未分類扇愛奈とFoo-Shah-Zoo, 水戸華之介&3-10Chain, 筋少拡散波動砲2013, 筋肉少女帯, 非日常


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水戸さんが日本を印度にしてくれたよ!!

何のこっちゃらと言う感じだろうが、とりあえず興奮していることだけは伝わっただろうか。筋肉少女帯拡散波動砲であり、プレうっちー祭りであり、CLUB Que 夏ノ陣であり、水戸華之介&3-10Chainのライブであり、扇愛奈とFoo-Shah-Zooの初ライブでもある色々と要素の多いライブに行って来た。

筋肉少女帯拡散波動砲は、簡単に言うと筋少のメンバーがそれぞれ行っている別のバンドが共演するイベントである。そして今回は内田さん繋がりで二つのバンドが共演することになり、何とオーケン以外の筋少メンバーが全員揃うという、むしろ何でオーケンがいないんだ、と思わず突っ込みたくなる顔ぶれだ。どうせなら飛び入り参加をしてくれたりするようなサプライズが無いかな、と若干期待していたのも本音である。

だが、ライブが終わってみればオーケンがいないのはかえって良かったと心底思う自分がいた。と言うとまるでオーケンを邪険にしているかのようだがそれは誤解である。オーケンがいないことで、オーケンがいないが故に見られる面白いものを目撃することが出来たからだ。

まさか扇愛奈が「妄想の男」を、水戸さんが「日本印度化計画」を歌い、アンコールで内田さんを中心に「俺の罪」を合唱するなんてことが起こるなど誰が予想出来ただろう! トリビュートでもしてもらわない限りなかなか耳にする機会が無く、そのトリビュートの実現が不可能に近い中ではそれこそほとんど聴ける機会の無い「オーケン以外が歌う筋肉少女帯の曲」が聴けたのである。

もし今回のライブにオーケンがゲスト参加していたらこれは見られなかっただろう。恐らく、デュエットという形になっていたはずである。それはそれで楽しいが、オーケン以外の、特に水戸さんが歌う筋少の曲というものを、一度聴きたいと自分は特に思っていたのだ。

「ハーイここまで」「Spin Spin」「D.K.H」「トーカラジ」「命の重さ」と3-10chainの曲を中心にやり、橘高さんを迎えた後は「誰だ」「蝿の王様」と橘高さんと関わりのあるアンジー曲で盛り上がる。そしてMCに入り、「次は一兆とある俺の曲の中から、上位にランクインする曲をやる!」といったことを言って煽る水戸さん。何だ? 何が来るんだろう。アンジーか? と思って身構えると力いっぱい叫ぶ水戸さん!

「日本を印度に!!!!」

びっくりした。その前に扇さんが「妄想の男」をやっていたが、まさか水戸さんまで筋少の曲をやるとは思わなかったのだ。水戸さんのコールに力強く「しーてしまえー!!」と叫ぶオーディエンスがいる中、困惑した人々も少なくないようでどよめきも起こっていた。自分はその中間だ。条件反射で「しーて」まで叫んだものの、「しま……えぇぇええ~?」と拳を中途半端に振り上げて固まってしまった。

どよめきが起こる中水戸さんは首を傾げる。「あれ? おかしいな~俺の曲の中では八位あたりにあるんだけどな~」あくまでも「俺の曲」という体で話を進めるのが面白い。そして仕切り直してもう一度コールアンドレスポンス! 橘高さんがギターで御馴染みの音を奏でると、ドッと人々が前に押し寄せ、ちょっとした興奮状態が起こった。

素晴らしかった。こんなに歌詞が正確な「日本印度化計画」は初めて聴いたかもしれない。この日のために水戸さんはちゃんと覚えてくれたのだなぁと思うと感謝の気持ちで一杯になる。間奏で学園天国のヘイヘイコールを入れてくれたのも感激だ。もうこれも含めて日本印度化計画ということなのだろうなぁ。

さらに印度のお約束として欠かせない、橘高さんによるピックのばら撒きもあった。一枚を空中で掴み取ることに成功。何で水戸さんは印度をチョイスしたのだろうという疑問もあったが、単純にこのように盛り上がって楽しいからかもしれない。水戸さんも楽しそうに歌っているように見えた。

MCではプレうっちー祭りということもあり、内田さんに話題が振られることが多かった。「わかりにくいけどこう見えてうっちーはいっぱいいっぱいになってる」「楽屋にいて何かおかしいな変だなと思ったらうっちーがいなかった。うっちーは(扇さんの方のライブで)弾いてた。普段いるのが普通だからいなくなってもなかなか気付かない」などなど。面白かったのが「うっちーは平和の象徴。うっちーが倒れたら日本は終わる」と水戸さんが言ったとき「あ、そう」と内田さんがあっさり流したこと。照れていたのかもしれない。

今日の内田さんは大活躍だった。二つのバンドが出る前に一人でステージに現れて前説を披露。「筋少拡散波動砲」の趣旨を説明し、とりあえずおめでたいものだと適当に締めて、「おめでと~ございま~す」とオーディエンスにコールさせて盛り上げる。一人でこんなに喋る内田さんを見る機会もそういえばあまり無いなぁ、としみじみ思った。

そして最初に登場したのが扇愛奈とFoo-Shah-Zoo。上手においちゃん、センターに扇さん、下手に内田さん、後方に河塚さんという陣営だ。扇さんは茶髪のショートで、胸元の開いたチャイナっぽい衣装。そういえばゲスト以外で女性のボーカルをライブで聴くのはこれが初めてなんだな、と気付いた。

