日記録2杯, 日常

2015年5月24日(日) 緑茶カウント:2杯

大学の友人の結婚式に参列し、二次会に行き、三次会に行き、披露宴から三次会までずっと食べ通しの呑み通しだったにも関わらず適度な腹具合・酔い具合で、あぁ、良い塩梅。遠方からの友人三人が我が家に泊まり、最初から最後まで素晴らしく楽しかった。

新郎は決めるところはカチッと決めつつ、ユーモアもたっぷりの進行で披露宴会場を湧かせ、最高のエンターテイナーだった。まさか新郎によるブーケトスを見られるとは思わなかった。新婦はもとより綺麗な人だがこの日はさらに輝きを増し、それでいてマニアな趣味が垣間見えるあたりが非常にチャーミングだった。

三次会で炙りエンガワを齧りながら、「一日中ずっと友達と一緒に過ごせるなんで久しぶりだなぁ、すごく楽しい」と隣に座る友人がニコニコと微笑んでいて、己も深く頷いた。大学卒業後、福島や新潟に行った友人まで集まって語り合えることなど滅多にない。祝福と旧友との再会が同居する幸せな一日だった。至福。



日記録2杯, 日常

2015年5月1日(金) 緑茶カウント:2杯

なかなか、面白おかしく暮らすのは難しい。そんなことを実感する日々である。半年経った。どうにもしんどい。一年前の今は元気だったのに、と思いつつ、時が経つにつれそれも言えなくなってくる。元気だった頃がさらに昔になっていく。一年前は元気だったのに、が、一年前ももう…になっていく。

しんどいときにしか聴けない音楽がある。大槻ケンヂの「I STAND HERE FOR YOU」と、水戸華之介の「ヨキコトキク」。「I STAND HERE FOR YOU」は、オーケンの作品の中でも最も狂気性の高いアルバムだ。「レティクル座妄想」は狂気をテーマに作られたアルバムだが、あがく中で狂気が垣間見えるのが「I STAND HERE FOR YOU」。より素であり、より危ういのである。

その「I STAND HERE FOR YOU」は精神が平静なときに聴くと落ち込むが、どうにもやりきれないときに聴くとカタルシスを得られるアルバムで、つまりこれを聴いて楽になるとき、自分は大分参っている証拠である。それを自覚出来るのは有難い。

「ヨキコトキク」は発売された当初しか聴けなかったアルバムだ。どうにも、気軽に聴くには重いアルバムで、しんどさを感じるため普段聴くことはほとんど無い。このアルバムに収録されている曲をライブで聴くと、ちょっと嫌だな、聴きたくないな、と思うことさえある。つらいのだ。

しかし、どうしても聴きたくてたまらないときがたまにある。そのときばかりは重さを感じず、スッと心にしみこんで、己の心の中にある重みをほんの少し溶かしてくれるのである。

限られたタイミングでしか聴けない音楽を楽しめるのだから、全く悪いことばかりでは無いんだぜ、というのは流石に無理矢理なプラス思考だろう。だが、まぁ、何とか舵取りをするのである。どうにかこの二つの音楽にすがりながら立て直していくのである。どうにか、こうにか。



未分類2杯, 筋肉少女帯, 非日常

筋少ライブ二日目! 初日はアリーナ最前列で、本日はスタンド席二列目。二階である。ステージの全体が一望できるも遠すぎず、メンバーの表情もわかる絶妙な距離。そして目の前にはミラーボール! 昨日は目の前の橘高さんを凝視していたため全体像を捉えることは出来なかったが、今日はメンバーの動きはもちろん、照明まで楽しむことが出来た。初日と二日目で全く違う見方が出来たのはラッキーである。

今回の公演で印象的だったミラーボールが活躍したのは二曲。開演前に既にミラーボールが下りてきている状態で、歌詞にミラーボールが登場する「ムツオさん」でくるくる回った後、一旦天井の方に上がっていった。ところが、ここで出番が終わるかと思いきや、終盤のMC中にさりげなく降りてくるミラーボール。「お?」と思うと着席を促され、始まったのが「爆殺少女人形舞一号」だった。

同じミラーボールによる演出でも「ムツオさん」と「爆殺少女人形舞一号」では使い方が違っていた。「ムツオさん」ではミラーボールは銀色と金色に輝き、銀色のときに七色の光を撒き散らしてくるくる光っていた。金色のときは闇の中に月が浮かんでいる感じだったかな?

