未分類ウタノコリ, 水戸華之介, 非日常




アコースティックライブに行くのは生まれて初めてだ。いつもオールスタンディングなので座って聞くのも生まれて初めてだ。アコースティックと聞いてイメージするのはしっとりとした空間で奏でられる静かな音楽だが、さて、どうだろうか。そんなわけで本日は水戸華之介のアコースティックライブ、「ウタノコリ~黄金の日々 一年半ぶりに贈る珠玉のアコースティックライブ」に行ってきた。

場所は代官山の「晴れたら空に豆まいて」。地図を印刷するためにライブハウスのサイトを検索したのだが、これが面白い。温かみをコンセプトにしたライブハウスと言えばいいだろうか。壁は土壁、畳と板張りの桟敷席があり、豆を重要視するとのこと。内装はまるでお洒落な喫茶店、もしくはレストランのようだ。そもそもアコースティックライブで使われるような座席のあるライブハウスに行ったことがないのもあるが、ライブそのものだけでなく、いつもと違う知らない空間に行く楽しみもできてより今日のこの日が待ち遠しくなった。

地図を見る。簡単に到着することができそうだが、念のため余裕を持って早めに家を出たところ、道に迷うことなく無事辿りつくことができ、入り口からリハーサルの音が聞こえてきて思わず覗き見をしたような、フライングをしたような気持ちになる。別に悪いことをしたわけじゃないとわかっちゃいるんだがドキドキするね。さらに入り口付近で開場時間を待っていたら入り口から出てきた水戸さんがさーっと横を通り過ぎて行ったのだから、ははは。心臓に悪いよ。

このライブに行くと決めたのはわりと最近のことなのであまり番号はよろしくない。うーむ、どのあたりに座れるかなぁとやや心配していたが、ちょいと前の方にちょうどよく見やすそうな場所が一つ空いていたのでこれは嬉しいと腰を下ろした。一人で行くと身軽で良いね。

ドリンクチケットはおはじきである。ライブハウスによってドリンクチケットに違いがあるのも面白い。バッジだったりコインだったり。こういうところにもそれぞれの特徴が表れてくるのだなぁ、としみじみしつつさっさとビールに取り替えて開演を待った。空きっ腹にビールは効くなー。ちょうど良い具合に酔ってきたぞ。しかしジョッキ重いなー。

空になったジョッキをドリンクカウンターに戻し、携帯電話の電源を切ってじわじわと開演を待つ。開場から開演まで、同じ一時間だとしてもやっぱ座って待てるとそれだけで楽だよなー。飲み物を飲みながら待てるってのもあるが、オールスタンディングほど待つのが苦にならなかった。お、ついに開演だ。

照明が落とされて登場するは藤原マヒト、澄田健、水戸華之介の三人だ! 待ってましたとばかりに始まるは「世界が待っている」! 大好きだ!

以下、セットリストとは言い難い曖昧な曲目である。

世界が待っている
愛に愛はあるのかい?
唇にメロディ、心に牙を
カナリア
犬と夕暮れ
地図
生きてるうちが花なのよ
かざぐるま
ジョンのうた
おやすみ
誰だ
(「わよ」と連呼する曲)
(ふたりで?)
天井裏から愛をこめて
(数年経ってから拾い上げた曲?)

~アンコール~
情熱の薔薇

蝿の王様
センチメンタル・ストリート
しあわせになれ

マグマの人よ

「天井裏から愛をこめて」までは曲名はともかくとして順番はだいたい合っていると思うが、そっから後は……ごちゃごちゃだ…。本編ラストが未聴の曲、アンコールは三回、ラスト二曲は間違いないはず。ただし最初のアンコールと二番目のアンコールの曲数は覚えておらず、もしかしたら一曲抜けているかもしれない気もする。うーん…無念。

数々の曲の中ですごいなと印象に残る歌詞ってのはいくつかあり、その「すごい」と思う理由もそれぞれ違うが、「世界が待っている」の「長い飛行機雲だな 未練がましくて スッとしないから好きじゃないな」には感性の部分にハッとさせられた。「あ! 飛行機雲だ!」と笑顔で空を見上げる人は今までも数限りなく見聞きしてきた。どちらかというとラッキーなものとして認識されていると思う。嫌なものと捉える人の話は聞いたことがない。あれに未練たらしさを感じ取る水戸さんの感性に驚嘆するとともに、目に浮かんだのは青空を分断する一筋の飛行機雲を眺めて眉を顰める男の顔だ。

「世界が待っている」「地図」「誰だ」「天井裏から愛をこめて」「蝿の王様」「マグマの人よ」が特に聴けて嬉しかった曲だが、今回特筆すべきは「ジョンのうた」だろう。ジョンのうた。あのさ、今までライブで涙目になったことはあるけれど、涙が流れたことは無かったぞ。ボロボロとまではいかないもののたらたら涙が垂れてきて鼻もぐずつき、もうちょっと勢いがついたらまさに泣いている状態そのものである。これは来た。

歌詞内容は男の子が母親と家を出て行くことになったが、飼い犬を連れて行くことはできず、飲んだくれの父親のもとに置いていかなければならなくなって………ってこんな文章読むよりもさっさと本物を聴くべきだ。悲しい歌だよ。胸に迫るよ。思い出すとため息が出る。歌ってすごいや。

「かざぐるま」「ジョンのうた」「おやすみ」としんみりした曲が続き、ぐっと盛り下がる観客、そして盛り下げた水戸さん。次はファンキーな曲で盛り上げていくつもりなだけのこのままでは何なので、ってことで面白いMCで笑わせてくれた。しかしここで話されたMCがどの内容だったかは忘れてしまったぜ! 澄田さんのお父さんが夏休みの工作を手伝ってくれたは良いが、作ってくれたのは三度笠と草鞋だった話か、同じく澄田さんがホテルでTシャツ一丁の状態でトイレに行こうとしたらドアーがオートロックで部屋から閉め出された話か、最近の子が曲中で褒め合いをしていて理解ができないという話か、どれだったかなぁ。

そしてファンキーな曲とは何かと言えば…「誰だ」が来た! いよっしゃーこれ大好きだ! そうかこれがファンキーな曲なのか! 未だにファンキーってのがどういうものなのかよくわかってないためにここで勝手に納得した! ちなみに自慢するこっちゃないが、何を持ってバラードと言うかってこともよくわかっていない。あれやそれがバラードらしいってことは何となくわかるんだが、わかるんだがな。

次の曲がまた面白かったなぁ。掛け合いがたっぷりで、「はりつめたー弓のー」と水戸さんがうろ覚えなもののけ姫っぽいものを歌い、マイクを観客に向けて歌わせた直後、「知らないのに歌うんじゃない!」って内容のことを言って笑いが起きたり、そしてあれだ。何と言ってもウルトラソウルだ。

「わよー!」「わよー!」と連呼する中で、「ウルトラソウルッハイッ!!」てのを混ぜてくるのだ。言わずもがな、B’zの「ultra soul」における有名な一節である。あれを掛け合いの中に混ぜてきて、しかも水戸さんによる「ウルトラソウルッハイッ!」の言い方のご指南もあった。よく知らない人は「ウルトラソウルッ」で拳を振り上げてしまうけど、一拍置いて「ウルトラソウルッハイッ!」で拳を振り上げるのが正しいそうだ。これを知らないとカラオケで一人先走って拳を振り上げて恥をかくはめになってしまうと言う。なるほど、良い勉強になった。

盛り上げ曲はまだまだ続く。今度の曲では水戸さんがステージから下りてきて観客をいじりまくっていておかしかった。歌いながら握手をしたり、一人の女性の手をとって頬に添えたり、客の眼鏡を抜き取って自分の眼鏡の上に重ねてダブル眼鏡にしてみたり、サービス満点である。いじられて嬉しそうな恥ずかしそうな、それていてちょっと困ったような顔をしてはにかむお客の様子も面白かった。

中でも一人、一番後ろに座っていたアフロっぽい髪型の男性は二度もいじられていて面白いやらおかしいやら。ステージを下りて一直線に男性のもとへと早足で歩いていく水戸さん、男性の髪をもしゃもしゃしたり、肩を抱いているのか抱え込んでいるのか格闘しているのかよくわからないものの、何となく男性が抵抗しているらしいことが伺えたり、さらにステージに戻ってからももう一度水戸さんはその男性のもとへ一直線、ついに男性も立ち上がりその場で一緒に踊らされていた。わははははは。すげぇー。

悲しみを吹き飛ばして沸き立つ観客は「あの」イントロのもとさらに沸騰する。「天井裏から愛をこめて」! 流れとしてはラブソング続きといったところだが、このラブソングは怖いよな! 「大好き大好き!」のコールがぴったりはまっていて感動した。「かび臭いのも素敵なものさ」の部分を歌う水戸さんがやけに格好良かったのが印象に残っている。爆発を前にして溜めに溜めている緊張感と怪しい声の響きのせいか。

本編ラストは未聴の曲で、タイトルを耳にしたはずだが忘れてしまったのが残念だ。「風」という単語が入っていた気がするのだが…。どうだったかなぁ。

アンコールの手拍子が鳴り響き、メンバーはすぐにステージに戻ってきてくれた。こっからなー。記憶が定かじゃないんだが、「情熱の薔薇」はブルーハーツのトリビュートに参加して、頑張って覚えたからせっかくだから歌う、ってことだったかな。笑えるのが、同じレーベル繋がりで参加することになったのに、録音した曲はそのレーベルをブルーハーツが出て行った後の曲だったことに録音した後に気付いたという話だ。わはははは。いい加減だなぁ。

