チャーハンを食べたい、チャーハンを食べよう、チャーハンを作ろう! 玉ねぎもある、醤油もごま油もある、卵もあるし肉もある、よしチャーハンだチャーハンだ!
しかし肝腎の冷凍御飯が無かった。
二日前に作って冷凍していたハンバーグと、パン、ピクルス、玉ねぎ、チーズ、ナス、ケチャップ、ウスターソース、マヨネーズ、クレイジーソルトを使って美味しいハンバーガーを作って食べたが、どこか満たされぬ思いがした。
冷凍御飯め……。
うずわみだまし
チャーハンを食べたい、チャーハンを食べよう、チャーハンを作ろう! 玉ねぎもある、醤油もごま油もある、卵もあるし肉もある、よしチャーハンだチャーハンだ!
しかし肝腎の冷凍御飯が無かった。
二日前に作って冷凍していたハンバーグと、パン、ピクルス、玉ねぎ、チーズ、ナス、ケチャップ、ウスターソース、マヨネーズ、クレイジーソルトを使って美味しいハンバーガーを作って食べたが、どこか満たされぬ思いがした。
冷凍御飯め……。
危うく「あれは僕の家だよ」、と言うところだったと考えると冷や汗が出そうになる。朝、服を着ようとしたら思った以上に皺くちゃで、流石にこれをこのまま着るのは憚られる、しかし代わりに着られる服の中でちょうど良いものは見つからない。仕方なく時間が無いにも関わらずアイロンがけを決行。蒸気を立ち上らせながら急いで皺を伸ばし、アツアツの服を急いで着て部屋を出た。
そして午後になってふと思う。自分はちゃんと電源を切ってきただろうか、と。
瞬間、サーッと血の気が引いた。あれから何時間も経過している。もしアイロンが点けっぱなしであったなら、とっくにアイロンの中の水は蒸発しきっているだろう。その後はどうなる? 最悪、火事になるのではないか?
気になって仕方がないがそのとき自分は用事があって何駅も離れた場所にいた。出来ることならすぐに自宅に引き返したいがそれすらもままならない。家を出るとき自分はどうしただろう。消したような気もするが、うっかり忘れた気もする。コンセントは抜いたか? 何てことだろう、覚えていない。
携帯電話でインターネットに接続し、自分の住まいのある町の名前と半角スペース、そして火事という単語を入れて検索した。もしや事件になってやしないかと。ひやひやしながら地元のニュースを探す。無い。あるのは近所の喫茶店の猫が写真を撮られまくっているとか、どこの店の何が美味いとか、ほのぼのした話題ばかりだ。結構なことである。結構なことであるが、結局自分はアイロンの電源をちゃんと切ったのか!?
結論から言うと電源はちゃんと切られていた。コンセントもしっかり抜かれていた。だが、それを見たときよりも、自分の家が無事に残っている様子を目視出来たときの安堵感の方が強かった。「家があって良かった」とあれほど思ったことも無い。杞憂に終わったとはいえ心の中はなかなかの修羅場。皆さんもアイロンにはお気をつけて。
不毛なことだ! 余計なことをぐるぐる考えてしまったよ! こんなときは眠るに限る。おやすみ!
「ウヲさんは誰を応援してますか?」
「へ?」と思わず声が出る。何のこっちゃと思えば彼女の指差す先にあるのは巨大な電光掲示板。総選挙がどうたたこうたら、と書かれており、なるほどAKBのイベントがあるのか、と納得すると、「私は○○を応援してるんですよ~可愛いですよね~」と彼女。ほぉ、これは面白い。
というのも、自分の周囲でAKBに興味を抱いている人はさほどおらず、総選挙に注目している人などほとんどいない状態で、おや珍しいものを見た、と関心を抱いたが、彼女にとっては自分こそが驚きの対象だったらしく、一言一言答えるたびに反応が面白く、いやあ新鮮だ新鮮だと心の中で喜んでしまった。
「ウヲさん○○知らないんですか?」「知らないですねー」「ほら、あの看板の子! 見たことあるでしょ?」「無いです」「えーーーーー!? 信じられなーい! テレビによく出てるじゃないですか!」「テレビあんまり観ないからわからんのですよ」「えーえーえーじゃあ△△も知らないんですか?」「知らないです」「マジですかーー! えー総選挙って政治家の選挙よりも視聴率とれるんですよ!」「そりゃすごいですね」「そうなんですよー! えーマジで興味ないんですね! 驚きました」「はっはっはっいやーすみません」
その後彼女はどのような経緯でAKBを好きになったのかを熱弁し、どんな曲が良いかを語り、家に帰ったら選挙速報を見るんだ♪ とわくわくしていた。彼女の話を聞いたところでAKBには全く興味がわかなかったが、伝わる楽しさは愉快なものだった。彼女の応援する人はいったい何位に入っただろうか。わからないが、上位だったら良いねと思う。わからないが。