に染まる。幻想的な光景に息を呑んでいると……え、マジか。

語ってくれたんだ。オーケンが。
あの、「春の夜の人のいない伽藍の底に」、と!! 「伝道師よ」、と!!

気づいたら、胸の前で指を組んで聴き入っていた。
まさかこれが聴けるとは。生で。「Guru最終形」でカットされたこの語りを、聴ける日が来るなんて……。

美しさに涙が出そうだった。心臓を鷲づかみにされて仕方なかった。
美しかった。

余韻に浸る……間もなく次のゲストが紹介される。ついに、筋肉少女帯のメンバーが登場だ! 見るからに普段着なふーみん、うっちー、おいちゃんの三人がステージにやってきて、オーケンがあれこれとちゃかす。特に内田さんは普段着も普段着で、ステージ衣装を着ているオーケンと並ぶとギャップがすごかった。ちなみに橘高さんも普段着だったが、髪をくるんくるんの縦ロールにしていた。

やけに積極的にトークを進めようとするおいちゃんの珍しい姿に驚きつつ、「ケーキとか用意してないよね?」と念を押すオーケンがおかしい。曰く、ケーキが運ばれてくると大概段取りが乱れてしまうので、それが嫌だそうだ。そこに内田さんが、嫌がるだろうからやめようと話をしたことを告げ、一番そういったことをやりたがりそうな橘高さんが「嫌がるのが楽しいんだけどね」と笑っていた。

そして四人揃って歌うのは「じーさんはいい塩梅」! えっ「じーさんはいい塩梅」のためだけに来てくれたのか!? 来てくれたのか……!! ある意味豪華である。びっくりした。

メンバーが退場する前にオーケンが言う。「この後にやる曲は筋少以外でこれからやりたいと思っている曲で、良かったら楽屋で聴いて行ってね、でも帰ってもいいよ」と。聴いて欲しそうなのに控えめなところが実にオーケンらしい。

そういった前振りで始まった三曲は「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」「企画物AVの女」だ。

共通するのは、どれも語っているような歌っているような曲であるということ。
あ。だからGuruも今回、語ってくれたのかな、と思った。

追悼の意味合いもあるのかなあ、と思いながら耳を傾ける。何度となく聴いた「ヘイ・ユウ・ブルース」に、初めてオーケンの歌唱で聴く「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」。いつだったか。一時期オーケンは語りを嫌がり、省略することが増えていた時期があった。語りの箇所でオーディエンスを煽ったり、学園天国を入れたり。それは寂しくもあったが、変化は当然のこととして受け入れてきた。

その当時の思いを振り返りながら思ったことは、「語り」の意味合いが変わったのではなかろうか、ということだ。

これはあくまでも己の考えに過ぎずそれ以上でもそれ以下でもない。思ったのは、かつてのオーケンにとって、「語り」とは身の内から溢れる衝動を流れるままに言葉にしたもので、言うなれば自動筆記のような、神がかりに近いものであったのではなかろうか。故にその衝動が収まってからは語りはただのなぞる行為となり、面白みが失せてやる意味が無くなったのではなかろうか。

その「語り」の意味合いが変化した。衝動で流れるものから、一言一言噛み締めるように紡ぐものに。存在する歌を、噛み締め、大事に言葉にすることで顕現させる。そんなものに変わったのではないだろうか。

と、いうことを聴きながら感じたのであった。

「企画物AVの女」は、「あなたがきづいたら、あたし生まれかわる」の箇所でグッと来て涙が出そうになった。ここのオーケンの声、すごく好きなんだよなぁ。

じーんとしている中で現れた、最後のゲストは人間椅子のワジー! 何と! 手に赤い紙袋を持っての登場である。オーケンへのバースデープレゼントとのことで、中身は車の消臭剤。五十を越えたら加齢臭に気をつけねばということで、オーケンもうんうんと頷いていた。そういうところに気を使えるって良いなぁ……。自分も気を使える人間になろう。

ワジーは新しいギターを抱えていて、では何が奏でられるかと言えば……「君は千手観音」! そして下手から現れるは……ダンボールで作った炎を背中にしょい、筋肉を描いたボディスーツを着て大仏連合の執金剛神こと、佐竹雅昭に扮した……NoGoDの団長だーーー!! それも大真面目な表情で!!