扇さんはパワフルだった。咽喉がぶっ壊れるんじゃないかというシャウトに見開いた目玉、乱れまくる髪。レピッシュのステッカーが貼られたギターを弾きながら歌い、ときにはギターを外してキーボードを弾くことも。聴き慣れないせいか、歌詞をほとんど聴き取ることが出来ず、何を歌っているのかわからなかったのが残念だった。

おいちゃんは髪の毛をストレートにしていた。なるほど、つまり普段はストレートで、筋少のライブのときは巻いているのか。普段からくるんくるんしているものとばかり思っていた。

珍しいものと言えばおいちゃんのギターソロ。おいちゃんは他の筋少メンバーと違い、ソロや別バンドでの活動がこれまでほとんど無かったため、自分は「筋少のおいちゃん」しか知らなかった。今聴こえているこの音がおいちゃんのギターの音なのだなぁ、と思うと不思議な感じがした。

MCでは、扇愛奈とFoo-Shah-Zooはメンバーのあだ名を何にするかということがバンド内で熱く議論されている、という話が出た。このとき扇さん、おいちゃん、河塚さんは結構ノリノリで話していたのだが、内田さんはかなりどうでも良さそうにしており、その温度差が面白かった。

ところで扇さんのあだ名案の一つがアーティストイメージに関わるという話になったとき、言っていいの」「大丈夫?」「マネージャーに怒られる」「ここだけだからね」とやたら慎重になっているメンバーを見て、卑猥系のものが候補に挙がったのかと思った自分は結構心が汚れたなと感じた。実際はラブリー系のものだった。

後半のMCでは扇さんが「実は私は妄想が大好きで、人生の八十パーセントは妄想をしている」と謎のカミングアウトをし、これはいったい何のトークだろうと思ったらよもやまさかの「妄想の男」! ここで聴けるとは思わなかった!

というのも、オーケンの歌詞集「花火」で、「妄想の男」について「歌詞が好きではない」とオーケンが書いていたので、ライブでやることは無いだろうと思っていただけに。その文を読んだとき「嫌いなのか」とがっかりしたことを覚えているだけに。さらに、コアな選択だなぁ! と嬉しくなってしまった。

扇さんの妄想の男は基本を踏襲しつつも、ボーカルが女性の声に変わることで印象がガラリと変わって面白かった。また、歌いながら髪をかき混ぜる仕草が気が違ってしまっている人のようで迫力もあり、録音されていないのがもったいないと思うほどだった。

そうだ。扇さんと並んでいる内田さんを見たとき、あれ、内田さん小さくないな、と思ったのだ。普段背の高いオーケンや水戸さんと並ぶ内田さんを見慣れているだけに、内田さんは小さくて細い印象があるのだが、意外とそうでもないのだな、と思わされたが、水戸さんと並んだらやっぱり小さかった。

扇さんの後に登場した水戸さんはでかかった。動きもでかかった。扇さんはほとんど位置を移動せず、キーボードを弾くときやおいちゃんと並んでギターを弾くときは動いていたが、基本はスタンドマイクの前が定位置。対して水戸さんは動く動く。澄田さんと内田さんの間の狭い空間をあっちこっち行き来して、天井に掴まり、ジャンプし、踊りと空間全てを使い倒そうとしているようだった。

そういえば水戸さんにとって今年は記念の年だそうで、その話が出たときてっきりデビュー二十五周年の話をするのかと思いきや、九十何年だか、エレカマニアを止めて別の活動を始めようとした頃に買ったアイライナーをついに使い切った記念の年だ、と言っていた。聞くと、丸い缶か何かにアイライナーは入っているようで、それを指ですくって使うのだが、底が見えてもなかなか減らず、一生使い切ることが無いんじゃないか、寝ている間に小人さんが足しているんじゃないか、と思うほど減らなかったそうだ。毎日使うものではないとは言え、あんなにがっつり目の周りに塗るのにそこまで減らないとは。これはもっとライブをやりなさいと神様が言っているのではないだろうか。

そして自分はあの目の周りのメイクがアイライナーによって色づけされていることに驚いた。何て太いラインなんだ。アイシャドウじゃないのか。

メイクの話と言えば橘高さんだ。橘高さんは「橘高文彦」に変身するのに、三時間ほど「お祈り」をしなければならないそうで、水戸さんが「KISSだって○時間でしょ」「すごい」と感嘆していた。また、橘高さんの「設定」をよく知らない水戸さんが「メイクにかかる時間」と言うのを、橘高さんが否定し、「三時間ずーっとお祈りしなければならないの」と、あくまで「メイク」ではなく「変身」と言い張り、「そういう設定があるんだ」「デーモンに近い感じなんだね」「わかった、鱗粉なんだ」と笑っているのがまた異文化交流といった感じで面白い。ちなみに今日は橘高さん、変身のために二時間ちょっと祈り続けたそうだ。

アンコールではまず3-10chainだけが登場し、メンバー全員で「ファンタジック」を合唱。この曲を聴くと元気が出るので嬉しい。そしてその後は本日の出演者が勢ぞろいし、センターに立った内田さんが「ベースなんか弾いてられるかー!」とノリノリになってマイクを握り、さらに「誰かベース弾いてくれる人………橘高君がいるじゃないか!」と手ぶらの橘高さんにベースを弾くことを強要。河塚さんはドンキホーテで売っているようなでっかいラメ入りの蝶ネクタイをつけて手ぶら。何だかよくわからない空気のまま内田さん主導で「俺の罪」を合唱。すげー楽しかった。すげー楽しいが改めて、何でこんな変な歌詞を皆で歌っているんだと思わずにはいられなかった。

