未分類0杯, 100曲ライブ, 水戸華之介, 非日常

100曲ライブ最終日、ということで安定の澄田さん回である。内田さん回でテクノをやってから、何もアコースティックにこだわることもないと気付いた水戸さん。そのためか今回はアコギとエレキが半々ほどの構成で、新曲あり、定番曲あり、珍しい曲ありの大盤振る舞い。非常に盛り上がって非常に楽しかった!

五月十八日発売のニューアルバム「人間ワッショイ!」からは「生傷エトセトラ」「光あれ」「あるがまま」の三曲が披露された。「生傷エトセトラ」はDNAに刻まれた昭和歌謡を歌いたいという欲望が詰め込まれ、「光あれ」は予想外の展開に驚きを隠せない一曲。「あるがまま」は水戸さん曰くいつまでも歌っていたい曲で、皆が飽きてしまうので四番までしかないが、十八番まで歌えるそうだ。

新曲を歌うにあたって、アルバムを発売する前にバンドバージョンではない方を先に聴かせるのもどうかと迷ったそうなのだが、とにかく水戸さんがこの曲達を早く歌いたかったとのこと。ある曲などは風呂掃除のとき、風呂を磨きながらご機嫌で歌っているという。作者が何よりも気に入っているって良いよなぁ。

ちなみに新曲では「生傷エトセトラ」がすごく気になっている。早くアルバムを入手したい。

聴けて嬉しかったのは「銀の腕時計」「夜の行進」「天井裏から愛をこめて」「ミミズ」「地図」「見事な夜」。「雨のパレード」「バラ色の人生」も好きだ。「小さな罪の小さな罰」はぐっと来たなぁ。

「夜の行進」では学生時代の予想外のエピソードも。まさかあの曲があんな青春の思い出から作られていたとは……と驚きを隠せない。「風船」はものすごく好きな人が何人かいて、ものすごく熱く水戸さんに「風船」への想いを語ってくれたことが今までに何回かあったそうで、「そうかそんなに好かれているのか」と思ってやってみると反応がそうでもない……というコアなファンがついている曲だそうだ。

そしてもう一つ。「この曲のおかげで乗り切ることができた」などの熱い声が届くことのある曲……ということで始まったのが「地図」! うわーーーーー!!!! それ! そこまで熱くないかもしれないけど! 「地図」への想いは手紙に書いたことがある! はい自分です「地図」大好きな人間はここにいますよ水戸さん! と挙手しそうになりつつ拳をグッと握り締めガッツポーズをし、曲に聴き入った。

狭いライブハウス。水戸さんの指差すすぐ先には低い天井があり、ライブハウスの外は黒い夜空が広がるばかりなのだが、明るい真っ青な空が見える気がしてならなくなる。

「雨のドライブ」「雨のパレード」「夜の行進」「見事な夜」。水戸さんは、自分の曲には雨の曲と夜の曲が多いと話していた。夜型人間で、午前中は寝ているから昼の曲がないと冗談めかして語っていたが、己は水戸さんの声には青空のイメージも強くある。どこまでも広がって行ってどこまでも行けるような。そんなのびのびした力強さを感じる。それは、雨と夜の世界から抜け出した先のイメージを見せてくれているからかもしれない。

最後の曲を歌う前に水戸さんは熊本への想いを語った。熊本は青春に深く関連づいている土地で、思い入れも深い。それゆえに今回の地震にはとりわけ感じるところがあったと言う。そんな中で、デビュー前に初めて熊本に遠征した先の学園祭で、大いに盛り上がり気に入ってもらえた一曲「見事な夜」が演奏された。

水戸さんは歌う前に言った。「革命の歌なのでそぐわないかもしれない」「不謹慎に聴こえるかもしれない」と。だが、「今夜切り崩せ!」という叫びは、きっと現状を切り開く力になってくれると聴いている己は思った。

アンコールはコアなファンがついている「風船」、そしてダブルアンコールでは「涙なんか海になれ」が歌われ、明るく気持ちよく終わった。

最近水戸さんは野球に夢中になっているそうで、一時は遠のいていたのだが、選手を親目線で見るようになってから感情移入するようになったと言う。今日もライブが始まる前まで、野球の試合の行く末が気になって仕方なかったのだが、始まってみればすっかり歌に夢中になって野球のことなどすっかり忘れてしまい、そんな自分を偉いと自画自賛していたのがキュートだった。とはいえやはり気になっていたそうで、アンコールで楽屋から戻ってきた水戸さんはニコニコ笑顔。楽屋に戻っている間に試合の状況を確認したら勝っていたらしい。嬉しそうな水戸さんに観客も歓声をあげ、100曲ライブはハッピーに大団円で終わったのであった。

