未分類0杯, 筋肉少女帯, 非日常

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毎年、クリスマスイブ前日に行われることが恒例となったこのライブでは、いつも特別なものを与えてくれ、大いに笑って興奮し、最高のエンターテイメントを味わわせてもらっているが、今年は特に、とりわけ素晴らしかった。

それは運の良さもあった。だいたい、いつも整理番号は八百七百あたりが常で、五百番であればなかなか、三百はかなり良い数字。しかし今回、何故かいきなり初めての二桁、九十番台を手に入れて、内田さん前、若干橘高さん寄りの二列目に陣取ることが出来たのである。視界は良好で、位置的にオーケンの声が爆音にかき消されてやや聴き取りづらかったが、代わりに内田さんの野太いベースと橘高さんの華麗なギターソロを堪能することが出来た。

あぁ、夢のような一夜だった。

何より。何より嬉しかったのが「デコイとクレーター」を聴けたこと。密かに大好きな曲で、心が疲れているときには何度落ち着かせてもらったか。深い思い入れは無いが、ただ純粋に好きな歌。筋少はハードロックも素晴らしいが、ハードロックだけじゃない。幅の広さを見せ付けてくれる曲の一つであると思う。と、御託を並べたがそんなことはどうでも良いのだ。ただひたすらこの曲が好きなのだ。

「デコイとクレーター」は数年前の初期曲限定ライブでも演奏された。確か二日間の催しで、好評につきCCレモンホールでの追加公演が決定となり、DVD撮影も行われた。しかし。CCレモンホールでは「デコイとクレーター」はセットリストから外されており、それがとても残念で、悲しかったのだ。あのDVDは素晴らしい作で、何度も観直しているが、ただ一点、それだけは残念だったのだ。

その「デコイとクレーター」をまたこの場で聴いている。しかも、どんな形での収録かは定かでは無いが、本日はDVD撮影もされている。もしかしたら今日のデコイを、いつかまた家で観ることが出来るかもしれない。最高のクリスマスプレゼントだ。

しかも、それを二列目から観ることが出来たのだ。どんなに嬉しかっただろう。それはアンコールの一曲目で、椅子に座ったオーケンがじっくりと歌っていて、己はそれを、固唾を呑みながら見つめていたのだ。

ちなみに今日のセットリストはこちら。


イワンのばか
心の折れたエンジェル

みんなの歌
ニルヴァナ
香菜、頭をよくしてあげよう

ゾロ目
1000年の監視者
ロシアンルーレット・マイライフ

愛の賛歌と見せかけて愛のリビドー
(ジムノペティで空バカ風コント)
北極星の二人~内田のラブソング
ムツオさん

ワインライダー・フォーエバー
労働讃歌
戦え!何を!?人生を!

釈迦
トゥルーロマンス

~アンコール~

デコイとクレーター
恋の蜜蜂飛行
サンフランシスコ


もう、本当に楽しかったなぁ! 開演時にクリスマスソングらしきものが流れ、歓声の中メンバーが登場。そしていきなり一発目から怒涛の一曲、イワンのばか! さっきまでの和やかな空気はどこに行ったのだと突っ込む隙も無い。そして二曲目がこれまた久しぶりな「心の折れたエンジェル」! 嬉しいったらありゃしない!

今回のライブでは、「心の折れたエンジェル」「1000年の監視者」「ロシアンルーレット・マイライフ」と、最近あまり聴けていなかった「シーズン2」の曲を聴けたのも嬉しかった。特に「ロシアンルーレット・マイライフ」はちょうど聴きたいと思っていたのだ。銀色のモデルガンを握ったオーケンが、銃口を己のこめかみに向ける仕草が実に格好良い。しかしこの仕草、他のメンバーには見えていなかったようで、この後に観客に向けて撃っていた仕草だけが見られていたらしく、内田さんに「ロシアンルーレットなら観客じゃなくて、自分に向けるよね」と突っ込まれ、橘高さんに「怖かったんだよ」と言われていたのが微笑ましかった。ちなみにこのときオーケンは退場していたので反論の余地無し。

「1000年の監視者」はロマンティックなメロディで、これはクリスマスにふさわしい! ナイス! と思ったのだが、よく考えたら惚れた女にプレゼントあげてOKもらったけど裏切られて毒殺しちゃった男をじっと見ている人の歌だった。そんなこんなで本日も変わらず、人が死んだり人を殺したり別れたりする曲をたっぷり聴いたのであった。アンコールはサンフランシスコ。男女の別れの曲である。

ただ、そのくらいがちょうど良いのだ。クリスマスの浮かれた雰囲気も好きだ。スーパーの店員がサンタ帽を被りながら無表情でレジ打ちをしていたり、コンビニにカラフルなお菓子が並んでいたり、ビジネス街で唐突にいかれたイルミネーションが発生していたりする中で、ちょっとした毒を楽しむのが、非常に美味しくて愉快なのである。クリスマスの全てはこの「毒」の美味しさを味わうために用意されていると言っても過言では無いのである。

さて、本日の毒と言えば「ムツオさん」。今日もやってくれました! 今回自分の立ち位置では、とにかく内田さんのベースと橘高さんのギターの爆音ばかりが聴こえ、サンプリングされた音が聴こえづらい特徴があった。故に、ベースが強調された場合の「ムツオさん」を堪能出来て、これがなかなか、とても怪しい。あのディスコティックなサウンドが遠くにやられると、この曲はこうも怪しくいかがわしくなるのかと思った。しかし、楽しい。

本日、ようやく念願叶って聴けたのは新曲の「ニルヴァナ」。これはライブで盛り上がる! が! それ以上に注目すべきは暴走するエディである。恐らくピアノの出番が少ないのだろう。満面の笑みで手拍子を入れながら持ち場を離れて踊り狂う白い衣装の巨体・エディのインパクトは絶大で、これはエディのために作られた曲ではなかろうか? と思うほど。未だ脳裏に焼きついている。すごかった…。

ちなみに今回、エディのMCの場面は無し。若干喋りたそうにしているように見えたのだが。エディのトークも聴きたかったなぁ。

最初のMCではオーケンがライザップで鍛えてダイエットをして、何とウエストを六センチも細くしたこと、しかしライザップをやめた今リバウンド中で、今朝はティラミスを食べてしまったことなどが語られた。大丈夫。ティラミスくらいのカロリーなら今日のライブで燃焼されるさ。