途中で内田さんが橘高さんからベースを受け取り、歌いながら弾き出して、手ぶらになった橘高さんが何故かマラカスを振り出すカオス。今日の貴公子は見所が多くて大変だ。そんな橘高さんの横でにこにこしながらギターを弾くおいちゃんは通常運転なのがまたおかしい。

最後は内田さんのコールで一人ずつ退場。まずはボーカルの扇さん、水戸さん。次に河塚さんに橘高さん。そして演奏している楽器隊が一人ずつステージを去り、ドラムの元尚さんがいなくなるとベースの音だけがベンベンベンとステージで響く。水戸さんのライブで、一人ずつ楽器隊が入っていってだんだん音が増えていく演出はあるが、その逆もまた面白いなぁ。

ベースを弾きながら内田さんは最後の挨拶を終えステージを去っていった。いつもの筋少や水戸さんのライブでは見られない珍しいものが詰まった楽しいライブだった。筋少拡散波動砲、単純に筋少メンバーの出るバンドを一度に見られるライブかと思いきや、コラボレーションの妙も味わえ、これはなかなか想像以上に面白い。良いなぁこれ。次のイベントも楽しみだ。



未分類水戸華之介&3-10Chain, 穴場(杉本恭一&上田健司), 非日常




日記の重要性を再認識した。昨日、日記を書かずに眠ろうとしたのだが、ライブの興奮が体に残ったままだったためいつまでも目が冴えて眠りに付くことが出来ず、今日一日を寝不足で過ごすこととなったのだ。己はいつも日記で興奮を発散していたのだなぁ。意外に重要な役目を持っていたんだね、こいつは。

さて、引き続き水戸華之介&3-10Chainと穴場の対バンライブ、「プロ野郎スピリッツ2010」の感想を。

先日は博多。そして熊本。博多は水戸さんのホームであり、熊本は恭一さんの故郷である。土地ごとのMCもツアーの楽しみの一つかな。何か特別なお喋りはあるだろうか、と、楽しみにしながらライブハウスに向かう。おお、あったあった。ライブハウス「Django」。比較的わかりやすい位置にあったから助かった。これなら道に迷う心配も無いな。

下見を済ませてうろうろして後、時間前にまたライブハウスへ。中に入ると奥にステージがあり、入り口側にテーブルや椅子が設置されていた。無論自分はステージ前へ。いそいそと人の列の後ろに並ぶ。二列目だ。

ところが。会場に人が増えてきても己の後ろになかなか人の列が出来ない。お客の半分以上はテーブル席や椅子席、もしくは壁寄りの床に座り込んでいて、スタンディングスペースは三列目が最後列という謎現象が起きている。こんなことは初めてだ。これは…ライブが始まったらいったいどのようになるのだろう…。

少しばかりハラハラしていたのだが、ライブが始まると今まで椅子に腰掛けていた人々も前に来たのか、スタンディングスペースも賑やかになったようだった。あぁ、ほっとした。

出演順は昨日と同じく穴場が先だ。今回の会場にはスクリーンが無いため、開演前の映像の演出は無く、代わりに映像につけられていた音楽だけが流されていた。そして登場、穴場の二人! 恭一さんと上田さんだ! おおー! やっぱ上田さんの楽器は面白いなぁ! 何て名前なんだろうな、あれ。

昨日は上田さんの楽器に気を取られて気付けば上田さんばかりを見ていたが、この日は恭一さんもじっくり見られた。そこで気付いたのだが、昨日の日記で「恭一さんはアコギを持っていた」と書いたが、よく見たらエレキも演奏していた。アコギメインでエレキは一度だけ、くらいに思っていたが全然そんなことは無い。どれだけ上田さんの楽器に気を取られていたのだろうか。

チェロを細くしたような形をしている上田さんの楽器は、まぁ、流石にそうだろうとは思うが、よくよく見たら支えがあって、斜めに立てかけられる形になっていた。ラジカセのように音を流しているときは、その音はまるで洞窟の中で録音したかのようで、地下のライブハウスが洞窟に様変わりしたような錯覚を感じさせてくれた。湿った反響音がブゥウウウンブゥウウウウンと波紋のように広がっていくようでね。面白かったな。

最初のMCでは恭一さんが、「俺のプロ野球はここで終わりました」と一言。笑いが起こる会場。話によると先程地元のプロ野球チームが逆転負けしたそうで、野球に全く興味の無い自分はチーム名すら出てこないのだが、「穴場ということで、穴を空けようかと思いました」と気落ちしながら笑いをとる恭一さんには笑わせてもらった。

穴場で一番盛り上がったのは「便所!」とコールする曲かな。元々あった曲をラテン風に作り直したものらしい。出来る限り歌詞を聞き取ってみたのだが、生理現象と戦う人間の必死さと緊迫感を感じさせられる内容だった。

穴場の曲を聴きながら、あぁ、もう今聴いているこの音楽を聴ける機会は無いのかもしれないのか、と気付き、同時に聴き直したいという欲求が生じていることにも気付いたので、ライブ終了後CDを購入することに決め、実際購入して帰宅した。まだ封は開けていないがわくわくしている。CDで聴くとまた感じが変わるよな。楽しみ楽しみ。

お次は3-10Chainだ。以下、記憶したセットリストである。わからない曲があるのが悔しい。

ロケットが飛ぶだろう
ファンタジック

ハーイここまで
100万$よりもっとの夜景
君と瓶の中

犬と夕暮れ
銀の腕時計
生きる

サイクリング
すべての若き糞溜野郎ども
(不明。歌詞に「リックサック」「パヤパヤ」があった。)

沈没船
リックサック
天井裏から愛をこめて

(ぎゃくてん? だくてん? らくてん?)
アストロボーイ・アストロガール

若干の入れ替えがあるようだ。ファンタジックが聴けて嬉しい。もしや昨日は博多だからアンジー曲を多く入れてあるのだろうか、と思ったがその点の変更は無いらしい。それでだ。それでね。ちょっとした不満と言うか、物足りない点が昨日今日のライブにはあってだな。

何かっつーと、3-10Chainの名義なのに、3-10Chainの曲が少ないのだよ!