水戸さんは言う。春だけでなくこの100曲ライブを一年間ずっと続けてみたらどうなるかと。「いつまでついて来てくれるかな」「年末には三人しか残らなかったりして」と笑いつつ、ただやってみたいけど、やったらツアーが出来ないし、そしたら地方のお客さんに悪いし、ということで、もしやるとしたら機材車移動がつらくなった七十歳あたりだろうと。

そしたら己はきっと時間を見つけて通うだろうな。何より先のことを話してくれるのが嬉しい。どうか七十歳になっても八十歳になっても、その歌声を聴かせて欲しいと願いつつ、水戸さんが八十歳だと己は六十歳であることに気付いてふはっと息が漏れる。

あぁ、先はまだまだあるななぁ!



未分類100曲ライブ, 1杯, 水戸華之介, 非日常

れっきとした水戸マニアであるはずなのに、イントロから曲を類推することが出来ず、ひたすら混乱するライブであった。その点において新鮮味があって面白くもあり、同時にノリにくくもあったので、確かに「実験的な」ライブであることを実感したのであった。

前回の吉田一休回において、「実験的」枠組みにあることが示された今回のライブは、水戸さんのレパートリーを全てテクノに作り変えるという驚きの代物だった。いつもであれば水戸さんの隣、ゲストミュージシャンの座る席にはギターやピアノが置かれているが、そこにあるのはシンセサイザーと数々の玩具である。パソコンとUSB接続をすると回転する小型のミラーボールに、ネックの部分が全てボタンになった、大人の教材用エレキギター。そして水戸さんの手にはピストル型のシャボン玉発生装置。ステージにいるのは五十代の大人二人。五十代の大人二人が全力で玩具で遊び楽しんでいる。そんな姿を観ることがこの先いったい何回あるだろう。

一曲目からして、よく知っているはずの曲なのに全然知らないのにとてもよく知っているという驚き。どう聴いたってテクノライディーン、いや、その元の曲であるのに、始まった歌は看護ロック! 水戸さんと内田さんの背後に張られたスクリーンには「看護」という文字が大きく映しだされ、曲に合わせて大きさを変えるという用意周到ぶり。あぁ、どう聴いても「あの曲」なのに看護ロックと言い張るこの図太さ! すっごいもんを持ってきたなぁ!!

水戸さんはいつものテイストの衣装だったが、内田さんは真っ赤なシャツに黒のネクタイという珍しい出で立ち。目元を隠すのはサングラスではなく普通のメガネ。このあたり、何かを意識したのだろうか。

MCではテクノとテクノポックの違いが語られたが、己が知っているテクノ関連のものと言えば平沢進と空手バカボンくらいなので、あまりきちんと理解することが出来なかった。今回、内田さんはこの日のために二ヶ月かけて曲をアレンジしたそうである。水戸さんとしてはそこまでしてもらうつもりではなく、もっとかる~くやってもらうつもりだったそうなのだが、ちょうど内田さんが暇で、尚且つ内田さんがはまってしまった故にここまで本格的になってしまったのだと言う。正直、このライブのためだけ、というのは非常にもったいないと思う。大問題の看護ロックは置いておいて、他の曲はアルバムにしていただけないだろうか、と思うほどであった。

ちなみに水戸さん、100曲ライブの第一回目から、内田さんに参加してほしいと思っていたそうなのだが、ベース弾き語りは五曲程度ならまだしも……ということで時間がかかってしまったらしい。対する内田さんはと言うと、子供の頃ベースよりも先に買ってもらったのがシンセサイザーだったこともあり、ノリノリでこのライブに臨んだそうだ。水戸さんからベース弾き語りがあっても……という提案を退けて、テクノ一辺倒にしたそうである。

印象的な曲としては久しぶりの「ロマンティックがとまらない」。この曲以外でも内田さんはボコーダーを使ってコーラスの声を機械音に変えたりしていたが、これについては女性の声に変声していて、単純な感想だが、機械たぁすごいもんだなぁと思った。

