日記録2杯, 日常

2013年10月16日(水) 緑茶カウント:2杯

横になると咳が止まらなくなり、勢いのあまりに涙が出てえづきそうになる。肺の中身が裏返るのでは無いかと錯覚するほどだ。脳は睡眠を欲しているのにいつまでも眠れず、横になりたいのに横になれない。仕方なくしゃがみこんだり立ったり座ったりを繰り返し、へとへとにくたびれながら朝を迎えてしまったのが数日前のこと。咳のせいで一睡も出来ないなんて初めてだ。

あまりに苦しく、いくつかの方法を試した結果、何とか眠ることが出来るようになった。一つは姿勢。一つはのど飴。うつぶせの姿勢になり、クッションにあごを乗せ、胸と敷布団の間に隙間を作ると苦しくない。だったら仰向けになれば良さそうなものだが、仰向けになると咳が出るのである。この姿勢が一番楽だった。

そのうえでのど飴を舐める。歯を磨いた後に、それも布団の中で飴を舐めるなど本来であれば避けたいが背に腹は変えられない。のど飴をゆっくり舐め、唾液で咽喉を潤すことで咳が抑えられる。飴があるのとないのとでは全然違った。流石、のど飴の名は伊達じゃない。

全く、早く楽になりたいものだよ。



日記録2杯, 中華料理屋, 日常,

2013年10月11日(金) 緑茶カウント:2杯

指摘されるまで気付かなかった。何故なら自分はそれを当然のこととして受け止めていたからだ。だが、よくよく考え、他店と比較してみると、全く当たり前ではない、努力と気遣いの結晶によるものだったのだ。

月に二度ほど通っている駅前の小さな中華料理屋。そこはほとんどがカウンター席で、常に人がごった返している。おかみさんは忙しく働きながら客と会話を交わし、賑やかで和やかな空気が流れている。自分は料理の味ももちろん気に入っているが、この店の居心地の良さもかなり好いている。自然、一人で外食をする際にはこの店に足を運ぶことが多く、他に興味を持ちつつもついつい来てしまうため新規開拓もままならない。だが、それで満足している。

この居心地の良さはおかみさんの人柄によるものと思っていたが、もう一つあることに気付かされ、そして驚愕した。今日、カウンターで味噌ラーメンと餃子を食べていたら隣の席の人がカウンターの奥のシンクを指差し、「あれを見て」と促してきたのだ。その人とは初対面であるが、直前に二、三会話を交わしていた。促されるままに覗き込む。しかし、見慣れないものは特に無く、隣人の意図が読めず己は先を促した。

「ほら、あのステンレス。ピカピカでしょう。油汚れ一つ無い。ガス台の方もピカピカ。あんなに綺麗にしているお店、他に無いよ」

言われて気付く。流しのステンレスには長年使い込まれた結果の細かい傷こそ付いているものの、汚れはおろか、曇り一つ無い。油を大量に使う中華料理屋とは思えない綺麗さだ。

隣人の指先は手前に移る。次に指差したのは目の前に置かれた調味料入れ。醤油やラー油、酢、胡椒の入った容器が五つほどポンと置かれている。

「これもね。いつ来ても綺麗で、全然ベタベタしてない。カウンターもいつもスベスベ。すごいよこのお店は」

確かに、ラーメン屋に置かれている調味料入れは蓋がべたついていることがままある。カウンターもそうだ。
そして改めて見渡してみれば、この店は年季こそ入っているものの、どこもかしこも綺麗に磨かれていて、塵一つ落ちていないのだ。

おかみさんが笑って言った。「掃除にかかる時間が営業時間と同じなの。毎日油使うから毎日綺麗にしないといけないでしょう。そうしないとお客さん気持ち悪いだろうから」

聞けば営業時間は六時間。つまり、一日この店の掃除に六時間かけているということ。
そりゃあ居心地が良いわけだよ!