ブルーハーツはテレビなどで耳にする程度でしか聴いたことがなく、「情熱の薔薇」も全く知らない曲だったが、特に違和感は抱かなかった。

「蝿の王様」も楽しかったなぁ! 「銭ゲバ! 銭ゲバ!」なんて実生活じゃまず使わない言葉だから、こういう場所で口に出すと新鮮だ。「ばいばい、落ちこぼれ」で手を振るふりがあったので真似してやってみた。ここだけじゃなく、ほとんどの振りは周囲の人の動きを参考にしながらやっていた。つっても夢中になりすぎて手拍子が止まったりもしていたけどね。手拍子することを忘れるほど引き込まれるってのはあるものだ。単にリズム感が無いために手拍子をうまく保持できないだけかもわからないが。うん、テンポによっては難しくて苦労するんだよな。うん。

「蝿の王様」には「ボランティアじゃねーぞ!」という歌詞があるのだが、ここで水戸さん、「ボランティアじゃないしぃ~」と女子高校生のような口調で一度つぶやいた。そのおかしさに笑いが起こる。が、もう一度、今度はふざけた調子を取っ払って「ボランティアじゃねーぞ!!」と一喝!! 直前とのギャップもあいまってものすごく格好良かった!

「センチメンタル・ストリート」を聴きながら、まだ一部のアルバムしか手にしてないが、水戸さんの歌詞には地図や未来図といった言葉がよく出てくるな、と思った。この曲の入っているアルバムも手に入れたいなぁ。気に入ったというか気になったというか。もう一度じっくり聴き直したい。

最後、水戸さんから「しあわせになれ」というメッセージをたっぷり受け取って、多幸感に包まれながらライブは終わった。だが手拍子は終わらない。客席を立つ者も現れない。無論自分もそのうちの一人である。追い出し曲が流れる中でだんだんとテンポが加速する手拍子を打ちながら、………やったー来てくれたー!

トリプルアンコール!! 嬉しい!

水戸さんはハンチングを脱いで手拭を頭にかぶった姿で登場。マイクを握り、「しあわせになれ」を一部歌った後、始まったのは「マグマの人よ」! あー…。ぐっとくるなぁー…。

「青空を見ようじゃないか」で手のひらをライブハウスの光に向ける。最後にこの曲が聴けるとは。歌を聴いて、言葉が耳から体内に浸透して、勇気が湧いてくる。明日も頑張ろうと前を見据える力が湧く。

アコースティックと聞いてイメージしたしっとりとした空間もそこにはあった。だが、美しく迫力あるグランドピアノ、どこか瑞々しさを感じるアコースティックギター、力漲る歌声とパフォーマンス、手拍子に掛け合いと、空間を支配していたのは力強い熱気だった。あぁ、アコースティックでもエレキでも、ロックはロックなのだなぁと、夢中になりながら、頭の片隅でふと思ったりした。

せっかくだ、何かCDを買っていこうと思い、物販に並んでいると出入り口付近の小さなスペースにふっと水戸さんが現れて、サインと握手をしてくれることになって驚いた。いや、前にもあったし今回もあるかなとは思ったが、告知も何も無かったから驚いたよ! 驚いたおかげであわあわ慌ててろくろく言いたいことも言えなかったが、嬉しかった。また大事なものが一つ増えたぞ。

未分類レピッシュ, 筋肉少女帯, 非日常




ライブが終わってからの数時間が好きだ。心地よい疲れに僅かなアルコールが体にしみて、心はふわふわとライブハウスの世界を引きずっている。現実と非現実の境をたゆたうような気持ちよさ。あぁ、幸せだなぁ。

本日観てきたライブはレピッシュと筋少の対バンライブ、正式名称「MUSUIC DAY 2010  SATURDAY NIGHT R&R SHOW 2010~SPECIAL Vol.2  supported by ぴあ LA-PPISCH / 筋肉少女帯」である。長いな。

筋少と別のバンドが対バンするライブを観るのは初めてだ。いつも筋少のワンマンばっかり観てるからなぁ。対バンだとどんな違いがあるのだろう。やっぱりセットリストは定番曲で行くのかな。レピッシュはどんな曲をやるんだろうなぁ、「レピッシュ」「make」「フラワー」しか聴いてないけど大丈夫だろうか。「COMPLEX」や「ガンジー」「三本辻の少女たち」やらんかな。サイクリングは絶対にやるよなー! 水戸さんゲストで来てくれないかなー。などなどなど考えつつ、思いっきり大胆に阿呆のように道に迷って後、SHIBUYA-AXに到着した。

いや…タカをくくって地図を持たずに来た自分が悪いんだが…。それでも開場一時間十五分前に到着したんだが…。準備が良いのか悪いのかさっぱりわからん。しかもだ。一度C.C.Lemonホール近くまで来た後、ぐねぐね歩いて東急ハンズまで戻り、携帯電話で地図を検索して思いっきり大回りをしてまたC.C.Lemonホールまで歩き、やっと目的地であるSHIBUYA-AXに辿り着いた。自分は頭が悪いのだと思う。

さて、先日ののほほん学校とブログで「早めに来てね」とオーケンが言っていたが何かあるのだろうか、ってだから開場の一時間十五分も前に来たってわけじゃないのだが、結果道の途中で試供品のポテトチップスをもらうことができた。わーい。

特にこれといったサプライズなどは無かったので、多分あれは筋少が先に出ることを言いたかったのだろう、と今になって思う。今回チケットの整理番号は三百番代後半。自分の基準ではかなり良い方だ。これは良いところで観られそうだなとわくわくしつつ、コーラを飲んだりそこらをぶらぶら歩いたりして時間を潰した。

そして筋少では内田さん、レピッシュではMAGUMIさんの正面前から三列目あたりの位置をとることができ、楽しくライブは終了した。……あー楽しかったー!!

やっぱりサイクリングやったー! アンコールでゲストに水戸さん来たー!
平成二十二年にまさかのポコチンロック! 話だけは聴いたことがあったがまさかこの目で見られるとは!
MAGUMIさんすげー! 四十六歳とは思えない動き! ジャンプ! 上半身裸! まさかの客席ダイブ! 初めてダイブ見た! しかもこの手で運んだー!!
つーか歌うたってトランペット吹くってすげぇ! 肺活量すげぇ!
マジック・ブルー・ケイスにCOMPLEXににハーメルンにプレゼント! 嬉しいなー!
橘高さんのピックシャワー、おいちゃんのペットボトルシャワー、MAGUMIさんのダイブを一度のライブで! ピックは取れなかったものの見るだけでも楽しかった!
「第二富士ホテル~♪」聴けたーー!!

とりあえず一番叫びたいところを叫んで満足した。さ、冷静に書くか。

セットリストはおぼろげだ。今回はあまり自信が無い。レピッシュを観ている間に忘れてしまったのだ。

イワンのばか

日本印度化計画
ロシアンルーレット・マイライフ
人間嫌いの歌

新人バンドのテーマ
元祖高木ブー伝説
アウェー イン ザ ライフ

踊るダメ人間
釈迦

レピッシュの方は知らない曲が半分くらいあったから、知ってる曲だけ順不同に。

COMPLEX
パヤパヤ
マジック・ブルー・ケイス
美代ちゃんの×××
ハーメルン
プレゼント

そしてアンコールではゲストに水戸さんを迎えてサイクリング! 十九時開演で終了は二十一時四十分頃。二時間半近くやったかな。

入場してから開演を待つまでの時間をどう過ごすかがいつも問題になるのだが、今回は近くにいた集団が二階席のファンキーさんに手を振ったりしていて面白かったので退屈せずにすんだ。そうかそうか、ファンキーさんも観に来てたのか。

照明が落ちると膨らむ期待感、それを叶えられる歓喜の心。メンバーがステージに現れ送られる声援! 一曲目はいきなりイワンのばか! うっわ最初から飛ばす気かー!?