一点、惜しい点と言えば、音がビリビリ肌に突き刺さる点がないということだ。この100曲ライブはいつも、狭い空間で全力の歌唱と演奏を楽しめて、そこに大きな魅力を感じている。つまり、至近距離で生演奏の迫力を体感できるのだ。それが今回、打ち込みということで感じられなかったなぁ、というのがちょっと残念。せめてもうちょっと音量が大きかったらなぁ。

後半では「ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル」で立ち上がり、大盛り上がりするという場面も。最後の曲は「偶然にも明るい方へ」で、これは比較的違和感が少なかった。アンコールの曲はサイコロにより二曲目の「トーカラジ」に決まったが、内田さんが一曲目の「看護ロック」で、映像と音楽がうまくマッチしなかったことを悔いていたため、「看護ロック」「トーカラジ」の二曲をやってくれるというサプライズ展開も! これは嬉しかったなぁ!

イントロを聴いても何の曲が始まるかわからないため、戸惑う場面が多かったが、それはそれで。こういうのもアリなんだなぁ、ということを感じたライブであった。面白かった。



未分類0杯, 100曲ライブ, 水戸華之介, 非日常

160319_2148

ライバルを増やしたくないので黙っておきたいのだが、やはり言わずにはいられない。水戸さんの百曲ライブにおいて、一番底抜けに面白く楽しいのは吉田一休回である。今夜もさいっこうに楽しかった!

しかし自分が話すまでもない。水戸さん曰く、この回のライブのチケットは売り切れるのが早かったそうだ。吉田さんは水戸さんが言うところの「チャレンジ枠」で、MCも楽屋のノリになってしまいがちとのこと。そのため、これで本当にお客さんは面白いのか、面白いのは自分だけじゃないのかと水戸さんは何度も口にする。いやー水戸さん、それが最高に面白いのですよ!

吉田一休回での水戸さんは、より素に近い姿を見せてくれるように思う。自分を慕ってくれていて、付き合いの長い後輩を相手にニコニコと楽しそうに話し、演奏がストップすれば笑いながらダメ出しをする。とにかく後輩が可愛くて仕方がなく、吉田さんも水戸さんが大好きな様子が伝わってきて実に微笑ましい。そしてシンプルかつ盛り上がる楽曲の数々はカズーと手拍子の大盤振る舞い。シリアスな曲や悲しい曲ももちろん好きなのだが、最初から最後までほぼお祭り騒ぎ、というのも快感なのだ。

トークはどこまでも転がりに転がり、ライブは約三時間と言う長丁場に至ったが、長さを感じさせない楽しさの連鎖がたまらない。アンコールの中、残り一曲というところで喋りたくなった水戸さん。こんなに喋ってて良いのかなと言いつつひたすら面白トークを聞かせてくれて、楽しそうに話す水戸さんを笑い転げながら観るのは実に嬉しく楽しかった。

百曲ライブでお馴染みの舞台、ライブハウス「七面鳥」は改装をしていて、ステージと客席の位置が反転していた。以前は客席の間に出来た道を通って水戸さんはステージに上がっていたが、楽屋のすぐ横がステージに変わったため、客席にあった通り道は無くなっていた。これはちょっと寂しかった。前は盛り上がった水戸さんが客席を練り歩いてくれたりしたが、もう通れなくなってしまっている。うーん、残念。前の方が距離が近く感じて好きだったなぁ。

ハイネケンを呑みつつ、流れる音楽を聴きながらゆったりと開場を待つ。何もせず、ぼーっとステージの奥の壁を眺めるひとときはわりと好きだ。集団の中で一人を楽しむ面白さ。雑踏を歩く気分に似ている。

しかし照明が落とされるや否や、今まで他人だった周囲の人々と息を一つにするのだ。ステージに水戸さんが現れた瞬間、バラバラだった他人達がオーディエンスという群れに変化し、同じように声を上げ、拳を振って手拍子を叩く。一曲目は「唇にメロディ、心に牙を」。やったー! 大好きな曲だ!