アンジーの曲も大好きだ。「銀の腕時計」では心が沸き立ったし、「サイクリング」が聴けたのもすごく嬉しい。「沈没船」も心から満喫した。けど…もっと3-10Chainの曲も聴きたかったなぁ、と思うのだ。

ブログで水戸さんが書いているように、確かにこれは「出し惜しみのないメニュー」ではあるのだが、何て言うかな。メインの肉料理をがっつり食べる気でいたら、デザートが思いの外充実していて嬉しかったのだけれど、肉料理が意外と少なくて、肉を堪能するつもりだった胃袋にはちょっと物足りなかった、という感じ。特にアンコールはどっちか、3-10Chainの曲を聴きたかったなぁ。

そこで気になったのが、水戸さんにおけるソロと3-10Chainの違いは何なのだろう、ということだ。今、ふと思い立って自分の行った水戸さんのライブの記録を見てみたのだが、3-10Chainでもアンジーの曲は演奏されていて、ソロの方でもアンジー、3-10Chainの曲が演奏されている。メインによっての比率の違いはあるが、明確な区分けは無いようだ。……とすると、メンバー編成に尽きるのかな。

無論、今回は大型ツアーで普段なかなか回れない地方の人々のためにいろいろな曲を聴けるようにしてくれたであろうことと、せっかく恭一さんが参加するのだから、それに映える曲をやろうとした意図があったことは理解しているよ。それでも! 尚! もうちょっと! 聴きたかったのさ!

閑話休題、本編へ。「こんにちは! 我々です!」というお馴染みの挨拶で現れた水戸華之介&3-10Chain! いよっしゃあああ待ってました! 一曲目は先日と同じく「ロケットが飛ぶだろう」! 沸き立つ会場! うわー楽しいなぁ!

そして二曲目の「ファンタジック」がたまらんかった! メンバー全員大合唱で賑やか賑やか! それでだね。自分は数日前までは水戸さんを観に行くつもりであったのに、気付けば内田さんばかりを見てしまっていた。昨日の内田ショックがまだ抜けていなかったのである。

会場のノリの方はと言うと、博多はやはり、水戸さんのホームなのだなということをつくづく思い知らされた。博多での水戸さんはかなりサービス過剰で、拳をゴツンを合わせてくれる場面も一度では無く、口に含んだ水を思いっきり霧状に噴出したり、煽りながら煽られているようだった。また、「君と瓶の中」のセクシャルなパフォーマンスも博多の方が過剰だったな。客もそれを全身で喜んで返してくるからどんどんヒートアップする。

だが、水戸さん以外のメンバーの煽りにはそっけなく、自分の周囲で内田さんのコーラスに合わせて拳を突き上げている人は見える範囲ではいなかった。上手はどうかと見渡してみると、ギターソロ中でも興奮真っ只中、という様子では無い。穴場の演奏にも無反応、3-10Chainの曲にも無反応、アンジーの曲になっていきなり爆発、なんて客がいたくらいだしなぁ。なかなかのカルチャーショックであった。

よって、博多の方では最前付近であったにも関わらず周囲が静かだったため内田さんの煽りにも少々ノリにくかったのだが、熊本は結構満遍なく盛り上がっていたのでわーわーと騒ぎやすかった。でも熊本では「銀の腕時計」の「シャンランラーララー」という客のコーラスが成立しそうにない気配だったので、全部水戸さんが歌ってたんだよな。歌わせるかな? と思ったんだけどね。このへん、会場の盛り上がりによって変化をつけてくるんだね。あと学園天国ヘイヘイコールも熊本では無かった。けど「イェエ!」「イェエ!」っていう短いコールならあったかな。

昨日も聴いたが今日も聴きたい、やると予想はついていたけどイントロを聴いたら反射的にガッツポーズをしてしまったのが「生きる」だ。大好きなんだよ、この曲。切なくて泣きそうになるけど力強さに溢れてて、死に物狂いにならなけりゃ、と思わされる苦しい曲だ。「生きろ」でも「生きて」でもなく、「生きる」と己に対して言い切っているのが良い。

この「生きる」を初めて聴いたのはライブ盤だった。何度も繰り返して聴いて、まるでスタジオで録音したかのような完成度だ、と思っていたのに、その後でやっとオリジナルアルバムを聴いたらスタジオ収録ならではの格好良さ、追いかけるようなイントロに心を鷲掴みにされたんだ。この曲をまた今日も聴ける。喜びと締め付けられるような想いが胸の中で同居してどうにかなってしまいそうだった。