あと忘れてはいけないのは橘高さんの福袋。もちろんMCの話題に上がった。オーケンに「あなたはこの時期に毎年荒ぶりますが…」と話を振られ、福袋の内容をご紹介。三万円というお値段で、しかし六万円分の商品が入っており、終演後に橘高さんとリキッドルーム周辺をドライブ、一緒に写真撮影、さらには何と! 橘高画伯に肖像画を描いてもらえるという大サービス! そのうえ! ドライブの際、車に乗るときにはエスコートされたうえにバラの花をそっと手渡されるという! この豪華な福袋をゲットしたのは男性! 橘高さんは「また新しく彼氏が出来ちゃった」と笑っていて、オーケン、内田さん、おいちゃんは各々好きなポーズを取って肩を震わせて笑っていた。

「ゾロ目」の前で、オーディエンスに合唱を促すオーケン。見事な声量で合唱が起こり、嬉しそうな顔をするオーケンが実に微笑ましかった。そうだよなぁ。新曲を皆が覚えて歌ってくれたら嬉しいよな。ニコニコッと笑うオーケンは実に魅力的である。喜ばせたいなぁと思ってしまう。

「ロシアンルーレット・マイライフ」の最後にオーケンがステージから退場に、袖からマイクを通さずに「今年の一年を振り返ったMCをしてよー!」とメンバーに要求し、「生声通るな!」と橘高さんに言われるシーンがあった。そこで各自が一年を振り返り、おいちゃんがギャグで嘘の対バン相手を語り、橘高さんが信じ込みそうになる場面もあった。

そして次の曲へ。ちょっと長めの休憩を終えてステージに現れたオーケンは血まみれ白スーツに白ハット。おお、これはと思う間もなく始まるのは愛の賛歌のイントロ。しかし。舌を出したり顔を歪めたりと変な顔をして遊ぶオーケン。おや…と思った直後に響く音。フェイントだ! 演奏されるのは「愛の賛歌」ではない。「愛のリビドー~性的衝動」だ。

これはCCレモンホールで聴いた以来の一曲で、Queenを髣髴とさせる美しいギターの音色に馬鹿な歌詞が乗っているという実に筋少らしい一曲で、我ながら下品だが、生涯最大の性衝動って今それあなた発揮出来るんですか、と脳内突っ込みをついしてしまい自ら恥じたりもしつつ、これも久しぶりだなぁ、良い曲だなぁ、と惚れ惚れ聞き入りつつゲラゲラ笑ってしまうのであった。

この後がまた面白い。ステージはオーケンと内田さんだけになり、エディの奏でるジムノペティに乗せて、ごにょごにょとフランス語っぽことを囁きつつ、「あんたプロだね」と唐突に空手バカボンになる。そしてオーケンが持っていた白いマイクが内田さんの手に渡り、何と! 内田のラブソング!!

オーケンは退場し、代わりにおいちゃんと橘高さんが入場して曲がスタート。内田さんはお星様のついたステッキを片手にし、振り回しながら楽しげに歌いまわる。これは何かの妖精かと思ったが、後のMCで聞いたところドラクエネタであったらしい。しかしオーケンにクリィミーマミ呼ばわりされて憤慨しているのが実に面白かった。ちなみにドラクエは二年半ほど続けているらしい。長い。

ワインライダーからは怒涛だった。ワインライダー、労働讃歌までは予想出来たものの、まさかここで「戦え!何を!?人生を!」をやってくれるとは。これは本当に。「ワインライダー」をやることが増えてから聴く機会が減ったため、無論ワインライダーも好きなのだけれど、これも聴きたいな、やって欲しいなと思っていただけに感無量。しかも、両方聴けて、さらに労働讃歌まで! 喜ばないわけがない。

釈迦で大暴れし、トゥルーロマンスでゆったりして本編終了。わりと、最後がゆったりな曲で終わるのは好きである。

そしてアンコール。おいちゃんと橘高さんがサンタの格好で現れて会場大興奮。特に橘高さんは頭におリボンまでつけているのだからすごい。偉い。似合っているのがまたすごい。そのおリボンをオーディエンスの群れの中に投げる前、金具がついていることを皆に示し、手に取るとき怪我をしないよう注意を促すあたり、実に親切である。ありがたい。

橘高サンタは白い袋からお菓子を撒いてくれた。そのとき手にしたものが写真のグミである。非常に嬉しい。いつか食べなければならないが、しばらくは食べられないだろう。数年前のイブイブライブで手にしたキャンディも未だに食べられていないのだから。未だに大事に飾っている。

デコイとクレーターにしっとりと聴き入った後、長谷川さんが大働きの「恋の蜜蜂飛行」! 大好きだ! 聴けて嬉しいなぁと喜んでいるところで「サンフランシスコ」! 大変贅沢なライブで、終わり際には橘高さんのフライングVに触ることも出来て、嬉しいことが盛りだくさんの一夜であった。最高のエンターテイメントである。

そうそう。最後に橘高さんが、ステージに落としてしまった袋入りの飴を拾い上げ、袋を破き、中から出した飴を指で摘んでオーディエンスに渡してあげる…と見せかけてパクッと口に入れてにっこり笑ったのがキュートだった。しかしここで終わらない。てっきり食べたのかと思いきや、緑の飴をオーディエンスの群れの中にぷっと吐き出して与えたのである。貴公子だ! 紛れもない貴公子だ!! と己は興奮した。あれはきっと、オーケンにも内田さんにもおいちゃんにも出来ない。実に、格好良かった。



未分類0杯, 筋肉少女帯, 非日常

よしよし自分の番だ、と前へ進んだところまでは緊張しつつも冷静だったのに、おいちゃんを目の前にした瞬間、己の脳はまっさらになった。自らおいちゃんの前に立っておきながら、「うおっうわっ本物のおいちゃんだすげえ近い格好良い……何でここにおいちゃんがいるんだ?」と思考停止したのである。それでも、しっかりと両手で握手をした自分はなかなか頑張ったのではないだろうか。

