時間の共有と趣味の共有の二日間

2016年2月21日(日) 緑茶カウント:5杯

金曜日、己は吐き出したい愚痴を大量に腹に抱えていて、日曜日の夜の今もその愚痴が溜まるに至った根本は何も解決されていない。しかし土曜日と日曜日の二日間で、己はその気持ち悪いドロドロを綺麗に昇華したのである。

多幸感。

金曜日は大学の友人と三人で連れ立って、雨の中傘を差して歩き、美味しい酒とつまみを楽しめる店を探した。これと決めた古ぼけた外観の店の中は暖かく、テーブルの上には年代物の卓上ゲーム機。喫茶店などに置いてあった、百円を入れると動く代物である。豊富なメニューは名前ばかりで開店直後にも関わらず品切れが多く、何があるのかわからない有様だが、ぽそぽそと喋りながら杯を傾ける落ち着いた空間に心が安らいだ。

この日は特に多くは語らわなかった。ただ三人で料理と酒の感想を交換し合い、その合間に夏目漱石の話を少しした。共にいる時間を共有することを味わう夜だった。

一人と別れた帰りの電車、もう一人と己は並んで座って揺られていて、ちょうど流行中のインフルエンザが話題にのぼった。

「一人暮らしだから罹ってしまったら大儀だなぁ、気をつけないとなぁ」
「近所に住んでいるんだからそういうときは遠慮なく連絡してくれよ」

サラッと言われた一言に、思わず嬉しくて感動してしまった。逆の立場であれば己も同じように言うだろう。でもそれを言ってもらえるのは、やはり嬉しいのだ。

日曜日は高校の友人とおそ松さん鑑賞会を開いた。友人を招くべく朝から部屋を掃除し、物を片付け、せっせと働いた。台所の水垢も落とした。

友人は己と系統が似ているタイプのオタクである。漫画やアニメが好きで、二次創作には興味が深くないものの、やおい文化に対する拒否感もそこまでない。ただ自分は収集癖があるものの友人にそれはなく、部屋はさっぱり片付いているそうだ。

駅の近くで寄ったパン屋で買った昼食を二人で食べながらこたつを囲みアニメを観て、わやわや話す。友人は一松が好きだそうだ。もっと言うとエスパーニャンコが一番好きだそうだ。己はブルーレイを買うほどはまっているわりに特に好きな松がいない。それについて不思議だなぁと話したり、世間で人気の高いキャラが誰か教えてもらったり、何故今これほどおそ松さんが流行ったか、という話をした。

興味深かったのはカラ松の話である。友人の妹が興味を持って調べたそうなのだが、同人誌のオンリーイベントを開催するにあたり行われたキャラクター人気投票で、カラ松がぶっちぎり一位だったそうなのだ。カラ松がそこまで人気だったとは知らなかったので驚いた。そして何故カラ松が人気なのかと言えば、友人の妹の研究によると、可哀想なキャラ、いわゆる不憫キャラは人気が集まりやすい傾向にあるとのことである。何故だろう。庇護欲がそそられるのだろうか。

あと、改めて初期の話を見返すと様々な発見があった。自意識ライジングのときだけでなく、チョロ松を責めるときはおそ松とトド松がタッグを組むことが多く、一松と十四松は行動を共にすることが多い、など。このあたり、ちゃんと徹底されているんだなぁ。

おそ松さんだけでなくジョジョの話でも盛り上がり、おそ松さんのこのキャラクターの声優は、ジョジョではこのキャラの声を担当している、といったことを教えてもらった。あのキャラとこのキャラの声が同じだなんてすごいなぁ、と感心したものだ。

夜はイタリアンレストランで釜焼きピザを食べ、そこでもおそ松さんとジョジョの話をお腹一杯した。三月でおそ松さんのアニメが終わってしまうのは寂しいが、四月からは待望のジョジョ四部が始まる。嬉しいなぁ、楽しみだなぁ。

駅で別れて一人自宅に戻り、いつもより比較的綺麗に片付けた部屋を眺め、満足感を噛み締めた。

あぁ、至福。



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