やわらかな香りのあたたかな水
2017年12月17日(日) 緑茶カウント:6杯
急須がほっこり温かくて、時間を置いて手を乗せてもまだ温かくて、空の急須からじんわりと伝わる熱と、咽喉を通って胃袋に届く緑茶の熱い熱を感じて、六畳間にて一人、ほっとしたのであった。
傍らでは加湿器がしゅんしゅん沸いている。その横には買ったばかりのちょっと良いシャツが吊るされている。さらにその横に洗濯し、水分をまとった使い古しのタオルに寝巻き。それらに温かな風をあてるのは六畳間専用のエアコン。朝からずっと労働を余儀なくされ、文句も言わず働いている。
向かって左にはベッドがあり、その上に乗るのは太陽光をいっぱいに浴びたものの、寒空に放り出されて冷え切った布団だ。それも、エアコンの風を浴びてようやく温まった頃だろう。ほう、と一息つきながら緑茶をもう一口。熱湯を注ぐ気はなかったが、冷めるのを待てなかったために随分熱い。故に苦味が強いが、まぁ美味しい。
昨日は仮面ライダーの映画を観た。二回目だ。初回に比べ、登場人物の関係性や世界観の設定も理解が深まっていたためにより物語を楽しむことができた。面白かった。そしてこの日は何故だか早くに眠くなり、普段よりも随分早く、二十四時頃に布団に入り、うとうと眠って起きたのが九時。何と健全な時間だろう。驚愕しつつせっかくなのでと朝日に布団を浴びせ、洗濯をし、ゴウンゴウンと洗濯機の鳴る音を聞きながらトイレ掃除その他の諸々の用事を済ませ、昼には牛乳を飲みつつパン屋の美味しいパンを食べ、日が暮れる前に習慣にしている常備菜作りを終えた。
ぷかあ、と、己が煙草喫みなら、ここで一服楽しんでいるのだろうね。
代わりに湯船になみなみたたえた温度の水に体を浮かべ、はぁ、と息を吐き、そろそろ髪を切りたいなぁ、ついでにいっそ次は試しに金髪にしてみっかなぁ、と思う。風呂上りにはこの日拵えた様々な副菜と主菜を一つ皿に並べ、とっとっとっとビールを注ぎ、音の鳴らない乾杯で虚空を揺らす。ビールっつったら五百が当たり前だったが、このところは三百五十も呑みきれない日があって、それはとにかく疲れているから。疲労のあまりたかだか三百五十のビールに含まれるアルコールすらままならない。しかし今日は五百を三本呑んでもよゆーよゆー。あぁ、良い日だな。やはりビールの美味しさは健康のバロメーターだな、なんつって、人心地着いた後、こうして緑茶を片手に日記を書いている。先ほどよりも熱を失ったが、まだ急須は温かい。胃の底には茶葉を揺らして生まれたやわらかな香りの水がたゆたっている。あぁ、幸せだ、と胸に思って。