と、大喜びした直後。死ぬほど大好きな「家のない子に」が二曲目で演奏されて、心の準備が出来ていなかった己は喜びのあまり「ギャーーー!!!!」と叫びそうになった。叫ばなくて良かった。

吉田一休回ということで、屑の曲が多めである。嬉しい。屑好きなんだよなぁ。アルバム一枚だけなんて実にもったいない。屑のライブも行ってみたかったなぁ。でもこうして聴けるから幸せだー。

「唇にメロディ、心に牙を」「家のない子に」「奈々」「ナイタラダメヨ」「カナリア」「マグマの人よ」「しあわせになれ」を聴けて嬉しかったなぁ。レア曲は「バイキンロック」。演奏後、水戸さんが「当時、何かの思いを込めて歌詞を書いたはずなのに、何を言いたいのかわからない」と言っていて、自分もあの歌詞をどのように受け取れば良いのかわからなかったのでちょっと安心した。

「バイキンロック」では、ミスにより演奏をやり直す場面も。吉田さんがギターのコードを踏んで座ってしまったことで、ギターを動かしたときに不具合が生じたようである。水戸さんはそのミスの原因を指摘しながら、「しょうがない奴だな~」とでも言いたげに楽しそうに笑っていた。微笑ましい。

今回のライブのあらゆるところで活躍したカズーは、水戸さんが今まで使っていたものと違うものだそうだ。曰く、どこの楽器店でも見かけなくなり、調べたところ輸入代理店がなくなったとかで、日本での購入が出来なくなってしまったそうだ。新しいカズーは片面が赤い色をしていて、水戸さんの手の中で存在感を主張していた。

水戸さんは茶色の薄手のカーディガンのような上着を着ていて、下は文様入りの黒Tシャツ。上着を脱ぐと半袖で、下に二の腕まで袖がある衣類を重ね着していたように見えたが、腕を挙げたときにそれがリストバンドの二の腕版のようなものであることがわかった。あれは何と言うのだろう。

吉田さんはオールバックに黒い衣装。初めて見たときが全身真っ赤なジャージ姿で、未だにその印象が強いため「今日は地味だなー」と思ってしまった。

吉田さんは「~ので」という水戸さんの言い回しが好きだと言っていて、ライブの後半で「~から」と水戸さんが言ったとき、「~ので、と言ってくださいよ!」と注文をつけていた。あまりそこに注目したことがないので、今度から「~ので」に注意を払ってみよう。曲については、「A・E・D・D」の歌詞について言及し、水戸さんは「これは九十年代に作った曲だけど、この歌詞に書かれているのはもうちょっと古い時代」と話し、時代性を切り取ることについて語っていた。

印象的だったのは映画についてのMC。以前は家で映画を観ていたが、家だと集中できないため映画館に通うようになった水戸さん。しかし水戸さんがよく利用していた映画館が次々と閉館し、映画を見るためにはちょっと足を伸ばさなくてはならなくなったそうで不便を強いられているそうだ。そんな不便もありつつも、事前知識なしで小劇場に入る水戸さん。するとマッドサイエンティストにより人間がアザラシに改造される奇妙な外国映画や、深刻な家族の物語を描いた重い作品かと思いきやひょっとしてこれはコメディなのか……? と劇場の誰もが困惑する作品などを観たという。それらを面白おかしく語ってくれた。ちなみに前者は実際はアザラシではなくてセイウチで、タイトルは「Mr.タスク」と言うらしい。

あと、果物屋のカットフルーツが、コンビニやスーパーで売っているカットフルーツとは比べ物にならないくらい美味しく、週に二、三度買っていたら店員に覚えられてしまい、「常連さん」扱いをされるのが苦手なために悲しみを覚えたという話や、子供の頃の同級生の印象的なエピソードなどなどが語られた。

「マグマの人よ」は圧巻である。マイクを外し、水戸さんの地声と声に込められた説得力が空間と壁を響かせる。まるで茶の間で語れるようなゆるくも楽しいトークと、歌の迫力のギャップの大きさ。この切り替えの見事さがたまらない。

最後は二十面ダイスを振るい、今回演奏された二十曲の中から一曲を選ぶ。選ばれたのは「しおしおのぱあ」で、吉田さんの意気込みにより、本編とは違うキュートなアレンジで始まり、中盤で爆発し、後半は大盛り上がり、という構成で幕を閉じた。皆で声を出して歌い、手拍子をする。ライブの基本の楽しみをぎゅっと凝縮されたかのような、シンプルな満足感の心地良さを満喫した。

