清潔なる毒布団

2018年4月30日(月) 緑茶カウント:0杯

ずっと耐え忍んできた。この季節ばかりは仕方がない。本当であれば洗濯をし、日に干して、太陽光の恩恵を浴びたそれに身を包み、夜を過ごしたいと思う。しかし、だ。それをするとまずいのだ。何故なら己は花粉症だからだ。

故に、布団乾燥機を駆使して生き延びた春の季節。ふきのとうが顔を出し、桜が咲き、つつじが咲き乱れる暖かな季節。しかし己にとっては憎憎しい季節でしかなく、この時季を前にするとため息をついて押入れの奥から布団乾燥機を引きずり出すしかない。何故なら己は花粉症だからだ。

この布団乾燥機の素晴らしいことと言ったら。操作が簡単で、扱いやすく、しっかり乾燥される。ありがとう象印。素敵なものを開発してくださって感謝します象印。しかし今は象印への感謝を述べたいのではない。また、布団乾燥機がいかに素晴らしいと言っても、やはり洗濯して日に干したい。日増しに募る欲求は抗いがたく、そうしてついに今日、己は実行した。そろそろ花粉も飛んでいなかろうと思って。

結果できあがったのは何だろうか。太陽光を浴び、ふっくらと膨らんだ布団に、サラサラに乾いたシーツとカバー。そしてそれらを取り込むときに発生したのは何か。ははは、くしゃみの連続さ。

ふっくらとあたたかく、清潔でありながら毒をまとった布団。これにくるまって本日は寝る。それはいったい幸か不幸か。床に就くまでその結果は知り得ない。



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