ポージングを決めオーケンの方を向く団長に、手を合わせ南無妙法蓮華経を唱えながら折りたたみをするオーケンが実におかしかった。

本編ラストはアベルカイン。ここでドッと人が前に押し寄せ、狂乱のようになってびっくりした。「猫猫猫猫!!!!」「犬犬犬犬!!!!」と拳を振り上げながら大声で叫ぶ。咽喉が枯れそうになった。

アンコールでゲスト全員が出てくるかな……と思いきやそういうこともなく、「テレパシー」を美しく歌っておしまい。「テレパシー」に入る前に語られたのはアダムスキー型UFOで知られるジョージ・アダムスキーの話。彼は七十四歳で亡くなったが、UFOに出会ったのは六十歳で、六十歳からコンタクティーとしての活動を始めた。オーケンは齢五十二歳で、きっとすぐ五十五になり、アラ還を迎えるのもあっという間だ。しかし、六十歳で活動を始めたアダムスキーのように、今からでも始められることはあると。今この場にいるオーディエンスが何歳かはわからないが、六十歳からでも始められると。そう熱く語り、先輩ミュージシャンではなくアダムスキーの話をするのが俺だよね~と照れ笑いをしてお茶を濁す。

だがそれはきっと本気のメッセージだ。五十二歳にして、新たな音楽をやりたいと活動を始めるオーケンの。四十代半ばにしてギターの練習を始め弾き語りをするようになったオーケンの、力強いメッセージだ。オーケンは言う。孤独や退屈から人を救うのは、趣味と教養と仕事だと。オーケンは言う、自分には趣味がないと。さらに言う。自分には教養がないと。そうだろうか? それはきっと彼が、どちらもすごく突き詰めて考えているからだろう。だが、本当はきっとそれを持っている。ただオーケンの思う水準には達していないと考えている。だからこそ、磨くのではなかろうか。

およそ二十歳年下の自分は何を磨くべきだろう。何を研ぎ澄ませ、この先にある孤独や退屈に立ち向かうだろう。今でこそオーケンに助けられているが、いつかその力に頼らなくても生きていけるように。探し求めて行かねばなるまいな、と思った。

と、真面目なことを考えたのは余韻に浸りきって、ちょっと落ち着いたその後だ。しばらくはずっと脳が酩酊している状態で、ライブ会場ではたった一杯しかビールを呑んでいなかったのに頭がゆらゆらしていた。

最高に、とてつもなく楽しい夜だった。



ジェロニモ
猫のリンナ

ヤンガリー(ゲスト:NoGoD団長)
夢みるショック!仏小僧
お別れの背景

人として軸がブレている(ゲスト:えんそくのぶぅくん)
タンゴ
ゼルダ・フィッツジェラルド

SWEETS
Guru

じーさんはいい塩梅(ゲスト:筋肉少女帯)

とん平のヘイ・ユウ・ブルース
ゴロワーズを吸ったことがあるかい
企画物AVの女

君は千手観音
アベルカイン

~アンコール~
テレパシー





未分類0杯, 100曲ライブ, 水戸華之介, 非日常

思えばこの100曲ライブの企画が始まって今年で五年目だ。当初は水戸さんの持ち歌を百曲歌う催しとして始まり、だんだんとカバーも歌われるようになって少しずつ変遷を遂げている。そして今回はこの100曲ライブがきっかけで始まったユニット「Zun-Doco Machine」のワンマンライブでもある。

水戸さんは白、内田さんは赤いシャツを着てネクタイを締めた衣装で登場。内田さんを囲うように設置された機材はノートパソコンにキーボード、そして傍らには女の子が描かれた赤いギター。他、光るマラカスやボコーダーなど。水戸さんが話すことには、当初はパソコンだけで済むから身軽にライブができると思っていたのにどんどん機材やおもちゃが増えてしまったとのことで、内田さんもうんうんと頷きながら笑っていた。3-10Chainならベース一本で済むのに、とのことだ。

ライブは「ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル」から始まり二曲目は「人間ワッショイ!」でのっけから大盛り上がり。去年のセットリストと見比べてみると新曲も増えていてとても嬉しい。新曲は「明日への誓い」「誰だ」「風船」「はじめ人間ギャートルズ」「待ってるのに」「1000年ビート」。ちなみにラストは「そこで何かが」で、アンコールは「待ってるのに」だった。

特に素晴らしく、楽しかったのが「誰だ」である。賑やかに始まりノリノリで聴いていたら……なんと、バッと勢いよく取り出されるはピンクと紫のジュリ扇! そしてピンクを水戸さんが、紫を内田さんが振り、腰に手を当てて踊りながら流れるのはジュリアナ東京チックな「誰だ」! まさかの展開と迫力に大笑いしつつ大いに盛り上がった。