「爆殺少女人形舞一号」は、まず血染めのように真赤な色のミラーボールになり、ステージを照らす照明も赤。これからの惨劇を予想させる演出だった。そしてミラーボールはくるくると色を変える。ピンク、黄緑、水色と、とりわけポップな色に球体全体が塗り替えられて、少女人形の可愛らしさが表現されているかのようだった。

あと照明と言えば。一曲目の「サンフランシスコ」の内田さんのベースソロのとき、ステージ全体が青のライトで染められる中、内田さんを照らすスポットライトだけが赤紫で、それが実に怪しい感じがして格好良かった。あのベースソロは色っぽいよなぁ。

「君よ!俺で変われ!」で、青い照明でステージが照らされたとき、まるで深い海の底に沈んでいるようで、ふっと曲の世界に埋もれそうになる感覚が心地良かったのも覚えている。

それと、これはどの曲か忘れてしまったのだが、紺色のライトでステージが照らされて、メンバーそれぞれに黄色のスポットライトが当たったときがあって、その色彩が実に美しかった。何の曲か忘れてしまったのが残念である。

さて、セットリストはこちら。


サンフランシスコ
君よ!俺で変われ!

少年、グリグリメガネを拾う
ムツオさん

日本印度化計画(おいちゃんうっちーふーみんボーカル)

労働讃歌
僕の歌を総て君にやる
これでいいのだ(尺が若干短くなった)

未使用引換券(おいちゃんボーカル)

爆殺少女人形舞一号(着席して聴いた)
イワンのばか
暴いておやりよドルバッキー

踊るダメ人間
恋の蜜蜂飛行
機械

~アンコール~

Guru最終形(着席して聴いた)
中学生からやり直せ!
釈迦
中2病の神ドロシー


「おおー! 今日は結構座席が活躍するな!」と思った記憶があるのだが、「爆殺少女人形舞一号」と「Guru」の他に着席して聴いた曲があったかどうかが思い出せない。長めのMCのときにも着席を促されたのでそのためだろうか。うーん。

最近の筋少のライブでは、二曲ほど他のメンバーが歌うのが恒例になっているが、今日のおいちゃんうっちーふーみん三人による「日本印度化計画」はド迫力でとりわけすごかった。筋少の魅力の一つにはあのメンバーによる野太いコーラスがあると信じて疑わない自分である。とにかくあのコーラスが好きなのだ。それが、コーラスではなく、三人ともメインボーカルというていで! 野太い声で大合唱!!

いやー格好良かった。格好良いのに「せーのっ!」と言って調子を合わせて曲に入り、最後の「日本を印度にしてしまえ!」の前でも「せーのっ!」でタイミングをとったのに声がバラバラになってしまったのが実にキュートであった。曲が終わった後、舞台袖から入ってきたオーケンが偉そうに指摘し(もちろんジョークである)、メンバーがペコペコしているのもおかしかった。

「労働讃歌」は昨日よりもラップ部分が決まっているように見えた。そういえば二階席から、一階席でサイリウムを振っている人がいるのが見えたのだが、それがたったの一人だけで、アウェーな人間が集まる筋少のライブでさらにアウェーになるってすげえな…と思った。

「これでいいのだ」では、タオルを振り回すオーディエンスの右腕が千切れそうなことに配慮して尺を短くしたという報告が。ありがたいが、それでいいのか!? それでいいのか…!