「サイクリング」から恭一さんが参加。ついつい橘高さんのギターを頭の中で再生して、「あれっここにピロピロ言う音が入らない!」とびっくりしてしまうのは筋少ファンの性だろう。「すべての若き糞溜野郎共」で「糞溜野郎おおおおお!!」と叫べるのが最高に楽しい。普段大声で言えないような言葉を叫べるってのもライブの醍醐味の一つだね。そうそう、この曲は水戸さんと恭一さんが二人でボーカルをとってたな。

「リックサック」では上田さんが電子トランペットなるものを持って登場。色は真っ黒、ツルツルではなくサラサラした表面のようで、これまた非常に格好良い。昨日今日と見慣れない楽器を二つも見られて嬉しいなぁ。「ラッパッパッパッ」のところでは、一度マイクから離れ、コーラスが近くなると慌ててマイクに駆け戻ってコーラスをする、という振りを内田さんは見せてくれた。お茶目である。

昨日の会場では柵が無く、アンコールではものすごい押しにやられてステージ上に上半身が乗り出してしまうハプニングにあったが、今回は柵があり、押しもそこまででは無かったため安全に盛り上がることが出来た。昨日は狂乱の中にいたのでアンコール中何があったのかよく覚えていなかったのが正直なところである。そのうえで内田ショックもあったんだってんだから頭も真っ白になるわ。未だにあれは夢では無かったのかと思うほどだ。

アンコールの「アストロボーイ・アストロガール」では一度終わったと見せかけて、静まりかけたところでベースが鳴り響きまた爆発! を繰り返し、爆発が起こるたびにステージも客席もヒートアップしていった。そして途中、内田さんがベースを降ろしてマイクを握り、引っ込んでいた上田さんが三度登場、内田さんのベースを手にして演奏を始め、マイクオンリーになった内田さんは「アストロボーイ・アストロガール!!」と叫びながら柵から身を乗り出して煽りまくりの大・サービス!! 本日も内田さんに触れてしまった。先日ほどの混乱は起きなかったとはいえ、ものすごく嬉しい。

全てが終わった後にはシャツがじっとりと濡れていた。あぁ、楽しかったなぁ。二日続けて3-10Chain。そしてまさかこんなに内田さんを堪能出来ることになろうとは。柵のギリギリまで近づいてベースを弾いて煽る内田さんが、ステージの上から客席を見下ろしながらにっこり笑った瞬間が写真のように記憶に残っている。それを見上げて嬉しくなって余計白熱してしまったのだ。………最後まで内田さんの話か。未だショックは抜けないらしい。ははは。

未分類水戸華之介&3-10Chain, 穴場(杉本恭一&上田健司), 非日常




夢心地と言うか、現実感が無いと言うか、とにかく、ふわふわしている。先程、水戸華之介&3-10Chainと穴場の対バンライブ、「プロ野郎スピリッツ2010」に行ってきた。それからずっと放心中だ。そんなわけで、放心している理由と共にライブの感想をここに書き記す。

ライブ会場は「The voodoo lounge」。キャパは二百ほどの小さなところだ。と、いうことは以前下北沢のクラブ251に行ったときのように、スタンディングスペースに荷物を持ち込んで入る形式なのかもしれないな、と思い、手ぶらで出かけることにした。財布や携帯電話、ウォークマン、ハンカチの類は腰のシザーバッグへ。これで何とかなるだろう。

今回、努力が実ってかなり良い整理番号を手に入れることが出来たので、最前、もしくは最前近辺を狙えるかもしれないな、と期待してライブハウスに向かった。五百円玉とチケットを握り締め、一人ずつ順番通りに中に入る。おお、結構良い位置だ。二列目の中央下手寄りに立つことが出来た。しかし、だ。

お客が荷物を中に持ち込むことは予想していたが、端に寄せるだけでなく、そのまま足元に置いていることには驚いた。それやっちゃったらライブ始まってから邪魔になるんじゃないかなぁ。踏まれても文句言えんと思うけどなぁ。良いのかなぁ。

そんでもって案の定、と言うほどでは無いが、この足元に置かれた荷物がライブ後半で思わぬ作用をもたらしたのであった。

開場から三十分で開演なら、待ち時間が少ないから楽で良いよなぁ、と思いつつ、暇つぶしに周囲を観察してみると、圧倒的に女性客が多い。九十五パーセントは女性のようだ。水戸さんファンに女性が多いのは福岡でも変わらないらしい。年齢層は三十代四十代が多そうだ。自分より年下らしき人は見当たらない。ふむ。なかなか珍しい状況だ。

ステージの前には白いスクリーンが下ろされている。緞帳の代わりだろうか。聞いた話によると穴場が最初で、3-10Chainは後らしい。するとこのスクリーンは穴場の演出なのかもしれないのか。

さて、ついに。会場の照明が落とされてあたりが薄ぼんやりとした闇に包まれる。来た来た来た来た! 高まる期待感を胸に前方を見据えれば、映画が始まった。えっ。

海外の映画に別物の字幕をくっつけたもの、らしく、会場後方で笑いが起こっている。何故後方か。前方は近すぎて映像がよく見えないからである。言うまでもなく己の位置からではどんな内容の代物だったのか把握することは出来なかったが、前説の機能を持つ映像らしいということはわかった。映像は終了し、スクリーンが上り始める。さぁ、いよいよだ。

そこに現れたのは「穴場」の二人、杉本恭一と上田健司だ! おお! 杉本さんはアコギ。上田さんが持つのは不可思議な形をしたチェロのような電子楽器だ。弦は四本で、尻を床に置いて立てて使用している。支えがあったか否かは忘れたが誰も触れていなくてもきちんと自立していた。時には指の腹で弦を叩くように弾いていたり、バイオリンに使うような弓で弦を弾いて音を奏でたり、ラジカセのように音を流して再生機の役割を果たしたりと多機能な代物で、あんまりそれが面白いために、気付けば上田さんばかりをじーっと観ていた。