思わなかったよ、まさか筋肉少女帯の握手会に参加出来るなんて。

これは何度も書いたことだが、筋肉少女帯にはまったとき、既に筋少は活動休止状態だった。筋少のアルバムを集めつつも「新しい曲を聴きたい」という欲望が募り、オーケンは今特撮をやっていると知って特撮に手を出したものの、格好良いし、面白いが、何か違う、と思っていたのだった。それは特撮に対して失礼な聴き方だった。カレーもラーメンも等しく美味しいが、カレーを求めているときにはラーメンの美味しさを屈託無く味わうことが出来なかったのである。

それが、仲直りして、再結成して、ライブをやって、武道館公演を果たして、オリジナルアルバムを四枚、セルフカバーアルバムを一枚出して、握手会をやってくれているんだぜ。二十年ぶりに。感無量である。

握手会が行われたのは牛込神楽坂駅からすぐ近くのホール。座席指定で、壇上には長い机と椅子が並べられ、背後の幕の上には卒業式を連想させる看板が設置され、「筋肉少女帯握手会」の文字とメンバーの写真が飾られている。己はやや前方寄りの真ん中の席で、心の準備をする余裕を得られつつ、ステージも観やすく良い塩梅だった。それでも脳はまっさらになるのだ。大好きな人々を目の前にしたら。

会場は「THE SHOW MUST GO ON」がエンドレスで流されており、それがどうにもやはり嬉しい。ファンの入場が済むと、インストアイベントでも司会を務めたお姉さん、多分徳間のスタッフの方だろう、彼女が壇上に現れ、注意事項を説明する。御馴染みの撮影・録画の禁止のほか、まさに握手会ならではだったのは「握手の前に金属探知機でチェックをする」ということ。昨今の握手会での事件が由縁とは容易に想像がつくが、「金属探知機」という単語が出た瞬間、失笑とも言えぬ笑いがドッと起こったのが実に筋少ファンらしいなあといったところ。無論心配は杞憂に終わり、金属探知機が活躍する場面も問題を起こすファンも発生せずつつがなく終わった。良かった良かった。

司会のお姉さんの呼び込みによってメンバーが登場。何と! 橘高さんもおいちゃんも内田さんもバッチリステージ衣装で現れた! これには驚きである。特に橘高さん。インストアイベントのときのように、帽子を被ってサングラスというラフな格好かと思いきや、髪をふんわりさせ、しっかりと「筋肉少女帯の橘高文彦」状態。これは心底嬉しかった。

そんな中、一人だけ普段着で爆裂都市Tシャツにパーカー、ヒビワレメイク無しというラフな格好のオーケンがおかしい。

あと特筆すべきは内田さん。内田さんは「THE SHOW MUST GO ON」の衣装に身を包んでいるが、真っ黒のマスクで顔を隠していた。曰く、風邪を引いてしまったとのことで、かなり体調が悪い様子。そんな中で握手会を決行してくれたのはありがたくも申し訳ないというか。快復を祈るばかりである。

さらに、ファンに移してはいけないからと、アルコールのボトルを用意するという心遣いも。ボトルの小ささを突っ込まれていたが、もう出席していただけるだけで有難いですよ、とファンとしては切に思うのである。

握手会の前にまずはメンバーによるトークが繰り広げられた。今回の握手会が二十年ぶりということと、二十年前の握手会がレティクル座妄想発売記念に開催されたもので、「THE SHOW MUST GO ON」はレティクル以来にオリコンランクインしたこと。

橘「二十年ぶりの握手会ってことは、握手会やればオリコン入るってことか!」
大「わかりませんよ、それは今日の我々の対応にかかってますよ」

そして握手会が始まった。前列の座席の人から順番に前に出て、受付の際にもらった握手会券をスタッフに渡し、金属探知機で体を調べられ、壇上に上がる。自分の前に五列ほど人がいたので、握手会がどのように進行するか眺めていたが、ファンの後ろにスーツ姿のスタッフが待機し、流れが滞ると肩を押して次へと流す様子が見られた。これがなかなか、早い。あまり時間が無いようなので、伝えたいことをかなり簡潔にまとめる必要がありそうだ。

このように脳内で傾向と対策をシミュレーションしたが、おいちゃんを前にした瞬間、頭がまっさらになったのだった。言えたのは「ありがとうございます」程度。だが、両手でしっかりと握手することが出来たので、何とか頑張った、と思う。

次が内田さん。サングラスとマスクのため表情はほとんど伺えないが、今はとにかく来てくれていることがありがたい。緊張のあまり言葉が出なかったが、「お大事になさってください」と伝えることは出来た。

三番目が橘高さん。少し我に返り、緊張しつつも握手をしながら質問をしてみた。だが、緊張のせいか声が小さくなってしまったのかもしれない。橘高さんには聞こえなかったようで、「何?」と言いながら身を乗り出し、己の方に耳を傾けてくれた。

目と鼻の先に橘高さんのウェーブのかかった金髪がドアップ。
己の脳は爆発した。

薄い金髪が幾重にも重なり、濃淡のグラデーションを作っていて実に美しかった。爆発した脳で質問した。この時点で己の肩にはスタッフの手がかけられていたが、剥がされながらも橘高さんは己に答えを与えてくれた。脳が爆発した。
ウヲ「若さの秘訣はなんですか?」橘高さん「何?(耳を傾けてくれる)」橘高さん「若さの秘訣は…若いと思うこと!」

最後にオーケン。がっしりと握手をしながら思いを伝えると、やはりスタッフに剥がされながら離れていく自分を目で追いながら、しっかりと答えてくれた。会話が出来た! 会話が出来たのである!
ウヲ「ありがとうございます、また二十年後にやってください!」オーケン「二十年……六十…七十かぁ、頑張るよ!」

席に戻った後、己は少し涙ぐんだ。無理もないことだと思う。

夢心地の中で他の方々が握手をする様子を眺めていた。メンバーのサービス精神は素晴らしかった。特に橘高さん。スタッフに肩を押され離れていくファンの手をまるで引き止めるかのように最後まで握り続け、ファンが次のオーケンの方を向くまで目を見続けているのである。貴公子だ! 本物の貴公子だ!!