オーディエンスにマイクを向けて歌うことを促していたのは「踊るダメ人間」。合唱も楽しいが、やっぱりライブに来たらオーケンの歌声をもっと聴きたいなぁと思ってしまう。オーケンの歌が何より好きだからさぁ…!

「恋の蜜蜂飛行」は本当に大好きで格好良いのでもう三回に一回くらいやって欲しい。でも出し惜しみもして欲しい。そんなジレンマ。でも聴きたい。

「Guru最終形」はホールで聴くのにぴったりだった。また、今日はステージと距離があることもあり、全体の音がバランス良く聴こえたので尚更曲の美しさを堪能できてうっとりした。ただ、最後の「ラーーーーラーララー! ラー!」に入るところで! オーケンがワンテンポ遅れたのが! 惜しかった!

「釈迦」は、女の子がおしゃべりすぎて、ノウズイがはじけないバージョンの歌詞。四半世紀でセルフカバーをしてからこのバージョンをライブで聴くことが増えたが、個人的には! 気が違ってノウズイがはじけて欲しいなぁ!

それと、「ドロロノノーズーイー!」と叫ぶところはオーディエンスに任されていて、オーケンが歌ったのは最後のところだけだったかな? 聴けたとき、「やった! オーケンのドロロノノウズイだ!」と異様に喜んでしまい、これだよこれこれとしっくり来たのを記憶している。全部歌って欲しいけど、咽喉が辛いのかなぁ。

MCで面白かったのは楽屋の話。今回の会場「EXシアター六本木」の楽屋はまるでおしゃれなカフェのようで、オーケンはここに住みたいと思ったほど居心地が良かったそうだ。ただ、本棚にある雑誌が馴染みのないものだったそうで、より自室らしくするために週刊プロレス三冊と、月刊ムーを置いたそうである。それについて一言「これはテロです」と言っていたのが面白かった。確かにテロだ。

MCの話。今度筋肉少女帯人間椅子で出演する音楽番組に、若い子から大人へ質問するコーナーがあるのだが、尺の関係で筋肉少女帯人間椅子ではそのコーナーが削られることに。そのため、代わりにオーケンがメンバーに聞きます、と言い出して、メンバー全員に質問していくコーナーが発生した。

「大人は何で早起きなんですか?」という質問をされたおいちゃんが年を取ると早起きになって、昼寝をしてしまうことでオーケンと意気投合。「学校でやることって必要なんですか?」「大人になってやっておけば良かったと思うことはありますか?」という質問をされた内田さんはひどく普通なことを言い、オーケンに「若さの欠片もない」「普通のおじさんだよ!」と言われていた。

ここで橘高さんが質問されるかと思いきやエディが「大人は何でニュースが好きなんですか?」と聞かれ、「ニュースはそんなに見ない、ドローンで盛り上がってるけどわからない」と告白。長谷川さんは「大人のメリットって何ですか?」と聞かれ、「自分の責任で何でも出来ること!」と回答。会場中から拍手が沸き起こる謎の展開。もしかしたらこの日一番大きな拍手だったかもしれない。

「大人のていの子供がいる空間に本物の大人が混ざっている!」と言うオーケン、「気の利いた回答が出来なくてすみません」と謝る長谷川さんのやりとりがおかしい。そして最後に橘高さん。質問は「大人は意見を聞くのに反映しないのはどうしてですか?」で、橘高さんの真面目スイッチが入り、本気で話し出そうとしてオーケンが逃げ腰になる場面が。「三十分語らせて!」という橘高さんは実に生き生きとしていた。

この流れから告知に。橘高さんは今年がデビュー三十周年ということで、アルージュ、ユーフォリア、X.Y.Z.→Aのライブをやるが、ここにいる皆にも協力して欲しい、とメンバーに打診。するとおいちゃんオーケンうっちーの三人が下手側に集まって「え?」「え?」というような空気に。オーケンはふざけて「いいけど…俺歌わなくて良い? ニイハラさんに歌ってもらおう」と言い出す。

すると橘高さん「意見は聞くけど反映はしないよ!」「もうブッキングしちゃいました!」とフライヤーを取り出して告知! 十月に橘高さん主催のヘドバン地獄が催されるとのこと! おおー! やったーヘドバン地獄だー!!

