日記録0杯, 日常

2020年9月20日(日) 緑茶カウント:0杯

いつの間にか歯の根が折れてしまい問答無用で抜歯されておよそ三週間程度。当初は大怪我としか言いようのない穴ぐらが口中に発生し常に血の味が滲み出て、水を飲めば不快な血の味とニオイがむわりと鼻をついて気持ち悪くなり、味のついたもので誤魔化さないと水分を摂取できなかったためノンシュガーのコーラを飲んで過ごしていたが、二日ほどで傷が癒えぽっかりとした穴ぐらが健康的なピンク色に変わり、歯抜けの状態で食事をすることにも慣れてきた。

この穴ぐらにインプラントを埋められるのはあと一ヶ月ほど後のことなので、それまでの間にクリーニングやら別の歯の治療やらを受けることになった。歯磨きが十分にできているか検査してもらえば「しっかり磨けているので改善の必要なし」と太鼓判を押され「よっしゃ!」と大変嬉しい気持ちになった。しかししっかり磨けているのにいつの間にか歯の根が折れて歯を一本失う目になったのはなんというか実に虚しい。いつの間にか歯の根が折れるってなんだよ。

そして今回はかつて別の歯医者で詰めてもらった詰め物が劣化していたため、これを詰め替えることになった。セラミックで済むので大きな金額がかからなくてありがたい。で、まぁ古い詰め物をとってだね。歯をちょっと削るため念のため麻酔をかけることになりまして。「痛かったら左手を挙げてくださいね」と言われ、あの特徴的な金属音と振動に耐えながら仰向けの姿勢で自らの左手を握って汗をかいていまして。そうして汗をかきながら、この金属音と振動と恐怖さえなければ、己はきっと歯医者がとても好きだっただろうなぁ、なんてことを思った。

だって、職人技である。こんな人の狭い口の中の小さな歯を削って型をとって詰め物をして成型して、なんて複雑なことが己の口中で行われるのである。滅茶苦茶すごい。そんでもって出来上がりを鏡で見れば他の歯と遜色ない仕上がりになって、噛み合わせも計算されていて実用面でも素晴らしい。すごいじゃん。すごい技術を体感できるんじゃん。これ絶対自分の好きなやつじゃん。

そう。絶対自分の好きなやつなのだが、削られるのが自分の歯で、んでもって金属音と振動と恐怖についつい身がすくむので「わーいすごーいかっけー」と呑気に喜べないのである。めっちゃすごいことが口中で行われていることには違いないのだが怖いもんは怖いのである。

そういや中学のとき、歯を削られる恐怖と痛みに耐えるとき「ゾロはもっと……ゾロはもっととんでもない大怪我を負って立ってるんだからこのくらい……」と毎回ONE PIECEのロロノア・ゾロを思い浮かべていたのだが、ジャンプを卒業して十年以上経つのに今回も無意識のうちに思い浮かべたのがゾロだった。まるでパブロフの犬のようである。歯医者とゾロ。己の性質的にもし十年後また歯を削られるはめになってもゾロを思い浮かべているに違いない。その頃にはONE PIECEは完結してるかな。どうだろうな。



日記録0杯, 日常

2020年9月13日(日) 緑茶カウント:0杯

緊急事態宣言が明けた頃。孤独に耐えかねて欲しいと思ったのが香水だった。誰しもがマスクをつけている中で、好きな香りに包まれていたいと願って、香水専門店に足を運んだのだった。

そうして手に入れたのがザ・デイファレントカンパニーの「リモン コルドーザ」という香水。さっぱりとしたネロリの香りが清々しくて、ほのかなミントの香りが心地よくて。今この世を歩く人は皆マスクをつけているから気付かないだろうけど、その清々しい香りにひとときでも触れられれば気持ちを切り替えられるから、外出のたびにこの香水を左右の脇腹につけている。

