未分類4杯, のほほん学校, 大槻ケンヂ, 非日常

間違いなく、これまで参加したのほほん学校の中で一番楽しく、面白かった。腹を抱えて笑い、こんなに贅沢な時間を過ごしてしまって良いのかと過剰な幸せを抱えきれなくなりそうなほど。
何が楽しいって、終始己の大好きな筋肉少女帯の話題が語られたことだ。

ゲストはネオディスコードのファンタさんにNoGoDの団長、そして内田さんとエディの四名。まずはオーケン一人がステージに現れ、昨今の近況を語り、秋に発売する筋肉少女帯のアルバムの作詞が進んでいることを教えてくれた。

ちなみにこの日は番号もまあまあ良かったのだが、ぽっかり空いた席を見つけたおかげでのほほん学校では初めての前から二列目をゲットした。この視界の良さったら! 間近にオーケンを観ることができて最高に嬉しかった。

ファンタさんが登壇してからはオーケンのネットには書けないあれやこれやな話が披露され大いに盛り上がり、話は代わってファンタさんの近況へと移る。するとNoDoDの団長に誘われて筋少のコピーバンド「筋肉杉並」を結成した話が語られる。曰く、団長とは一回しか会ったことがなく、他のメンバーとの面識も全くない中でバンドが組まれたそうだ。故に今日会うのもほとんど初対面とのことである。

そして団長もステージへと呼ばれ、筋少のコピーバンドを行ううえでの秘訣がオーケンより伝授される。そこへ持ってこられたのはリュックサックで、中から出てきたのは写真の束。オーケンの成長記録を写した写真とのことで、これがスクリーンにでかでかと映し出されるのだが、これがまあ何と言うか。何と言うか面白かった。

裸ん坊でニコニコ笑う赤子のオーケンから始まり、家の前でお兄さんと並ぶ記念写真では既に笑顔が消えて、クラスメイトとの銭湯での入浴写真と学校行事で楽しげに笑う写真などが披露されたかと思えば、ブルマーに網タイツを穿き、顔にうどん粉を塗って袋を被った不審者極まりない姿が映し出され……たと思ったらデビュー後の森の奥に棲む妖精と見紛うような美青年の写真。「何度か入れ替わっているに違いない」と言うオーケンの言葉にうっかり頷きそうになる変貌の記録であった。

その一枚一枚に団長とファンタさんは衝撃を受け、小気味良いツッコミを入れてくれるからたまらない。ゲラゲラ笑いながらステージを観ている自分に反して、オーケンは真面目に闇の深さこそが筋少を作ったと語り、団長が真似できないと降参する。

では、筋少を知るうえで欠かせない、歴史を知るメンバーをお呼びしましょうということでステージに現れたのはうっちーとエディ! 贅沢! 何て贅沢!! エディから筋少在籍時のツアーの過酷さが語られ、うっちーのMacを背負ってツアーを行い、ライブ終了後すぐにシムシティで遊んでいたエピソードが披露された。曰く、シムシティが精神安定剤だったとのことである。

その流れで内田さんの最近の活動にも触れられ、急遽テクノを披露することに! 選ばれたのはエディが自身の代表曲と自認する「サンフランシスコ」。Macとボコーダーがセッティングされ、うっちーによる演奏が始まる。ピコピコサウンドでうっちーによりこれでもかと編曲されたサンフランシスコは……作曲者のエディにも「どこがサンフランシスコか」理解できない昇華具合で、その困惑具合が楽しかった。

また、そこに「別の曲を歌ってみてもいいのではないか」というオーケンの思いつきによりうっちー編曲のサンフランシスコに乗せてイタコLOVEを歌い上げながら踊り、それに合わせて団長も踊り、サンフランシスコなのに! と拗ねたうっちーが無言で曲を止め、そこにオーケンが謝ってまた曲が始まったかと思えばオーケンが別の曲を高らかに歌ってうっちーがブツンと曲を切る、というやりとりが繰り返された。うっちーの電子楽器に興味深げに触れるファンタさんも可愛らしかったなぁ。

そうそう、この前だったかな? 「筋肉杉並」のキーボーディストが怪我で急遽参加出来なくなったことを団長が話すと、エディが「いないの?」と興味深げに声をかけ、もしかしたらエディが参加をしてくれる……!? と思わされる展開が熱かった。団長も興奮していた。実際どうなるのだろうなぁ。

