日記録0杯, 日常

2016年2月28日(日) 緑茶カウント:0杯

己はわりと、自分の好きなものを隠さない。興味のない人にしつこく語らないよう気をつけてはいるものの、好きなものは好きと宣言しまくっている。故に親しい友人は己の好きなものをよくよく知ってくれていて、そのためか、たまに思いもがけないプレゼントをくれるのである。

あるときは、水木しげるロードに遊びに出かけた友人が、わざわざ現地から己に電話を寄越してくれた。たまたま寄ったが、ウヲが好きだったことを思い出したから、と言ってくれ、欲しいものがあったら買ってくるよというありがたいお言葉。そうして後日、我が家に水木しげるグッズがたっぷり詰まった箱詰めが届いたのである。

またあるとき。衛星放送で筋肉少女帯のライブが放映されたとき。我が家は衛星放送が映らないので観られなかったのが、友人が「録画したけど、観る?」と声をかけてくれた。ちなみに友人は筋少ファンではない。己が筋少ファンであることを思い出して、わざわざ録画してくれたのである。

またあるときに届いた誕生日プレゼント。開けてみるとゲゲゲの鬼太郎のフィギュア。びっくりした。

ありがたいなぁ、と思う。自分の好きなものを覚えていてくれるのみならず、わざわざ連絡をしてくれるって、たまらないなぁ。その親切に己は応えられているのだろうか。応えられるようにしなければなぁ、と思いつつ、自分がありがたい状況にいることを実感するのである。運が良いと思う。このように、優しい人と親切な人に囲まれていることは。

では、自分がその優しさと親切に返せているかと言うとやはりわからないので、その友人達に負けないようにしたいなぁ、と思うのである。嬉しいからこそ。嬉しいからこそ。嬉しいからね。だからこそね。



日記録5杯, おそ松さん, 日常

2016年2月21日(日) 緑茶カウント:5杯

金曜日、己は吐き出したい愚痴を大量に腹に抱えていて、日曜日の夜の今もその愚痴が溜まるに至った根本は何も解決されていない。しかし土曜日と日曜日の二日間で、己はその気持ち悪いドロドロを綺麗に昇華したのである。

多幸感。

金曜日は大学の友人と三人で連れ立って、雨の中傘を差して歩き、美味しい酒とつまみを楽しめる店を探した。これと決めた古ぼけた外観の店の中は暖かく、テーブルの上には年代物の卓上ゲーム機。喫茶店などに置いてあった、百円を入れると動く代物である。豊富なメニューは名前ばかりで開店直後にも関わらず品切れが多く、何があるのかわからない有様だが、ぽそぽそと喋りながら杯を傾ける落ち着いた空間に心が安らいだ。

この日は特に多くは語らわなかった。ただ三人で料理と酒の感想を交換し合い、その合間に夏目漱石の話を少しした。共にいる時間を共有することを味わう夜だった。

一人と別れた帰りの電車、もう一人と己は並んで座って揺られていて、ちょうど流行中のインフルエンザが話題にのぼった。

「一人暮らしだから罹ってしまったら大儀だなぁ、気をつけないとなぁ」
「近所に住んでいるんだからそういうときは遠慮なく連絡してくれよ」

サラッと言われた一言に、思わず嬉しくて感動してしまった。逆の立場であれば己も同じように言うだろう。でもそれを言ってもらえるのは、やはり嬉しいのだ。

日曜日は高校の友人とおそ松さん鑑賞会を開いた。友人を招くべく朝から部屋を掃除し、物を片付け、せっせと働いた。台所の水垢も落とした。

友人は己と系統が似ているタイプのオタクである。漫画やアニメが好きで、二次創作には興味が深くないものの、やおい文化に対する拒否感もそこまでない。ただ自分は収集癖があるものの友人にそれはなく、部屋はさっぱり片付いているそうだ。

駅の近くで寄ったパン屋で買った昼食を二人で食べながらこたつを囲みアニメを観て、わやわや話す。友人は一松が好きだそうだ。もっと言うとエスパーニャンコが一番好きだそうだ。己はブルーレイを買うほどはまっているわりに特に好きな松がいない。それについて不思議だなぁと話したり、世間で人気の高いキャラが誰か教えてもらったり、何故今これほどおそ松さんが流行ったか、という話をした。

