春だ出撃だ筋肉少女帯!! (2015年4月25日)

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実に濃密な一日であった。

四ヶ月ぶりの筋肉少女帯のライブである。四ヶ月! 長かったなぁ。いったいこの日をどれだけ待ちわびたかわからない。しかし待ちわびた甲斐はあった。というのも本日、己は上手側の最前列からライブに参加することが出来たのである。

チケットを発券したときの驚きと言ったら無い。今回、ライブDVDの購入者のうち、抽選で十名がアリーナ最前列のプレミアムシートに招待されるという特典があり、己はそれには外れている。故にプレミアムシートではない。だが、充分プレミアムシートと言っていいと思ったほど。だって今まで筋少のホールライブと言ったら、だいたい後ろから数えた方が早い席ばかりであったのだ。それがいきなり最前。喜ばないわけが無い。

そして。堪能したのであった。すごかった。橘高さんの靴の裏の溝まで見えた。また、本日初めて、橘高さんの黒いズボンの脇には丸い窓が点々と開けられていて、そこに網が張られていることに気が付いた。もしかしたらズボンの窓には網は無く、ズボンの下に網タイツを穿いているのかもしれないが、そんなギミックがあったのか!

席の関係上おいちゃんが遠かったが、ぴょんとステージを飛び越えるようにこちらまで走って来て、満面の笑みで見下ろしたり、何を思い立ったのか、曲の途中で急にステージから足を投げ出すように腰掛け近付いてくれるという大サービスまで! いやー。興奮した。とても。

あと、ホールだと体力に余裕があるのでより隅々まで観察出来るな…と改めて思った。スタンディングではわりと前まで行けるが、前の方では生きるのに必死なためズボンの窓のギミックにまで気付く余裕が無いのである。筋少のライブを観始めてそろそろ十年経ちそうだが、気付かなかったものだなぁ。

曲は初っ端から「サンフランシスコ」で、力の限りジャンプした。一番嬉しかったのは「恋の蜜蜂飛行」! これ! これを聴きたかったのだよ! 「ブンブンブブブン!」で拳を振り上げるのも楽しいし、何より曲が格好良いんだ。

「ムツオさん」のとき天井のミラーボールが輝きながらくるくる回っていたのが実に印象的だった。あれを見ると「UNDERGROUND SEARCHLIE」も連想されるのだ。ストレートに毒を搾り出したのが「UNDERGROUND SEARCHLIE」で、陽気なディスコサウンドでうまーく隠して、チラッと毒を見せつつ、笑いを誘うのが「ムツオさん」。今のオーケンは「UNDERGROUND SEARCHLIE」のような詩は書けないと思うが、「UNDERGROUND SEARCHLIE」の頃のオーケンに「ムツオさん」は書けなかっただろう。年を経るごとに徐々に徐々にスライドしながら広がりが出来ていくってのは素晴らしいね。

さて、セットリストの方を。


サンフランシスコ
君よ!俺で変われ

労働讃歌
ムツオさん
モコモコボンボン(内田さんボーカル)

少年、グリグリメガネを拾う
僕の歌を総て君にやる
踊るダメ人間

アンクレット(橘高さんボーカル)
Guru最終形(着席して聴いた)

イワンのばか
暴いておやりよルバッキー
蜘蛛の糸 (合唱を促される)

恋の蜜蜂飛行
機械

~アンコール~

少女の王国
北極星の二人(オーケンボーカル)
釈迦
中2病の神ドロシー


思えば「君よ!俺で変われ!」も久しぶりだったような。この曲の後に最初のMC。筋少ファンにとっては六本木はアウェーだろうとオーケンに言われ、笑いが起こる場内。六本木に行きなれない筋少ファンをイメージしてなり切るオーケンの一人コントが実に面白かった。そして謎の「えいえいおー!」コールが始まる。この「えいえいおー!」コール、詳細を忘れてしまったが、「筋肉パワー! えいえいおー!」のようなダサイ感じのものを五回六回叫び、気合が入ったところで始まったのが「労働讃歌」であった。「ドンペリあけてるセレブ」が六本木のイメージなのだろうか、と思いつつ、えいえいおー!

