泥を吐き出す換気扇

2015年11月15日(日) 緑茶カウント:2杯

浴室の換気扇が湿気を吸ってくれない。換気扇を一日中つけっぱなしにしても、鏡はくもり、天井には結露して生まれた水滴が所狭しと吸い付いている。ここが極寒の地であったら見事なツララが下がることだろう。しかしここは雪国でもなければ鍾乳洞でもない、ただのアパートの一室の浴室である。カビの生えるスピードもとんでもない。いったいどうしたものかと悩んでいた。

天井につけられた小型換気扇を覗き込む。中はよく見えない。ファンが回る音はする。もしかしてゴミか何かが詰まっているのだろうか。たまに気がついたときにタオルなどで外側のほこりをぬぐっていたが、空気とともに吸い込まれた分が中に堆積しているのかもしれない。

しているのかもしれないと予想はつけたが、まさか泥のような固形物が手のひらから溢れるくらい取れるたぁ思わないよ。

マジかよ。マジだよ。試しに隙間から綿棒を突っ込んで左右に細かく動かしてみるとボトボトと黒いものが落ちてくる。若干ゾッとしつつ作業を続行。綿棒の白い部分は真っ黒に染まり、水分を含んで膨らんだ。綿棒では埒があかない。割り箸を持ってきて二つに割り、片方を再度狭い隙間に突っ込んでゴソゴソやる。

怖いほど泥が落ちてきた。めっちゃゾッとした。湯船に落ちる見慣れない物体。泥のように見えるそれは埃が水気を含み、カビが生えたものの成れの果てだろうか。わからない。よくわからないがめっちゃ落ちてくる。何だこれ! 何だこれ!!

一通りこそぎ落とし、内部は見えないもののどうやら綺麗になったようで、ファンを回すと掃除前よりも大きな音がした。やはり詰まっていたのか。この泥のようなものが。

しかしこれ。確かに今まで一度も掃除をしたことが無かったが、一度換気扇が故障して取り替えてもらってから二年も経っていないはず。これでこんなに溜まるのか。というかこれどうやってお手入れするのが正解なんだ。試しに換気扇のカバーを留める螺子をプラスドライバーで外してみたがカバーは外れない。固定されているのかくっついているのか。つまりカバーを外して中のファンを取り出すことは困難なようで、出来ることと言ったら今回のようにカバーの隙間から割り箸を突っ込んでこそぎ落とすくらい……なのか……?

どこか気味の悪さを感じつつ、元気よく回るファンの音を聴きつつ。これからは定期的に割り箸を突っ込もうと思った次第であった。



日記録2杯, 日常