オーケンは握手の途中でマイクを取り、握手が終わった人々に対して「スマフォいじっていて良いですよ」と声をかけ、自身の咽喉が渇いた際には「ごめんね、咽喉渇いちゃって、飴舐めて良い?」とこれから握手をするファンに了承をとり、今後の物販用に「これからチェキを撮ります!」と宣言して握手会の様子をマネージャーに撮ってもらうなどして、握手が終わった後のファンも飽きさせないよう心配りをしてくれていた。こういうところが本当に好きだなぁ。

スタッフがどんどん肩を押して流したせいか握手会はサクサク終わった。恐らく、一時間かかるかかからないか程度だったように思う。終了予定時刻が二十一時前後で、握手会が終わったのは十九時半頃だったはず。

終わった直後、橘高さんが「二周目行くかぁ!」「朝までやるんじゃないの?」と言ってくれたのが嬉しかった。スタッフがファンを流すのが早すぎたことに対しフォローをしてくれたように思えた。

橘「あんなに早く剥がさなくて良いのにね」
大「筋少の癖にね」
橘「普段はだらだらやるのにこんなときだけ早い!」
大「ぼくがサイン会やるときは、二百人くらいで二時間かかるよ」

そこで、余った時間はフリートークに割り当てられることとなった。これはこれで嬉しい。

大「皆さん、握手のとき何を聞かれましたか?」
本「遠くから来たって方がいらっしゃいました」

曰く、熊本や富山から来た方がいたらしい。

橘「ベルギー」
大「ベルギー!?」
橘「冗談です! 何でベルギーって言っちゃったんだろう」
大「でもベルギーからだったら良いよね、筋少もワールドワイドで」

オーケン、同じ話題を内田さんに振る。

内「生姜とか蜂蜜とか、体に良いものを教えてもらいました。あと仲直りしてくれてありがとうって」
大「仲直りねー」

橘「ちいこいの歌良いって三人くらいに言われた。三百九十人中の三人! この会場だけだけど!」

と、言った後に「でも歌心に触れるのはやめて」と言うあたり、よっぽど恥ずかしかったらしい。そこにオーケンがかぶせに行く。

大「でもね、ぼくも弾き語りでギター心をね」
橘「へっ!」
大「ディスられた!」
橘「ちょっと仕返ししたかったの!」

そしてまた、ファンに何を言われたかという話に戻るが、同じことをおいちゃんに聞き、「さっき遠方からって言ったじゃん!」と反撃されていた。

オーケンはファンに「コンドロイチンはやめてください!」と言われ、何故だろうと思っていたが、トークの間にコンドロイチンではなくヒアルロン酸だったことに気付き、前回のライブでほうれい線が気になるからヒアルロン酸打とうかな、と言ったせいか~とこぼしていた。そのファンの方はスタッフに剥がされながら必死で「ヒアルロン酸は打たないでください!」とオーケンに伝えていたという。気持ちはわかる。とても。オーケンはそのままで充分格好良いです。

また、ファンからの要望には「椅子のあるところでやってほしい」というものもあったそうで、その流れでメンバーもステージに椅子に座ってやるのはどうか、という話が出た。

橘高「デーモンさんが怪我したときみたいに動く椅子を四つ用意するか」
オーケン「エディの分も!」

そして長谷川さんはドラムごと動くことになったのだが、ドラムごと動いてしまったらそれはまんまたまの石川さんではなかろうか、と思った。

この流れで真矢さんの回転ドラムの話や、真矢さん所有のお御輿の話が出た。お御輿を保管するためだけに倉庫を借りており、維持費もなかなかかかるらしい。そしてお御輿ではないが、筋肉少女帯もバンドで何かを所有しようという話に。

大「我々もバンドで何か買いましょうよ」
橘「ペットとか?」
大「何の動物にする?」
橘「犬とかいいんじゃない、小さい」
大「チワワとか」
橘「持ち回りで飼って、誰かの後に預かると躾が悪くなってるの」

そういえばどこかで、風邪のために声が普段以上に低い内田さんに対してオーケンが、男性は低い声でゆっくり喋ると男性ホルモンが出て老化対策になるんだよ、という話をしていて、アンチエイジングの知識を収集しているのだなぁ、頑張っているのだなぁ、と思った。

あと「レンタル筋少はどうだろう」という話もあった。寂しい夜やお誕生日にレンタルして、カラオケなどを一緒に歌う、セットで借りると割安に…という話だったが、これはいったい何の流れで話されたものだったかなぁ。

メンバーのトークが一段落したところで、スペシャル企画に移行するためいったんメンバーが退場。しかしその後もメンバーのトークは続くのであった。

このあたりで話されたのは最近の話だったかな。先日の十一月二十一日に橘高さんがデビュー三十周年! を迎えた話になり、三十周年記念のライブチケットが発売されて完売したこと、来年もイベントをやっていきたいので筋少メンバーに協力をして欲しいという話に。そこでオーケン、同期に誰がいるの? と橘高さんに問う。するとTUBEが同期にあたり、AROUGEでNHKに出演するためのオーディションを受けたときに会ったと言う。そこから話が転がりNHKオーディションを筋少が受けた話に。オーケンは一人で受けたと記憶しているが、内田さんはオーケンと太田さんと三人で受けたと主張。びっくりするオーケン。三人ということは仏陀Lかシスベリのときかと言う橘高さん。ところが歌ったのは「これでいいのだ」ということで、つまりおいちゃんも橘高さんも既に在籍していたはず。結局、それぞれの記憶はバラバラという結論に至った。

大「みなさんも調べてみてくださいね。意外と最初のライブの記憶とか、調べてみると違うかもしれませんよ」

「最近どう?」の話題の中で、オーケンがおいちゃんに「映画観てる?」と話を振り、おいちゃんが観てると答え、タイトルを言うとファンが観てくれるよとオーケンが言ったものの、「今度Twitterで書きます」とおいちゃんが答え、「ガラケー馬鹿にして!」と憤る場面もあった。でもオーケン、ガラケーでもTwitter出来るよ! やってるよ!