穴場のお二人はスーツ姿。曲はアコースティックでご機嫌な感じだ。ぴょんぴょん飛び跳ねるのではなく、体を揺らして楽しむ感じ、と言ったら通じるだろうか。と言いつつ、一曲だけ杉本さんがエレキギターに持ち替えて突然お客がノリノリになったりした。この変化が面白い。

MCでは、「穴場」を「ANABA」と表記したら「ABBA」のようだった、と言っていたのだが、ABBAへの反応が薄く、「あれ、思ったより皆若いの?」とABBAの説明を追加してくれたりした。ABBAは字面を見たことだけならあるが、どういう代物なのかさっぱり知らなかったので助かった。そうかー離婚したのかー。

穴場のラスト手前の曲にアイヌ語が混ぜられているものがあり、アイヌ語好きな自分は一人勝手に興奮した。上田さんが「途中途中に意味のわからない言葉が入るだろうけど」と言っていたけど、わかったよ! カムイとかキムンとか! あとレラって言ってたかな? いやーにこにこしちゃったなぁ。

穴場が終了。お次は水戸華之介&3-10Chain。3-10Chainを見るのは二回目か。アンジーの曲も以前よりは手に入れたし、今回はセットリストも全曲わかるかもしれないな! ……と思ったのだが、未だ知らない曲が数曲あった。残念! そのうえさらに。記憶が一部滅茶苦茶になってしまっているが、まぁ一応書き記そう。

ロケットが飛ぶだろう
ハーイここまで

愛に愛はあるのかい?
100万$よりもっとの夜景
君と瓶の中

犬と夕暮れ
銀の腕時計
生きる

すべての若き糞溜野郎ども
サイクリング
(不明)
沈没船
リックサック
天井裏より愛をこめて

~アンコール~

(だくてん? ぎゃくてん?)
アストロボーイ・アストロガール

前半では「愛に愛はあるのかい?」と「100万$よりもっとの夜景」の順番が怪しい。後半はもう一曲ほどどこかに知らない曲があったような気もするのだがわからない。それというのもだ。それというのもだ。放心してしまったその理由が! 理由がだな!

アンコールの! アストロボーイ・アストロガールで! 突然ものすごい押しがやって来て! 二列目にいたのが最前に流されて! しかも柵が無い上にステージが低いからステージ上に自分の上半身が乗り出してしまって! その真横で内田さんが! 演奏を! していたのだよ!!

この興奮をわかってくれるか。もうわけがわからなくなった。

あのね。「君と瓶の中」で内田さんと澄田さんがイントロの「バンッ!」って音に合わせてギターとベースを振るう様子が水戸さんを中心とした線対称になっていて、それがまるで刀で斬るような仕草だったのが格好良かったとか、同じく君と瓶の中で、水戸さんの動きがかなりセクシャルだったとか、「銀の腕時計」で拳を握り締め、「生きる」で大喜びをして胸をぎゅうぎゅう締め付けられて、大好きな「糞溜野郎」で感無量で、まさかの「サイクリング」に興奮しつつもオーケンボーカルを恋しく思ったり、水戸さんと拳を合わせたり! 水戸さんが口に含んで霧状に噴射した水を頭から被ったり! いろいろ楽しいことが山ほどあったのに、内田さんが横取り四十万。

だって、おい。踏ん張ろうにも件の荷物、足元に置かれた他人様の荷物が邪魔をして足をうまく床に配置させることが出来ず、無論そんなことは構わず人は背後からぎゅんぎゅんに押してきて、ステージの角に当たった太腿が痛み、腕で体を支えようにも上半身はどうしてもステージ上に乗り出してしまって、その真横で演奏する内田さんの足が普通に体に触れたりするのだよ。その前、まだ立っていられたときに、ステージのギリギリまで出てきて煽る内田さんに手を突き出しつつ、触れそうな距離だが触れて良いのだろうか、周囲のお客は誰も手を突き出していないしなぁ、とどうしたものか躊躇していたら、ひょいっとネックを握る左手を傾けて自分の指先に触れさせてくれて頭の中で何かが爆発した直後に、これ。しかも初めての最前列でただでさえ興奮している。曲も大好きなアストロボーイ・アストロガールだし。もう。わけがわからない。

どこで挟まれたか定かでは無いが、水戸さんの「学園天国ヘイヘイコール」がきちんとオリジナルの音程のままで、ついオーケンに慣れた自分はオーケンの音程に合わせてコールしてしまいそうになって慌てたり、沈没船にうっとりしたり、後半杉本さんが合流してからは特に、3-10Chainのライブというよりもっと別の何かのライブのようだ、と思ったり、したのだが内田さんショックがでかくて未だ放心状態である。あまりに混乱してしまったためにうっかりドリンクも物販も忘れて帰りそうになったほどである。落ち着け。ちょっと落ち着け。自分。

明日、また熊本で穴場と3-10Chainのライブを観てくる。明日はもう少し冷静に観られるだろうか。

未分類水戸華之介&3-10Chain, 非日常

水戸華之介&3-10Chainのライブに行ってきた。水戸さんを知ったのは筋肉少女帯の「青ヒゲの兄弟の店」がきっかけだ。この曲に水戸さんが歌詞を提供し、オーケンとのダブルボーカルでCDに収録され、その水戸さんの歌を聴いて「あぁ、結構好きなタイプだなぁ」と覚えていたのだ。それが数年前の話。