興味深かったのはカラ松の話である。友人の妹が興味を持って調べたそうなのだが、同人誌のオンリーイベントを開催するにあたり行われたキャラクター人気投票で、カラ松がぶっちぎり一位だったそうなのだ。カラ松がそこまで人気だったとは知らなかったので驚いた。そして何故カラ松が人気なのかと言えば、友人の妹の研究によると、可哀想なキャラ、いわゆる不憫キャラは人気が集まりやすい傾向にあるとのことである。何故だろう。庇護欲がそそられるのだろうか。

あと、改めて初期の話を見返すと様々な発見があった。自意識ライジングのときだけでなく、チョロ松を責めるときはおそ松とトド松がタッグを組むことが多く、一松と十四松は行動を共にすることが多い、など。このあたり、ちゃんと徹底されているんだなぁ。

おそ松さんだけでなくジョジョの話でも盛り上がり、おそ松さんのこのキャラクターの声優は、ジョジョではこのキャラの声を担当している、といったことを教えてもらった。あのキャラとこのキャラの声が同じだなんてすごいなぁ、と感心したものだ。

夜はイタリアンレストランで釜焼きピザを食べ、そこでもおそ松さんとジョジョの話をお腹一杯した。三月でおそ松さんのアニメが終わってしまうのは寂しいが、四月からは待望のジョジョ四部が始まる。嬉しいなぁ、楽しみだなぁ。

駅で別れて一人自宅に戻り、いつもより比較的綺麗に片付けた部屋を眺め、満足感を噛み締めた。

あぁ、至福。



日記録2杯, 日常

2016年2月20日(土) 緑茶カウント:2杯

ええー。マジでどうしてこうなった。と思ったところで仕方がない。突然、サイトが壊れてしまった。URLを叩いてもサイトは真っ白で何も表示されず、管理画面にも入れない。え、ええ……。何これ、どうしよう。

悩みながら解決策を探した結果、管理画面に入れないという状態は変わらないものの、サイトを表示させることには成功し、よしよし一歩前進したなと安心したのも束の間、またサイトが真っ白になってしまい、己は呆然としたのであった。

2003年から続けているサイトがいきなり消える。日記もライブの感想も何もかもが消える。マジで? マジで? マジで? マジで?

泣きそうになったよ、マジで。

へとへとに疲れて眠りたいものの、復旧作業を止めることが出来ず、あらゆることを試し、あまりにもどうにもならなくて涙が滲んだ午前四時。何とか解決策を見つけて歓喜した午前五時。ここに至る道のりの遠さったらない。そして復旧の喜びを噛み締めながら、自分が思っていた以上に、このサイトは自分にとって大切な趣味になっていたことを実感したのであった。

一番最初に個人サイトを始めようと思ったきっかけは、ホームページというものを作ってみたかったから。自分だけのホームページを作るということが、とても格好良いことのように思えたから。当時遊びに行っていた趣味のサイトの掲示板に投稿するとき、「名前」「メールアドレス」だけではなく、「ホームページ」の欄にも文字を埋められる人に憧れたから。ブログもお絵かき掲示板もない時代だった。メモ帳にポチポチHTMLを打ち込んで、それからポチポチ日記を書くようになり、気付けば十三年経っていた。

多分、これは一生続けられる趣味なのだろうと思う。そして一生続けるためには、定期的なデータのバックアップと、ある程度の知識が必要とされることを実感した次第である。もう本当どうしようかと思った。あまりにもどうにもならなくてテストの過程でサイトを二つも作っちゃったよ。消すよ。あぁ疲れた。マジで疲れた。本当に疲れた。

まぁ、復旧できて良かったよ。



日記録0杯, 日常

2016年2月13日(土) 緑茶カウント:0杯

サイト開設当時から置いているカウンターが、ついに八万をカウントした。わーい嬉しい。一時期は日に一人二人しか訪れず、自分以外の誰が見てんだこのサイト、と思いつつも日記書くの楽しいなーとポチポチ更新していた。まぁ詮無いことである。スマートフォン利用者が増えたにも関わらず、全くスマートフォンに対応していないサイトだったのだから。つまり、パソコンでしか見られなかったのである。見られないんじゃあ見に来る人が訪れるわけもない。当然だ。