それとももクロとKISSが今度一緒にライブをやるという話で、橘高さんは関係者の力に頼らず自力でチケットを取り、購入まで三十分かかったと語り、いつも自力でチケットを入手するファンの我々に対し「君達すごいね!」と褒めてくれた。オーケンから伝手を使ってチケットを入手しないかと聞かれていたが、橘高さんは友達のライブでも、きちんとチケットを購入して入場し、その後「よう!」と声をかけてジーン・シモンズに「来てたの!?」と驚かれるのが良い……と冗談を語っていた。

楽しいトークの後はスペシャル企画について。スタッフのお姉さんに「スペシャル企画について説明してください」と振られ、「えっ……」と驚くメンバー四人。誰が話すかと言う打ち合わせをしていなかったらしく、ダチョウ倶楽部のノリで橘高さんが「俺がやる」と手を挙げるが誰も付いて来ない。それに対し橘高さんが「お前ら乗ってこないよな!」と憤り、オーケンが「ぼーっとしていて企画の内容をちゃんと聞いていなかった」と告白。結局橘高さんが説明してくれることになった。

スペシャル企画は何と、メンバーがくじを引き、当たった人が所有しているトレーディングカードにサインをしてくれるというもの。なるほど、だからトレーディングカードの持参が促されていたのか!

この企画説明中、オーケンがマフラーを首に巻く動作の中でマイクか何かを床に落として「ゴドッ!!」という音を鳴らして橘高さんの説明を中断し、どうせ自分は水や珈琲をこぼすのだ、二十五年こうなんだ、知っているだろう、という内容のことを言って逆ギレし、橘高さんが「この子はごめんなさいと言わないで逆ギレする!」とたしなめるという漫才のような場面があった。

スペシャル企画が終わった後もトークは続き、最後は座席に座るファンとともに写真撮影を行い、浸透しなかった決め台詞、「THE SHOW MUST GO ON!!」の掛け声で締め。最初から最後までサービス精神たっぷりで、非常に楽しいひとときだった。握手のとき、オーケンはファンに「長生きしてほしい」と言われたことが多かったそうだが、切にそう思う。どうか健康を大切に、長生きをして、これからも我々ファンを魅せ続けて欲しい。そしてまた二十年後に握手会をやってほしい。そのときには今のオーケンと同い年の自分が会場に足を運ぶだろう。喜び勇んで。



未分類4杯, 筋肉少女帯, 非日常

あ、そうだ筋少のライブがあったんだ、と気付いたのは数日前。部屋の掃除をしている最中に仕舞いこんでいたチケットを発見してのこと。確かにそれを購入していたが、ライブを楽しみに待つ心の余裕を失っていたため、すっかり記憶の外に置いてきてしまっていたのだ。

気分転換を求めているが主体的に動く気力があまり無い。そんな自分を動かすためにこのチケットはあるのだろう。解釈の末、家を出た。

道に迷いながらライブハウス「新宿ReNY」に到着。西口を出てしばらく歩いた場所だ。あまり馴染みの無いビジネス街だ。何故ここにライブハウスを作ろうと思ったのだろう。

開場後ロッカーに荷物を預けスタンディングスペースへ。今回は中央上手寄り、内田さんの前に立った。ヘドバンの吹き荒れる上手の余波を受けながら、ほどほどに暴れたい気分だったのだ。

開演SEは「タチムカウ~狂い咲く人間の証明~」で、これがしばらく流れた後にメンバーが入場し、「オーディエンス・イズ・ゴッド」。そして以下がセットリストである。


オーディエンス・イズ・ゴッド
バトル野郎~100万人の兄貴~

ゾロ目
カーネーション・リインカーネーション
吉原炎上

くるくる少女
ムツオさん
みんなの歌

THUNDER YOU POISON VIPER

愛の讃歌
小さな恋のメロディ(橘高さんボーカル)
恋の蜜蜂飛行

ワインライダー・フォーエバー
労働讃歌

イワンのばか
気もそぞろ

~アンコール~

霊媒少女キャリー
釈迦
ツアーファイナル


やっと聴けた「吉原炎上」と「恋の蜜蜂飛行」の嬉しさったら。特に「恋の蜜蜂飛行」は多くの人が待ちわびていたのだろう、新曲とは思えない一体感と盛り上がりっぷりで、観客も随分聴き込んでいるように感じられた。

印象的だったのは「ムツオさん」。この新宿ReNYの天井にはミラーボールがついており、「ムツオさん」のとき、くるくると回転しながらキラキラと光を反射させ、まさにムツオさんの世界観。まさか本当にミラーボールの回る様を見られるとは思わなかったなぁ。

ただ、音はあまり良くなかったように思う。どの曲だったか、シンバルの音ばかりが響いて、ボーカルがとても聴きづらかった。あれは残念だったなぁ。

今回は新譜ツアーということで、労働讃歌は必ず入れるだろうと思っていただけに、ワインライダーをやったのには驚いた。まさかの筋少ラップ二連続! しかし何度もやっているワインライダーの方で間違えてしまう内田さん! 何故だ!!

「愛の讃歌」ではモデルガンを片手にポーズを決めながら、血まみれ白スーツ白ハットで歌うオーケンが面白くもあり、格好良かった。モデルガンは相当お気に召しているようであるが、音がちゃちいらしく、それを残念がっていた。内田さん曰く、運動会で使うピストルよりも音がしないということで。だが、効果音なら上手に効果音の魔術師がいらっしゃるので、彼に入れてもらえば良いじゃないですか、と思った。いつも律儀に入れてくれるじゃないですか。色々な効果音を。

MCのどこかでオーケンが「壁ドン」「顎クイ」「股ドン」をやっていたが、「股ドン」で結構な勢いをつけて空気を蹴り付けていて、どう見ても膝で急所を潰しているようにしか見えず、女性がくらっとくるロマンチックなシチュエーションと言うより、これはオーケンによる痴漢撃退講座ではなかろうか、と思った。

痴漢を壁際に追い詰め!(壁ドン) 注意を逸らせた瞬間!(顎クイ) 急所を打つ!!!!(股ドン) …というような。

あと、MCでは鼻うがいのおかげで声が出るようになったと喜ぶオーケンと、歌心発言をからかわれまくりマーシャルに八つ当たりをし出す橘高さんが非常にキュートだった。

新譜のタイトルが発表されたとき、己はオーケンの覚悟と義務感を感じた。何があってもショーを続けなければならない、筋少というブランドを守らなければいけない、というような。しかし新譜が発表され、ツアーが始まると、当時感じた「重さ」が消え、「まだまだ続く」という希望が感じられるようになった。そして今回のツアーのラストソングが「ツアーファイナル」。ファイナルだが、まだ続く。また会えるよという希望。覚悟も義務感もあるが、きっと「続けることを望まれている」自信や喜びもあるに違いない、と感じられた。そんなツアーだった。

