父の酒

2018年5月5日(土) 緑茶カウント:0杯

ウイスキーをたらふく呑んで、ぷりぷり怒りながらグラスをテーブルに力強く置く父が怒る矛先は、とても真っ当に感じられたのであった。

六十代前半の父と、三十代前半の己。父が三十の時にこの世に生誕した自分。

父は怒っていた。酒が進むにつれ怒っていた。怒る対象は不祥事をやらかしたTOKIOのメンバーの一人で、被害にあった女性についてとても慮っていた。まず、あの行為はパワハラだ。その中で女の子は最善を尽くすべく友人と連れ立って行った。どうしてそれが非難されるのだ。あの子はただの被害者なのに、彼女に責任をとらせようとする風潮があるのはおかしい、と。

怒りながらグラスを傾ける。あーーーそうですよねーーー自分も全く同意見、あの女の子を邪な目で見て否定する輩は死ねって思ってますよ、と思いつつソファーに沈む父を見る。父はポカポカと温かくなってその場で眠った。自分はそれを見ながらグラスに水を注いだ。

思ったのは、父があの事件に対し真っ当に怒ってくれる人で良かったなぁということ。
そして自分は酔い覚ましの水を傾けながら、ぼんやり虚空を見つめたのであった。



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