うっちーとエディが退場してから、筋肉杉並の二人が無茶振りで本番前にちょっぴり練習しただけの「日本印度化計画」を披露し、コーラスはオーケンと観客に任されたものの、事前確認したにも関わらずオーケンは見事にコーラスを間違えてタハハとなった。でも、二人とも流石にファンでミュージシャンだなぁ。今日この日にいきなり合わせたとは思えない出来栄えだった。すごいなぁ。

のほほん学校にしては珍しくチェキの販売もあったので喜んで買って帰路に着いた。ゲラゲラ笑って、大好きな筋少の話題を存分に聞けてこれ以上なく楽しいイベントだった。こんなに幸せになってしまって良いのかと疑心暗鬼に陥りそうになるくらいだ。あぁ、幸せだったなぁ。

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未分類0杯, 水戸華之介&3-10Chain, 非日常

必要なときに必要なタイミングで必要なものを得られるありがたさってのは格別であり、奇跡に近いものだよなぁ、と思う。

デビュー三十周年記念に加え、デビューアルバム「溢れる人々」の再現ライブということもあってか本日は大入り満員で、さらに3-10Chainではこれまで体験したことのなかった圧しが発生し、ライブが終わった頃には汗だくになっていた。見てはいないが、感覚的に己の背中あたりではモッシュも発生していたように思う。

もみくちゃになりながら拳を上げ、水戸さんに促されては大声で歌い、渦巻くような熱の中で間近で歌う水戸さんの歌声がダイレクトに全身に浸透していく心地良さ。このところはなかなか忙しく、故に精神的にもしんどい状態であった。オーケンでもヒラサワでもなく、水戸さんの歌声を必要としていた。必要としていたときにライブがあって、前から二列目で、ステージの上からオーディエンスに覆いかぶさるように前傾して力いっぱい歌う水戸さんの白い顎鬚を見上げながら歌声を浴びることができる喜び。心の中のざわざわしたものが歌声の威力によって溶かされて、空っぽになったところにエネルギーが充填される至福。今日この日にこのライブを観ることが出来たことは、本当に己にとってありがたいものだった。

大入り満員ゆえにライブが始まる前から酸素の薄さを危惧していた水戸さんは、序盤にオーディエンスに向けて「小さく息をするように」と冗談めかしたリクエストをするものの、熱狂の中では誰しもが大口を開けて興奮していたに違いない。そんな中でも水戸さんは大柄な体でのしのしと動き回り、コミカルに踊り、大振りなアクションで観客を煽り、長い足で力いっぱいジャンプし、しっかりとステージを踏みしめて着地する。酸素の薄さも年齢も感じさせない格好良さは相変わらずだった。

十分ほど押して開演し、一曲目はインストゥルメンタルの「縁」。この瞬間にドッと盛り上がり、人々が前に詰め掛けてびっくりした。いや、多少は予想していたが。していたが! こんなに序盤から圧しが発生することは早々ないのでびっくりしてしまったよ。

とはいえ、その熱狂が心地良い。常々思っていたのだ。もっとガッと盛り上がりたいな、もっと皆ガッと盛り上がれば良いのにな、と。不死鳥のライブでも、大抵は圧しが発生するのは後半のアンジー曲がきっかけだ。その波に飲まれて楽しみつつもずっと思っていた。他のところでも爆発が起これば良いのにな、と。

故に、今日のライブはある意味で願望が叶えられたとも言えるだろう。流石にモッシュまで起こるのは想定外でもあったが。

二曲目は「ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル」! 最近はズンドコバージョンで聴くことが多かったので、久しぶりにロックバージョンを聴けて嬉しい! この曲もすっかり定番化したなぁ。新しい曲がこうして根付いていくのはファンとしてはたまらないものがあるね。

今日は「溢れる人々」がメインで、それ以外に何をやるかは予想がつかなかったこともあり、「ハーイここまで」「芋虫ロック」が聴けたのはサプライズのように感じられ、非常に嬉しかった。特に「芋虫ロック」。切なくてやるせなくて、それでいて好きなんだよなぁ。