ムツオさんの後にオーケンが何も言わずにステージを去り、動揺するメンバー。するとステージ袖にはけたオーケンがちょろっと戻ってきて、「間違ってないよね?」とメンバーに確認。動揺して見せたのもコントのうちだったらしく「間違ってないよ!」と返されていて、そういうキメ切れないところが実に筋少だなぁと思った。

オーケンがいなくなってからは、恒例の誰が歌うかコーナー。一番六本木が似合う男に…ということで、若い頃ディスコに行っていたおいちゃんが指名されるも、「俺は歌舞伎町だから!」と拒否して橘高さんへバトンが渡る。「俺が六本木? 俺は大阪の田舎出身だよ!」と橘高さんもバトンを離す。そして最終的に内田さんが「六本木の似合う男」「六本木の主」という設定になり、マイクを手に取りモコモコボンボン! いやー。相変わらず内田さんのモコモコボンボンがドスが効いていて格好良いなぁ。

モコモコボンボンが終わり、オーケンがステージに戻ってきた。ここで筋肉少女帯人間椅子のコラボの話が出て、人間椅子さんにカバーしてもらうから、もう人間椅子さんの曲になったも同然! 今後筋少でやることはないから今日やりましょう! …いやそんなこともないけどね! という前ふりから「少年、グリグリメガネを拾う」! この曲をライブで聴いたのはもしかしたら初めてかもしれない。

「踊るダメ人間」では珍しく、ちょっとしたトラブルが発生したようだった。詳細は語られていないため不明なのだが、橘高さんのギターか機材に何かしらが起こったように見受けられた。ダメ人間の間奏でオーケンがコールアンドレスポンスで時間を作り、さらに内田さん、おいちゃんに学園天国ヘイヘイコールを促して橘高さんの状態が整うのを待つ場面も。

この後も橘高さんはまめにステージ袖のスタッフと話をしている様子で、若干ハラハラしたが、演奏中はニコッと笑って大胆なパフォーマンス! 何かあったことは感じられたが、きっと大丈夫だろうな、と思えたので安心した。

「アンクレット」の橘高さんボーカルは迫力があって格好良かった。実は自分、あまり「アンクレット」にヘヴィメタルを感じることは無かったのだが、橘高さんが歌うのを聴いたら「元はこういうもので、それがオーケンが歌うことで筋少らしくなったのかな?」と、何となく納得したのだった。

六本木の真ん中で「蜘蛛の糸」を合唱するのは楽しかったなぁ。何かこう、別にそんなことは無いのだが、いけない遊びをしている気分になるね。

そうそう。今回はホールライブということで座席があったのだが、結局座って聴いたのは「Guru最終形」だけだった。オーケンは「少女の王国」と「北極星の二人」も座って聴いてもらうつもりだったらしいが、アンコールで立ち上がって曲が始まってそのままになってしまったのだ。明日は座って聴きたい気もする。せっかくなので。

あと、これは確か後ろの方のMCだったと思うが、橘高さんが「天才バカボン」と言おうとしてナチュラルに「空手バカボン」と言ってしまったのが実に面白かった。「チームしゃちほこ」が劇場版「天才バカボン」の主題歌を歌うことになり、その曲のギターを橘高さんが弾いたそうなのだ。

しかし橘高さん。「天才バカボンの曲のギターを弾いた」と言うべきところを「空手バカボンのギターを弾いた」と言ってしまい。最初スルーされそうになったものの若干の違和感。そして気付いたオーケンが指摘し、指からハラリとピックを落として本気でショックを受ける橘高さん。そんな橘高さんにオーケン、「暴虐の貴公子にナゴムを染み付けてしまってごめんなさいね…」なることを言うも、マーシャルの壁にヘナヘナとよりかかりショックを受け続ける橘高さん。

だが橘高さん! 気を取り直して立ち直り、わざと「それで空手バカボンの曲を!」と言うも「…でもチームしゃちほこさんに失礼だからちゃんと言おう」と改めて話し始めようとした矢先にまた「空手バカボン」と言い間違えてしまい、心が折れて崩れ落ちる。あのショックの受け方はすごかった。それを見たオーケンがいじるいじる。「何だよう! ナゴムを馬鹿にしてんのかよ! ケラさん呼ぶぞ!」と言うようなことを言っていて、橘高さんには悪いが、本当に面白かった。

ナゴムといえば、どこかでオーケンと内田さんの「空手バカボンの釜の飯を食った仲だろう」「空手バカボンの釜の飯は食ってないけどね」というやりとりも面白かった。空手バカボンの釜の飯って何だ。

本日最後の曲「中2病の神ドロシー」が終わった後、流れたSEは爆音の「オーディエンス・イズ・ゴッド」! オーケンはわりとすぐにステージからいなくなってしまったが、おいちゃん・橘高さんがノリノリで煽ってくれてこれがまた楽しくて。今回は席が上手だったこともあり、ほとんど橘高さんを観ている状態だったが、間近で観ながら思うのは五十近いとは思えないということで。それでいて表情が綺麗だなぁとつくづく思いつつ、一回のライブでピックを何枚消費するのだろうと気になった。ピックを貼り付けたテープを橘高さんのスタンドマイクに貼るローディーの早業も見事だった。

さて。明日は何が聴けるだろうか。明日も明日とて楽しみである。明日も「恋の蜜蜂飛行」を聴きたいなぁ。



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