6月10日(月) 緑茶カウント:0杯
「ウヲさんは誰を応援してますか?」
「へ?」と思わず声が出る。何のこっちゃと思えば彼女の指差す先にあるのは巨大な電光掲示板。総選挙がどうたたこうたら、と書かれており、なるほどAKBのイベントがあるのか、と納得すると、「私は○○を応援してるんですよ~可愛いですよね~」と彼女。ほぉ、これは面白い。
というのも、自分の周囲でAKBに興味を抱いている人はさほどおらず、総選挙に注目している人などほとんどいない状態で、おや珍しいものを見た、と関心を抱いたが、彼女にとっては自分こそが驚きの対象だったらしく、一言一言答えるたびに反応が面白く、いやあ新鮮だ新鮮だと心の中で喜んでしまった。
「ウヲさん○○知らないんですか?」「知らないですねー」「ほら、あの看板の子! 見たことあるでしょ?」「無いです」「えーーーーー!? 信じられなーい! テレビによく出てるじゃないですか!」「テレビあんまり観ないからわからんのですよ」「えーえーえーじゃあ△△も知らないんですか?」「知らないです」「マジですかーー! えー総選挙って政治家の選挙よりも視聴率とれるんですよ!」「そりゃすごいですね」「そうなんですよー! えーマジで興味ないんですね! 驚きました」「はっはっはっいやーすみません」
その後彼女はどのような経緯でAKBを好きになったのかを熱弁し、どんな曲が良いかを語り、家に帰ったら選挙速報を見るんだ♪ とわくわくしていた。彼女の話を聞いたところでAKBには全く興味がわかなかったが、伝わる楽しさは愉快なものだった。彼女の応援する人はいったい何位に入っただろうか。わからないが、上位だったら良いねと思う。わからないが。