その後、オーケンと内田さんの仲直りの橋渡しをしてくれたという話から「あの人か!」と思い出し、たのか? このあたりもう記憶が曖昧であるが、それで水戸さんの歌声好きだったしCDを聴いてみようと思い、ちょうどTSUTAYAで四枚レンタル千円セールのときに水戸華之介&3-10Chainの「アドレナリン」を他のCDと共にレンタルし、うわーすげー好きだー! と気に入ってアンジーのCDにも手を出すようになったんじゃなかったかな。多分そんな経緯だった気がする。

しかし自分、3-10Chainのアルバムは「ロケットが飛ぶだろう」しか持っていない。「アドレナリン」と「ハロー…」はレンタルしたものの既に廃盤、サードアルバムの「セカイガマッテイル」はアマゾンで在庫は確認したものの店頭取り寄せは何故か不可能。そんなわけで、セカイガマッテイルは未聴のままライブに参戦することになった。あわよくば今回物販で買えないかと期待しつつの参戦である。

ところで今回行くライブハウスはロッカーの数が少ないらしく、それじゃあ上着や鞄を身につけたまま前の方でドンチャカするのはどう考えても邪魔になるし、駅のロッカーを利用するしかないのかと思い、上着も鞄もロッカーに詰め込みシャツ一枚と腰にシザーケースをぶら下げるという大変簡易な出で立ちで目的地に向かったらもっこもこに厚着した人が大勢集まっていて滅茶苦茶浮いた。会場でカレンダーを数枚めくり忘れたような奴を見かけたなら八割の確率でそいつは自分のことである。

皆いったい荷物はどうするのだろうと首を傾げつつ順番を待ち、入場後すぐに疑問は解消された。人々はステージ前で己の立ち居地を決めると鞄を外して上着を脱ぎ、壁際の隅などの邪魔にならないところに置いていたのである。なるほどこういうシステムなのか。いやきっとそういうシステムってわけでもないのだろうけど。納得し、自分もベルトからシザーケースを外して壁際に置かせてもらった。立ち居地は下手側の前から三列目あたりである。ステージはそれほど高くもないが、運良く視界が広いため充分見渡せそうな塩梅だった。

開演を待つ間ぞくぞくとやってくる人々を眺めてみると、客層が筋少に比べ圧倒的に女性が多くて驚いた。筋少の男女比はオーケン曰く六対四ほどらしいが、3-10Chainは見たところ九割女性のようだった。自分の前方に立っているのも女性ばかりで男性は一人として見当たらない。なるほどそれで普段より視界が広いのか。

じりじりと待っていると照明が落ち、SEがかかってわぁっと歓声が沸き立つ。下手側の通路からメンバーがやってくるのが見える。おおー! 内田さんが目の前だ! 近い! すげー! そして最後にやって来たのは水戸華之介、その人だー!! うわああああああ!!

以下、順番が滅茶苦茶な曲目である。他に四曲ほど未聴の曲があった。はずだ。

明日への誓い
地図
青空
アップルティーをもう一杯
愛に愛はあるか
トゥルー・ロマンス
Romanticが止まらない
バースト&ワースト
ロケットが飛ぶだろう
天井裏から愛をこめて
遠くまで
100万$よりもっとの夜景

このうえさらに数曲記憶からぶっ飛んでいる気がする。何だろう。押しは全然無かったし、人と人の間にも隙間があったのだが、怒涛の演奏という感じだった。特に後半、水戸さんが最前の客が掴まるフェンスを踏んで客席側へと身を乗り出して歌うようになってから、曲と曲の境がわからなくなるくらい、間髪入れず次の曲が始まって暴れっぱなしになるような。体力的な辛さは全然無いのが信じられないくらいだった。

一曲目から気に入りの「明日への誓い」が始まってテンションが上がった。いやったー! 初めてこれを聴いたとき、途中で突然ヨーデルチックになってびっくりしたんだよなぁ。これは何てジャンルなのか未だによくわからない。

最初のMCで水戸さんがM-1の結果を言った奴は殺す! 年の終わりに殺しなんてしたくなんてないから言わないように、殺すのも大変なんだから! というようなことを言って笑いをとった。そうか今日はM-1グランプリがあったのか。水戸さんのMCで気づかされたぜ。

今回特に嬉しかったのは「明日への誓い」「地図」「青空」「Romanticが止まらない」「天井裏から愛をこめて」。覚えている限りでは。他にも、何か、いよっしゃー!! って思ったのがあったはずなのだが、楽しすぎてぶっ飛んだ。全く何て頼りにならない脳みそなのだ。我がことながら情けない。「地図」「青空」は涙腺に来たなぁ。身につまされるというか何と言うか。頑張ろうって思う歌だ。そしてコーラスが格好いい。いきなり筋少の話になるが、筋少の好きなところってのは歌詞にと曲にといろいろあるが、その一つに「野太いコーラス」もある。また、これが結構でっかい。内田さんのあの低いコーラスが大好きなのだ。

だからこそ! 「天井裏から愛をこめて」を内田さんのコーラスで聴けたのはとても嬉しかった! この曲をやるとは思っていなかったので予想外の嬉しさもある。ちょうど昨日カラオケで歌ってきたよ! るろ剣でこのフレーズが使われてると教えてもらったよ! 何てナイスタイミングなのだ。