ところで。本日びっくりしたのだが、今の若い人は「カウンター」を知らないらしい。SNSの普及につれ、絵や文を発表するのに個人サイトを作る必要が無くなった故だろう。ということは、掲示板やキリ番といった単語とも無縁なのだろうか、と考えるとやや寂しいが、時代の流れなのだろうなぁ。

このサイトの左下にひっそり配置しているカウンターは、もう十年以上前に設置したものだ。いったいどれだけ正確にカウントしてくれているのかわからないが、たまに確認して、あぁ回っている、と思うとやはり嬉しくなるのである。

十万まであと少し。嬉しいな。



日記録6杯, M.S.SProject, Thunder You Poison Viper, アルバム感想, ケラリーノ・サンドロヴィッチ, 日常, 町田康

2016年2月11日(木) 緑茶カウント:6杯

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このサイトを始めて今日で十三年。早いものである。やっていることは少しずつ変わっているものの、基本的にはずっと日記を書いている。恐らくこのまま二十年三十年と過ぎていくのだろう。素敵じゃん。

さて、個人的に記念日である今日は何をするかと考えて、せっかくなので買いためていたCDをゆったり聴いて過ごすことにした。

「心のユニット」(町田康&佐藤タイジ)
「M.S.S Phantom」(M.S.S Project)
「Broun,White&Black」(KERA)
「Impromptu」(Thunder You Poison Viper)

いつになく横文字が多くて書き写すのに苦労した。そういう意味では珍しいラインナップである。

今日はイヤホンを使わず、部屋に音楽を流してリラックスしながら音を楽しむことにした。イヤホンは細かい音まで聴き取れるが、どうしてもコードによって行動が制限される。しかもコードがそんなに長くないのでまさに繋がれた犬状態。これはこれで楽しいが、今日は足を伸ばしてくつろぎたい。

というわけで緑茶を片手にこたつでだらだらしながらたまにパソコンに向かっている。楽しい。


■「心のユニット」(町田康&佐藤タイジ)
中古屋で手に入れた廃盤のアルバム。とにかく町田康の音源が欲しくて入手した。この二人がユニットを組むに至った経緯や曲調、事前情報を知らないままディスクを音楽再生機器に入れたら三曲しか表示されなくて驚いた。さらに、再生するとやけに穏やかな曲が流れてきて驚いた。

しかし曲調が穏やかとはいえ詩も同じとは限らない。「空にダイブ」の「ああ、空にダイブをしたらやばいかな」という歌詞には怖さがある。連想したのは町田康の短編「ゴランノスポン」の、惨めでぐっちゃぐちゃな現実の中あくまでも物事を前向きに捉えようとする若者の薄ら寒いポジティブさと、ポジティブを維持しきれなくなり爆発する悲惨さ。

そして三曲目の「光」もよくよく歌詞を読むと前向きでも何でもなかった。町田康はポジティブで前向きな言葉を並べて、地を這うようなどうにもならない絶望感を描写する名手である。

このCDは三曲で一つの物語が構成されていた。やるせない物語だった。

余談だが、CDケースを開けたらCD購入者のみが見られる特別映像のURL・ID・パスワードが書かれた小さなカードが入っていた。アクセス有効期間は2002年までだった。歯噛みした。だが、救いもあった。カードの下には「このカードはしおりとしてご使用ください」とも書かれていたのである。ありがとう、そうするよ。


■「M.S.S Phantom」(M.S.S Project)
ライブに行ってから何度もアニメイトに足を運んだものの、ずっと売り切れていて買えなかったアルバムをようやく入手した。一番の目当ては「KIKKUNのテーマ」である。あれはとても楽しかった!