「溢れる人々」パートからはもうすごかった。盛り上がりがとてつもなく、体験したことはなく映像を観たこともないものの、かつてのアンジーのライブとはこういうものだったのだろうか……と思わされた。水戸さん曰く、●周年などのキリの良い数字の公演には普段よりも観客が詰め掛けるとのことで、加えて今回は「溢れる人々」の再現ということで、普段は来ないアンジーファンも訪れたに違いない。今日久しぶりに来てくれた方々が、3-10やウタノコリなどの水戸さんのライブにも来てくれると良いな、是非今の水戸さんの魅力を知って欲しいな、と思った。

個人的に一番印象に残ったのは「サーカス」だ。照明の色が変化し、ステージがどす黒い赤に染められ、重々しい音が響き渡る。ゾッとするような迫力と駆け上がるように盛り上がる演奏の威力。今日の「サーカス」はとりわけ、凄まじかったなぁ……。

一転、「ジュー・ジュー」から空気がガラッと変わって踊り狂う楽しさったら。「溢れる人々」が作られたのはまだCDが出始めたばかりの頃で、「溢れる人々」もアナログレコードとCDの両方を作って発売したそうだ。そして当時の水戸さんはまだCDに慣れておらず、アナログレコードのようにA面・B面がないCDで、どうやって曲を構成したら良いのかわからず悩んだと言う。そんな中で水戸さんが辿り着いた答えは「ライブのような曲順にすること」。A面・B面がなく、最初から最後までぶっ通しである特性を考えてのことだ。

よって、始める前はどんな感じになるかと水戸さんも思っていたそうだが、意外にもアルバムの曲順で演奏しても違和感がなかったとのこと。MCの中で水戸さんが、「これに味を占めて黄金時代の再現ライブをやるとしたら……、あのね、今『おー』って盛り上がったけど、実際やってみたら『あれ?』ってなると思うよ」と笑って釘を刺していた。セカンドアルバムからは水戸さんもCDに慣れ、CDらしい曲順を考えられるようになったそうだ。

そうそう、中盤の思わぬところで水戸さんに左手をガシッと握ってもらえて嬉しかったなぁ。興奮しすぎて忘れてしまったが、あれは何の曲だっただろう。力強い手だったなぁ。

「笑い者」について。「溢れる人々」は発売時に新しく書いたものがほとんどだが、「笑い者」だけはずっと昔から歌詞も変えずに歌ってきた曲とのこと。これをライブハウスで歌っているときに、ライブハウスのオーナーだか店主だかに「盛り上がる曲だけでなく、こういう歌があるのは信用できる」と言われたことが思い出に残っているそうだ。

三十年前に歌っていた曲を今も歌い続けていて、今も歌い続けられているというのは途方も無いことのように思う。その途方も無い時を越えて、三十年前を知らなかった人間もその歌を聴くことができるのは水戸さんがずっとこうして活動をし続けてくれたからだ。だからきっとこの先にも、今はまだ水戸さんに出会えていないながらも、五年後十年後に水戸さんの歌に出会える人が出てくるのだろう。

その新たな出会いが増えることを願いながら、これからも自分は水戸さんを応援していきたい。

鳴り止まないアンコールの中で「罪よ歌となれ」「素晴らしい僕ら」が歌われ、ダブルアンコールでは延々と終わらない「でくのぼう」! 水戸さん、澄ちゃん、内田さんがステージからいなくなり、元尚さんも……と思ったら機材の裏にひっそり隠れていて、パタパタッと出てくるとドラムを叩き出し、呼び出されるメンバー! 沸騰するオーディエンスに、でくのぼうの大合唱! 拳を振り上げ振りぬき、ステージから見ればまるでオーディエンスは群体から成るひとつの生き物のように見えたかもしれない。水戸さんに引き寄せられるように数々の腕が伸び、うねり、白熱する。

このとき、目と鼻の先に澄ちゃんのギターがあって、とんでもない至近距離でギターソロを奏でる指先を見ることができて失神しそうになった。贅沢な体験だった……。

そしてまだまだアンコールは続き、ついにトリプルアンコール! 流石に水戸さんも疲れた面持ちを見せていたが、それでも「花火」でがっつり盛り上げ、大きなジャンプまで見せてくれた! 常々思うが……水戸さん、膝が丈夫だなぁ……!!