美しくて、清々しい香り。マスクをしながらも自信をもって前へ進める香り。

あぁ、良い香りだな。



日記録0杯, 日常, 重陽の節句

2020年9月9日(水) 緑茶カウント:0杯

本日は重陽の節句である、と言い続けて何年経っただろう。五節句の中で一番目立たない菊の花の節句に何となく愛着を抱き、以来毎年毎年「今日は重陽の節句だよ」と伝える重陽の節句botと化して生きている。しつこく続けてきた甲斐あって最近ではこの日になると重陽の節句を思い出すようになってくれた人もいて、とても嬉しい。

ちなみに確認したところ、このサイトで「重陽の節句」という記事を更新したのは今年で八年目になるようだ。サイトの形を変える前からこのタイトルで更新していた記憶があるので、そう考えるとはっはっはっ。長いものだね。来年も重陽の節句をよろしくお願いいたします。



日記録0杯, 日常

2020年8月29日(土) 緑茶カウント:0杯

腑抜けならぬ歯抜けである。何か歯茎が腫れてるなぁ、ってんで歯医者の予約を入れレントゲンを撮った直後に抜歯が確定。展開が早すぎてついていけないが、ともかくも今己の口の中にはぽっかりと穴が空いている。

四年前にセラミックの被せものをした歯の根にヒビが入ってしまい、使い物にならなくなったのである。ちなみにこの歯は中心結節というもので、すり鉢状にくぼんだところにニョキッと角のようなものが生えているという、百人に一人か二十人に一人が持つちょっとレアな歯だった。そしてこの角は損傷しやすいためあらかじめ何らかの処置をして欠けないようにする必要があるのだが、処置をする前にポッキリ折れた挙句、神経にまでダメージを与えてしまったのである。

そして死んでしまった歯に銀の被せものをして過ごしていたのだが、これがなかなかにコンプレックスだったため四年前に二十万円かけてセラミックに作り変えた。その歯の骨が何らかの衝撃を受けてヒビ割れ、お亡くなりになったのである。

インプラントにすると四十万円かかるんですって。わーお。
四十万円で、歯。
というかこの中心結節のために合計六十万円もかかるのか。わーお。

さらに言えば己の前歯もいつの間にか神経が死んでセラミック化している状態で、どうして己の口内で「何らかの衝撃で神経が死ぬ」事案が複数発生してるんだよ闘争とは無縁の生活をしているのに、とげんなりせざるを得ない。とはいえなってしまったものはしょうがないので、せめて今ある他の歯は全力で守り抜く所存である。あぁ、出費の大きなこと。ただ歯茎がちょっと腫れてるだけかと思ったらとんでもないことになったもんだぜ。あーあー。



日記録0杯, 日常

2020年8月19日(水) 緑茶カウント:0杯

「もう膵臓取り出して目の前にあって食べ方に迷ってる段階じゃん」
「ごめんちょうど『打ち上げ花火、下から見るか』のアレと近い時期だったから混ざっちゃった」
「だからってひでえ。あはははははは」

あはははははは。ご飯を買って風呂に入って身を清めて、十七時からスタートした高校の友人とのオンラインお喋り会。お酒をたくさん買ってね。ヘパリーゼも用意してね。なるべく明日に響かないようにしてね。

気付けば友人と己はもう生まれてから出会うまでと、出会ってから今までと同じ時間を過ごしていて、思えばじっくり過ごしたのは高校時代のたった三年間、どころではない。よくよく考えれば出会ったのは高二だったのだから。とすると随分短い時間しか濃密に過ごしていなかったのに、今日まで約束を交わしてお喋りして楽しめるのは不思議なものだなぁとニコニコしながら思ってしまう。

また来月にと約束を交わして、それが当たり前なのが嬉しくて。社会人の誰かの誘いとは違って決して表面上のものではなく、「またお会いしましょう」「ええまた」というやりとりを本気にして傷つく可能性もないのが嬉しい。

九月の約束を楽しみにまたオンラインでの出会いを待つ。それではまた、また次回。