未分類のほほん学校, 大槻ケンヂ

オーケンのトークイベントであるのほほん学校に行ってきた。本日はオーケンの四十四歳の誕生日ということでイベントタイトルも「オーケン44バースデー・スペシャル!」とそのまんまである。初めて参加するのほほん学校が誕生祝いイベントとは縁起が良い、ような気がする。しかも後で知った話だが、本日は父方の祖父の九十五歳の誕生日でもあった。身内の誕生日によそのおっさんの誕生日を祝ってくるなんて妙な話である。じーさん誕生日おめでとう!

整理番号は百五十番台だった。聞いた話によると、満員御礼の場合には椅子が足りなくなって立ち見客もでるそうで、できたらなるべく座って観たいなぁ、つっても百五十番台ってどうなんかなぁ、と、ロフトプラスワンがどのような内部構造をしているのか把握していないため不安がっていたのだが、まぁ、何とかギリギリ座れた。中央ではなく、下手側の奥まったところに設置された丸椅子しか確保できなかったが、そこは少し段が高くなっていたので問題なくステージを見ることができた。

しかし流石誕生日。席は確保できたものの会場内はぎゅうぎゅうづめで、ちょいと出歩くのにも苦労する。ドリンクカウンターでビールを一杯いただきたかったが、人込みでドリンクカウンターがどこにあるのかすらわからない。仕方なくドリンクは終演後にすることにして、大人しく開演を待つことにした。

開演までの待ち時間も、スクリーンでアウェーインザライフの告知映像やボヨヨン伝説、パティーサワディーのPVなどが流されていたので退屈することはなかった。ボヨヨン伝説の開き直りっぷりというか、やけくそ気味な映像はすごいな。そうこうしているうちにバースデーソングのSEが流れオーケンが登場。おお、帽子もターバンもつけていない珍しい姿だ。結構髪が伸びたなぁ。なんて思っていたらオーケンが己の髪を指して「可愛いでしょ?」とあのボースカ用の裏声で言った。この時以外でもたびたびボースカの声になることがあり、オーケンは体を三分の一くらいボースカに乗っ取られかけているのではないかと思った。

最初のゲストはオーケンがネットで集めたバンドメンバーの一人、ファンタさん。ファンタさんはこのたび新しくバンドを結成したそうで、名前はフリークスになる予定だと言う。予定と言うのは、先にこの名前を使っているバンドがあるかどうかまだ調べてないためらしい。彼の相槌や突っ込みでオーケンのトークは進行していった。

まずオーケンは去年禁酒を始めた話をし、直後に禁酒ができなかったことを告白し、開始早々ビールとポテトチップスを注文してファンタさんに「最悪の組み合わせじゃないですか」と突っ込まれていた。で、そっから始まったのが去年のフェスでの話だったかな。カウントダウンジャパンでPerfume、筋少、木村カエラという順番だったのだが、Perfumeが終わった途端客席がガラガラになって心が折れそうになり、橘高さんと励まし合った、でも直前になってお客がやってきてほっとした、という内容。

それからカウントダウンジャパンの映像を、ってことでスクリーンに「おもいっきりDON!」で大西ライオンが筋少のステージに乱入するまでのくだりを撮影したものが映された。これ見られなかったから嬉しかったなぁ。大西ライオンの出オチ後の処理の仕方をスタジオの芸人達に褒められていて笑ってしまった。

そんでお次が大槻ケンヂと絶望少女達のダイジェスト映像の一部。七人もの若い女の子と並んでステージに立つオーケンが映り、これとエディや長谷川さんも含めた六人で並んで歌った「じーさんはいい塩梅」を想像して比較してください、みたいなことを言っていた。

あとはもう順番は忘れてしまったが、大槻ケンヂの生涯を振り返るということでオーケンの幼い頃から現在までの写真が公開されたり、小学生のオーケンがショックを受けたという「ウルトラマンエース」の映像が流されて、これはしばらく観て客もその内容に驚いていた。これが子供向け番組の内容なのかよ…。

オーケンは誕生日だということで自分へのプレゼントにギターを買ったそうで、本日それをお披露目してくれた。二人目のゲストとして登場した特撮のサポートベーシスト高橋竜さんによると「とても良いギター」だそうである。そして高橋さんを先生としてステージで公開練習会が行われ、オーケンは「いとしのエリー」と「あのさぁ」を頑張って弾いたが、美味しいところは高橋さんに全て持っていかれていた。