MCではツアーの途中で立ち寄ったブラジリアンパークで内田さんが生まれて初めて絶叫マシンに乗ったエピソードが語られたり、サンバショーのお姉さんと水戸さんが対決したりといった面白トークも披露され、腹の底から笑ってたまらなく楽しかった。

ライブが終わった後に一息で呑み干したビールの美味しさったら。あぁ、自分は今さぞかし汗臭いんだろうなぁと思いつつ、夜風に吹かれながら興奮でぼおっとする頭を冷やす心地良さもまた格別だった。最高に素晴らしい夜だったな。





ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル
知恵の輪

ハーイここまで
芋虫ロック
センチメンタル・ストリート

天井裏から愛を込めて
幽霊
カナリア
サーカス
ジュー・ジュー
アストロボーイ・アストロガール
夜の行進
霧の中
わいわいわい
笑い者
おやすみ

~アンコール~
罪よ歌となれ
素晴らしい僕ら

~ダブルアンコール~
でくのぼう

~トリプルアンコール~
花火



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未分類0杯, 非日常

嬉しくて楽しくて、たまらないライブだった。メジャーデビュー三十周年を同じ会場で祝うことができて、さらには新譜の発売とツアーの告知まで。筋少は過去を生きていない、未来を生きていると語るオーケンの言葉そのままに提示された先の約束が嬉しくてたまらない。だってさ、今年はオーケンがソロアルバムを作ることから筋少での新譜は無いものと思い込んでいたんだよ。それがまさかのサプライズ。

嬉しくてその場でぴょんぴょん跳ねるなんて、大人になってからはそうそう経験していない。その数少ない小さなジャンプは、ほとんどライブハウスの中で行われているように思う。

しかも何と、レティクルの神様の思し召しかこの日は最前列だった。視界を横切るものが一切ない中で楽器を奏で、力強く歌い上げるメンバーを観ることができる喜びったら。ステージの背後にはデビュー三十周年を祝うロゴがでかでかと掲げられ、しみじみとこの日がいかに特別な日であるかを実感する。三十周年。三十周年かぁ。

先日の日記にも書いたが、筋肉少女帯がメジャーデビューを果たしたとき己はまだこの世に生を受けたばかりだった。年月が流れ、筋肉少女帯の音楽に出会ったときには既に筋少は活動を休止していた。あの頃、レティクル座妄想を繰り返し聴きながらリアルタイムで知りたかったなぁと思ったことも懐かしい。あれも十五年前か。

そして、まさかの再結成の報。
運良く当選した復活ライブのチケット。
初めて生で観た、ステージの筋肉少女帯。

あれからずっと楽しませていただいていて、ずっと元気をもらい続けている。この楽しさと喜びがこれから先にもあることを提示してくれるのが、嬉しくてたまらない。

今日のライブは定番曲中心のセットリストで、その中で若干の異彩を放っていたのが「パノラマ島失敗談」と「戦え!何を!?人生を!」、そしてもう一曲。アンコールでオーケンが、「今日はおめでたい日なので、ドカーンと盛り上がる曲を中心に持ってきた」と語る。続けて、「でもそればかりが筋肉少女帯じゃない。むしろ暗い闇の部分を多く歌っている」と言葉を紡ぎ……照明が落とされ、真っ暗になったステージで静かに歌い出されたのが……「ノゾミ・カナエ・タマエ」。

この前日にリマスタリングされ再発された「レティクル座妄想」を聴き、「ノゾミ・カナエ・タマエ」の悲しい調べと美しい言葉の迫力に圧倒されたばかりで、聴きたいとは思っていたもののまさかやってくれるとは思ってもおらず、気づけば胸の前で手を組み、まるでレティクルの神様に祈るかのような姿勢でステージを見つめていた。

とても楽しいライブだった。盛り上がる曲がいっぱいで嬉しかった。
でも、やはり、己が筋肉少女帯に求めているものは、それだけではないのだ。

「レティクルの神様、ただ一つのお願いがあります」とオーケンが両手でマイクを握り、祈るように歌う。赤いライトを浴びながら天を見つめるオーケンの瞳にはレティクルの神様が映っているかのように見え、光で彩られた輪郭が危うげで非常に美しかった。