と思ったら一曲目のイワン終了後いきなりMCが長々と。これが長かった! 十分以上喋ってたのではなかろうか。だが今回のMCはレピッシュと筋少の関係やポコチンロックの名前の由来、バンドブームにあったことなどを面白おかしく説明するという、当時を知らない若者や、片方のバンドだけ知っている人間に対して大変親切なMCだった。

「ゴールデンウィークにこんなところ来ちゃって! 今日以外の連休を持て余してるんでしょ?」「どう道を間違えたのか若い人もこんなところに…」と言って若者に向けたコールをし、コールが返って来た直後「年寄りは返事するなーー!!」と絶叫して笑いをとったり、ここらへんが最初のMCだったかな。

普段の筋少よりも曲と曲の間にちょっとしたMCがちょこちょこ入ったのはレピッシュファンに曲の説明をするためだろう。「良かったら一緒に盛り上がってくださいね」というオーケンのスタンスの表れだと思う。

レピッシュと筋少の関係は似たような時期にデビューして、何かのフェスで一緒になり、レピッシュは移動のバスでずっと「第二富士ホテル~♪」と歌って盛り上がっていて筋少側はげんなりしていたが、レピッシュと言えば「第二富士ホテル~♪」というほど印象に残っていた、しかし後に内田さんが恭一さんと一緒にバンドをやったときにその話をしたら「覚えとらん」と言われてショックだった、という話である。

ポコチンロックは、バンドブームの時代にやたらと「何とかロック」とカテゴライズすることが流行り、それに反発して「俺たちはポコチンロックだ!」と二人のキチガイ(レピッシュのMAGUMIさんとアンジーの水戸さん)が言い出して、それに筋少のキチガイ(オーケン)が乗っかったものであるそうだ。そしてポコチンロックのテーマなるものが手拍子つきであるのだが、オーケンが手拍子をしたことで当時を知っていた観客による手拍子が広がり始めてそのテーマ曲が歌われそうになると、「やめろー! 大人なんだから!」と必死な顔をして止めだした。笑った。

定番の日本印度化計画で盛り上げ、新たな定番曲であるロシアンルーレット・マイライフで。この曲の終わりの方でオーケンが入るところを間違えて「いっくよー!」と言ってしまったのだが、ここがすごかった。何がすごいってオーケンが間違えてもメンバーは全く動じてないのである。特に内田さんの平静さったら無かった。目の前で見てたから尚更印象深かった。「えっ?」と反射的に振り向くことすらしない。すげぇな。これくらいはアクシデントのうちに入らないのか。「いっくよー!」の掛け声に客席も含めて誰もついてこないって。すごいものを見た。

ロシアンのアウトロに入る前、オーケンが退場するふりをして、エディがライライ歌いだすと戻ってくるって構図はお決まりのようだ。そうそう、エディと言えばだ。あのポコチンロックの説明はポコチンロックを知らないエディに向けてしたもので、その会話を客席に見せるという形だったのだが、その時のエディのリアクションがいちいちオーバーで面白かった。ところで全く関係ないが、いったい何回ポコチンって打ってるんだよ今日の自分は。今日だけで今までの人生で使用した回数を突破したんじゃなかろうか。

そのうえさらにまだ打つぞ。ロシアンのお次は人間嫌い。ロシアンの後に曲をやるってのは珍しいなぁ、と思いつつン、タン、ンタタンと手拍子をしていると、一人オーケンだけ手拍子ができていない。タイミングがわからなくなったのか内田さんにやり方を聞いている。手拍子をしつつ様子を眺めているとオーケンが手拍子を再開した。しかし、おや、何かリズムが違うぞ。これは……ポコチンロックのテーマの手拍子だー!

さっきやめろと言ったばかりのくせに!

ポコチンロックのテーマを客に歌わせようとするオーケン。だが自分の周りでは照れていたのか、恥ずかしいのか、あまり声に出している人はいなかった。後ろの方はどうだったろう。

MCに入り、筋少が一度活動休止をした旨をレピッシュファンに説明し、「三分ほどの歌にまとめました」と前置きをして新人バンドのテーマへ。「新曲なんか聴きたくない~♪ 昔の曲をやってくれ~♪」と「パパ、ママどこ行くの~♪ うそ、やだ、若くない~♪」のところでドッと笑いが起きてた。何となく自分のことのように嬉しい。

年齢の話では、オーケンがアラフィフをオーバーフィフティと言い間違えたり、この中では若い方と言ったらあまり変わらないと内田さんに突っ込まれ、学年が違う、学年が違うことは重要だ、と力説していた。あと何か高城剛がキモいとかキモくないとか、話のネタはわからないが、若い女の子と結婚したんだか手を出したんだか、その系統のネタだったように思う。そして「キモいキモい言うアラフィフって」と自虐に走り、客席を煽ったりしていた。

高木ブー伝説は久しぶりに聴いたなー。聞き飽きた気もしていたが、改めてじっくり聴くと間奏が格好良くて好きだ。アウェー イン ザ ライフもだんだんノリ方がわかってきた。インザライフ!!

踊るダメ人間前にダメジャンプの元ネタ、Xの話をし、ガーッと盛り上がってそのまま釈迦へ。定番で固めたセットリストは久しぶりだったが、これはこれでなかなか。曲数は少ないながらもアコースティックも混ぜてきて、構成自体はいつもと変わらない。人間嫌いあたりで楽器を持ってない内田さんがオーケンにいじられてたっけ、そう言えば。

ところで今日の筋少は最前付近にも関わらずいつもより押しが少なく、苦しさを感じない程度に余裕があった。ふむ、対バンだからいつもとノリが違うのかな。ところがだ。

筋少が終了しレピッシュの始まりを待つ間、だんだんと人が前へ前へとつめてきた。あぁ、レピッシュファンが前の方に来たのだなと一人納得していたが、始まった途端すっげぇ押し! いつもの最前付近での雰囲気がいきなり再現され、うわああああああああああ!! 盛り上がりがすげええええ!!

そういや筋少のコーラス部分を合唱する人が自分の周りは少なかったような気がする。しゃららしゃかしゃかー、とか。つまりだ。位置的にややアウェーだったらしいのである。なるほど。

知ってる曲と知らない曲が半々くらいだが、今までのライブで見たことのない楽器、トランペットが演奏されるだけで何やら物珍しく、楽しい気分になれた。そして知ってる曲が間にやってくるとテンションが上がるわけだ! COMPLEXが聴けて嬉しいなー! コンプレックス! コンプレックス! コンプレックスまーみーれーっ!! 拳を振り上げてコーラス部分を合唱できた! 楽しい!

筋少はちょくちょくMCを挟んでいたのに比べ、レピッシュはMCが少なく、激しい曲を続けて演奏するので体感的によりハードに感じられた。また客の盛り上がりがすごい! MAGUMIさんがダイブしてからさらにヒートアップした印象を受ける。そりゃあボーカルがダイブして盛り上がらないわけがないからな! いやー負けないようにするのが大変だった。

MCでは「筋少の後だと普段着に見える」、アンプを指差して「うちのあのちっこいの…」と橘高さんの壁のようなマーシャルと比較して笑いをとって、恭一さんが「俺にとっては大きい方」と話したり、などがあった。普段着と言うか、筋少の後にレピッシュメンバーを見たとき自分は「まともな大人の格好だ…」と、つい、思った。つい。つい、な。

ハーメルン、プレゼントはしっとりと聴いた。この二曲は上田現トリビュートにも収録されている曲で、アルバムの中でも気に入っていただけに今回聴けて本当に嬉しかった。ハーメルンはオリジナルとBUCK-TICK版では歌詞が違うんだよな。子供達を連れて行こうとするMAGUMIさんの手つきが妖しかった。

レピッシュ退場後、アンコールの拍手が鳴り響き、歓声を受けて先にステージに現れたのはレピッシュ、そしてMAGUMIさんのコールにより筋少登場、そして! 前ふりに前ふりを重ねついに! ポコチンロックの一人、アンジーの水戸華之介の登場だー! やったー! 水戸さんだー!!

またオーケンがわざとらしく驚いて、「今までどこにいたんですか!」「ずっと話してたじゃない!」と漫才を繰り広げ、さっきMAGUMIさんがダイブした時、帰ってきたらMAGUMIさんじゃなくて水戸さんだった! なんてことになったら面白かったのにとオーケンが話して受けて、次にやるときはそうしよう、なーんて冗談が飛ばされていた。

この三組が揃って演奏されるのは言わずもがな、サイクリングである。MAGUMIさん曰く、アンコールらしい曲じゃないんだけどとのことだがそれも良し! 曲はレピッシュオリジナル版、ギターソロは橘高さん、って感じかな? オーケンと内田さんは下手の本城さん側に行き、水戸さんは目の前へ! 今日はいろいろな人を満遍なく見られて良いなぁ。

サイクリングの、曲が展開するにつれて、ドロドロというか、混ざっていくというか、混沌としていく怪しさが好きだ。おいちゃんと内田さんは楽器を持たずコーラスに専念。三人のボーカリストがマイクを握って熱唱しつつ歩き回る。迫力だ。

惜しむらくはもう一曲、せっかく水戸さんが来てくれたんだからアンコールでやって欲しかったなぁとも思うが、その「もう一口欲しい」と感じるところも含めて良いライブだったと思う。帰り道、レピッシュファンが高木ブー伝説を聴けて喜んでいる会話が聞こえて、これもまた対バンライブの楽しみの一つだな、なんてことを思ったりした。

そうだそうだ。CDの売れない時代だから、筋少ファンもレピッシュファンも互いのバンドのCDを買うようにしましょう、筋少ファンとレピッシュファンはCDの貸し借り禁止! とオーケンが話していた。ははは。いや、売れない云々は笑えないんだけどね。時代が変わったとはいえ寂しいものだなぁ。

未分類のほほん学校, 大槻ケンヂ, 非日常

オーケンのトークイベントであるのほほん学校に行ってきた。タイトルは「緊急開催大決定!GWのほ学だよ、行くとこないやつみんな来い!どうなる筋少ニューアルバム『蔦Q』!?」である。長い。

十八時半開場十九時開演、終わったのは二十一時四十分くらいかな。およそ二時間四十分に渡り時に爆笑、時にぐだぐだ、楽しませていただいた。まず夕飯に松屋へ入り牛丼の並を食して新宿ロフトプラスワンへ。前回来たときと同じ、下手側の奥の段差があって見やすい位置を陣取り、ビールを呑みつつトークを聴いた。前回はドリンクカウンターの位置がわからなかったため終演後にドリンクを引き換えたが今回は把握しているので大丈夫だ。休憩中にもう一杯追加で買って、そして家では発泡酒。ビール呑んだ後の発泡酒はどうしても薄く感じてよろしくないな。

