日記録2杯, 日常

2018年6月7日(木) 緑茶カウント:2杯

以前、そばをずるずるすすりながら歩く人を見て驚いた記憶があるが、今日はフォークでつつきながらケーキを食べる人とバナナをむっしゃむっしゃ食べる人が楽しげに並びながら歩く姿をビジネス街で見て驚いた。

しかもバナナを食べている人は右手には皮を向いた食べかけの一本を持ち、左手には房を持っている。ケーキを食べている人はケーキ屋の箱を開いて皿代わりにしていて、ショートケーキとモンブランらしきものをつついている。このあたりにスーパーは無く、ついでに言えばケーキ屋もない。どこで買ったのか。全部食べるのか。何故近くにベンチがあるのに座らずわざわざ果敢に道を選ぶのか。

謎は深まるばかりだが二人組みに問いかけることもできず、ただただ彼女らの足音が遠ざかるのを聞くことしかできなかった。二人はとても楽しそうで、己は異空間に迷い込んだような不思議な心持ちがした。



日記録2杯, 日常

2018年5月22日(火) 緑茶カウント:2杯

その眼鏡屋を利用したことはなかったが、その眼鏡屋の前を毎日歩いていたのだ。

個人商店の小さな眼鏡屋。ガラス張りの壁から店内を見渡すことができる中、己が主に見ていたのは店のガラスそのものだった。通り過ぎるたびに老店主がカッターを持って、季節やイベントにふさわしいイラストや文字のカッティングシートを貼っていた。それはとても頻繁に貼り替えられ、あぁ今日は何を貼っているのだろうと店主の細かな手つきを眺めたものだ。

ところがこの一ヶ月、イラストや文字で飾られたガラスはシャッターで閉じられ、その上には一枚「都合によりしばらくお休みします」という手書きの貼り紙。昨日もシャッターは開かず、今日もシャッターは開かず、ずっと白い紙が風に揺れるだけ。

何があったんだろう。何かあったんだろうなぁ。店主と話したこともない己はただただ店の前を歩きながら、あのカッターを握る指先を思い浮かべるのだった。



日記録2杯, 日常

2018年4月23日(月) 緑茶カウント:2杯

好きであることと詳しいことはイコールではなく、好きだからこそ興味の範囲が狭いということは往々にしてある。ところがそこで、好き、イコール対象の全てに興味があり、その話題なら何でも好きと思われるとなかなかしんどい。

髪に切りに出かけたところ美容師との会話の中で音楽が話題に上った。休日はよくライブに行くと話したためだ。すると美容師は水を得た魚のように、それはもう嬉しそうに好きな音楽について語り出した。美容師の好きな音楽はファッションビルでよくかかっている、海外の有名ミュージシャンの曲……らしい。

そこからが辛かった。「○○って知ってるでしょ? え? 知らない? 絶対知ってるよ~聴いたら絶対わかるから! ほらここでもよくかけてるやつだって。すっごく人気で~私も大好きで、それでねあれでね云々かんぬん、youtubeに上がってるから聴いてみてよ! 音楽が好きなら絶対好きになるから!」

簡潔にまとめたが、実際はこの十倍の熱量と文量であった。立て板に水とはまさにこのこと。美容師のよく回る舌の前で辟易しながら「いや、音楽全般が好きなわけではなくて、ものすごく好きな音楽が一部あるだけなんで……」と己は答えた。むしろそれ以外にはあまり興味がなく、人に勧められるのが苦手で勧められた時点で絶対に聴かないから無意味ですよ、とまでは流石に続けなかったが飲み込んだ言葉は腹の底に溜まった。

しかし美容師のトークは止まらず、その楽しげな様子を見て思ったことはこんなにも自信を持って人に勧められるのはある意味うらやましいということ。きっとこの人は好きな音楽の話題を出すとき、どこから話そうか、どの程度なら話を聞いてもらえるだろうか、と逡巡したことがないのだろう。

試しに己もマシンガントークを繰り広げてみるかな、と思いつつも実行には移さず、壁をぼーっと眺めて過ごした。語り続ける美容師はいつまでも楽しげだった。



日記録2杯, 日常,

2018年4月12日(木) 緑茶カウント:2杯

ミントと炭酸は強ければ強いほど良いと信じている。しかし唐辛子は苦手である。こちらは控えめな方がよろしい。

下手をすると一日中ミントタブレットとミントガムを食べ続けている。どちらも黒いパッケージで強烈な清涼感をうたっているが、物足りない。もっと鼻から脳に突き抜けるような、冷たささえ感じるような強烈な刺激を口に入れたいのに、生憎満足するものに出会ったことがない。

対して炭酸の方は理想的なものに出会えていて嬉しい。好きなのはウィルキンソンの炭酸水で、大粒の気泡に咽喉を殴られる心地良さを味わうたびに幸せになる。このくらいの刺激のミントにも出会えたら良いのになぁ。

ミント狂の方で良いものをご存知の方は是非ご一報を。ミンティアメガハード、ブラックブラックタブレットよりも強いものに出会いたい。



日記録2杯, 日常

2018年4月7日(土) 緑茶カウント:2杯

年齢を重ねるにつれだんだんと無理が利かなくなるとは聞くが、こうして実感してみるとなかなか不都合なものだなぁとしみじみ思う。

とはいえまだ三十代。先は長いのだ、先は。

三月末は非常に忙しく、その中でエイプリルフールの準備のため徹夜をし、一睡もせずそのままライブに行って楽しんで翌日からもなかなか忙しく、ストレスを解消しようと娯楽を求めればどうしても睡眠時間を削らざるを得なくなり、昼は栄養ドリンク、夜はアルコールをインストールして日々を過ごしたら、まぁ疲れたね! とても! くったくただよ!

そりゃあまあそうだろうな、と納得する。というか百歩譲って栄養ドリンクと娯楽はともかくアルコールの摂取は控えなさい、眠れてないんだから、自分よ。

春の嵐に煽られ地面を覆う桜の花びらが舞い上がり、ざわざわと視界を濁らせる。道端には花見客が放置した空き缶やスナック菓子、つまみのゴミ袋が散乱し、ところどころに吐瀉物の乾いた跡。枝にはしぶとくしがみついた桜の花と生い茂る緑の葉が洗ってないパレットのような色彩を描き、タンポポばかりが鮮やかに群生している。そんな中、イヤホンを耳に挿し筋少を聴きながらぐったりしつつ歩く自分は花粉症のためマスクをつけていて息苦しい。薄手の上着の下は半袖で、若干肌寒かった。

春だなぁ。

来年もきっと同じ春の景色を見るのだろう。願わくは来年はもう少しゆったりと葉桜を眺めたいものである。
そう思って今日も、プルタブに指をかけるのさ。

まぁ、何だかんだでやっと少し落ち着いた。今日はゆうるりとした夜を過ごせそうである。