今年もセミが死に放題
2014年8月19日(火) 緑茶カウント:0杯
セミに包囲されている、と錯覚しかける蝉時雨。左右はもちろん、頭上は当然、驚くは足元からも声がすること。ジーワジーワミーンミンミンミィーンとセミ達が好き勝手に鳴き叫び、声を枯らしたセミが腹を見せて地面のあちこちに転がっている。時刻は夜も更け込む二十三時。暗闇の中、死んだセミと死にかけのセミとこれから死ぬセミ達に囲まれて、セミ捕りの欲求を抑えつつ、時折転がるセミを覗き込み生死を確認しながら、のろのろと歩く自分はまだ一食も食べていない。タイミングを逃してそれっきりで、空腹を抱え疲労を背にしながらも、あぁ何と抗いがたい欲求だろう。蚊に喰われながらもまだ、己は諦めきれず、木の幹を眺めながらゆらゆらゆらゆら歩いたのだった。