20×5=100 LIVE (2019年4月20日)
毎年100曲ライブと共に冬を乗り越え、今年も同じように隔週で水戸さんの歌声を聴きながら春の訪れを感じることができて嬉しい。
今年も開催された100曲ライブのファイナルが本日。いつもは澄ちゃんで締めくくられるが、今年はスケジュールの関係で澄ちゃんが初回でファイナルがワジーに。安定と信頼の澄ちゃんから始まり、一際異彩を放つ内田さんのテクノポップ、しっとりとしていてそれでいてパワフルな扇さんのピアノによるバラードナイト、シンプルで楽しくて笑って笑ってたまらない吉田一休回と来て、テクニックが冴えわたり重厚さのたまらないワジーのギターを味わえるのは、言うなれば基本を押さえたうえで様々なアレンジの料理に舌鼓を打つ楽しさがあった。
ファイナルは水戸さんとワジーのおしゃべりが盛り上がり三時間の長丁場に。一曲一曲の仕上がりの満足感に水戸さんもワジーも話さないではいられなくなる様子がおかしく、同時に微笑ましかった。アンコールは通常一曲だが、ワジーの押しの強さにより「砂のシナリオ」の後に「イヌサルキジ」がスタート! あぁ、このときの興奮と嬉しさったら! そうして水戸さんの平静最後の一曲は「イヌサルキジ」で締めくくられることとなったのだった。
いつも吉田一休回で聴けていた大好きな「猫とろくでなし」がセットリストから外されて寂しく思っただけに、ワジー回で聴くことができたのは本当に予期せぬことで、思わぬサプライズプレゼントをいただけた気持ちになった。ワジーの演奏での「猫とろくでなし」を聴けるなんてなぁ。嬉しいなぁ。
去年久しぶりにと演奏された「太陽も知らんぷり」がすごく受けたからと、今年もセットリストに入れられていたのも嬉しかった。「太陽も知らんぷり」と「砂のシナリオ」はあまり歌う機会のない曲とのことだ。己はこの二曲が大好きで毎日のように聴き続けているのでその事実が意外でならなかったが、だからこそこうしてライブで、今の水戸さんの歌声で聴くことができて嬉しい。
水戸さんは言う。自分は歌がうまいのではなく癖が強いだけなのだと。ワジーも自分自身がそうだと語りながら同意して、癖の強さはイコール個性であると話していた。水戸さんもワジーも正規のボーカルレッスンを受けて来ず、独力で歌ってきたことを指してそう言っていたが、己はやっぱり、水戸さんは歌が上手いと思う。誰にも真似できない歌声を持っていて、その響きで人の心を揺らすことができる。その歌声に何度助けられてきただろうか。筋少もヒラサワも大好きで、それでいて、水戸さんの歌声じゃないとダメだ、と思うことは多々あるのだ。無論それは筋少にもヒラサワにも言えることなのだが、つまり唯一無二なのだ。
水戸さんにとっての平成はデビューしてからの、つまり水戸華之介として活動した時代そのものだったと言う。そして平成最後の100曲ライブで100曲目に選ばれたのは「青春路地裏伝説」。平成を生きた者達へ向けて、とのことだ。
アンコールが終わり、「令和もごひいきに!」と言って水戸さんはステージを去って行った。99曲目でTHE BLUE HEARTSの「情熱の薔薇」をワジーと共に跳ねながら歌い、アンコールで予定外のもう一曲を歌った水戸さんは全力を使い果たしてくたくたの様相だった。アコースティックライブでもいつも汗を流し、飛び跳ね、椅子の上で長い手足を伸ばして大笑いをし、全身で歌って語ってくれる水戸さんは己にとって心の糧だ。元号が変わっても時代が変わっても、いつまでも付いて行きますよ、と胸の中で返事をした。来年もまた、一緒に冬を越して春を迎えられますように。
2月23日(土) with 澄田健
3月9日(土) with 内田雄一郎 (=Zun-Doco Machine)
3月23日(土) with 扇愛奈 (バラードナイト)
4月6日(土) with 吉田一休
4月20日(土) with 和嶋慎治