そんなわけで先の予定も発表され、その前には筋肉少女帯人間椅子もあり。楽しみがあるって良いなぁと思いつつ。多幸感に包まれて帰路に着いた。「踊るダメ人間」「これでいいのだ」の尺が短くなったり、座席ありの会場でライブが行われたり、オーケンの代わりにメンバーやオーディエンスが歌ったり。少しずつ「今」に合わせて変わっていくのがまさに現在進行形のバンドらしいなぁと思う。変化にたまに寂しさを感じたり「もっと! もっと!」と思うこともあるが、この変化がこの先の活動に結びついていくのだろう。

十年後も二十年後も観続けたい、と願って! 今日も今日とて、楽しかったなぁ!



日記録2杯, M.S.SProject, 日常

2015年4月12日(日) 緑茶カウント:2杯

ちょっと面白い趣向の本を読んだのでここに紹介したい。それは旅行記であり、写真集であり、タレント本でもあるのだが、己は事前情報を全く持たずにその本を手に取った。タイトルは「あろまさんぽ 弐」で、著者名は「あろまほっと」。ニコニコ動画やyoutubeでゲームの実況をしている集団の一人とのことである。そして自分はその界隈について縁が薄いためよく知らない。

サクサク読める本が欲しいなぁ、と思っていたのだ。何か、写真が多めの旅行記なんかは良いかもしれない。お茶のお供に出来るような、家でくつろぎながら読める本が良い、と思いつつ本屋をうろうろし、いくつかの本を手にとっては棚に戻し手にとっては棚に戻しを繰り返し、ある手に取った一冊。ページをめくるとドーンと高崎名物「だるま弁当」の写真が! 同じページには群馬の名物「焼きまんじゅう」も! しかもこの人美味しいと言ってくれている! 良い人じゃないか!

さらにページをめくると沖縄、長崎、長瀞と、過去の旅行の思い出が蘇る懐かしい景色の数々。あーこれは良いかもしれない。すごくノスタルジックな気分に浸れそう。ということで購入を決定し、家についてからじっくり読んでみると、微妙に変な本であることがわかったのだ。

この本、人物は後ろ頭しか写ってない。

この「あろまさんぽ 弐」は、旅の写真に著者のコメントが添えられている構成で、著者はカメラマンであると同時に被写体でもあり、行く先々の観光地で散歩をする「あろまほっとの写真」と、「あろまほっとが撮影した写真」の二種類で構成されている。ここまではさほどおかしくないのだが、撮影されている「あろまほっとの写真」がどれもこれも後姿だけなのである。斜め後ろからのアングルでは横顔がかすかに見えるがほぼ後ろ頭である。

では正面からの撮影は皆無かと言うと、一応あるにはあるのだが、全て般若の面を被っており、のどかな観光地がいきなりコスプレ会場ないしは怪談ワールドへと変化するのである。しかも般若の面を被ったまま観光地の美味しいものを堪能している。わけがわからない。

しかも般若だけではない。ページをめくるとサングラスをかけた全身覆面男が登場し、これはいったい何の本だと思わざるを得ない。この全身覆面男は著者と同じゲーム実況集団の一員だそうなのだが、事前知識が無い者からすると戸惑いしか感じない。

全身覆面男の名前は「eoheoh」で、流石に旅行地では覆面姿ではなかったが、著者と同じく一貫して後ろ頭オンリーのショットばかりである。

どうも、顔出しを控えているようで、そのための措置が般若と覆面らしい。何も般若と覆面を選ばんでも…と思ったが、旅先で背負っているリュックサックに堂々と般若の面をキーホールダーの如くぶら下げている姿を見るに、かなり般若を気に入っている人なのかもしれない。