最後にまた個人的な感傷に戻るが、確か後半だったと思う。オーケンが「今日のライブを楽しんで、また明日からいつもの日常に戻ってね」というようなことを叫んだ。それは普段であれば「楽しんでいるところで現実に引き戻しやがって! 鬼か!」と冗談めかしつつ脳内で悪態をつく場面であるが、しばらく非日常状態が続いていた己には違う聞こえ方がして、そうだなぁ、そろそろいつもの日常に戻りたいなぁ、戻れるようにならんとな、と背中を押されたように思えた。無論それは受け取り方によるもので発信者にその意図が無いことはわかるが、そのように受け取ろうと思ったのである。

いつものように楽しめたかと言えば、全くその通りとは言いがたく、まだ憂鬱は残っているが、笑い、叫び、手を伸ばし、くたくたになる時間を与えられたことを有難く感じた。

ありがとう、筋少。



未分類0杯, インストアイベント, 筋肉少女帯, 非日常

「THE SHOW MUST GO ON」の発売を記念して、タワーレコード新宿店でインストアイベントが行われた。トークが九割、曲が一割という構成で、メンバーは普段よりもラフな格好で、楽器はアコースティックギターとウクレレベース。自分は下手の前の方で眺めていて、よく見えたのはおいちゃんだった。開始当初、おいちゃんがオーディエンスにカメラを向けて写真を撮っていたが、もしかしたらそこに写っているかもしれない。そんな位置である。

今回はトークがメインなので、覚えている内容を簡単にまとめてみようと思う。言い回しや順番が不正確である箇所もあると思われるが、だいたいこんな感じ、という風に見ていただけるとありがたい。



■ベストテンランクインありがとうコーナー
まずスタッフからランクインに関してのお礼の言葉が観客に伝えられ、その後メンバー登場。イベントスペースには立ち見の観客がみっしり。何度もスタッフから、「気分が悪くなったら手を挙げてください」とアナウンスされた。

橘「後ろの人見えるー?」客「見えなーい」
橘「距離があいちゃったね★」

オーケンより、10月12日のライブの前にスタッフが楽屋に飛び込んできて、何事かと思ったら「11位になりそう!」と伝えられた話が語られる。そしてライブでもMCでオーディエンスに「ベストテンに入れるかも!」と伝える。

橘「いつもの筋少のパターンなら、ここで11位になるのがお約束なんだけどね」

ベストテンランクインは二十年ぶり。では、二十年前にランクインしたのは何だったのかと言うと、「レティクル座妄想」で、順位は七位。
内「あんなアルバムが七位に…」

そしてランクインはめでたいことだが、「二十年間ベストテンに入ってなかったんだ…」という話に。しかし二十位以内にはわりと入っていて、「蔦からまるQの惑星」も二十位以内にランクインしていた。

大「でもベストテンはやっぱり違う。いろいろ紹介してもらえる!」
本「なんとかティーヴィーとか」

オーケン、「筋少が十位に入ったとき、十一位の人、誰か知らないけどきっと歯噛みしてるよ。筋肉少女帯なんかに! って!」と冗談めかしながら語る。



■アルバム収録曲を一曲一曲解説コーナー

「THE SHOW MUST GO ON」の曲を一曲ずつ解説していくことになるも、オーケンが曲順を覚えておらず、橘高さんとおいちゃんが「一曲目は日本印度化計画」「二曲目は高木ブー」「三曲目は釈迦」「こたつみかん」と嘘の曲順を教え出し、オーケンが「よくそんなにポンポン出てくるね~」と感心する場面が。その後、カンペ代わりに「THE SHOW MUST GO ON」のアルバムがスタッフよりオーケンに手渡される。

●オーディエンス・イズ・ゴッド

歌詞が乗る前から、お客様への感謝の気持ちがあった…というように語られていたような気がするが、だいぶ忘れてしまった。

●労働讃歌

オーケンの「OTODAMAと氣志團万博で練習した」という発言から「練習!? 流石ベストテン様は違うな!」というようなツッコミが入る。そこから、OTODAMAか氣志團万博のステージ横でも練習し、恥ずかしかったという話が内田さんから。

大「バンドをやる限りこの曲を練習し続けるんでしょうね」

●ゾロ目

大「ゾロ目が一曲目でも良かったかも」
橘高さんにとっては「くるくる少女」や「再殺部隊」のような世界観の曲。

●霊媒少女キャリー

橘高さんは怖い曲を作りたくて、そういう音をたくさん入れたとのこと。
オーケンはこの曲の聴かせどころがわからず橘高さんに質問した。「交渉人とロザリア」も同じく聴かせどころがわからなかった曲。「霊媒少女キャリー」はアーヴァンギャルドの容子さんが入ってくれたことで上手くまとまった。

●ムツオさん
本「ネット界で話題になってますね」
作曲者の内田さん曰く、レティクル座妄想収録の「ワダチ」の反省を生かして作られた曲。レティクル座のときは固くて、そのため重々しいワダチのような曲が出来てしまったとのこと。

●みんなのうた

ファンタさんがベースを弾き、オーケンが歌ってデモテープを作ったのに、スペシャルサンクスにファンタさんの名前を入れるのを忘れてしまった、とオーケン。そこで盤面に「ファンタ」と記入するように、とオーディエンスには命じられる。
橘「今日の宿題だよ★」

時間の都合上、全曲を解説は出来ないのでトークを「最近の話題」に変更。



■最近の話題コーナー

橘「WOWOWで月末に氣志團万博が放送されるからみてね!」

五十歳になったからというわけではないが、おいちゃんは最近、週二日はビールを呑まなくなった。ラーメンも今年はまだ四十杯しか食べていない。結果、体の調子が良いらしい。
大「ラーメンは健康食って言ってたのに!」

おいちゃん、夜中に咽喉は渇くものの、ビールを呑みたい欲求しか無いため咽喉がカラカラでも他に呑みたいものが無く、仕方なく水を飲んでいる。オーケンはどうしてもビールを呑んでしまって止めることが出来ないらしい。

お酒を呑まないと、呑んでいた頃の時間が余ってしまい手持ち無沙汰になるという話へ。おいちゃんも手持ち無沙汰になり、狂ったように勧告映画を三本続けて観てしまったことがあったそうだ。