「トゥルー・ロマンス」「Romanticが止まらない」「バースト&ワースト」は森若さんをゲストに迎えての演奏。「トゥルー・ロマンス」は水戸さんが森若さんの歌うバージョンを聴いてみたいとのことで選ばれたそうだ。「Romanticが止まらない」からはギターを持ってボーカルだけでなくギタリストとしても演奏に加わる。赤地に白に一部黒、女の子のイラストと英語のスペルらしきものが描かれた女性らしい可愛いギターで、衣装にもぴったりだなぁと思っていたら、何とそれは内田さんから借りたものだった。所有しているストラトは渋いので貸してもらうことになったそうである。ここで、リハーサルで久しぶりに森若さんがギターを弾いたらまさに久々といった状態で、こりゃ内田さんからギターを借りて家で練習するのかと思いきや持ち帰ることなく置いて帰ったんだぜ! というようなことを水戸さんが話し、それに対して森若さんは家では渋いストラトで練習した、というようなことを返していた。

「バースト&ワースト」は今日のライブで一番印象的で、尚且つ格好良かった曲だ。これぞまさにライブ! という楽しさに溢れていた。CDとは異なり、演奏の途中で別の曲になり、メンバーそれぞれの見せ場が披露されてまた「バースト&ワースト」に戻る。内田さんのベースソロが間近で見られて、聴けて、大変興奮した。森若さんはおもちゃのステッキのようなものをギターの弦に押し当ててステッキのスイッチを押してステッキから音を出すパフォーマンスも見せていた。

客の勢いが増したのは「天井裏から愛をこめて」からだろうか。この曲のあたりから前から三列目の位置から二列目になり、客のアクションも爆発し出した。それまでは上下に揺れつつも爪先は床につけたまま膝と踵を動かしていた人々が、完全に足を床から離して飛び跳ねだしたのではなかろうか。人気曲の魔力恐るべし。

アンコールは二回で、一つ目のアンコールが確か「100万$よりもっとの夜景」だったような気がする。最後のアンコールはまだ知らない曲だったが、夢中になって音楽に合わせて体を動かしまくった。…たっのしかったなー!

MCでは水戸さんが最近家に生えている木を切った話をしていた。前の住人が植えていったもので、三本あったうちの二本だけを切り一本は残しておいたのだが、その一本をこの間ついに切ったのだそうだ。それがまた凄まじい木で、はっさくサイズの実をつけるのだがこれが苦くて全く美味しくなく、使うとしたら焼き魚に絞る用途だと思われるがたかだか焼き魚に絞る程度にそんなでかい実は必要ない。さらに、カラスも食わない不味さのくせに枝からは十五センチほどの棘が生えてまるで末期のパンクスのようになっていて、どうせカラスも食べないのにそんな風に実を守ってどうするんだ、とつっこんでいた。

この謎の木の話から続いて、内田さんの家にも木が生えており、それは普通の枇杷の木なのだが、内田さんは枇杷が好きではないそうだ。そしてその枇杷の実が内田さんの車に落ちるため、枇杷の季節には内田さんの車には蟻がたかっているそうである。すると澄田さんが自分は枇杷が好きだと名乗り出て、そこからドリンク代込みならぬ枇杷込みライブをやろうという話になった。

また、序盤の方で来年ベストアルバムを出すとの告知があった。ベストアルバムは売れるからということで作ることになったのだそうだが、どこに需要があるのかと水戸さんが話していた。ここに集っているのはベストアルバムを買うまでもなくコアなファンばかりだろうということらしい。そして、これからはグレーゾーンの方々、あまりコアじゃない人を増やしていこう、お友達のプレゼントにどうぞ、と勧めて笑いをとっていたが、そのグレーってまさに自分のことじゃなかろうか。いや、欲しいけど買えないだけなんだけどさ! ベストアルバム嬉しいよ!

ベストアルバムには新曲も二曲入るそうで、そのうちの一曲を初披露してくれることに。ただし、まだ作っている「途中」なので、仕上がったら全然違うものになるかもしれないし、うまく演奏できるかもわからないとの前ふりが。曲に入る前に水戸さんが歌詞を確認していておかしかった。その曲が「愛に愛はあるか」。耳で聞いただけなので正しい表記はわからない。今回演奏したバージョンにもう一つ内田さんのコーラスが乗り、もっと重厚になる予定らしい。

間近で見た内田さんは大迫力で、距離のせいかもわからないが自分の目にはとてもでっかく映った。すごいなー。弦の上を走る指の動きがこんなにはっきり見えるなんて初めてだ。滴り落ちる汗まで見えるぞ。やっぱライブすると汗をかくんだなぁ、それはライトが熱いのか、体力を使うからなのか、それとも両方なのだろうか。また水戸さんがでっかい! そのうえダイナミック! ジャンプの高さに驚いたよ! あと歌詞間違えたり歌詞ぶっ飛んだりしなくてすげえええええって感動し、己はだいぶ毒されているのだなと改めて認識した。でもそんなオーケンが好きだ。

ライブ終了後はドリンクチケットをビールに換えてから、物販でライブ盤の「鶴亀」を購入した。「セカイガマッテイル」が無かったのは残念だったが、これは今度アマゾンで買おう。まずは鶴亀! 楽しみが増えたぞ。嬉しいなぁ。

そして上も下も汗をかいて濡れたシャツとジーンズのまま、駅まで早歩きして上着を取りに行った。いやもう本当ライブハウスから出た直後は体が温まってたから寒さなんて何ともねーやと思ったが、当たり前だがすぐに冷えたね! 今度来るときにはきちんと上着を着て参戦しようと心に誓った。寒かった。しかし楽しかった!