そんなわけでこの旅行記のような写真集のようなタレント本のような本は、人物写真は多いのに「顔」は一切写らないのだが、それが実に良い塩梅なのである。「顔」が写らないことで「個人」をイメージしづらくなっているので、本を読みながら自分が旅行に行ったような気分に浸れるのである。旅行のロールプレイを味わえるといったらわかりやすいだろうか。ちょうど、友人達と旅行に出かけたときの、友人の後ろ頭を眺めながら旅先を歩いた、そんな感覚が湧いてくるのである。

顔が写らないことでこんな効果が得られるとは。恐らく、著者も狙ってはいなかったのではないかと思う。猫を「ぬこ」と呼ぶなどのネットスラングもちょこちょこ入っているので抵抗のある人もいるかもしれないが、自分は結構好きである。書店で見かけたら、是非。



未分類100曲ライブ, 2杯, 水戸華之介, 非日常

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五日間で百曲を歌う、水戸さんの100曲ライブ第四夜! 今年は第一夜の澄田さん、第三夜のワジーこと和嶋さん、そして本日第四夜の吉田一休回、計三夜を観に行った。よって、己にとっては今日が今年最後の100曲ライブである。

五日間全て参戦したかったが、それでも、この第四夜の楽しさったら、フィナーレと言っても過言ではないくらい素晴らしいものだったので己は大いに満足した。澄田さんの回は安定していてバリエーション豊かな楽曲を楽しめ、ワジーの回は硬派で重めな楽曲が多く、聴き手も心して臨まなければならない空気があった。そして本日は爆発するお祭り騒ぎ! 観客参加型ライブということで、ほぼ全編通して手拍子とコーラスで大騒ぎ。楽しかった!!

水戸さん曰く吉田さんはチャレンジ枠ということで、ギターの技術力をカバーするためとにかく盛り上がる楽曲を集めたとのこと。観客も手拍子で参加して皆でライブを作り上げていくようにとのお達しで、そう。盛り上がる曲が多いのである。わいわい言う曲が多いのである。つまり序盤から大騒ぎなのである。面白くないわけがない!

去年も一昨年も、このお祭り騒ぎの吉田一休回が一番面白かったので今年も大いに期待したがやはり期待は裏切られなかった。「チャレンジ枠」という名称につき、もしかしたら来年他のミュージシャンにその場を奪われるかもしれない…と言われていたが、いやいやいやいや。来年も再来年も吉田一休回は欲しい! 絶対に欲しい!

ちなみに吉田さんは以前見たときよりもちょっとふっくらしているように見えた。そういえば一番最初に100曲ライブで見たときは全身真赤なジャージ姿だったような記憶がある。あれは派手だったなぁ。

今回聴けて嬉しかったのは「欲望」「ベッドルーム・ロック」「唇にメロディ、心に牙を」「カナリア」「家のない子に」「ゆきてかえらず」「しあわせになれ」。意外だったのは「正しいか?」「明日への誓い」。「明日への誓い」は久しぶりに聴いた気がするなぁ。

「欲望」はしばらくやっていなかった曲だったらしい。驚いたなぁ! 好きで何度もCDで聴いていたので、ライブでも聴いている気分でいた。吉田さんがギターを弾きながら、「てーんてんてんててててーん、てーんてんてんててててーん、てーんててんてんてー♪」とギターのフレーズを口で歌っていたのが面白かった。

と、書いたが、あれ? 違う曲だったっけ? ちょっと自信が無くなってきた。

「欲望」の中間で入る音頭は水戸さんの思いつきで入ったもので、最初の段階では入っていなかったそうだ。他の曲を作る際、そういった思いつきで曲中に異なる展開を入れたところ上手くいったため、調子に乗ってやってしまった結果だそうだ。いやーでも自分はこの曲大好きだけどなー。もっと頻繁にやってほしい。