アルバム裏面を見ると初音ミクがボーカル扱いになっているのが面白い。楽器ではなく、あくまでもボーカリストなのだな。

ボーカロイドを使用した音楽を己はあまり聴いたことがない。故に耳慣れないせいだろう、歌詞が歌われている認識はあるのに、言葉が音に分解されて、歌のある曲でありながらインストゥルメンタルとして耳が捉えていることがある。流石に何度も繰り返し聴くと初音ミクが初音ミクとして己の中で確立されてそのような効果はなくなるので、そういった楽しみが出来るのは最初のうちだけなのだが。

「THE BLUE」や「CELESTIAL」のような、初音ミクが人間を超えた早口で歌う曲は、言葉が音に融解していて、その声か音かわからなくなりかける音の妙を楽しむのが気持ち良い。

目当ての「KIKKUNのテーマ」は衝撃的だった。アルバムを始めから通して聴くといきなりポップな曲が始まり、その曲調の変わりようもびっくりだが、「きっくん! きっくん!」って、声、入ってないんだな! てっきりCDには声が入っていて、ライブではファンがその部分を歌う構成になっているのかと思っていたのだが……。ちゃんと「きっくん! きっくん!」って聴こえるのが面白い。

「We are MSSP!」について。初音ミクのボーカルを続けて聴いた後、最後に人間の歌声が始まったので変に新鮮味を感じてしまった。歌声の初々しさが可愛らしい。


■「Broun,White&Black」(KERA)
ケラさんによるジャズアルバム。ジャズ! 縁の遠い音楽である。無論「ジャズ」という音楽がこの世にあることはよくよく知っているが、ではジャズとはどのような音楽か、と問われると何も説明できない。何も説明できないが、聴いてみたくなったので欲望のまま購入した。

CDケースを開けて、まずCDがどこにあるのかわからなくて困惑した。パタパタッと三面鏡のような形に開かれた三面全てにケラさんの顔、顔、顔。あれCDはどこ? って思ったら側面に口が開いていて右と左にCDと歌詞カードが封入されていた。安心した。

前述の通り己はジャズを全く知らないということもあり、このアルバムは有名なジャズのカバーアルバムなのかな、と思っていたのだが、作詞作曲を見るとケラさんオリジナルらしき曲と、カバーの両方があるようだ。

そうしてわくわくしながら再生ボタンを押すと、「あぁ、こういう音楽か!」とジャズがわからないなりに納得した。イントロからグッと来て、これはツボだ! 大好きなやつだ! と直感し的中したのが「学生時代」。こういう音楽をどこかで聴くたび、好みだなと感じていたのだが、これが何なのかわからなかったんだ。これか!!

ケラさんの歌声がまた良いのだなぁ。この明るく跳ねながら走り抜けるような声。喜びと悲しみが同居しているような。笑いながら涙が滲んでいるような声が好きだ。鼻の奥がジンと痛くなるんだ。

「半ダースの夢」「学生時代」「復興の歌」「地図と領土」が好き。二周目は歌詞カードをじっくり見ながら聴いてみよう。


■「Impromptu」(Thunder You Poison Viper)
ベーシスト内田雄一郎・ピアニスト三柴理、ドラマー長谷川浩二によるピアノトリオによる、オフィシャルブートレグ、ということで公式海賊盤。アルバムに詳細が書かれていないのだが、ライブ演奏と、ライブでの即興演奏を音源化したもののようである。ジャケットの内側には文字と絵による設計図が載っていて、その図をもとに即興で演奏された曲が二つ入っている。……ただ、歓声や拍手の音が入っていなかったら、ライブ音源とは気付かないんじゃないか、これ。

音楽を聴き始めた頃は「演奏」にほとんど注目しておらず、歌ありき、もっと言えば歌詞ありきで聴いていたので、インストゥルメンタルには興味がなかったものだが、いつの間にか楽器の音を一つ一つ追いかけたりするようになって、インストゥルメンタルも大好きになった。サンダーユーも大好物である。大好物だが、音楽に関する知識がないので「すごい」「かっこいい」「めっちゃ好き」といった、小学生の作文めいた言葉しか出てこない。無念である。ただただ思うのは、集まるべくして集まったのだな、ということだ。

他三枚のアルバムもそうなのだが、特に「Impromptu」はイヤホンを使ってがっつり聴くべきだと思った。細かな音まで追いかけたい。


四枚のアルバムを聴きながら六杯の緑茶を飲んだ。特に何をするでもなく、音楽を聴きつつ、思ったことをたまにタカタカ書く穏やかな時間。なかなか贅沢な休日の過ごし方ができて嬉しい。歌詞カードとにらめっこをしながら、一曲一曲をしつこく聴き込むという楽しみがまだ残っているのも良い。実に気持ちの良い一日だった。