大「韓国映画は狂わなくても見られるでしょ!」

内田さんは最近忙しくて休みがなかった。そして休めた日は一日家にこもってゲームをしていた。

いろいろやるが、歌舞伎町で悪い人になったりするゲームもするらしい。
橘高さんが「キャバ嬢育てるの楽しいって言ってたもんな!」と言った後、慌てて「実際は絶対できないもんな!」と内田さんのイメージを守るためか、フォローを入れていたのが面白かった。内田さんは両手で何かを掴んで持ち上げる仕草をし、「うん、看板で殴ったりする」と語っていた。

大「ずっと家の中にいて煮詰まらないの?」
内「ぜんぜん」
大「天気の良い日に散歩したりしたくならないの?」
内「したいときはする」

「ゲームの中でするんだろ!」「ゲームの中で釣りとかするんでしょ!」とツッコミが四方八方から。

ゲームの話の流れで、オリコンベストテンと勇者はどっちが偉いのか、という質問がオーケンから内田さんに。すると内田さん、「一位でも世界は救えない」と一言。その謎の重々しさに場内が水を打ったように静まり返り、一泊置いてから、勇者でも現実の世界は救えないだろう、というツッコミが入った。



■曲順についてのコーナー

オーケン、すかんちの「DOUBLE DOUBLE CHOCOLATE」の一曲目に驚いたが、すかんちのメンバーから「どんな曲でも慣れるよ」と言われさらに驚いたらしい。そこから曲順の話へ。

「意外と一曲目がゾロ目でも良かったかもしれない」
「一曲目がムツオさんでも良かったかもしれない」
「最初と最後がムツオさんでも良かったかもしれない」

曲順からムツオさんいじりになり、「ムツオ讃歌」「月に一度のムツオさん」といったタイトルが生まれ、橘高さんの言った「月に一度のムツオさん」にオーケンが大うけし、三十日ごとにやってくるムツオさんを想像して「嫌だ!」と笑っていた。

ここからまた曲順に話が戻る。

橘「曲順や曲間の間も何秒って、ちゃんと考えてるんだよ。取り込んでシャッフルで聴くと曲間も全部同じになるから、最初はCDで聴いてね、後で圧縮してもいいから。」
「今のところCDが一番良い音だからね」と、まずはCDで聴いて欲しいと念押し。



■どんな特典だと嬉しいかコーナー

オーケン、トレカがあんなに人気とは思わなかったそうで、他にどんな特典がついていたら嬉しいかを観客に募り始める。

●筋少カレー …まあまあ人気だが、食品は消費期限があるため難しいという結論に。
●ヌンチャク …需要はある様子。
●トレカとヌンチャクならどっち? …断然トレカ

橘「トレカ50種類くらい作れば良かったね!」

特典繋がりで、昔KISSのアルバムについていた「ラブ・ガン」の紙鉄砲は扱いに困ったらしい。橘高さんは畳んでしまいなおしたと言っていた。



■演奏コーナー

そろそろ曲をやりましょう、ということで、一曲目に入れても良かった「ゾロ目」。アコースティックのゾロ目は新鮮だった。

アルバムが売れたためレコード会社が喜んでくれ、来年の予定も立ち始めたとのこと。オーケンが「気もそぞろで待っててね」と言って「気もそぞろ」へ。

演奏終了後、オーケンは「決めぜりふを考えました」と言い、指でピストルを作りバシッと決める。

「次回もショーマストゴーオン!」

イベント終了後はサイン入りポスターをスタッフより手渡された。約一時間、あっという間のイベントだった。楽しかった!



未分類0杯, 筋肉少女帯, 非日常

いやあ楽しかった。

昨日が平沢進のライブだったこともあって昼過ぎに起床し、家にあったフルーツグラノーラに牛乳をかけてこれを食し、整体に行って本日の会場赤坂ブリッツに到着。しかしここで腹が減り、この後の運動量を考えるとフルーツグラノーラだけではエネルギーは足りなかろう、何か腹に入れなければ相成らん、とうろうろしていたら赤坂ブリッツのすぐ手前の小さな広場に屋台が出ており、ちょっとしたオクトーバーフェストが開催されている。ビールの祭典である。ビールの!

そこから先は言うまでもない。いそいそとドネルケバブとビールを買い求め、ライブ前の至福のひと時を過ごしたのであった。ライブ前に美味しいビールを呑めるなんて何て幸せなんだろう、と喜びを噛み締めつつ味わった。

しかし! 喜びの本番はこれからである。六月ぶりの筋肉少女帯のライブ! それも新譜発売直後! 四年四ヶ月待ちわびた新譜を引っさげてのワンマンライブである。新譜が発売されてから今日までひたすら新譜を聴いていた。ばっちり頭に入っている。そんなあの曲やこの曲を、どのように演奏してくれるのか。楽しみでたまらないじゃあないか!

では、まずはセットリストの方を。


オーディエンス・イズ・ゴッド
タチムカウ~狂い咲く人間の証明

ゾロ目
カーネーション・リインカーネーション
香菜、頭を良くしてあげよう

ゴーゴー蟲娘
ムツオさん
みんなの歌

青ヒゲの兄弟の店(おいちゃん橘高さんボーカル、オーケン退場)
愛の讃歌(血まみれ白ハット白スーツオーケン)
小さな恋のメロディ(橘高さんボーカル、オーケン退場)

労働讃歌
ハッピーアイスクリーム
これでいいのだ
パリ・恋の都
気もそぞろ

~アンコール~

霊媒少女キャリー
釈迦
トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く


「オーディエンス・イズ・ゴッド」と「みんなの歌」は、歌詞の性質もさることながら、ライブ映えする曲だと思った。特に「みんなの歌」は化ける。ライブでの定番の煽りがそのまま歌詞に取り入れられ、CDではそのおかしみを楽しむことができて、ライブでは歌詞のままスルリと煽られる状況に持っていかれるのが面白い。まるでライブをするために存在している曲のようだ。

今回のライブでは、オーケンは語りのシーンで本を持ち、それを朗読する形を取っていた。本の表紙は「ステーシー」で、恐らく内側に歌詞を挟み込んでいるのだろう。単にカンペを見るのではなく、本を持つことで「朗読」という演出になるのが良い。しかし同時に少しの違和感もある。それは今も自分はオーケンに「即興詩人」のイメージを抱いているせいである。実際に見たことが無いにも関わらず、過去の書籍や音源、映像作品に残っている、その場で物語を紡ぎ出し止まらなくなる、ちょっと目つきのおかしいオーケンのイメージが強く、その姿への憧憬があるのである。