自分へのプレゼントにハズキルーペを買い、汗をかいて体が燃え上がるのはロックのせいかと思ったら男の更年期障害かもしれないと冗談めかして語るオーケン。オーディエンスを笑わせながら、加齢だ加齢だと言いながらも三十周年に突入し、さらに先へと進み続ける力強さ。しかしその前進していくエネルギーを放つ体内には、ノゾミ・カナエ・タマエを歌うほの暗い闇も秘められているのだ。

ただ前向きなだけではなく、心の闇を歌い、拾い上げて目の前に提示し、それがあることを肯定させてくれる。そのうえで大いに笑わせ、楽しませてくれる筋肉少女帯という存在に出会えたことは自分にとって幸福に他ならない。三十五周年も、四十周年も、五十周年も共に祝っていきたいと思う。

最後にもう一つ、嬉しいなと思ったこと。今日の会場では近くに車椅子の方と介助の方がいらしていて、介助の方はこまめに車椅子の方のケアをしていたのだが……、あるときに橘高さんがピックにキスをしてそれを客席に投げたのだが、ファンの手に届かず床に落ちてしまったのだ。

すると介助の方がピックに気づき、サッと小走りで取りに行って拾い上げるとササッと戻って車椅子の方に手渡したのだ。視界の隅でその様子を捉えたとき、「よっしゃ!」と己は軽くガッツポーズをした。そうそうそうそう、そう! ありがとう! よくぞ拾ってくれました! だって絶対欲しいと思うもの! 自分だったら!

終演後、ビールを呑みながら余韻に浸りつつ、ロビーに飾られた花輪を眺めた。打首獄門同好会や高木ブーさん、そしてファンからの色とりどりの花輪。物販は人でごった返していて、あちこちで楽しげに感想や興奮を語らい合う人々がいた。皆笑顔で楽しそうだった。己もきっとニコニコしていたのだろう。嬉しくて楽しくて、たまらない一日だった。




サンフランシスコ
少年、グリグリメガネを拾う

日本印度化計画
小さな恋のメロディ(ふーみんボーカル)
パノラマ島失敗談

イワンのばか
機械

戦え!何を!?人生を!

青ヒゲの兄弟の店
サイコキラーズ・ラブ
Guru最終形

これでいいのだ
パリ・恋の都
踊るダメ人間
ディオネア・フューチャー

~アンコール~
ノゾミ・カナエ・タマエ
モコモコボンボン(うっちーボーカル)
釈迦



未分類

■5月31日23時「こんにちは。博多から不死鳥に参戦した者です。」の方へ

博多からいらっしゃったとは! 恐らく飛行機ですよね。お疲れ様です。不死鳥、良いライブでしたね……!
文章から、恐らく昔から水戸さんをご存知の方ではとお察しします。己が書くもので少しでも空気感を伝えられることができたなら、こんなに嬉しいことはありません。本当に、水戸さんもメンバーもファンも、皆が幸せであってくれることを願います。いつまでも最高に格好良い水戸さんを観続けたいです。



未分類0杯, 水戸華之介, 非日常

改めて、水戸さんの歌声が好きだなぁと思った。

水戸さんは最近、同じくデビュー三十周年を迎えるB’zを引き合いにして冗談のような自虐ネタのようなトークをするが、B’zのことはよく知らなくても水戸さんの歌声は心に響く人間がここにいるんですよ、と伝えたい。B’zもそうであるように水戸さんも唯一無二の存在で、決して他の誰かの歌声と代替できるものではないんですよ、と。

水戸さんのデビュー三十周年であり、十五回目の不死鳥である記念すべき興行は三部構成で行われた。水戸さんと内田さんのテクノユニット「Zun‐Doco Machine」を皮切りに、アコースティックバンド「ウタノコリ」、そして激しいロックの「水戸華之介&3-10Chain」。昨今の水戸さんの魅力を一度のライブで味わえる大変お得なイベントだった。そしてきっと、三十周年だからと言って久しぶりに観に来た人々は、意外な水戸さんの姿と世界観に驚いたに違いない。もしかしたらアンジーを期待した人はまどろっこしさを感じたかもしれない。その気配は「でくのぼう」からの異様な爆発で感じ取りもした。熱望とフラストレーションの爆発らしきものが一部にはあったように思う。