ちなみに今回は「チャレンジ枠」だが、次回は「人体実験枠」とのこと。ゲストは水戸華之介&3-10Chainのメンバーであり、筋肉少女帯の屋台骨・内田雄一郎である。いったい何を見せてくれるのか。二週間後が楽しみでならない。



未分類100曲ライブ, 2杯, 水戸華之介, 非日常

150411_1749

五日間で百曲を歌う、水戸さんの100曲ライブ第四夜! 今年は第一夜の澄田さん、第三夜のワジーこと和嶋さん、そして本日第四夜の吉田一休回、計三夜を観に行った。よって、己にとっては今日が今年最後の100曲ライブである。

五日間全て参戦したかったが、それでも、この第四夜の楽しさったら、フィナーレと言っても過言ではないくらい素晴らしいものだったので己は大いに満足した。澄田さんの回は安定していてバリエーション豊かな楽曲を楽しめ、ワジーの回は硬派で重めな楽曲が多く、聴き手も心して臨まなければならない空気があった。そして本日は爆発するお祭り騒ぎ! 観客参加型ライブということで、ほぼ全編通して手拍子とコーラスで大騒ぎ。楽しかった!!

水戸さん曰く吉田さんはチャレンジ枠ということで、ギターの技術力をカバーするためとにかく盛り上がる楽曲を集めたとのこと。観客も手拍子で参加して皆でライブを作り上げていくようにとのお達しで、そう。盛り上がる曲が多いのである。わいわい言う曲が多いのである。つまり序盤から大騒ぎなのである。面白くないわけがない!

去年も一昨年も、このお祭り騒ぎの吉田一休回が一番面白かったので今年も大いに期待したがやはり期待は裏切られなかった。「チャレンジ枠」という名称につき、もしかしたら来年他のミュージシャンにその場を奪われるかもしれない…と言われていたが、いやいやいやいや。来年も再来年も吉田一休回は欲しい! 絶対に欲しい!

ちなみに吉田さんは以前見たときよりもちょっとふっくらしているように見えた。そういえば一番最初に100曲ライブで見たときは全身真赤なジャージ姿だったような記憶がある。あれは派手だったなぁ。

今回聴けて嬉しかったのは「欲望」「ベッドルーム・ロック」「唇にメロディ、心に牙を」「カナリア」「家のない子に」「ゆきてかえらず」「しあわせになれ」。意外だったのは「正しいか?」「明日への誓い」。「明日への誓い」は久しぶりに聴いた気がするなぁ。

「欲望」はしばらくやっていなかった曲だったらしい。驚いたなぁ! 好きで何度もCDで聴いていたので、ライブでも聴いている気分でいた。吉田さんがギターを弾きながら、「てーんてんてんててててーん、てーんてんてんててててーん、てーんててんてんてー♪」とギターのフレーズを口で歌っていたのが面白かった。

と、書いたが、あれ? 違う曲だったっけ? ちょっと自信が無くなってきた。

「欲望」の中間で入る音頭は水戸さんの思いつきで入ったもので、最初の段階では入っていなかったそうだ。他の曲を作る際、そういった思いつきで曲中に異なる展開を入れたところ上手くいったため、調子に乗ってやってしまった結果だそうだ。いやーでも自分はこの曲大好きだけどなー。もっと頻繁にやってほしい。

「たむけのかもじ」は当時ちょっと背伸びして作った歌詞だそうで、その背伸びの具合が心地良いと話していた。そうそう、高校時代の作詞の話が面白かった。最初の頃はメンバーがそれぞれ自分の曲に詩をつけてきていたそうで、メンバーが振った女の子に対して謝罪の気持ちをこめて「ごめん」という曲を作ったことがあったそうだ。しかし歌うのはメンバーではなく水戸さんで、「今なら切り替えられるけど、多感な十代で、『あいつ』の『ごめん』を! どうして! 俺が!」と力をこめて語っており、確かにそれは気まずいよなぁと笑った。

「たむけのかもじ」だったかな? 「なーなーなー♪」と吉田さんが歌う箇所で水戸さんが「もっとセクシーに!」と指示を出し、吉田さんがふざけて受け狙いに走ったところ、水戸さんが吉田さんを叱り始め吉田さんがしょげるという叱りコントが発生した。曲中で。面白かったけどこれ、「え? これ笑っていいの? 水戸さん本気で怒っているの? え? え?」と、己は結構ハラハラした。コントで良かった…。