ただ、今のオーケンと昔のオーケンが違うことはわかりきったことである、それは歌詞にも表れていて、興味の対象も一目瞭然だ。今はとにかくライブがやりたくて、怪しいものにも興味を引かれつつ、自分を慕ってくれる愛娘への憧れもありながら、何だかんだで生きるのが楽しい状況のように見える。

ただ、それが良いんだよなぁ。

クラスの女子と喋れず、映画館に通いつめ、表現欲と性欲を抱え込んでいた少年が。キノコを食べてバッドトリップし、心のバランスを崩し、メンバーと喧嘩してバンドを凍結した青年が。四十代になってニコニコ出来るのは素晴らしいことだ。その「変化」が存在していることに勇気をもらえる。だから自分は、過去の危ういオーケンに憧れを抱きつつ、今のオーケンを心底格好良いと思うのだ。

だいぶ話がそれてしまったので今日のライブの話をしようか。一曲目「オーディエンス・イズ・ゴッド」は、「のっけから神業~どうぞ!」の、「どうぞ!」と同時に橘高さんとおいちゃんがバリバリギターを弾き始めるのが非常に格好良かった。この歌詞も今の筋少ならではだよなぁ。

三曲目の「ゾロ目」に入る前のMCはオリコンチャートの話。ここに限らず、今回はこのオリコンチャートが話題に上ることが多かった。何と初日のデイリーランキング六位に入ったということで、もしかしたらウィークリーランキングのベストテンに入れるかもしれないとのこと。もし入ったら二十年ぶり、レティクル座妄想以来のベストテン入りだそうで、「ベストテンに入ったら俺達調子に乗っちゃおうか!」と楽しげに語らっていた。入って欲しいなぁ。入ってくれないかなぁ。

「ゾロ目」は流石にライブではヌンチャク歌唱はせず、普通に歌っていた。そりゃあまあそうだよな。そしてゾロ目で盛り上がった勢いでカーネーション・リインカーネーション! やったあ大好きな曲だ! この重低音が心地良い。

「香菜、頭を良くしてあげよう」を皆で合唱し、またMCへ。ここでもオリコンチャートの話。そこでオーケン、CDが売れたら少しお金が入ってくるだろうから、でも僕は高等遊民だからそんなの関係ないけど、内田さんもCD売れたら入ってくるでしょ、そしたら僕にウクレレ買ってちょうだい! と、よくわからないトークをした。ここのところ、本当に意味がわからなかった。

いや、高等遊民だから内田さんにウクレレを買ってあげるよ! という流れならわかるが、何で高等遊民に内田さんがウクレレを買ってやらねばならんのだ。無論これは本気のトークではなく、次の曲に繋げるための芝居なのだが、それにしてもよくわからなかった。

そんなオーケンの謎のおねだりを内田さんは一蹴し、代わりにと持ってきたのが! まさかの秘密兵器、一弦ベース! ということはあの曲である。やったあ! 「ゴーゴー蟲娘」だ!!

今日聴けるとは思わなかった曲第一位である。嬉しいなぁ。さらに、次は期待の一曲「ムツオさん」! ダンサブルで楽しい曲である。この歌をこんなに楽しく踊ってしまって良いのだろうか、という背徳感がまた楽しい。しかもオーケン、間奏で引っ込んだかと思ったら、頭に筋少タオルで鉢巻して、懐中電灯二本を差して再登場! やってくれたぜ!!

おかしかったのは次の「みんなの歌」もムツオさんコスプレのまま歌っていたことである。それでいいのか。そのままいくのか。

「みんなの歌」を歌った後オーケンが退場し、おいちゃんふーみんで「青ヒゲの兄弟の店」。さてもう一曲くらいあるかな、と思いきや、ステージに現れたオーケン! 血を浴びた真っ白なハットとスーツに白マイクという出で立ち! そしてマイクのコードをぴしゃんぴしゃんとまるで長縄跳びを波打たせるように操りつつ、非常に気持ち良さそうに「愛の讃歌」を歌ったのであった。

そのぴしゃんぴしゃんをやる仕草はコミカルで、くすくすと笑いが漏れ、オーケン自身も真面目に歌いつつ、ちゃかそうとしている面が感じ取れたが、オーケン本当に上手くなったよなぁ…としみじみ感じた。感じつつも笑った。

気持ちよく歌ったオーケンはサラリと退場し、今度は何と橘高さんがギターを弾きながら「小さな恋のメロディ」を熱唱! あの曲を弾きながら歌うのか! と圧倒されてしまった。橘高さんの働き振りがすごい。

労働讃歌は盛り上がった。「ぐーるぐる!」のところで腕を回すのが楽しい。ラップ部分ではワインライダーのように、メンバーが楽器を下ろしてマイクを片手に大熱唱! うーん格好良いおじさん達だ。

本編最後は「気もそぞろ」。和やかな雰囲気で終わるのも良いなぁと思いつつ、「みんな歌ってー!」と合唱を促すオーケンに、いくら何でも発売から一週間も経っていないのにそれは無茶振りだよオーケン、と思った。

アンコール一曲目は「霊媒少女キャリー」。エディのピアノが堪能出来る美しい曲だ。「THE SHOW MUST GO ON」は蔦Qよりもさらに、エディの見せ場が増えているように感じる。サポートとはいえ筋少にとってはなくてはならない存在であり、その存在が増していくのはファンとして嬉しい。

ラストは定番曲の「釈迦」「トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く」だったのだが、正直ちょっと拍子抜けした。何故なら最後に来るのも「恋の蜜蜂飛行」だと思ったからである。思った、というよりも願ったが正しいか。確かにトリフィドも好きなのだが、好きなのだが! 新譜のライブだし、「恋の蜜蜂飛行」、聴きたかったなぁ! ブンブン叫びたかったよ!

他、新譜では「月に一度の天使(前編後編)」「吉原炎上」「ニルヴァナ」が演奏されなかったので、これは次回のライブに期待するしか無いだろう。欲しがり神様は貪欲なのである。あぁ、是非、蜜蜂飛行は聴きたい!