春だ出撃だ筋肉少女帯!! (2015年4月26日)

筋少ライブ二日目! 初日はアリーナ最前列で、本日はスタンド席二列目。二階である。ステージの全体が一望できるも遠すぎず、メンバーの表情もわかる絶妙な距離。そして目の前にはミラーボール! 昨日は目の前の橘高さんを凝視していたため全体像を捉えることは出来なかったが、今日はメンバーの動きはもちろん、照明まで楽しむことが出来た。初日と二日目で全く違う見方が出来たのはラッキーである。

今回の公演で印象的だったミラーボールが活躍したのは二曲。開演前に既にミラーボールが下りてきている状態で、歌詞にミラーボールが登場する「ムツオさん」でくるくる回った後、一旦天井の方に上がっていった。ところが、ここで出番が終わるかと思いきや、終盤のMC中にさりげなく降りてくるミラーボール。「お?」と思うと着席を促され、始まったのが「爆殺少女人形舞一号」だった。

同じミラーボールによる演出でも「ムツオさん」と「爆殺少女人形舞一号」では使い方が違っていた。「ムツオさん」ではミラーボールは銀色と金色に輝き、銀色のときに七色の光を撒き散らしてくるくる光っていた。金色のときは闇の中に月が浮かんでいる感じだったかな?

「爆殺少女人形舞一号」は、まず血染めのように真赤な色のミラーボールになり、ステージを照らす照明も赤。これからの惨劇を予想させる演出だった。そしてミラーボールはくるくると色を変える。ピンク、黄緑、水色と、とりわけポップな色に球体全体が塗り替えられて、少女人形の可愛らしさが表現されているかのようだった。

あと照明と言えば。一曲目の「サンフランシスコ」の内田さんのベースソロのとき、ステージ全体が青のライトで染められる中、内田さんを照らすスポットライトだけが赤紫で、それが実に怪しい感じがして格好良かった。あのベースソロは色っぽいよなぁ。

「君よ!俺で変われ!」で、青い照明でステージが照らされたとき、まるで深い海の底に沈んでいるようで、ふっと曲の世界に埋もれそうになる感覚が心地良かったのも覚えている。

それと、これはどの曲か忘れてしまったのだが、紺色のライトでステージが照らされて、メンバーそれぞれに黄色のスポットライトが当たったときがあって、その色彩が実に美しかった。何の曲か忘れてしまったのが残念である。

さて、セットリストはこちら。


サンフランシスコ
君よ!俺で変われ!

少年、グリグリメガネを拾う
ムツオさん

日本印度化計画(おいちゃんうっちーふーみんボーカル)

労働讃歌
僕の歌を総て君にやる
これでいいのだ(尺が若干短くなった)

未使用引換券(おいちゃんボーカル)

爆殺少女人形舞一号(着席して聴いた)
イワンのばか
暴いておやりよドルバッキー

踊るダメ人間
恋の蜜蜂飛行
機械

~アンコール~

Guru最終形(着席して聴いた)
中学生からやり直せ!
釈迦
中2病の神ドロシー


「おおー! 今日は結構座席が活躍するな!」と思った記憶があるのだが、「爆殺少女人形舞一号」と「Guru」の他に着席して聴いた曲があったかどうかが思い出せない。長めのMCのときにも着席を促されたのでそのためだろうか。うーん。

最近の筋少のライブでは、二曲ほど他のメンバーが歌うのが恒例になっているが、今日のおいちゃんうっちーふーみん三人による「日本印度化計画」はド迫力でとりわけすごかった。筋少の魅力の一つにはあのメンバーによる野太いコーラスがあると信じて疑わない自分である。とにかくあのコーラスが好きなのだ。それが、コーラスではなく、三人ともメインボーカルというていで! 野太い声で大合唱!!

いやー格好良かった。格好良いのに「せーのっ!」と言って調子を合わせて曲に入り、最後の「日本を印度にしてしまえ!」の前でも「せーのっ!」でタイミングをとったのに声がバラバラになってしまったのが実にキュートであった。曲が終わった後、舞台袖から入ってきたオーケンが偉そうに指摘し(もちろんジョークである)、メンバーがペコペコしているのもおかしかった。

「労働讃歌」は昨日よりもラップ部分が決まっているように見えた。そういえば二階席から、一階席でサイリウムを振っている人がいるのが見えたのだが、それがたったの一人だけで、アウェーな人間が集まる筋少のライブでさらにアウェーになるってすげえな…と思った。

「これでいいのだ」では、タオルを振り回すオーディエンスの右腕が千切れそうなことに配慮して尺を短くしたという報告が。ありがたいが、それでいいのか!? それでいいのか…!

オーディエンスにマイクを向けて歌うことを促していたのは「踊るダメ人間」。合唱も楽しいが、やっぱりライブに来たらオーケンの歌声をもっと聴きたいなぁと思ってしまう。オーケンの歌が何より好きだからさぁ…!

