日記録2杯, 日常

2013年9月27日(金) 緑茶カウント:2杯

夜。アスファルトに散らばった森永ミルクキャラメルをしばし眺めた後、己は腰を屈め、それを黙々と拾った。

時刻にして二十二時。帰宅の道すがら、冷凍うどんを買うために寄ったスーパーでレジに並んでいるそのとき、森永ミルクキャラメルの箱が目に留まった。黄色い小さな箱である。途端、キャラメルの味が恋しくなり、ほぼ何も考えず、それを籠の中に入れた。衝動的だった。

特別懐かしくも無い。子供の頃によく食べたが、大人になってもそこそこ食べている。何もかもが見慣れた菓子だ。うどんとコロッケ、長ネギその他をビニール袋に詰め込んだ後、一番上にキャラメルを乗せた。店を出たらすぐに食べようと思ったからだ。行儀は悪いが、一粒口に放り込んだところで誰も見咎める人などいないだろう。

って思っていたのに袋を破いて箱を開けて一粒放り出したとき、指先の一粒に気をとられ、さらには箱を持つ手にビニール袋を提げていたせいでバランスが崩れやすくなっていて、あ、と気付いたときには遅い。キャラメルは滑空し勢いよく地面に衝突、そして四方八方に元気よく散らばったのだ。

指先に摘んだものと同じ、銀色の四角い包みがあちこち散らばる中心に立つ二十代後半は、恥ずかしい、悲しい、という気持ちよりも先に、「面倒くせえ」という感想を抱いていた。



日記録0杯, 日常

2013年9月26日(木) 緑茶カウント:0杯

明日は肩の荷が下りる日であるので、それを楽しみにしながら日本酒を少しだけ呑んでいる。
あぁ、馬鹿騒ぎがしたい。



日記録4杯, 日常, 漫画

2013年9月25日(水) 緑茶カウント:4杯

それは一つの自分にとっての財産だ。子供の頃、自然と「大島弓子」「萩尾望都」「山岸凉子」の作品に触れることの出来る環境にいられたことは、幸運なことだったと思う。それは実家の本棚に詰まっていて、所有者は母であったが、自由に手に取ることが出来た。

漫画に出会ったきっかけは「スーパーマリオくん」で、その後コロコロコミックを毎月読むようになり、漫画に親しんでいきながら、妹の「りぼん」を読みつつ、家の中にある本にも手を出して行った。それは古い絵柄ではあったが、自分の中で大きな線引きはされておらず、等しく「漫画」と受け止めて読んでいた。

「綿の国星」「バナナブレッドのプディング」「ポーの一族」「トーマの心臓」「天人唐草」「メデューサ」などなど。読み始めた時期は全ての意味を把握することが出来なかった。何せ「浪人」という言葉を知らず、「今なら少年Aですむ」の意味さえ知らなかった頃だ。そして数年おきに読み返し、漠然としていた物語がだんだんと輪郭をはっきりさせていくのである。

今は一人暮らしをしており、その本棚に触れることは年に数度のことであるが、自分の所有する本棚には「バナナブレッドのプディング」と「ポーの一族」が刺さっている。あと、「つるばらつるばら」が収録された本もどこかにあるはずだ。普段、友人達の前ではあまり語る機会の無い本達だが、たまに一節を思い出しては懐かしみ、物思いに耽ることがある。大分輪郭ははっきりしてきたが、まだ、読み込めていない気が何年経ってもするので。



日記録5杯, 日常

2013年9月24日(火) 緑茶カウント:5杯

ここ数日、四方を客席に囲まれたステージで、くるくると回りながら全方位の客に顔が見えるように気を使いながらトークをする谷山浩子の姿を思い出しては、結構本気で萌えている。

キュートだった………。



日記録2杯, 日常

2013年9月22日(日) 緑茶カウント:2杯

あのひと時の謎のムーブメントはいったい何だったのだろう。

友人の結婚式があった。これまでにいくつかの結婚式には参加したことがあるが、皆高校の部活仲間のもので、大学のサークル仲間の結婚式は今回が初めてである。そして久しぶりに集まる面々。披露宴ではそれなりにかしこまっていたが、二次会三次会では当時の阿呆なノリが見事に蘇りはっちゃけて、何故か自分は頭を撫で繰り回されまくっていた。

結婚式ということで前日に美容院に行き、スッキリ短く切った髪をジェルで固めてツンツンに立てていた。まぁ、気合いはそれなりに入れたが大学時代と変わらない髪型だ。もしかしたら懐かしかったのかもしれない。二次会で隣に座った友人が、固さを確かめるかのように頭をポンポンと軽く叩いた。その友人とは直前に肩をがっつり組み合ってふざけていたので、その程度のスキンシップは今更特に気にならず放っておいた。すると今度は髪をぎゅっと掌で押しつぶし、手を離す。友人は髪を寝かせようとしたようだが、圧力に負けず髪はしっかり立ち上がったらしい。

「固いなー」「すごいな、全然潰れてない」「そのまんまだよ」とその様子を見て言う友人達。そして再度掌でぎゅっと押しつぶす友人。しかし負けない髪。今度は両手で押しつぶす友人。負けない髪。両手でわしゃわしゃ撫で繰り回す友人。加勢に入り、後頭部を押しつぶそうとする別の友人。そうして何故か自分は二人の友人によって頭をぐるぐる撫で繰り回される状態になっていた。

何だこれ。

「おいこらちょっと、わざわざね、ちゃんとジェル使って髪整えてんだから潰すなよ」と言うと「じゃあ俺は逆立ててあげよう」と言って後頭部を押しつぶしていた友人が襟足から頭頂部に向けて掌をわっしゃわっしゃと動かし髪を逆立ててくる。その間も頭頂部は両手でわしわし撫でられ続けている。何だこれ。どうして自分は二人の人間に頭を撫で繰り回され続けているんだ。しかもこいつら、そんなに酔ってないんだぜ。

とはいえ嫌だったかと言えば全く嫌では無く、むしろ楽しいひと時で、こんなものは余談に過ぎない出来事だが、とても良い結婚式だった。新郎新婦に幸あれ。