開演を待つまでの時間はスクリーンに映されたCDJでの映像やこの間発売された「どこへでも行ける切手」のDVD映像を眺めて時間を潰した。いやーこういう時間潰しを用意してくれるのは親切で良いなぁ、と思ってる間にオーケン登場、しかし! ステージの上手側に何故かトマトジュースらしきものがこぼれているという謎のハプニング! どうやら前の出演者がこぼしたものらしいが、それにしても何故トマトジュースらしきものが。スタッフに要請して謎の液体を拭いてもらいつつ本日一人目のゲスト登場。アウェーインザライフの脚本家楠野一郎さんである。と、いうわけでまずはアウェーインザライフの話から。

アウェーインザライフの稽古をオーケンが見に行った話、その時オーケンが持っていったお土産が、歌を歌って台詞を喋ってと稽古で役者は咽喉がカラカラになるのに何故かパンだった話、しかもオーケンは稽古場見学に行く話をしていたのに楠野さんと待ち合わせ場所で落ち合ったとき、近くにある柔術道場を見に行かないかと誘った話、などがされた。お土産については楠野さんのブログに詳しく書かれていて、ブログで突っ込まれていたこととほぼ同じことをオーケンにぶつけていた。何故パンなのか。何故出演者は二十人近くいるのにパンは七つなのか。ロールケーキやハムのパンはともかく味の無いバターロールを選んだのは何故か、などなど。

パンが七つなのは七人の侍に関係して云々かんぬん、いくつかの映画の話を持ってきて、七という数字が重要であること、二十人のうちの七人こそが選ばれし者であり、みたいな話をしていたが、おかしくて忘れてしまったなぁ。ビール呑んでたし。何かあったらアルコールのせいにすれば良いと思っている面は、まぁ、否定できない。すまん。

柔術道場に見に行かないかと誘った件については、オーケンはギターの他にも何か始めたいと考えているそうで、その何かってのが武道の類らしいのである。それも東洋と西洋両方を一つずつ。昔空手をやっていたんじゃないのかなることを楠野さんに聞かれ、続かなかった的なことをオーケンは語っていた。

あと何だっけ。オーケンは演劇に興味があるのかって話になって、楠野さんに演劇興味ないでしょ、というようなことを言われて、いや、俺は古くから演劇に触れていた、とケラさんの話を持ち出してオーケンは語っていた。そこで有頂天は演奏の合間にコントを挟むバンドだったけど、あるときから急にコントの内容がシュールになって、その瞬間を目にして驚いた記憶があるとオーケンは語っていた。それで有頂天に在籍していたおいちゃんの演じていたシュールなコントを再現し、その再現のひどさから楠野さんに演劇とケラさんと本城さんをコケにしてるでしょ! とつっこまれていた。あと一人ケラさんとおいちゃんの間に名前が挙がっていたのだが、それについては忘れてしまった。オーケンは笑いながら「そんなことはない!」と否定していた。

オーケンの物真似ってのがまた似てなくて、この後にみのすけさんと、どういう流れかは忘れたがX.Y.Z.→Aのニイハラさんの声真似もしていて、ニイハラさんの方はどう聞いてもボースカの声にしか聞こえなかった。というよりオーケンが声の高い人の真似をしようとすると全てボースカになるんだよな。

それでそうだ、アウェーインザライフにからめて「蔦からまるQの惑星」発売の告知もして、ジャケットを発表っつって出されたのがあれだよ。爺さんの顔写真の上に「蔦からまるQの惑星」と書かれた透明の下敷きのようなものを重ねたり、前のオーケンが十歳の頃としまえんで描いてもらった似顔絵に蔦からまるQの惑星、その時オーケンのお父さんも似顔絵を描いてもらってそれにも蔦からまるQの惑星、さらにまたもう一枚似顔絵が増えて、それが何とその人の背後霊まで描いてくれるという似顔絵師、スクリーンに映されたオーケンの似顔絵の後ろにはゴーグルを額につけた謎の海パン男子が! それに蔦からまるQの惑星! 腹を抱えて笑った。最初のお爺さんの写真は誰だか知らなかったのだが、オーケンのお父さんだろうか。わからない。わからないけど笑った。

で、嬉しかったのが、「蔦からまるQの惑星」に収録されている「捨て曲のマリア」の完成版とデモ版を聴かせてもらえたことだ! アルバム発売前に曲を聴けるだけでも嬉しいのにデモ版までとは、大サービスだなぁ、嬉しいなぁ。個人的一番の目玉はこれだった。

まずは完成版の「捨て曲のマリア」を聴いてから、いっちゃん最初の「鼻歌版」へ。楽器の出来ないオーケンが鼻歌で作曲するのはファンの間では有名な話だが、鼻歌状態のものを聴くのはこれが初めてだ。どんなものだろうかと耳をすますと………鼻歌ではなく、熱唱である。しかもノリノリだ。

「ふ~んふふ~んふふふ~ん♪」のようなものを想像していただけにこれには驚いた。さっき聴いたばかりの完成版から曲を抜いたものにほぼ近い。曲が作られてない状態でよくぞここまで歌えるものだと感心するほどだ。いや、歌や曲の作り方をわからない素人が言うのも何であるが。

この鼻歌版はスタジオで録音されたそうで、オーケン曰く、スタジオにはビデオカメラがついているから、大槻ケンヂが入ったぞ、何してるんだろう、とスタジオのスタッフに、楽器も使わずノリノリで足でリズムを取りながら熱唱する姿を見られたかもしれない、とのことだ。鼻歌版にはきちんと手で腿を叩いてリズムをとる音も録音されていた。ちなみに、昔はペンで机か何かを叩いてリズムをとって録音していたのだが、あまりにふざけているとNARASAKIさんに怒られて以来それはやめたらしい。………あまり変わらない気もするが。

この鼻歌版を内田さんに渡して曲を作ってもらったそうで、その第一段階はジャズ風のものだった。音はズンドコ、いや、ズンボコかな。完成版よりもムーディーで、ズンズン響く感じがする。しかしこれ、オーケン的には少し違うらしい。というわけで、TOTOっぽくとイメージを伝えて作り直してもらったのが第二段階、これを元にしてレコーディングをしたそうだ。

この第二段階も聴かせてもらい、その後に再び完成版を聴いたのだが、ほとんど曲調に変わりはないものの完成版の方がずっと筋少らしい。第二段階だと格好良いのだが「らしくない」感じが強すぎるのだ。いったいどこに違いがあるのだろう、と考えるまでもなくわかった。橘高さんのギターの有無の違いだ。橘高さんの「ギュワーン」というギターの音が入るだけで一気に筋少らしくなるのだなぁ、て思ったね。

おいちゃんの持ってくるデモはいつも完成されていて直すところがないそうだ。これは初耳で驚いた。おいちゃんすごいなぁ。

この後かな? 流れは忘れてしまったが、オーケンと水野美紀さんの演技対決ビデオが流された。「稽古を見てたけど、あれくらいなら俺にもできる」と嘘くさく豪語するオーケンと水野さんに同じお題を出してそれぞれに演じてもらうというものである。ちなみに水野さんは九時間の稽古の後このビデオを撮るために演技をしてくれたのだそうだ。しかもその頃にはオーケンは既に帰っていたそうだ。ひでぇ。

お題は「うきうき気分で家を出たら犬の糞を踏んでがっかり」「愛する人を守って銃で蜂の巣にされる」「コンビニで肉まんを買って食べたら腹からエイリアンが出てきた」というもので、加えてもう一つ、オーケンのみ「殺人拳で恩師を殺してしまう」なるお題が出されたが、結果は言わずもがなである、っつーかオーケンはそもそも演技をすることに照れていて、始終ニヤニヤしていたりやたらと変な顔を作っていたりしていた。対して水野さんの迫真の演技はすごい。何というか漢らしい。特に三つ目のお題「コンビニで肉まんを買って食べたら腹からエイリアンが出てきた」では、本当に肉まんを頬張っているように見えるリアリティ、腹に異常を感じながらも尚も肉まんを食べ続ける食い意地、服に手を突っ込んでドーンと突き出しエイリアンが腹を破る様を表現するときの大胆な動き、表情! 格好良かった、すごかった。面白かった、笑えた。

綺麗な人が顔を崩すことを厭わず、すごい表情や動きをしたりするってのは格好良いなぁ、美しいなぁ。大好きだ。

他にもオーケンはコーナーを用意していたそうなのだが、思わぬところ、どこかっつーとパンのくだりなのだが、そこで時間を使ってしまったため全部消化することはできず、また来てくださいねと挨拶をして楠野さんは退場。しばしの休憩を挟み第二部へ。休憩時間中は「どこへでも行ける切手」のハイライトシーン、おサル音頭の映像が流されていた。この隙に温くなったビールを飲み干して新しいビールを買いにドリンクカウンターへゴー。受け取った後段差に気付かずバランスを崩してちょっとビールを零してしまった。人にかけることはなかったが、右の袖を通ってビールが腕を伝っていき、自分の席に戻ってから腕まくりをしてハンカチで拭ったもののベトベトは残ったままで、自業自得ではあるもののこれはちょっと嫌だった。