このジュリ扇を振る内田さんだが、年齢を重ねるごとに男女の差がなくなる現象と長髪とやわらかな身のこなしが相まって、御婦人に見えて仕方なかったのがどうにも不思議な感覚だった。男性とわかっているのだが……。

ちなみにここで「ジュリアナーーー!!!!」と叫ぶ音声を入れたかったそうなのだが、映像資料を探すもなかなか見つからず断念したそうだ。「まぁジュリアナに来てるってわかってるんだからジュリアナって叫ぶ必要ないよね」と納得する水戸さんがおかしかった。

あと「明日への誓い」も面白いアレンジだった。始まりは……何と言えばいいだろう、原曲と比べると随分落ち着いた感じで、思い出したのは内田さんがテクノアレンジした筋少の「イワンのばか」だったのだが、サビのところで急展開! いきなりお祭り騒ぎのようなムードになって大笑いした。3-10Ghainの曲で言えば「光あれ」をイメージしてもらったらわかりやすいと思う。

「風船」はイントロが思いっきり3分間クッキングで、面白テイストの曲かと思ったらイントロ以降はわりと真面目なアレンジだった。これは内田さんが水戸さんの曲をテクノアレンジし始めたとき、面白路線で行こうとしたときの名残だそうだ。また、3分間クッキングの部分は超絶技巧のオルガンでできていて、聴きとって再現するのに非常に苦労したらしく、面白路線を脱した後もどうしても残しておきたくてこのまま居残ったとのことである。3分間クッキングよりも良いアイデアが出たらここは変わるかもしれないそうだ。

最後の一曲は「そこで何かが」。この曲を聴くといつも、空が開けて視界いっぱいに眩しいキラキラとした光の粒が見える。水戸さんの力強い歌声によって、今日は別にネガティブでも何でもなかったのだが、後ろ向きな気持ちになっているときでさえ心を鷲づかみにされて無理矢理前に向かされるような、そんなパワーを感じるのだ。何一つ落ち込んでいないのに、今日この日にこの曲を聴けて良かった、としみじみ思った。

アンコールは恒例の二十面ダイスによって決められた。選ばれたのは「待ってるのに」で、最後だからと言うことで「誰だ」用のジュリ扇が取り出され、狭いステージを練り歩き歌い踊る水戸さんと内田さん! その大サービスに大いに湧き立つオーディエンス! 楽しかったなーーーー! 己もジュリ扇を振りたいくらいだったよ! 代わりに心のジュリ扇を振ったさ!

水戸さんと内田さんの互いをわかりきったやりとりも微笑ましい。前回のわじー回で、水戸さんは「情熱の薔薇」でふざけてジャンプしたらひどい筋肉痛になり、背筋が熱を持ってひどい痛みに苛まれたそうだ。よって、ジャンプをするならふざけずに真面目にきちんとジャンプをしないといけないと結論付けていた。

オリンピックの話題では、内田さんがヤフーニュースのスポーツ欄は削除しているためオリンピックの情報がほとんど入ってこない話や、内田さんが唯一知っているオリンピックのニュースである不思議な銅像の話に水戸さんも会場の誰もがついていけない展開に笑った。あとカーリングの韓国選手が「ニンニク少女」と呼ばれていることから、「Zun-Doco Machine」は「ニンニク少女帯」でも良かったかもしれないね、眼鏡先輩と眼鏡後輩のユニットで! と水戸さんが話しナゴムの話題に繋がる場面も。

そうそう、内田さんがギターを弾こうとしたら音が出ないトラブルが起こり、どうしたことかと思ったらシールドが刺さっていなかったという衝撃の展開もあった。中学生でもしないと大笑いする水戸さんと、ずっとギターを弾いていなかったら下手になってしまったと話す内田さん。そこから、ベースとギターでは弦の押さえ方が違う話へと繋がってそれがとても興味深くて面白かった。なるほど。ベースの弦は太いから爪が長い方が押さえやすいのか。

楽しい時間はあっという間で、またこの会場以外でも「Zun-Doco Machine」を観てみたいなと思いつつ席を立つ。再来週は枕本トクロウさんの回で、今までにないカバーナイト。次はどんな曲が聴けるのか。何を見せてくれるのか楽しみでならない。あぁ、待ち遠しいなぁ。