TVアニメおそ松さん2期ED『レッツゴー!ムッツゴー!~6色の虹~』発売記念リリースイベント (2017年12月11日)
土曜日にオーケンが活躍する仮面ライダーの映画を観て、日曜日に筋少のライブで爆音の中オーケンの歌声と面白MCに心を震わせ、そして月曜日の今日。ROOTS66のイベントでオーケンと増子さんのトークを聴き、大笑いして、さらに握手までさせていただく。こんな幸福を享受してしまって良いのだろうか。
会場はタワーレコード渋谷店のイベント会場。「あれ? タワーレコードが化けた鶴か地蔵を助けたかな?」と思うほど、前回のインストアイベントに続いて素敵な番号を割り振られ、じりじりと待って入場した先には並ぶ椅子と整理番号。椅子の背に整理番号が貼られていて、指定された席に座りましょうと指示される。自分は前から二列目でありつつも、斜め前がちょうど空いていたので視界がすこぶる良好。ちょうどオーケンと増子さんが座る席の空間がぽっかり空いて、非常に見晴らしの良い状況を手にしたのだった。
司会のお姉さんに呼び込まれて登場するオーケンと増子さん。背の高い椅子に座り、おそ松さんのエンディングテーマとROOTS66にまつわるトークを語りだす。その面白いこと! 時間は二十分か三十分か、ごく短いもので、後半で熱く語り止まない二人を司会のお姉さんが制して、それでもなお語りだす、というシーンが生まれるほどゲストの二人は盛り上がって喋っていた。さながらここがロフトプラスワンで、のほほん学校の一幕かと勘違いするほどに。
「おそ松さん」のエンディングを依頼されたとき、最初に歌詞を書いて提出したら「前向きすぎる」「クズニートの話なので」と明るすぎるという理由でダメ出しを喰らったことが新鮮だったと語るオーケンと増子さんが印象的だった。そうか、逆パターンはきっと慣れているのだろうが、「もっと後ろ向きに」と指示されるのは珍しかったのか。
「おそ松さん」そのものの話題は少なく、メインはROOTS66について。ROOTS66でグループLINEを作っていて、そこで歌詞作りをしているのだが、あるメンバーがそのグループLINEに詩を投稿することがたびたびあり、衝撃を受けたと語るオーケンと増子さん。このあたり、名前は出さない方が良いかもしれないのであえてぼかしておこう。
イベントについての突っ込みもあった。今日のイベントに集まったお客さんは、オーケンファンなのか、増子さんファンなのか、おそ松さんファンなのか。我々と握手できてこの人達はいったい嬉しいのか何なのか全く想像がつかないと語る二人。笑う我々。はっはっはっ。ご安心ください。ここに十年越しの筋少ファンのオーケン信者で、おそ松さんのブルーレイを全巻集めているおそ松さんファンがおりますよ。
何と言うか、自分のために開かれたイベントかと思ったね。
MVの撮影はレコーディングの後にわりとあっさり行われた話もあった。絵コンテを見せられていたのでだいたいどんな仕上がりになるかわかりつつも、砂漠やら何やらと言った大げさなスポットに連れて行かれなかっただけ楽だったらしい。いやあ、あのMVはとてもキュートで素晴らしかったね。ちなみに登場順は生まれ順とのこと。故に、「えっ!? いきなり友森昭一!? 格好良いけどいきなりギター!?」と驚く構成になりつつも、うまい具合にはまったそうだ。
面白かったのは、ROOTS66という同じ年に生まれたメンバーが集まったプロジェクトにも関わらず、オーケンが先輩扱いされているということ。早生まれで、尚且つデビューが早かったということで、一世代上の忌野清志郎と同年代かと思っていた、とメンバーに過剰に年上に思われていた衝撃もあったらしい。はたから聞けばびっくりだが、そういうこともあるんだなぁ。
ROOTS66が番組に出た話も。番組の枠は二時間もないのに、ボーカルが集まってトークをする場面で二時間準備され、結局二時間以上話してしまったそうだ。曰く、四十代であればまだギラギラしていて、互いにライバル意識を持つこともあろうが、五十代になるとのほほんと仲良くできるらしい。そして肝腎のトークは下ネタだらけで、しかも司会がリリーフランキーさんだったためリリーさんまで仲間に入り収集がつかなくなり、途中でメンバーのビデオレターが挿入されるもそれも下ネタでそれすら誰も聞いていない、というひどいありさま。アシスタントの女性はしらーっとしていて、いったいどこが番組で使えるんだ、という様相であったと言う。まぁ、楽しそうで何よりです。
ちなみにおそ松さんのエンディングのオファーをもらったときは、そりゃもう喜んで! という勢いであったらしい。オーケンはおそ松さんで赤塚不二夫、仮面ライダーで石ノ森章太郎に関わり、残りは手塚治虫! どのようにオサムシの牙城を崩そうか! と語り、ROOTS66で勝手に「火の鳥」をやってしまってはどうか、という話題が出て、具体的なキャスティングまで話にのぼり、非常に面白かった。
トークの後は握手会で、荷物をきちんと脇に置いて手ぶらで参戦するという厳粛なシステムにドキドキしつつ、頭の中で話したいことを考えたものの、ものすごい早さで流されて行くため言いたいことを全て伝えることは出来なかった。増子さんにはこれを言いたい、と思っていたものの、増子さんに「良いお年を!」と言われた途端頭が真っ白。「ありがとうございます、ありがとうございます」と壊れたテープレコーダーの如く繰り返すしかない機械に成り下がった。
オーケンには何とか想いを発することが出来たがその時間の短いこと! しかしじっと目を見て手を差し出してくれるオーケンのありがたさったら。今回、プレゼントを直接渡すことは禁じられていたため手紙はプレゼントボックスに入れるしかなく、それは残念ではあったが、ぎゅっと握った手のやわらかさは感触として記憶に残った。
そして。そして、だ。「え、もしや」と思いつつ。トークの時も握手会の時も、「あ、これって」と思いつつドッキドッキしていたため確証を掴めなかったが、イベント終了後にタワーレコードがアップしてくれた写真を見て「あ」と確信を得る。おーけんのきているしゃつとおなじやつ、もってる。わあ。わあ。わあ! 本人が買ったかわからない。ファンからのプレゼントかもしれない。でもびっくりした。心臓が爆発するかと思った。いや、もともとオーケンの着ているシャツ良いな、と思って調べてそのブランドが好きになって、それでちょこちょこ買うようになってって経緯だから、ありえる話ではあるのだが。あるのだが。
我ながら気持ち悪いファンだなぁと思いつつ。握手の余韻に浸りつつ。幸福な時を噛み締めたのであった。
あぁ、ありがとう。