日記録0杯, 日常

2018年5月5日(土) 緑茶カウント:0杯

ウイスキーをたらふく呑んで、ぷりぷり怒りながらグラスをテーブルに力強く置く父が怒る矛先は、とても真っ当に感じられたのであった。

六十代前半の父と、三十代前半の己。父が三十の時にこの世に生誕した自分。

父は怒っていた。酒が進むにつれ怒っていた。怒る対象は不祥事をやらかしたTOKIOのメンバーの一人で、被害にあった女性についてとても慮っていた。まず、あの行為はパワハラだ。その中で女の子は最善を尽くすべく友人と連れ立って行った。どうしてそれが非難されるのだ。あの子はただの被害者なのに、彼女に責任をとらせようとする風潮があるのはおかしい、と。

怒りながらグラスを傾ける。あーーーそうですよねーーー自分も全く同意見、あの女の子を邪な目で見て否定する輩は死ねって思ってますよ、と思いつつソファーに沈む父を見る。父はポカポカと温かくなってその場で眠った。自分はそれを見ながらグラスに水を注いだ。

思ったのは、父があの事件に対し真っ当に怒ってくれる人で良かったなぁということ。
そして自分は酔い覚ましの水を傾けながら、ぼんやり虚空を見つめたのであった。



日記録0杯, 日常

2018年4月30日(月) 緑茶カウント:0杯

ずっと耐え忍んできた。この季節ばかりは仕方がない。本当であれば洗濯をし、日に干して、太陽光の恩恵を浴びたそれに身を包み、夜を過ごしたいと思う。しかし、だ。それをするとまずいのだ。何故なら己は花粉症だからだ。

故に、布団乾燥機を駆使して生き延びた春の季節。ふきのとうが顔を出し、桜が咲き、つつじが咲き乱れる暖かな季節。しかし己にとっては憎憎しい季節でしかなく、この時季を前にするとため息をついて押入れの奥から布団乾燥機を引きずり出すしかない。何故なら己は花粉症だからだ。

この布団乾燥機の素晴らしいことと言ったら。操作が簡単で、扱いやすく、しっかり乾燥される。ありがとう象印。素敵なものを開発してくださって感謝します象印。しかし今は象印への感謝を述べたいのではない。また、布団乾燥機がいかに素晴らしいと言っても、やはり洗濯して日に干したい。日増しに募る欲求は抗いがたく、そうしてついに今日、己は実行した。そろそろ花粉も飛んでいなかろうと思って。

結果できあがったのは何だろうか。太陽光を浴び、ふっくらと膨らんだ布団に、サラサラに乾いたシーツとカバー。そしてそれらを取り込むときに発生したのは何か。ははは、くしゃみの連続さ。

ふっくらとあたたかく、清潔でありながら毒をまとった布団。これにくるまって本日は寝る。それはいったい幸か不幸か。床に就くまでその結果は知り得ない。



日記録0杯, 日常

2018年4月28日(土) 緑茶カウント:0杯

ビールが好きでね。ビールがとても好きでね。中でも好きなのが白ビールでね。そこにコリアンダーやオレンジピールが追加されているものがたまらなく好きでね。もちろん他のビールも好きなんだけれども。これらが特別に好みで好きでね。

それでね。最近酒税法が改正されまして。麦芽比率が従来よりも低くてもビールと認められるようになって、原料として使用できる素材の幅も広がったんですよ。これまでは法律上仕方なく発泡酒扱いされていたものが堂々とビールと名乗れるようになったんですよ。

それでですね。そしたらですね、そういった己の好きなビールがガーッと発売されて、バーッと店頭に並べられるようになったんですよ。いつもの棚にいつもとは違うビールがずらずら並んでいるのですよ。

いやー嬉しいね。たまらないね。

ということで今日は楽しいビール祭り。まずはオレンジピールのビールを一杯。あぁ、おいし。



日記録2杯, 日常

2018年4月23日(月) 緑茶カウント:2杯

好きであることと詳しいことはイコールではなく、好きだからこそ興味の範囲が狭いということは往々にしてある。ところがそこで、好き、イコール対象の全てに興味があり、その話題なら何でも好きと思われるとなかなかしんどい。

髪に切りに出かけたところ美容師との会話の中で音楽が話題に上った。休日はよくライブに行くと話したためだ。すると美容師は水を得た魚のように、それはもう嬉しそうに好きな音楽について語り出した。美容師の好きな音楽はファッションビルでよくかかっている、海外の有名ミュージシャンの曲……らしい。

そこからが辛かった。「○○って知ってるでしょ? え? 知らない? 絶対知ってるよ~聴いたら絶対わかるから! ほらここでもよくかけてるやつだって。すっごく人気で~私も大好きで、それでねあれでね云々かんぬん、youtubeに上がってるから聴いてみてよ! 音楽が好きなら絶対好きになるから!」

簡潔にまとめたが、実際はこの十倍の熱量と文量であった。立て板に水とはまさにこのこと。美容師のよく回る舌の前で辟易しながら「いや、音楽全般が好きなわけではなくて、ものすごく好きな音楽が一部あるだけなんで……」と己は答えた。むしろそれ以外にはあまり興味がなく、人に勧められるのが苦手で勧められた時点で絶対に聴かないから無意味ですよ、とまでは流石に続けなかったが飲み込んだ言葉は腹の底に溜まった。

しかし美容師のトークは止まらず、その楽しげな様子を見て思ったことはこんなにも自信を持って人に勧められるのはある意味うらやましいということ。きっとこの人は好きな音楽の話題を出すとき、どこから話そうか、どの程度なら話を聞いてもらえるだろうか、と逡巡したことがないのだろう。

試しに己もマシンガントークを繰り広げてみるかな、と思いつつも実行には移さず、壁をぼーっと眺めて過ごした。語り続ける美容師はいつまでも楽しげだった。



日記録0杯, 日常,

2018年4月15日(日) 緑茶カウント:0杯

くたくたに疲れ切ってラーメン屋に入った夜。ラーメンと餃子を注文し、ふぅと息を吐きながら小皿に醤油と酢を注ぐ。この店の小皿はお猪口のような形で深さがあり、珍しいなと思った。酢と醤油の割合は4:1ほど。酸っぱさが強い方が好きなのだ。

そうして待つうちにまず運ばれてきたのは餃子。カリカリ熱々の餃子を酢醤油に浸し、パクリと口に含む。美味い。じゅわっと肉汁が染み出て、ジャクジャクとした野菜の歯ごたえが楽しく、もちもちした皮が心地良い。また一口齧る。美味い。

ラーメンが運ばれ、麺をすくって口へと運ぶ。塩分がガツンと脳に響いて気持ちが良い。あー、やはり疲れていたんだなぁと思いつつもぐもぐと噛み、ふとお猪口のような小皿に入った酢醤油に目が行った。餃子はもう食べ終わったが酢醤油は残っている。……何となく、日本酒を楽しむように酢醤油を傾けた。

そしてこの日、己は気付いた。己は餃子も好きだがそれ以上に酢醤油が好きで、酢醤油だけでも充分楽しめる人間であることに。

後日、家でショットグラスに酢醤油を注いで飲んでみた。餃子も何もなかったが美味しかった。何と、酢醤油を肴にビールを呑めた。んまかった。

と、いう話を人にしたら「マジかよ」と若干引かれたので、皆様是非お試しください。ンマイよ、酢醤油。