自分はもしや、すごく素敵な店に出会ってしまったのではないか。知らず知らず受けていた最高のサービスに感嘆せざるを得なかった。



日記録2杯, 日常

2013年9月27日(金) 緑茶カウント:2杯

夜。アスファルトに散らばった森永ミルクキャラメルをしばし眺めた後、己は腰を屈め、それを黙々と拾った。

時刻にして二十二時。帰宅の道すがら、冷凍うどんを買うために寄ったスーパーでレジに並んでいるそのとき、森永ミルクキャラメルの箱が目に留まった。黄色い小さな箱である。途端、キャラメルの味が恋しくなり、ほぼ何も考えず、それを籠の中に入れた。衝動的だった。

特別懐かしくも無い。子供の頃によく食べたが、大人になってもそこそこ食べている。何もかもが見慣れた菓子だ。うどんとコロッケ、長ネギその他をビニール袋に詰め込んだ後、一番上にキャラメルを乗せた。店を出たらすぐに食べようと思ったからだ。行儀は悪いが、一粒口に放り込んだところで誰も見咎める人などいないだろう。

って思っていたのに袋を破いて箱を開けて一粒放り出したとき、指先の一粒に気をとられ、さらには箱を持つ手にビニール袋を提げていたせいでバランスが崩れやすくなっていて、あ、と気付いたときには遅い。キャラメルは滑空し勢いよく地面に衝突、そして四方八方に元気よく散らばったのだ。

指先に摘んだものと同じ、銀色の四角い包みがあちこち散らばる中心に立つ二十代後半は、恥ずかしい、悲しい、という気持ちよりも先に、「面倒くせえ」という感想を抱いていた。



日記録2杯, 日常

2013年9月22日(日) 緑茶カウント:2杯

あのひと時の謎のムーブメントはいったい何だったのだろう。

友人の結婚式があった。これまでにいくつかの結婚式には参加したことがあるが、皆高校の部活仲間のもので、大学のサークル仲間の結婚式は今回が初めてである。そして久しぶりに集まる面々。披露宴ではそれなりにかしこまっていたが、二次会三次会では当時の阿呆なノリが見事に蘇りはっちゃけて、何故か自分は頭を撫で繰り回されまくっていた。

結婚式ということで前日に美容院に行き、スッキリ短く切った髪をジェルで固めてツンツンに立てていた。まぁ、気合いはそれなりに入れたが大学時代と変わらない髪型だ。もしかしたら懐かしかったのかもしれない。二次会で隣に座った友人が、固さを確かめるかのように頭をポンポンと軽く叩いた。その友人とは直前に肩をがっつり組み合ってふざけていたので、その程度のスキンシップは今更特に気にならず放っておいた。すると今度は髪をぎゅっと掌で押しつぶし、手を離す。友人は髪を寝かせようとしたようだが、圧力に負けず髪はしっかり立ち上がったらしい。

「固いなー」「すごいな、全然潰れてない」「そのまんまだよ」とその様子を見て言う友人達。そして再度掌でぎゅっと押しつぶす友人。しかし負けない髪。今度は両手で押しつぶす友人。負けない髪。両手でわしゃわしゃ撫で繰り回す友人。加勢に入り、後頭部を押しつぶそうとする別の友人。そうして何故か自分は二人の友人によって頭をぐるぐる撫で繰り回される状態になっていた。

何だこれ。

「おいこらちょっと、わざわざね、ちゃんとジェル使って髪整えてんだから潰すなよ」と言うと「じゃあ俺は逆立ててあげよう」と言って後頭部を押しつぶしていた友人が襟足から頭頂部に向けて掌をわっしゃわっしゃと動かし髪を逆立ててくる。その間も頭頂部は両手でわしわし撫でられ続けている。何だこれ。どうして自分は二人の人間に頭を撫で繰り回され続けているんだ。しかもこいつら、そんなに酔ってないんだぜ。

とはいえ嫌だったかと言えば全く嫌では無く、むしろ楽しいひと時で、こんなものは余談に過ぎない出来事だが、とても良い結婚式だった。新郎新婦に幸あれ。



日記録2杯, 日常

2013年9月21日(土) 緑茶カウント:2杯

ぐえっ、ちょっと今日はいつもより力が強いな潰れそうだ、と思うが口にせず圧力に身を任せているのはそれが心地良かったから。週に一度通っている整骨院でうつぶせになり、背中をぎゅんぎゅんに押されながら息を吐く。このところ若干無理をしていたため体が疲れ切っているうえ、時間の短縮のため食事と入浴を疎かにしていたため疲れに拍車。やはり惣菜とシャワーでは体に栄養が回らない。

固い背中と首を入念にほぐしてもらう。あー、楽だ。思わず眠りそうになるほどに。きっかけは腰痛の悪化だが、以降予防のために毎週通うようになり、いつの間にか週に一度の楽しみの一つになっていた。これが無くちゃあ生きていけない。あぁ、楽だ、