日記録4杯, 日常

2015年6月6日(土) 緑茶カウント:4杯


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何て美しい瓶だろう! 買ってしまった。買ってしまった。いや、そこまで高いものではなく、充分手の届く範囲の金額であるので、買おうと思えばいつでも買えたのだが。ただ初めてこれを目にし、同時に目を奪われた数年前から、何となく、何となく買わないでいたのである。それはもしかしたら手中に収めてしまうことが惜しく感じられたからかもしれない。遠くから憧れの眼差しを向けることを楽しんでいたのかもしれない。

しかしついに買ってしまった。きっかけは無い。ただ買ってしまった。買ってしまった。そして手中に収めて思う。何と美しい瓶だろう! 全てが己の好みのど真ん中で、いくら眺めても飽きない美しさ。惚れ惚れする。店の棚に置かれていたときはうっすらと埃を被っていたが、それを払いのけ、薄布で軽く拭うとまたきらめきが増し、己の心を満足させる。綺麗だなぁ。

味わうのは、もう少し後で。



日記録4杯, 日常

2015年6月1日(月) 緑茶カウント:4杯

今日はとても悲しい夢を見たので、朝からずっとしみじみ噛み締めていた。それは多くが虚構で構成されているものの、現実に由来した虚構であり、たった一箇所、過去にあった現実が混ざっているもので、夢の中ではそれが実際のことのように感じられ、起きてしばらくも夢を引きずっていたが、ふと現実との大きな乖離に気付くのであった。

自分は自分のことを話した方が良かったのだろうか、と今までほとんど考えることのなかったことを悩むきっかけの夢。そして今からでも話すべきなのだろうかと思う夢。しかし別に、言う必要も無かろうと以前と同じく思う自分も変わらずいるのである。

今も若干、舌に残った後味を噛み締めている。



日記録2杯, 日常

2015年5月27日(水) 緑茶カウント:2杯

ついに初めて口をつけたのだ。ハイボールなる飲料に。

元来、興味の無いもの、自分には関係の無いものを記憶するのが苦手な性質で、ゆえに飲酒を始めて今年で九年目になり、酒が大好きで居酒屋にもそこそこ行き、友人達がそれを呑む姿を目にしているにも関わらず、つい先日まで己は「ハイボール」がいかなる飲料か全く把握していなかったのである。知っていることは一つ。酒であることだけ。何で出来ているか? それは知らない。

今ならわかる。ウイスキーと氷と炭酸水、場合によってレモンなどである。そして今なら味もわかる。何故なら口にしたからである。

ハイボールを呑まないくせに我が家にはウイスキーがあった。それを持て余していた。買ってはみたもののいまいち好みではないなぁと思っていた。それを人に何とはなしに伝えたところ、ハイボールにすると良いとアドバイスを受け、ハイボールの材料の一つを知った。なるほど。あれはウイスキーで出来ているのか。しかしここまではそれを知っただけのこと。さして興味は湧かずさあ拵えようという気も無い。

そんなある日。友人が「これをあげよう」と言っていきなり一つの缶をくれた。ハイボールと書かれている。つまりハイボールの缶である。「もらったんだけど、これあんま美味しくなかった!」ほがらかに言い放つ友人。己の手には美味しくないハイボールの缶が一つ。

これを初めてのハイボールとして良いのだろうか? しかし呑まないで放置するのも忍びない、ということで最初の一杯を作ってみることを決め、インターネットでレシピを調べて氷とレモンと炭酸水を買い、ついに初めて口をつけたらスッキリしていて呑みやすく、気付いたら持て余していた瓶が空になったのである。

そんなわけで制定されたハイボール記念日。およそ二週間ほど前か。だが未だにあの不味い美味しくないハイボールの缶は冷蔵庫の中にあり、これをいつ呑むか悩んでいるのである。どっとはらい。



日記録2杯, 日常

2015年5月24日(日) 緑茶カウント:2杯

大学の友人の結婚式に参列し、二次会に行き、三次会に行き、披露宴から三次会までずっと食べ通しの呑み通しだったにも関わらず適度な腹具合・酔い具合で、あぁ、良い塩梅。遠方からの友人三人が我が家に泊まり、最初から最後まで素晴らしく楽しかった。

新郎は決めるところはカチッと決めつつ、ユーモアもたっぷりの進行で披露宴会場を湧かせ、最高のエンターテイナーだった。まさか新郎によるブーケトスを見られるとは思わなかった。新婦はもとより綺麗な人だがこの日はさらに輝きを増し、それでいてマニアな趣味が垣間見えるあたりが非常にチャーミングだった。

三次会で炙りエンガワを齧りながら、「一日中ずっと友達と一緒に過ごせるなんで久しぶりだなぁ、すごく楽しい」と隣に座る友人がニコニコと微笑んでいて、己も深く頷いた。大学卒業後、福島や新潟に行った友人まで集まって語り合えることなど滅多にない。祝福と旧友との再会が同居する幸せな一日だった。至福。



日記録1杯, 大槻ケンヂ, 日常

2015年5月22日(金) 緑茶カウント:1杯

オーケンのエッセイ本「おまけのいちにち(その連続)」発売記念サイン会に行ってきた。サイン会は十九時で、今は日付が変わって深夜一時を過ぎた頃。そしてこの時点になってようやく己は晩飯を食べていなかったことに気付いたのであった。胸がいっぱいになってしまって忘れていたのである。

まず「こんばんは~」と挨拶をしてくれ、己の話を聞いてくれ、答えてくれ、「○○さんって言うの~?」とサインを書きながら己の名前を呼んでくれ、握手をしてくれ、握手が終わった後も少し話す時間があって。感無量である。オーケンの声は穏やかで耳に心地良く、こんなにのほほんとした声の人がステージではひっきりなしに叫び続けているのだから不思議だなぁ、と改めて思うのであった。

嬉しいな。嬉しいな。嬉しいな。今も反芻しながら噛み締めている。嬉しいな。