第二部のゲストは末飛登さん。筋肉少女帯の元マネージャーで、ステーシーあたりの時代にオーケンと「T.P.M」という遊びのフォークバンドを組んだり、いくつかの曲にコーラスを入れたりしていた人だ。自分の中では末飛登さんと言うとまず思い浮かぶのは「お散歩モコちゃん」である。よって、末飛登さんが登場してからしばらく脳内BGMはお散歩モコちゃんだった。ラ~ラララララララ~♪

ということでT.P.Mで地方ライブをしていた頃の映像が流された。「長髪の頃の俺だ!」と昔の自分の映像を見て驚くオーケンが面白い。おっかけてきたファンの女の子達がしょっちゅう画面に映り、彼女達を見てオーケンが「知ってる人だ!」と懐かしそうにしていた。

そして盛り上がったのが妊娠、出産の話である。二ヶ月ほど前に末飛登さんは娘さんが生まれたそうで、そのことに対しオーケンがひどく関心を抱いていた。妊娠すると奥さんはどうなるの? 酸っぱいものや壁土が食べたくなるって本当? マタニティブルーってあった? 子供が生まれると変わる? などなど。オーケンは結婚はしたいとは思わないが子供は欲しいと思うそうで、散々質問した挙句末飛登さんに婚活をしたらどうかと勧められたら困ったような顔をして話題を変えてしまった。そうそう、それで末飛登さんに携帯電話で娘さんの写真を見せてもらったときだ。「あの」ボースカの声になって、「いやーんかわいー、パパでしゅよー」なることを呟いていて末飛登さんに突っ込まれていた。「パパでしゅよ」はだめだよな、そりゃ。わはは。

この後だろうか? 公開ギター練習へ。練習してるけどなかなか上手くならない、ギターを始めてからいかに橘高さんと本城さんがすごいかわかったとオーケンは語った。それで何だっけ。家で練習したときはもっと上手く弾けたのに! なることを言ったら橘高さんに怒られたそうだ。橘高さんがプロデュースしている若いバンドの子も似たようなことを言って怒られたらしい。オーケン……。

曲目は「あのさぁ」「オンリー・ユー」「猫見に行ったら犬がいた」「テレパシー」「Guru」…の他にもあったな、確か。順番もぐちゃぐちゃである。ただ、やたらテンポが速かったり、途中で立ち止まったりはしたものの、結構様になってたよ! すごいよ! 前に見たときよりも上達してるって! などとネットに書くとどんどん話が大きくなってハードルが上がるから困るそうだ。でもなー。本当、弾き語りライブも夢じゃないと思うなー。飽きなければ。

ってな感じで盛りだくさんののほほん学校は終了。最後の方でオーケンより「皆さん連休を持て余してください」なるありがたいお言葉をいただいてロフトプラスワンを後にした。終演後にかかった最初のBGMは「アウェー イン ザ ライフ」。もちろん最後まで聴いてから外に出た。

明後日のレピッシュとの対バンライブも楽しみだ。こんな近くに楽しみが集中しているなんて贅沢だなぁ。

未分類筋肉少女帯, 非日常

筋少って何でこんなに楽しいんだろう…。

そんなわけで本日も、昨日に引き続いてGod of Thunder ! Day 2に行ってきた。あぁーもう本当、肋骨が痛いことなんざどうでもよく感じるほど楽しかったね! 最高のエンターテイメントだよ。

本日のセットリストは以下の通り。恐らく完璧に近いはずだ! 頑張った!

トゥルーロマンス
くるくる少女

ソウルコックリさん
ハッピーアイスクリーム
ロシアンルーレット・マイライフ

アウェー・イン・ザ・ライフ(新曲)
踊る赤ちゃん人間
暴いておやりよドルバッキー

世界中のラブソングが君を
爆殺少女人形舞一号(新曲)

これでいいのだ
パリ・恋の都
ドナドナ
ツアーファイナル
心の折れたエンジェル

~アンコール~
ゴミ屋敷の王女(新曲)
仲直りのテーマ
未使用引換券

釈迦
トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く

まさか新曲をもう一曲聴けるとは思わなかった。昨日とほぼ同じ曲目でありつつ、定番曲をばらしたり、昨日か今日のどちらかでしかやらない曲があったりと、両日行く人間にとっても大満足なセットリストだ。サービス精神旺盛だなぁ。

一曲目はお馴染みのイントロでトゥルーロマンス…なのだが、イントロのギターが一箇所調子が外れたかな。しかしそれ以上にオーケンの歌詞がメッタメタだった。すげぇ! ひでぇ! 新曲の歌詞を覚えるのに夢中で忘れてしまったのだろうか。あまりのメタメタっぷりに思わず喜んでしまった。

本日は下手の端から客電が落ちたと同時に移動して、オーケンと内田さんの間あたりの六、七列目に立つことができた。それでだ。昨日書いた、「客電が落ちた後に一瞬だけ発生するぽっかりと空いた謎の空間」がどうして発生するものなのかようやくわかった。柵のせいなんだな。中央が柵で区切られてて、今まで柵の前までみっちりいた人々がわーっと前に詰めて行き、だけれども柵の後ろの人は前に進まないわけだから空いた空間ができるんだ。気付くのが遅いな、我ながら。

見晴らしは上々、なかなか良い位置だ。くるくる少女で盛り上がったところでMCに入る。昨日のTwitterコントの話を引っ張りながらオーケンが…何をここで喋ったっけ。夢中になりすぎて忘れてしまった。わはは。

ソウルコックリさんは語りのところでヘイヘイコールとメンバー紹介。今回はおいちゃんは「ギター、Twitter!」ではなくいつも通りに「ギター!」だけ。長谷川さんを紹介するときは「サポートドラマー! 長谷川浩二!」だったけど、エディのときは「サポーテッドピアニスト、三柴理、エディ!」だった。サポートとサポーテッドで言い換える理由は何かあるのだろうか。気まぐれか?

ソウルコックリさん、ハッピーアイスクリーム、ロシアンルーレット・マイライフは昨日と同じ流れ。ハッピーアイスクリームを二日続けて聴けて嬉しい。周囲の掛け合いがバッチリでテンションがガンガン上がる。ハッピーアイスクリームは掛け合いの言葉も決まったパターンだからわかりやすくてやりやすいね。ロシアンの掛け合いも盛り上がった! アウトロのだんだん早くなるオイオイも楽しい。酸欠を感じつつもここで途切れてなるものかと気合で持ちこたえ、やりきった後の達成感! 気持ちが良い!

ロシアンが終わったら休憩でMC。ここでオーケンが、昨日はゲストで水野さんが来たという話をした。楠野さんも来たのに楠野さんには一切触れず、水野さんについてのみ語っていたオーケンはらしいなぁ。

昨日来ていなかった人のためにオーケンが説明を始める。しかし「風車男ルリヲを歌った」「首がないんだよ、のところがゾクッと来た、流石役者さん」「ルリヲの後猿の左手象牙の塔を歌った!」「そしてワダチを歌った!!」と嘘ばっかり言っていた。客席の反応から、ルリヲのあたりまでは信じていた人もいたようだ。流石にワダチまで行ったら気付いたようだが、でも、それは置いといて、だ。ワダチやってほしいよ。やってくれよ!

そういやオーケン猿の左手象牙の塔の存在をちゃんと覚えていたんだな。失礼ながら少し意外だった。何となく忘れているような気がしてた。これもいつか歌ってくれんかな。好きなんだよ、特に最後の方が。今のオーケンが歌うとどんな風になるのだろう。

舞台アウェーインザライフの紹介を少しした後に、新曲「アウェー・イン・ザ・ライフ」へ入る、その前に。新曲だから皆ノリ方がわからないだろうからとオーケン先生の指導により練習することになった。

まずオーケンが「アウェー、アウェー、アウェー、一つ置いて、インザライフ!」と自ら調子のとり方の手本を示し、長谷川さんにドラムを叩いてもらって客席皆で小声で歌いながら練習をする。自身もそのうちの一人だったが、変な光景だった。

普通ないよなー、わざわざノリ方の練習をするなんて。でもこういうのをやっちゃうところが筋少の面白いところなんだよな。練習の成果もあって、昨日よりはノれたかな? けど、まだ「DESTINYをぶん殴れ」につられるところがあった。ついつい「殴れ!」って言いそうになってしまうのだ。アルバム聴き込んだら慣れるかな。

スタッフがよだれかけをオーケンのクビに巻き、ガラガラを手渡したら踊る赤ちゃん人間をやる合図だ。オーケンはガラガラを振りながらいつものように「あばばあばば」と言いながらふざけていたが、何度も見た光景なので幸か不幸かもうすっかり慣れてしまった。あの姿が「普通」に見えてしまうとは。恐ろしい。

あ! 思い出したぞ。ソウルコックリさんの前には確かラーメン筋肉少女帯のMCがあったんだ。どういう流れかは忘れきったままだが、オーケンが「明治通りにラーメン筋肉少女帯の恵比寿店を作る!」と妄想を語りだして、右手を振ってやたらと湯切りの真似をしていたんだ。面白かったのはオーケンが湯切りの真似をするたびに、いちいち橘高さんがギターで湯切りの効果音を入れてたことだ。オーケンも「そんな入れてくれなくてもいいよ!」と笑っていた。わはははは。優しいなぁ。