今回一番格好良かったのは「ゆきてかえらず」だろう。出だしで水戸さんと吉田さんの歌声が重なるのだが、それが実に美しく力強く、思わず膝に手を置いて身を乗り出して聴き入ってしまった。この美しいコーラスが吉田一休回の楽しみでもある。この二人の声、本当に好きなんだよなぁ。

「唇にメロディ、心に牙を」も久しぶりに聴いた。これもシンプルながらも格好良い曲で大好きだ。この歌のメロディを鼻歌で歌いながら歩くと不思議な万能感が湧いてくるんだ。

そうだ。「唇にメロディ、心に牙を」は水戸さん曰く、水夫をイメージした曲だそうで、そこから「漁師とだけは喧嘩をしてはいけない」と漁師最強伝説が語られたのが最高に面白かった。学生時代の友人の名前がバンバン出てきて、MCというよりも、居酒屋でお酒を呑みながら友達の話を聴いているときのような感じで心地良かった。

屑の曲は「ベッドルーム・ロック」「家のない子に」「無実のためのレインボー」「しあわせになれ」「海」の五曲…だったかな? 「家のない子に」は不死鳥DVDでそこだけ再生しまくるほど大好きな曲なので始まったときは小さくガッツポーズをした。ライブで演奏されると、オリジナルよりもテンポが速くて、それがもうたまらなく格好良いんだよね。

吉田さんがアコギからエレキギターに持ち替え、「エレキを持ってもてようとしているんだろ!」と水戸さんが突っ込み、笑いながら吉田さんが否定するも「もてたいんだろ! もてたいんだろ!」と水戸さんが連呼。さらに「俺達はもてるために生まれてきたんだー!」とノリノリで水戸さんがシャウトして始まったのが「ベッドルーム・ロック」! そこからはもう大騒ぎ。今日の「君と瓶の中」枠である。

アンコールを含めた二十曲が終わり、本当の本当のアンコールということで、二十面サイコロを振って出た最後の曲は本日の八曲目「ペダルをこいで」。簡単なコード進行らしく、ほっとして嬉しそうな顔をする吉田さんが微笑ましい。水戸さんと二人立ち上がってノリノリで歌い騒ぎ、曲が終わってステージから退場した後、さらにもう一度ギターを弾いて水戸さんを楽屋から呼び戻すというサプライズも! これは嬉しかったなぁ!

ニコニコする吉田さんと楽しそうな水戸さんと全力疾走した三時間。手拍子を叩き、コーラスを歌い、座ったままにも関わらず全身で楽しんだため、体内のあらゆるものが発散されたように感じた。とてもスッキリして気持ち良かった。是非来年も再来年も「チャレンジ枠」として存在し続けて欲しい。面白かったぁ!



日記録4杯, 日常, 水戸華之介

2014年7月21日(月) 緑茶カウント:4杯

音楽が好きだ。音楽を聴くという行為が日常の一つに染み込んでいる。筋肉少女帯、平沢進、水戸華之介、町田康、たま、谷山浩子、ポルノグラフィティ、T.M.Revolution、レピッシュ、スターリン、中島みゆき、さだまさし、かぐや姫。範囲はさほど広くないが、狭い範囲で色々聴いている。その中にはもちろんラブソングも含まれる。

自分の知る数あるラブソングの中で一番好きなものが、水戸華之介の「私の好きな人」だ。

これは愛する人と一緒になることを願う歌では無い。好きな人が、幸せになれますように、優しい人達に出会えますように、悪い人達に流されませんように、そして微笑んでいられますようにとただひたすら願う歌である。

これを聴くと思うのだ。あぁ、この人の幸せを願う人は、どこかに存在してくれているのだろうか、と。

このたび、「私の好きな人」を含む十曲のライブ音源が公式より発売開始された。今後も曲数は増えていくということで、一曲二百十六円。バラ売りでの購入も可能だ。無論自分は十曲まとめて喜び勇んで購入した。しかしついつい「私の好きな人」ばかりを繰り返し聴いてしまってばかりでなかなか他に手を出せない。あぁ、好きだなぁ。

ちなみにそのライブ音源はこちらで購入が可能だ。
あと、オリジナル音源はこちらから。アルバム「星暮らし歌暮らし」に収録されているので、是非。どちらもアコースティックで、夏の夜に窓を開けながら聴くと良い感じに浸れるよ。