「恋の蜜蜂飛行」は本当に大好きで格好良いのでもう三回に一回くらいやって欲しい。でも出し惜しみもして欲しい。そんなジレンマ。でも聴きたい。

「Guru最終形」はホールで聴くのにぴったりだった。また、今日はステージと距離があることもあり、全体の音がバランス良く聴こえたので尚更曲の美しさを堪能できてうっとりした。ただ、最後の「ラーーーーラーララー! ラー!」に入るところで! オーケンがワンテンポ遅れたのが! 惜しかった!

「釈迦」は、女の子がおしゃべりすぎて、ノウズイがはじけないバージョンの歌詞。四半世紀でセルフカバーをしてからこのバージョンをライブで聴くことが増えたが、個人的には! 気が違ってノウズイがはじけて欲しいなぁ!

それと、「ドロロノノーズーイー!」と叫ぶところはオーディエンスに任されていて、オーケンが歌ったのは最後のところだけだったかな? 聴けたとき、「やった! オーケンのドロロノノウズイだ!」と異様に喜んでしまい、これだよこれこれとしっくり来たのを記憶している。全部歌って欲しいけど、咽喉が辛いのかなぁ。

MCで面白かったのは楽屋の話。今回の会場「EXシアター六本木」の楽屋はまるでおしゃれなカフェのようで、オーケンはここに住みたいと思ったほど居心地が良かったそうだ。ただ、本棚にある雑誌が馴染みのないものだったそうで、より自室らしくするために週刊プロレス三冊と、月刊ムーを置いたそうである。それについて一言「これはテロです」と言っていたのが面白かった。確かにテロだ。

MCの話。今度筋肉少女帯人間椅子で出演する音楽番組に、若い子から大人へ質問するコーナーがあるのだが、尺の関係で筋肉少女帯人間椅子ではそのコーナーが削られることに。そのため、代わりにオーケンがメンバーに聞きます、と言い出して、メンバー全員に質問していくコーナーが発生した。

「大人は何で早起きなんですか?」という質問をされたおいちゃんが年を取ると早起きになって、昼寝をしてしまうことでオーケンと意気投合。「学校でやることって必要なんですか?」「大人になってやっておけば良かったと思うことはありますか?」という質問をされた内田さんはひどく普通なことを言い、オーケンに「若さの欠片もない」「普通のおじさんだよ!」と言われていた。

ここで橘高さんが質問されるかと思いきやエディが「大人は何でニュースが好きなんですか?」と聞かれ、「ニュースはそんなに見ない、ドローンで盛り上がってるけどわからない」と告白。長谷川さんは「大人のメリットって何ですか?」と聞かれ、「自分の責任で何でも出来ること!」と回答。会場中から拍手が沸き起こる謎の展開。もしかしたらこの日一番大きな拍手だったかもしれない。

「大人のていの子供がいる空間に本物の大人が混ざっている!」と言うオーケン、「気の利いた回答が出来なくてすみません」と謝る長谷川さんのやりとりがおかしい。そして最後に橘高さん。質問は「大人は意見を聞くのに反映しないのはどうしてですか?」で、橘高さんの真面目スイッチが入り、本気で話し出そうとしてオーケンが逃げ腰になる場面が。「三十分語らせて!」という橘高さんは実に生き生きとしていた。

この流れから告知に。橘高さんは今年がデビュー三十周年ということで、アルージュ、ユーフォリア、X.Y.Z.→Aのライブをやるが、ここにいる皆にも協力して欲しい、とメンバーに打診。するとおいちゃんオーケンうっちーの三人が下手側に集まって「え?」「え?」というような空気に。オーケンはふざけて「いいけど…俺歌わなくて良い? ニイハラさんに歌ってもらおう」と言い出す。

すると橘高さん「意見は聞くけど反映はしないよ!」「もうブッキングしちゃいました!」とフライヤーを取り出して告知! 十月に橘高さん主催のヘドバン地獄が催されるとのこと! おおー! やったーヘドバン地獄だー!!

そんなわけで先の予定も発表され、その前には筋肉少女帯人間椅子もあり。楽しみがあるって良いなぁと思いつつ。多幸感に包まれて帰路に着いた。「踊るダメ人間」「これでいいのだ」の尺が短くなったり、座席ありの会場でライブが行われたり、オーケンの代わりにメンバーやオーディエンスが歌ったり。少しずつ「今」に合わせて変わっていくのがまさに現在進行形のバンドらしいなぁと思う。変化にたまに寂しさを感じたり「もっと! もっと!」と思うこともあるが、この変化がこの先の活動に結びついていくのだろう。

十年後も二十年後も観続けたい、と願って! 今日も今日とて、楽しかったなぁ!



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