New Album「Future!」発売記念「一本指立ててFuture!と叫べ!ツアー」 (2017年12月10日)
あぁ、最高に楽しかった。
明日はオーケンが参加しているプロジェクト「ROOTS66」によるおそ松さんのエンディングテーマ「レッツゴー!ムッツゴー!~6色の虹~」の発売記念インストアイベントがある。内容はトーク、そして握手会。登壇するのはオーケンと怒髪天の増子さん。違うイベントではあるが、ライブの翌日握手会に行ける機会なんぞ滅多にない。せっかくなので今日のライブの感想はオーケンへの手紙にしたためよう。
そのうえで、ここに書き記しておきたいこと。ニューアルバム「Future!」発売記念ライブのツアーファイナルを迎えた今日。発売から毎日、一ヶ月以上もの間一つのアルバムを聴き続ける日々を送るほど夢中になっているこの曲を、一つのライブで全て聴けるのはきっと今日が最後だろう。故に全力で盛り上がり、全力で楽しんだ。のっけからオーディエンスを波に乗せる「オーケントレイン」「ディオネア・フューチャー」で高々と天に向けて一本指を立て、「脳Wi-Fi!!」と大声で叫ぶ気持ち良さ。かと思えば懐かしの一曲「新興宗教オレ教」ではうっちーの妖しいベースが地を這うように響き、赤と紫のライトがステージを色濃く染める。
今日のライブはニコ生のカメラが入っているとのことで、一月に放送されるそうだ。オーケンはニコ生を意識した軽快かつ抱腹絶倒のトークを繰り広げ、通常のライブよりもさらにサービスが入っていたように思う。名古屋のライブで新幹線のチケットを失くし、自費で現地に向かったエピソードを語ったときの、新幹線代「いちまん、いっせん、きゅうじゅうえん!!!!」のシャウトの格好良さと美しさの迫力と言ったら。一万一千九十円に使うにはもったいないほど素晴らしいシャウトだった。あんなに格好良い一万一千九十円を聞くことは今後二度と無いだろう。
「エニグマ」ではトコイトコイと妖しく盛り上がり、「奇術師」はエディのピアノから始まるライブならではのアレンジ。途中途中、橘高さんのギターの調子が心配になる場面もありつつも、しっとりと聴き入る時間がとてつもなく気持ち良かった。
特筆すべきは「サイコキラーズ・ラブ」。オーケンがね、冒頭を噛み締めるように、語るように歌ってくれて、それがとても胸に響いたんだ。目の前にいる大事な人に、こんな悲しい人がいるんだよ、と一所懸命伝えようとしているような。そんな語り口だったのだ。
今日はオーケンの声が絶好調で、「へー筋肉少女帯のライブをニコ生でやるのか。よう知らんけど観てみようかしら」と観た人がズキュンと一目惚れしてしまうのではなかろうか、とその後の人生を心配してしまうほど格好良かった。アイメイクも普段よりも濃い目で実に美しかった。
久しぶりの「バトル野郎~100万人の兄貴~」を楽しみつつ、「T2」で大爆発。この盛り上がりはすごい。個人的に、釈迦やサンフランシスコと同等の盛り上がりだったのではなかろうか、と思う。新曲とは思えない爆発力で、全力で「異議なし!!!」と叫び、大暴れできて非常に楽しかった。
アンコールでは「人間嫌いの歌」を。「告白」を歌ったその日にこれを歌ってくれる筋肉少女帯が大好きだ。「3歳の花嫁」で涙腺を刺激されつつ、最後は「釈迦」で爆発して終了。おいちゃんのペットボトルシャワーによる冷たい水飛沫とおいちゃんの笑顔を存分に浴びたとき、肺の中身の空気が全て入れ替わったような心地がした。
今日のライブのMCは特に、爆笑ポイントが盛りだくさんだったのだが、中でもすごく好きだなと思ったのはエディの話。エディはオーケンが出演している仮面ライダーの映画を初日に観に行ってくれたそうだ。自ら前売り券を買い、劇場に赴き、「すごく良かったよ!」と熱くオーケンを絶賛するエディ。さらに、劇中であと少しというところでオーケン演じるカイザーの野望が潰えたことを惜しみつつ、もし野望が叶ったらきっとすごく寂しいよと語り、後の世界には内田さんもおいちゃんも橘高さんも長谷川さんもいないことを切々と訴える。
もうたまらない。作り手からしたら、こんなにありがたい話はないだろう。エディは朗読CDにしろ仮面ライダーの映画にしろ、自分でお金を出してがっつり堪能して全力で感想を言って力強く褒め称えてくれる。こんな友人を持てるなんてどんなに幸せなことだろう。エディ、素晴らしいなぁ。
そして今日のライブの全てが終わり、余韻に浸りながら外へ向かおうかとしていたときのこと。「とれましたか? 良かったら」と見ず知らずの人が、笑顔で己に橘高さんのピックを差し出してくれたのだ。びっくりした。神様かと思った。きっとその人は複数枚手に入れることができたと予測できるが、まさかこんな風に全く知らない人から優しくしてもらえるとは夢にも思っていなかっただけに感動した。
手のひらにはピックが一つ。嬉しかった。嬉しかった。己もいつか同じようなことがあったら誰かにピックを差し出そう。最高のツアーファイナルがさらに彩られた瞬間だった。