「たむけのかもじ」は当時ちょっと背伸びして作った歌詞だそうで、その背伸びの具合が心地良いと話していた。そうそう、高校時代の作詞の話が面白かった。最初の頃はメンバーがそれぞれ自分の曲に詩をつけてきていたそうで、メンバーが振った女の子に対して謝罪の気持ちをこめて「ごめん」という曲を作ったことがあったそうだ。しかし歌うのはメンバーではなく水戸さんで、「今なら切り替えられるけど、多感な十代で、『あいつ』の『ごめん』を! どうして! 俺が!」と力をこめて語っており、確かにそれは気まずいよなぁと笑った。

「たむけのかもじ」だったかな? 「なーなーなー♪」と吉田さんが歌う箇所で水戸さんが「もっとセクシーに!」と指示を出し、吉田さんがふざけて受け狙いに走ったところ、水戸さんが吉田さんを叱り始め吉田さんがしょげるという叱りコントが発生した。曲中で。面白かったけどこれ、「え? これ笑っていいの? 水戸さん本気で怒っているの? え? え?」と、己は結構ハラハラした。コントで良かった…。

今回一番格好良かったのは「ゆきてかえらず」だろう。出だしで水戸さんと吉田さんの歌声が重なるのだが、それが実に美しく力強く、思わず膝に手を置いて身を乗り出して聴き入ってしまった。この美しいコーラスが吉田一休回の楽しみでもある。この二人の声、本当に好きなんだよなぁ。

「唇にメロディ、心に牙を」も久しぶりに聴いた。これもシンプルながらも格好良い曲で大好きだ。この歌のメロディを鼻歌で歌いながら歩くと不思議な万能感が湧いてくるんだ。

そうだ。「唇にメロディ、心に牙を」は水戸さん曰く、水夫をイメージした曲だそうで、そこから「漁師とだけは喧嘩をしてはいけない」と漁師最強伝説が語られたのが最高に面白かった。学生時代の友人の名前がバンバン出てきて、MCというよりも、居酒屋でお酒を呑みながら友達の話を聴いているときのような感じで心地良かった。

屑の曲は「ベッドルーム・ロック」「家のない子に」「無実のためのレインボー」「しあわせになれ」「海」の五曲…だったかな? 「家のない子に」は不死鳥DVDでそこだけ再生しまくるほど大好きな曲なので始まったときは小さくガッツポーズをした。ライブで演奏されると、オリジナルよりもテンポが速くて、それがもうたまらなく格好良いんだよね。

吉田さんがアコギからエレキギターに持ち替え、「エレキを持ってもてようとしているんだろ!」と水戸さんが突っ込み、笑いながら吉田さんが否定するも「もてたいんだろ! もてたいんだろ!」と水戸さんが連呼。さらに「俺達はもてるために生まれてきたんだー!」とノリノリで水戸さんがシャウトして始まったのが「ベッドルーム・ロック」! そこからはもう大騒ぎ。今日の「君と瓶の中」枠である。

アンコールを含めた二十曲が終わり、本当の本当のアンコールということで、二十面サイコロを振って出た最後の曲は本日の八曲目「ペダルをこいで」。簡単なコード進行らしく、ほっとして嬉しそうな顔をする吉田さんが微笑ましい。水戸さんと二人立ち上がってノリノリで歌い騒ぎ、曲が終わってステージから退場した後、さらにもう一度ギターを弾いて水戸さんを楽屋から呼び戻すというサプライズも! これは嬉しかったなぁ!

ニコニコする吉田さんと楽しそうな水戸さんと全力疾走した三時間。手拍子を叩き、コーラスを歌い、座ったままにも関わらず全身で楽しんだため、体内のあらゆるものが発散されたように感じた。とてもスッキリして気持ち良かった。是非来年も再来年も「チャレンジ枠」として存在し続けて欲しい。面白かったぁ!