同時に「Zun‐Doco Machine」で体を揺らしながらニコニコと聴き入り、「ウタノコリ」の静かな迫力に圧倒された人々もいた。特に「マグマの人よ」「ゆきてかえらず」の魂のこもり具合に、ビリビリと痺れるような水戸さんの声量と声の威力。身の毛がよだつほど素晴らしかった……。あぁ、この人は詩人であり、歌手なんだなぁと改めて思い知らされる。この声を聴きたくて己はここに来たのだ。それは他の誰かからは決して得られない、水戸さんからしか得られない威力なのだ。

しかしそんな素晴らしいライブの中で残念な出来事もあった。マナーの悪い嫌な客が来ていたのだ。「すみませんすみません」と人を探すふりをしながら堂々と割り込みをし、飲食物持込み禁止にも関わらずポケットからウイスキーのビンを取り出してはぐいぐい呑んで酒臭い息を吐き散らし、仲間を呼んでよりにもよって演者への悪口を言う。その人は四千五百円を払っていったい何をしに来たのか。どうやら、昔の思い出だけを求めて来たらしい。

だが、水戸さんは今を生きている。かつての曲と今の曲を同じ日に歌い、今の水戸さんの歌声に昇華して響き渡らせている。それは電子音楽に姿を変え、時にはピアノの調べに乗り、あるときはギターとドラムとベースの波と共に奏でられて聴く人の心を揺らす。一歩一歩、じっくりと歩みながら三十周年からその先へと生きている。

オープニングではBOZE STYLEの頭部を楽器に見立てた驚きの演出で笑いを取り、「明日への誓い」は著しいアレンジによりオーディエンスを驚かせ、わじーのギターが痺れる「31のブルース」では渋さと格好良さで人々を魅了する。かと思えば突然のカバー曲「セクシャルバイオレットNo.1」で大いに盛り上がり、楽しませよう楽しませよう、そして自分自身も楽しもうという水戸さんの意気込みが素敵だった。

個人的に嬉しかったのは「生きる」が聴けたこととアンコールが「掃き溜めの街で歌い始めたチンピラ達の新しいメルヘン」だったこと。「生きる」は何度聴いてもその度に心が鷲づかみにされ、特に今、ちょっとしんどい思いを抱いているだけに拳を握り締め、前へと進もうと思う強さを心に持つことができてありがたかった。己はいつもこの曲に助けられているなぁ。

「掃き溜めの街で歌い始めたチンピラ達の新しいメルヘン」は、ゲストが全員登場しての演奏と合唱。水戸さん曰く、三十周年と言うとこれで終わりのようなイメージもあるから……とあえてこの曲をチョイスしたとのこと。

まだ始まってもいないし、終わってもいない。これから歌い始めると堂々と宣言するこの曲を、アンジーの盟友である中谷ブースカ氏と同じステージで歌うのは一つのドラマだろう。彼が水戸さんと共にステージに立つのは今後二度とないかもしれない。しかし彼が作る楽曲はこれからも水戸さんと共にあるだろう。

後追いファンの自分はアンジーをリアルタイムで知らず、中谷ブースカ氏も写真でしか見たことがなかった。ただ、近年の水戸さんのアルバムにも彼の名前が作曲者としてクレジットされていることは知っていて、ずっと印象深く思っていた。赤い衣装に身を包み、コミカルな仕草で熱くギターをかき鳴らす彼と、隣に立ってマイクを握る水戸さん。無論懐かしさなどは感じなかったが、今ここで、この2018年にこのステージを観られたことはきっと自分にとって幸運なのだろうと思った。



■Zun‐Doco Machine
ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル
明日への誓い
31のブルース
セクシャルバイオレットNo.1(カバー)
100万$よりもっとの夜景

■ウタノコリ
雑草ワンダーランド
浅い傷
マグマの人よ
落書きみたいな存在達のハレルヤ
庄屋の倉
腹々時計
ゆきてかえらず

■水戸華之介&3-10Chain
知恵の輪
ハーイここまで
生きる
でくのぼう
すべての若き糞溜野郎ども

花火
芋虫ロック
センチメンタルストリート
素晴らしい僕ら
天井裏から愛を込めて

~アンコール~
掃き溜めの街で歌い始めたチンピラ達の新しいメルヘン