襟足に五百二十円
2015年4月20日(月) 緑茶カウント:0杯
そりゃあなるだろうよと思っていたので、美容師が気を遣いながら恐る恐る指摘してくれたとき、さほど大きなショックは受けず、むしろ納得したのだが、それでもやはりちょっとは気が滅入るのである。
円形脱毛症再発。
以前出来たのは震災のときだった。ニュース映像を観すぎてしんどくなってしまったのだ。あのときは五百円玉ハゲが一つと、半月の形のハゲが一つ。どちらも襟足に出来て、皮膚科に行って薬をもらってじっくりゆっくり完治させた。
今は皮膚科には通っていない。二週間に一度心療内科に通って話を聞いてもらいつつ、漢方を処方してもらっている。心療内科の医師には「それは死別反応と言うのだよ」と教えてもらい、誰にでもあることで、時間とともに癒していく必要があると言われている。それは人によっては半年、長ければ二年続くと言う。
今の自分はまだまだ今まで通りとは言い難く、楽しいことは楽しいし、御飯も美味しく、遊びにも出かけるが、ふと思い出しては泣きそうになる日々が続いていて、鼻がつんと痛くなることを感じながら、でもしょうがないよな、そういうものだよな、と納得している。
しかしだ。いくら納得しているとはいえ、襟足にハゲが三つも出来たら困るのである。美容師に指摘されたのは五百円玉大の一つであったが、本日よく見たらさらにその横に十円玉大のものが二つあった。計五百二十円。見事に襟足がまだらである。もういっそ刈り上げてしまいたい。
だが悪いことばかりでもない。最初に出来た五百円玉ハゲからは、ちらほらと短い毛が生えてきていた。一歩進んで二歩下がる。少しずつではあるが、前進出来ているようだ。
まぁ、何とか。乗り越えよう。