オーケンの湯切りに「なってない!」と突っ込みを入れたのはラーメン好きのおいちゃんだ。このやりとり笑ったなぁ。そしてラーメンの話はその後も引き継がれ、赤ちゃん人間の前にオーケンがガラガラを振ってまた湯切りの真似をして、それにもいちいち橘高さんがギターで効果音をあてていた。

赤ちゃん人間、ドルバッキーと盛り上がったところで休憩、そしてアコースティックタイムへ。オーケンがタイトルコールをしようとしたものの「世界中の…」で噛んでしまい、ドッと受けた客に向かって橘高さんが「いつものことだろ!」と突っ込みを入れていた。

昨日もアコースティックでゆったり聴いたときに思ったことだが、やっぱオーケン歌うまくなったよなぁ。何だか上から目線の感想で申し訳ないが、そう思う。しっとり聴けて気持ちが良い。

お次は「爆殺少女人形舞一号」。ここだったかな。橘高さん、オーケン、おいちゃんと三人並んだところでオーケンが二人に「どんなテレビを見てるの?」と話を振った。橘高さんはテレビはあまり見ないけど、夕方のニュースの、万引きとかクラゲが大発生だとか、そういう特集が好きらしい。おいちゃんはラーメン番組の他、大食い番組も見るそうで、とある大食い番組で「爆食女王」の文字を見てから「爆殺少女」のタイトルを見るたびそれを連想してしまうそうである。

と、いう話をおいちゃんがしたところで、「そうねー、爆殺少女人形舞一号って小説を今書いてるのよ」とオーケンがいまいち繋がってない繋げ方をしたが、これは単にオーケンが自分の話を喋りたかっただけなのだろう、きっと。そしてオーケン、おいちゃんに「俺の小説読んでないでしょ?」と聞くと「読んでない」との返答が。けど「もらえたら是非読みたい」のだそうだ。対して橘高さんはオーケンの小説をもらって読んでいるらしい。「うまくなったね」と褒めていた。

このやりとりが終わった後で新曲「爆殺少女人形舞一号」が。オーケンは「新曲」と大々的にコールせず、イントロの中で静かにタイトルを口にしただけだった。昨日の客の歓迎振りから自信を持ってのことかな、と思う。

二度目に聴くのでどんな展開の仕方をするのかはだいたい把握しているが、やはり良い。昨日のような衝撃は無いものの、待っていたものを与えられる幸福感がある。今度はなるべく歌詞を聴き取れるように注意して耳を済ませた。だけれども全てを頭に収めることはできない。早く歌詞カードを見つめながら聴きたいなぁ。イントロはピアノで始まる。昨日の「捨て曲のマリア」もそうだったかな。

怒涛の後半戦前に本編最後のMCに。オーケンが役者を目指す話を始めた。オーケン曰く、主人公が悩んでいるときにちょっとアドバイスするだけで、普段はぼーっとしているような、そんな役者になりたいらしい。そして内田さんに「役をあててくれ」と無茶振りをする。内田さんがオーケンに与えた役は「新進気鋭のラーメン屋」。またしきりに湯切りをするオーケン、勢いをつけすぎてラーメンが背後にぶっ飛んでいくオーケン。

しばらくラーメン屋になりきった後、「自分で役を決めていい?」と内田さんから許可をとり、「十三年の間無実の罪で檻の中に閉じ込められ…しかし、最後には自分の人生はこれてよかったと肯定する、いや、こういう事件はあっちゃいけないんだけど…」と「無実の罪で十三年間檻の中に閉じ込められた男」の役になりきって、タオルを掲げて「これでいいのだ」! うわー!!

待ってましたとばかりに盛り上がる客席! だが! ちょっと盛り上がりすぎだ! 特に隣のおっさんが凄まじい。縦横にでかい体で揺れまくり、そのうえハイになりすぎてんだか素なんだか知らないが周囲の客と明らかにノり方が違う! 大暴れするにしろ周囲とノリが合っているなら対応できるが、そうでないためぶつかり、潰されるばかりである。痛い。すげー痛い、つーか怖い。

こりゃたまったもんじゃねぇ、と文化系チビのオタクである己はドナドナあたりでおいちゃん側に避難して事なきを得た。これで移動ができなかったらきつかったな。

ツアーファイナルでは照明がバシバシと激しく点滅して目に刺さるようだった。すっげー格好良いけどポケモンショックとか、そんなことにはならないだろうか、と思いつつも必死で拳を振り上げる。続けて本編ラストは心の折れたエンジェル! エンジェルコールたまらねぇ!

ほっと一息ついてアンコール。メンバーはすぐに出てきてくれて、曲の前にトークコーナーが開始された。何だっけ。メンバーとのお話タイムとか言ってたっけ。違うかな。

オーケン、今までも何度か話していたが、エロに興味が無くなった、枯れてきたと語りだす。人からもらったものも含めて、今まで所有していたアダルト雑誌やDVDをだいぶ処分してしまったそうだ。だが、それでもベスト5だかなんだかは捨てられず手元に残しておいたらしい。そのベスト5の一人の名前をあげ、内田さんに話を振る。

内田さんといえば猥談嫌いで有名だ。視界が悪いのでずっと見えていたわけではなかったが、オーケンがその手の話をしている間内田さんはずっと腕組みをして客席の上の方を眺めていた。そんな内田さんに「ねぇ、聞いてる?」と声をかけるオーケンすげぇ。しかし、さらにすごいのは、内田さんが話に乗ってきたことだよ!

オーケンが名前を挙げた人物に対して「ラッパを吹く人でしょ? 知ってるよ」と返答する。オーケンは「ほら貝だけどね」と一部訂正をする、そしてステージの端の方で大笑いをする橘高さん、嬉しそうなオーケン。橘高さんがこういう話で大うけしてるのが嬉しいらしい。笑いつつ橘高さんは、「内田が絡んでて、いいなぁと思ってた」と感想を漏らした。やっぱ珍しいことなんだな。

トークが終わってアンコール一曲目は新曲「ゴミ屋敷の王女」。おお! これは昨日はやってない! まさか新曲を四曲もやってくれるとは思わなかった! 嬉しいなぁ。歌詞は部分部分しか覚えてないが、「ガラクタか宝物」が耳に残った。ラストは女性二人の声とオーケンの声が重なったコーラスが流される。これも早くアルバムで聴きたいなぁ。

「ゴミ屋敷の王女」が終わると間髪入れずに「仲直りのテーマ」! 「未使用引換券」! 二日続けて未使用引換券とは嬉しいな! もちろん仲直りのテーマも大好きだ!

そして最後のMCへ。よく覚えてないがオーケンは内田さんにトークを勧めた。すると内田さん、昨日振られて喋れなかったから今日は話を用意してきたと嬉しいお言葉! 客席もワーッと盛り上がった。

内田さんが長々喋るのは珍しい。今度レピッシュと対バンするという話から始まり、この間オーケン内田、MAGUMI恭一で対談をしたんだけど、記者だか司会者だかに「二組とも中学からの同級生なんですよね」と話を振られたら全員黙り込んでしまった、と話してくれ、客席からドッと笑いが起きた。

それに対してオーケン、さっきので何が受けたのかわからない、むしろ内田さんが喋ってる最中に痰が絡んでいたことの方が面白かった、と発言。内田さん、さっきコーラスをたくさんしたから痰が絡んだと話す。

そこから「何でこんなにコーラスが多いのか」という話になった。これについて橘高さん曰く、「内田の家でプリプロをするんだけど、コーラスは客に盛り上がって欲しいところで入れていて、作業が長くなるにつれ寂しさが増すと、客の反応を考えているうちにどんどんコーラス部分が増えてしまう」とのこと。正確ではないがだいたいこんな内容だった。なるほどそういう経緯だったのか。

つっても、筋少のあの野太いコーラスは大好きだから、例え寂しくなくてもガンガン入れてほしいな! 楽器隊は大変だろうけど。

この後だろうか。ちょっと順番が曖昧なのだが、中学時代に内田さんがオーケンの部屋に勝手に入ってくるのは嫌で、オーケンは自分の部屋に画鋲を撒いて「マキビシ!」などと言いながら撃退しようとしたのだそうだ。これ、多分初めて出た話じゃないかなぁ。客席の驚きの反応がすごかった。しかし内田さん、めげずに画鋲をよけて歩いたのだそうだ。

また、当時のオーケンの部屋はゴミ屋敷のように散らかっていて、内田さんと友人の何人かでオーケンの部屋を掃除にしに行ってあげたことがあるそうだ。どんだけ汚れていたというのだ。するとベッドの下から何かが出てきたと話す内田さん。まさか内田さんらしくない話を自ら内田さんが…? と思うと、出てきたのは「大量の湯飲み」。これには笑った。

「何で湯飲みがあったの?」の質問に「湯を飲んでたんだよ!」と答えるオーケン。それにしたって大量の湯飲みって。いったい大槻家にはいくつ湯飲みがあるんだ。さらに何でベッドの下に溜め込むのだ。全く意味がわからない。

「ゴミ屋敷の王女」に関連して、ゴミ屋敷で孤独死するのは不幸なようだけど、それを選んだ本人にとっては幸福なことなのかもしれない、というような内容のことをオーケンが話した。そして、「俺は孤独死すんだろうな~。孤独死したら湯飲みを内田にあげるよ」と続け、内田さんが湯飲みを握る仕草をして「オーケン…」とつぶやき、「オーケンが湯のみになっちゃった…」とオーケンが説明を加える。そのやりとりの面白さにおいちゃんも宇宙から帰還した。

残りはあと二曲! オーケンが煽ってキラーチューン「釈迦」の開始! よっしゃあ釈迦だ! 聴きたかった! 咽喉が張り裂けんばかりに「シャララシャカシャカ!」と大声で叫び、拳を振り上げもみくちゃになり、ラストは何かと思えばトリフィドだ! この曲も久しぶりだー!! 聴けて良かった! ちょうど今小説のトリフィドを読んでるところなんだよ! だからどうしたって話だが、盛り上がるよな!