ギターを練習して十年後弾き語りの旅に出ることがオーケンの目標だそうである。その初ライブは十年後の今日に八王子のライブバーX.Y.Z.→Aでやりたいから今からファンキーさんに予約しておこう、と話していた。果たして実現されるのだろうか。実現したらすげぇなぁ。

途中何度か休憩を挟み、休憩中はスクリーンにPVが流された。最初の休憩でオーケンは「世界中のラブソングが君を」を映してと支持を出そうとしたのだが、「世界中のアレがアレして」とぐちゃぐちゃなタイトルになってしまっていて笑った。自分で名付けた曲なのに! まぁオーケンらしいよなぁ。

あとオーケンのヌンチャク映像なんてのもあったな。オーケンがヌンチャクの技を披露する姿をビデオに撮ったもので、目隠ししてヌンチャクをぶん回す技もあった。しかしこれ、スタッフが音声を撮り忘れたそうで、無音の映像にオーケンが「アチョーッ! アチャーチャチャチャチャチャ! アチョーッ!」とまるで昔の映画みたいに脇から声をあてていて、それが映像と微妙にずれていたり、たまにボースカが混じっていたりして大変おかしかった。

しかもヌンチャク映像はこれだけではない。ヌンチャクがどのように動いているのかわかりやすく見せるために、オーケンがヌンチャクを振るう姿をスローモーションで撮った映像も流された。オーケン曰く、ヌンチャクとは遠心力で振るうものだそうで、鎌ヌンチャクも出来るとの話である。日夜見えない敵を相手にヌンチャクをぶん回して戦っているそうだ。

そして。今回一番面白かったのがゲスト、活弁士山田広野さんによる「世界中のオーケンファンの声を集めた映像」だ。映画「This is it」の映像を無音で流し、そこに出てくる人々に山田さんが創作した声をあて、さらにThis is itの映像の間に筋少やオーケン関連の映像を挟んでさも「オーケンファンをインタビューした映像」らしく仕立てたものである。なんつーか、MAD作品みたいな感じかなぁ。そのままDVDにして売り出してほしいくらい良く出来た作品で腹を抱えて笑った。

どんなもんかと詳しく説明すると、This is itを観てないため正確なところはよくわからないが、多分「マイケルのどこが好き?」みたいなことをインタビュアーが世界中のファンに尋ねて、「私はマイケルの大ファンよ! CDを何枚も持ってるわ!」「俺が一番影響を受けたアーティストさ…。彼なしに俺の人生は語れないね」みたいなことを人々が喋り、彼らの話に合わせて関連するマイケルの映像をまるで回想するような形で挟み込む、といったものだと思う。それを無音にして、「オーケンは最高よ! 彼に勇気をもらったわ!」「僕は印度が好きでね。日本にも印度があると教えてもらったよ」「私は橘高さんのファンなの! 彼に憧れて私も金髪にしたわ!」というようなことを喋らせ、つぎはぎで筋少の映像を挟み込む、ような感じだ。伝わるだろうか。

これのラストがツアーファイナルのPVの出だしのところで、内田さんが乾杯の音頭をとるところを無音にして、「ケンちゃんとは長い付き合いだけど…うんぬんかんぬん、お誕生日おめでとう!」というような、絶対に内田さん本人は言わないようなことを喋らせていてとても面白かった。

この後はカラオケだったかな。ユニコーンの「WAO!」、チャットモンチーの「風吹けば恋」、布施明の「君は薔薇より美しい」をとても気持ち良さそうに歌い、のほほん学校は終了した。ちゃんとした形で歌ったのは「SWEETS」だけだったかな。終演後人が空いたところでようやくドリンクカウンターを発見し、ビールで咽喉を潤して、帰り道にあった果物屋で串刺しのいちごを購入してそいつを食って帰宅した。トーク主体のイベントってのには初めて参加したけど結構面白かったな。ゆったりできて楽しかった。

あ。そういや今日のオーケンの挨拶は「お誕生日ありがとうございます」だった。オーケン、お誕生日おめでとう!