二日目のライブも大満足で終了した。楽しかったなぁ。そういえばアンコールの時かな、初めておいちゃんのペットボトルシャワーを浴びたよ。あれ冷たくて気持ちが良いな。ピックは二回ほどとれそうな位置まで飛んできたけど残念ながら。次はとれるといいな。

一瞬でジンバックを飲み干してモスを買って帰宅した。昨日も思ったことだが、筋少は本当に楽しい。出会えて良かったと心から思うよ。

未分類筋肉少女帯, 非日常

押し合いへし合いのぎゅうぎゅうづめになって、赤の他人の汗にまみれたり髪の毛が口に入ったり殴ったり殴られたり、呼吸困難になったとしても、それでも最高に楽しかった!! と思えるってのは素晴らしいことだ。行ってきたぜ! 春のGod of Thunder ! Day 1に! ああーああああああ! もう! 最高だった!

ニューアルバム「蔦からまるQの惑星」のレコーディングが先日ついに終了したということで、今回は新曲を三曲披露してくれた。アルバム発売前にライブで新曲を聴くのは実は初めての体験で、前情報で今日は聴けそうだって話を耳にしてから非常にわくわくしていた。が、同時にちょっと不安でもあった。HMVのサイトで曲のタイトルが公開されているのを見て、「筋少っぽくないな」と思っていたからだ。

どちらかというと特撮テイストのタイトル群だ。そしてセルフカバーにはUGSのワインライダー・フォーエバー。個人的に、筋少と特撮とオーケンソロはそれぞれ分けてほしいと考えている。それぞれに個別の味があるんだから個性を際立たせるためにもごっちゃにならないでほしいなぁ、ってね。新人にGuruが収録されたときにもこれは思った。だって全部混ざってしまったらもったいないじゃないか。

だが、披露された三曲、特にそのうちの一曲を聴いたらそんな不満もぶっ飛んだ。何だこの格好良さは!

さて、セットリストである。だんだん覚えるコツを掴んできたぞ。

くるくる少女
へそ天エリザベスカラー

ソウルコックリさん
ハッピーアイスクリーム
ロシアンルーレット・マイライフ

アウェー・イン・ザ・ライフ(新曲)
仲直りのテーマ
踊るダメ人間

生きてあげようかな
爆殺少女人形舞一号(新曲)

イワンのばか
バトル野郎~100万人の兄貴~
ドナドナ
ツアーファイナル
トゥルーロマンス

~アンコール~
捨て曲のマリア(新曲)
君よ!俺で変われ!
未使用引換券

サンフランシスコ
心の折れたエンジェル

くるくるのへそ天のコックリさんがハッピーアイスでロシアンコサック、アウェーに仲直りしたけどダメ、それでも生きてあげようかな爆殺少女でイワン野郎がドナドナでツアーファイナルはロマンス、捨て曲で変われ! 未使用のサンフランシスコで心折れる、みたいな感じに記憶した。どんな話だ。

あと「ソウルコックリさん」「ハッピーアイスクリーム」「ロシアンルーレット・マイライフ」の流れは亡霊ゾーンと頭の中で勝手に名付けた。

今回整理番号はBの200番台、後ろも後ろの方なのでゆっくり家を出たらちょっとゆっくりしすぎたらしく、ライブハウスに着いたら既に開場時間になっていた。入場が遅れる心配は無いがロッカーが使えない危険性は多いにある。電車に揺られてリキッドルームに向かう途中にそのことに気付き、やべーなぁと思ったが、何とかロッカーは確保できたので一安心。上着と鞄を身につけたままライブに行くのは避けたいからな。

番号を呼ばれて中に入ると当然と言えば当然だが中は人人人の人の山。流石今年最初の筋少ライブ、皆さん気合が入ってらっしゃる。ソールドアウトしたって書いてたしなぁ、さーてどこに行くかなぁ、と、考えて、おいちゃん側に行くことにした。良さげなところを見つけたらしばらくはまったり待つだけである。

時間通りかな? 五分くらいは押しただろうが。体感としてはほとんど時間通りに客電が落ちて、だーっ!! っと民族大移動が始まる。前にもあったが、突然目の前にぽっかりとした空間が出来て、そこへ向かって進んで行くといつの間にやら前から六列目付近、といった感じになった。このぽっかり空間が出来るのが不思議なんだよな。多分、前の人がものすごくつめたことで一瞬だけ発生するものなんだろう。

しょっぱなからくるくる少女で盛り上げて、お次はへそ天エリザベスカラー! よっしゃあ! この曲大好きなんだよ! 年末には聴けなかったから大喜びしてしまった。今日のライブは新人・シーズン2の聴きたかった曲が多めに感じて興奮した。かなり好みの曲目である。たまらん!

へそ天が終わって最初のMC。これがすごかった。冴え渡っていて尚且つ神がかっていた。しかも長い! まだ二曲しかやってないとは思えないくらいだった。

話のネタはTwitterだ。いやー、オーケンがTwitterを気にしていることはエッセイなどでわかっていたことだが、そのくせ全くTwitterというものを理解も把握もしてない事実が判明して大笑いをした。

最初になんだっけ。「ライブに集中しろよ! Twitterなんかするなよ!」という内容のことをお客に言って、「でもおいちゃんはいいよ」というように繋げて笑いをとり、それに対しておいちゃんが「冒険から帰ってきました!」と高らかに帰還報告をして、おいちゃん前のお客がワーッと盛り上がる。でもオーケンはおいちゃんが何を言っているのかわからない。

「冒険」と言うのは橘高さんの説明によると、おいちゃんがレコーディングの状況をTwitterでつぶやいて報告していたのだけど、専門用語を使ってつぶやいても意味がわからないので、RPGゲーム風に例えてつぶやいていた、ところが「冒険」になぞらえた結果かえって意味がわからなくなった、ってことだ。おいちゃんが横でTwitterを使うのを橘高さんは何度も見たらしい。この橘高さんの補足説明は他の場面でのMCだったかな。

話は戻って、全く意味がわからないオーケンは「そうやってネットやってる人しかわからない話をして!」と拗ねて、「じゃあおいちゃんから次の曲をつぶやいてもらうよ!」と言い、黒いティッシュ箱を取り出してそれをiPadに見立ててTwitterの真似事を始めたのだ。これがもうすっげぇ面白かった。

オーケンはTwitterをメールの仲間のようなものだと思っているらしい。オーケンに乗っておいちゃんがTwitterでつぶやく真似をすると、オーケンはiPadという名のティッシュ箱を片手に「今おいちゃんのつぶやきが届いたよ」「フォロワーするよ」と名言を炸裂させ、客とメンバーを大受けさせた。

しかし笑われたところでオーケンは何がおかしいのかわからない。しょうがなく内田さんがTwitterはそういうものじゃないと教える場面もあった。こんなコントのようなやりとりを続け、やっとおいちゃんからオーケンのiPadに届いた曲名を読み上げて曲に入る。ソウルコックリさんだ! 初期曲ライブでやって気に入ったのかな?

ソウルコックリさんは語りは無し。語りの部分でメンバー紹介をするも、メンバー紹介する間奏を間違えてちょっとぐだぐだになった。歌詞も「テレビもねぇ!」ばかりになってたな。わはは。

ソウルコックリさんの後はハッピーアイスクリーム!! やったー! ハッピーアイスクリームをライブで聴くのは初めてだ! 嬉しい! 楽しい! うわー! これは掛け合いが盛り上がっていいなー! 前の方にいたからわからなかったけど、少女の声は録音したものを流していたのだろうか。それとも客のレスポンスだけかな。見える範囲ではバッチリ掛け合いが決まっているように感じた。

亡霊ゾーン最後はロシアンルーレット・マイライフ! 今回は位置のおかげでエディもバッチリ見ることができた。これも掛け合いが最高に楽しい。脳内麻薬がバンバン出る。うわー!!

ロシアンの後がMCってのはお決まりのパターンだ。疲れる曲だしな、これ。おかげでセットリストを記憶しやすい。オーケン曰く、ロシアンは新しい曲だけどもう立派なキラーチューンになったとのこと。本当にそうだと心から思うよ!

このMC中にプロペラ犬の楠野さんと水野さんが登場。楠野さんはロシアンのときにこっそり入ってきていたらしいが自分の位置からは見えなかった。せっかく出てきたのにオーケンが面白がってなかなか楠野さんを紹介しないため、困る楠野さんが面白い。

楠野さんの紹介を済ませた後、オーケンが「水野さんは来ないの?」と楠野さんに尋ねる。「水野さん忙しいからなぁ…」と最初に無理そうな顔をして、「来てるかも」と答えたとき、客席から「うそっ!!」と思いのほか大きな声での反応があり、あまりの反応にびっくりしたのか珍しくオーケンが客の声を拾っていた。

あと一回客の声を拾った場面があったな。何かの流れでオーケンが拗ねて見せたとき、橘高さんが「拗ねるなよ!」と突っ込みを入れると、客席から「かわいー!」と声がとんだ。するとオーケン「かわいいでしょ?」と反応し、すかさず橘高さんが「かわいくないっ!!」と全否定。これも笑えた。

「でもねぇ、四十過ぎたら男は可愛さを武器にするしかないんだよ。あとは財力」「筋少は……可愛さしか武器にできないから」とオーケン。そっからかな。何度か「かわいー!」「かわいー!」と叫ばれていた。男からも女からも。かわいいおっさん達である。

プロペラ犬のお二人が揃ったところでアウェーインザライフの紹介と、新曲アウェー・イン・ザ・ライフの披露。曲に入る前にオーケンから解説があり、「これは橘高君の何十周年記念だかのアルバムの曲で、舞台用に使うと良さそうな風だったから、詞をつけてくれた水戸さんに許可をとって新しく詞をつけた」のだそうだ。二十周年くらい覚えておいてあげてくれと頭の中で突っ込んだのは言うまでもない。

というわけで新曲「アウェー・イン・ザ・ライフ」はまさかの「DESTINYをぶん殴れ」の別歌詞バージョン。正直拍子抜けしたのは否定できない。だが考え方を変えれば、筋少凍結中に橘高さんから歌詞を依頼されるもそれを断ったという経緯があって、ついにこのたびオーケンが詞をつけることになり、尚且つ舞台と同名タイトルになったってのは、感動的な仲直りを意味するのではなかろうかと今これを打ちながら無理があるなと思っている。すまんかった。

でもこの曲を筋少の演奏で聴けるのは嬉しいなぁ。だけど「DESTINYをぶん殴れ」は気に入って聴きこんだだけに脳内再生される歌詞につられてノリづらいなぁ。体が「あれ? あれ?」ってなって面白かった。アルバムだとどんな感じだろう。

仲直りのテーマの後に踊るダメ人間が来たのは驚いた。こんなに早くやるのか! うわぁ! 疲れる! 疲れる! 窮屈すぎてバッテンできねー! とダメジャンプならぬ片手だけのスラッシュジャンプで乗り切り、MCを挟んで後一休みでアコースティックゾーンへ。

オーケンが「久しぶりにやります。久しぶりだよね?」と確認をとると、「そう?」と答えた橘高さん。だがオーケン的には久しぶりの曲らしい。何の曲だろうと思いつつ演奏が始まるのを待つと「生きてあげようかな」だった。あまり久しぶりという感じはしないが、この曲を聴いているとき、オーケン歌うまくなったなぁ、とやけにしみじみ思った。

はけていた内田さんも出てきて新曲二曲目「爆殺少女人形舞一号」へ。これに入る前、既に曲名が漏れて流れちゃったんだけど、まだ仮のものなのでタイトルも順番も変わる可能性があるとの説明が入った。ほうほう、それじゃあアルバム発売後どんな違いがあるか見比べる楽しみ方もできるってことだな。

オーケンによる「デスバラードです」との解説の後「爆殺少女人形舞一号」は始まった。これがもう滅茶苦茶格好良かった! すごい! アコースティックっぽいかな? と思わせる始まりの直後ハードになって、途中でワルツっぽくなって、ああ、でも音楽に詳しくないからワルツでいいのかよくわからん! 記憶も既に定かじゃないしな! なんつーかなぁ、曲の雰囲気がコロコロ変わって、五分以上くらいありそうな長めの曲だった。これはすごいぞ!

演奏終了後、大喜びした拍手が客席から鳴り響いて、これが大歓迎! って感じさせる長い拍手だった。オーケンも嬉しそうにしてたなぁ。あぁ、アルバム発売まであと三ヶ月も待たなきゃいけないなんて、待ち遠しい。待ち遠しいことこの上ない。明日も聴かせてもらいたいなぁ。歌詞の中に「油紙」って単語があって、その言葉を好きだな、と思った。

MCでオーケンが人間ドッグに行ったら肺年齢が七十五歳と診断され、医者もいくらなんでもこれはおかしいと思い、ちゃんとしたデータを後で送ってもらうことになったものの、やっぱり結果は七十五歳。体は四十四歳、肺は七十五歳のシャウトを聞きたいか! と煽って怒涛の後半戦一曲目はイワンのばか。こっからアンコールまで休みなしで、楽しくもきつかった。ドナドナを聴けて嬉しいと思いつつも息苦しくてわけわからなくなっていた。横の人に肘で顔をガンガン殴られ、目の前の人の髪の毛が口にあたって息ができなくて、いやーよく生きてられたな。頑張った。

トゥルーロマンスで少し落ち着き、アンコールへ。一曲目は新曲「捨て曲のマリア」。オーケン曰く、捨て曲で適当に作った曲に昔の彼女のことを歌ったら、それが大ヒットしてしまい、今の彼女にまで歌ってとせがまれて悲しい、という内容の大人の恋の歌だそうだ。しっとり系かと思いきや盛り上がるところは盛り上がる、これもアルバムで聴くのが楽しみだ。

「君よ!俺で変われ」の後は「未使用引換券」! ライブであまり聴いたことがないので喜んでしまった。演奏後、オーケンが「意外といいね、たまにやろうよ」みたいなことを言い、内田さんも「たまにやろう」と答えていた。たまにってところが面白い。こうして久しぶりにやって再評価して、ライブでやる曲が増えてくれると嬉しいね。

「サンフランシスコ」は流石定番。もうこれ以上にないほど盛り上がって死ぬかと思った。死ぬ気で! 死ぬ気でジャンプをした! サンフランシスコや釈迦が始まる度に思うのだが、古い曲には年月と共に刻まれた魔力がこもっているようだ。曲自体がパワーを持ってるというかな。まるで化け物のようである。

最後の最後は「心の折れたエンジェル」! 締めのところで再結成後の曲をやるところに、昔の曲ばかりに頼らない、新しい曲も鍛えていこうという気概を感じて個人的には好きだ。いや、筋少側がどう思ってるかは知らないが。エンジェルコールは楽しいなぁ。

心の折れたエンジェル終了後、スピーカーから流された追い出し曲は「アウェー・イン・ザ・ライフ」。やっぱアルバム版はライブ版とは聴こえ方が違うな。ますますアルバムを手に取るのが待ち遠しくなってしまうよ。

他。今回は確かメンバー紹介はソウルコックリさんのときだけだった。このとき「ギター! 橘高文彦!」「ベース! 内田雄一郎!」「ギター、ツイッター! 本城聡章!」と紹介していて面白かった。Twitterが気になって仕方がないのに手を出す気は全くないってのが良いね。是非オーケンはこのままでいてほしい。普通にTwitterを始めるよりこっちの方が面白いと思う。その後エディを紹介するとき、一度キーボードと言った後に続けてピアニストと言ったのは、間違えてしまったので慌てて言い直したって感じだったな。

Twitterでの流れでだったかな。「テクノだ!」「YMOみたいだ!」とオーケンが言い出し、筋少もアバターみたいにならないの? 立体になって飛び出さないの? というようなことを続け、「俺は必要ないんだけどね、俺は必要ないんだけどね、こんなのがあると便利なんじゃないかと思うんだ」としつこく前置きをしたうえで、歌手の目の前に客席からは見えないスクリーンが出て、そこに歌詞が表示されると良い、俺は必要ないけど! と言っていた。「歌詞は全てこのターバンの中に、あっ、もうターバンじゃなかった!」と「ターバンじゃない」ことも何度かネタにしていたな。

新譜についてメンバーがしきりと「やばい!」「やばい!」と言っていて、橘高さん曰く、十四枚出してこれを作るってのがすごい、とのことだ。まるで新人バンドが作るようなすごいものを作ったらしい。「思春期にこれを聴いたら絶対に影響を受けて、同じ歳くらいのときに似たようなことをしようとするよ!」とオーケンが楽しそうに語っていた。こんなにメンバーが自信を持ってやばいやばいと連呼するなんていったいどんな内容なのだろう。早く聴きたいなぁ。

あと、オーケンがハチマキに黒い上着にドサッとしたズボンという自身のいでたちを「応援団みたいだ」と評し、変な声で「フレーッ! フレーッ!」と叫んだ後、着替えてくるから繋げといて、と内田さんに丸投げして珍しくオーケン一人がステージからいなくなった。

内田さんはちょっと喋った後、エディに振り、橘高さんだったかな。「○○での話をしてあげなよ!」とエディにすすめ、エディがトークをしてくれた。どこかの駅で新幹線に乗るとき、怖い人のお出迎えだかお見送りがあって、そのときエディは開いた襟のシャツを着て怖い格好をしていたのだが、どこかと連絡を取り合っている怖い人の一人はエディを見て「カタギです」と報告をしたのだそうだ。その筋の人からは「違う」のだとわかるらしい。エディは「四歳からピアノを習ってるお坊ちゃんですから!」と言って笑いをとっていた。

終演後は大満足で外に出て、ドリンクチケットで引き換えたビールを一気に飲み干し、ライブの余韻で浮かれたまま歩いていたら駅のエスカレーターで派手にすっ転び、膝を強打。激烈に痛い。しかも家に帰ってズボンを脱いだら血が出てて笑った。明日のライブも楽しみだ。