日記録2杯, 日常

2018年4月7日(土) 緑茶カウント:2杯

年齢を重ねるにつれだんだんと無理が利かなくなるとは聞くが、こうして実感してみるとなかなか不都合なものだなぁとしみじみ思う。

とはいえまだ三十代。先は長いのだ、先は。

三月末は非常に忙しく、その中でエイプリルフールの準備のため徹夜をし、一睡もせずそのままライブに行って楽しんで翌日からもなかなか忙しく、ストレスを解消しようと娯楽を求めればどうしても睡眠時間を削らざるを得なくなり、昼は栄養ドリンク、夜はアルコールをインストールして日々を過ごしたら、まぁ疲れたね! とても! くったくただよ!

そりゃあまあそうだろうな、と納得する。というか百歩譲って栄養ドリンクと娯楽はともかくアルコールの摂取は控えなさい、眠れてないんだから、自分よ。

春の嵐に煽られ地面を覆う桜の花びらが舞い上がり、ざわざわと視界を濁らせる。道端には花見客が放置した空き缶やスナック菓子、つまみのゴミ袋が散乱し、ところどころに吐瀉物の乾いた跡。枝にはしぶとくしがみついた桜の花と生い茂る緑の葉が洗ってないパレットのような色彩を描き、タンポポばかりが鮮やかに群生している。そんな中、イヤホンを耳に挿し筋少を聴きながらぐったりしつつ歩く自分は花粉症のためマスクをつけていて息苦しい。薄手の上着の下は半袖で、若干肌寒かった。

春だなぁ。

来年もきっと同じ春の景色を見るのだろう。願わくは来年はもう少しゆったりと葉桜を眺めたいものである。
そう思って今日も、プルタブに指をかけるのさ。

まぁ、何だかんだでやっと少し落ち着いた。今日はゆうるりとした夜を過ごせそうである。



日記録0杯, 大槻ケンヂ, 日常, 最上魁星

2018年4月2日(月) 緑茶カウント:0杯

さて今年のエイプリルフールは何をしようかな、とぼんやり考えつつもなかなか思いつかない日々を過ごす中。ふと日常の中で頭に浮かんだ言葉が「最上魁星 平成総選挙FINAL」。瞬間、「あ、これだ」と思った。しかし何故またこの言葉が閃いたのかはわからない。

最初は「最上魁星 平成総選挙FINAL 最上&最上withレジェンド最上」にしようかと思ったが、よく考えたらそれぞれ名前があるからそれを使えば良かろう、ということで「最上魁星 平成総選挙FINAL カイザー&リバースwithバイカイザー」となった。



というわけで最初に作ったのがこのロゴ。大変だった。ものすごく大変だった。ロゴの作り方なんぞ知らないので地道に描くしかない。とりあえず似た書体の活字を打ち込み、パンフレットの文字を凝視して特徴を掴みつつ、「こんな感じならそれっぽいか……?」と考え考え線に装飾を施し太くしたり短くしたりしながら作った。よってよく見るとところどころ歪んでいるが、そこはご愛嬌ということで。

あとはそれぞれの最上魁星のイラストと説明文に、優勝者へのプレゼントのネビュラバグスター。ネビュラバグスターは、不老不死以外に最上魁星が欲しいものは何だろう……と考えた結果行き着いた優勝商品である。減らされたら仮面ライダーの前に出て来ざるを得ないくらい大事にしているものなら一年分もらったら嬉しかろう。一年分のネビュラバグスターが何体かは知らないが。

ちなみに「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL」の登場人物の中で一番最初に描いたのがネビュラバグスターである。最上魁星でもバイカイザーでもなく。自分でもまさかこいつを先に描くとは……と思わざるを得なかった。

ロゴとページデザイン自体は先に終えたがイラストの着手が遅く、三月三十日の二十三時からスタートし資料を探しながらぶっ通しで描き続け、朝の八時頃にバイカイザーの歯車を数えていたときが一番辛かった。格好良いデザインってのは……手間がかかるものだね……!!

そうして昼の十二時に全ての素材が揃い、ポチポチとキーボードを叩きつつ体裁を整え、出来上がったのが十四時頃か。ちなみにこの日ライブに行く予定があり、疲労困憊の日々を抜けトドメに徹夜を完遂した身に耐えられるのか……と思ったがとっても楽しかった。アコースティックだったのが幸いだったように思う。

この企画に込めたのはとにかく愛。オーケンが仮面ライダーの映画に出演したことをきっかけに初めて仮面ライダーを観て、気付けば劇場に七回通い、放送中のビルドや過去作のオーズも観るようになった。新たな楽しみが得られた嬉しさと、作品への思いと突っ込みを凝縮させた。大変だったが、作っていて楽しかったなぁ。

返す返す思うことは、最上魁星というキャラクターの何と魅力的なことだろう、ということだ。オーケンの特性をそれぞれ切り取ってキャラクターへと昇華してくれたことの嬉しさに、ビルド本編にも影響する立ち位置の喜び。こんなに良い役をオーケンが担当することになって本当に嬉しい。この嬉しさと喜びを噛み締めるためにも、早くDVDで反芻したい。よってDVDの発売が待ち遠しくてならないのだ。発売は五月。あぁ、早く来ないかなぁ。

と、こんな感じの思いを詰め込んで作った企画である。楽しんでもらえたなら最高に嬉しい。

そうそう。当初は集計する予定はなかったものの、せっかくなので数えてみた。結果は下記の通りである。メカ最上とファンキーな最上で一騎打ちになるかと思いきや意外な結果で驚いた。ファンキー最上人気あるなぁ。

1位:最上魁星(カイザーリバース/白い和服でファンキーな方) …15票
2位:最上魁星(研究員時代) …7票
3位:最上魁星(余り) …6票
4位:最上魁星(カイザー/左半身機械な方) …5票
5位:バイカイザー …2票
その他(選べない、箱推し) …2票

「最上魁星 平成総選挙FINAL」の跡地はこちら。



日記録2杯, 日常, 漫画

2018年3月20日(火) 緑茶カウント:2杯

アルバムを買いライブに通い、十年以上も熱狂的に愛し続けているにも関わらず、一曲だけ聴けない曲がある。それは筋肉少女帯の「ララミー」で、理由は少女が理不尽に可哀想な目に遭うからだ。己は、何と言うか、どうにもそういった物語が苦手で、あまり楽しむことができない。

しかし不思議なことに、可哀想どころではなくとんでもない目に遭うながらも、淡々と読むことができる作品に出会った。それを読もうと思ったきっかけは、この方ならきっと何か面白いものを見せてくれるんじゃないかと期待したためである。

そしてその期待は確かに、裏切られることなく実ったのであった。かくして自分は、共感できるできないは面白さには何も関係しないことをしみじみと実感するに至った。何故なら己はその作品の登場人物の、加害者にも被害者にも共感できないながらも、こんな世界もあるのだなと楽しく読むことができたからだ。

それは新鮮な体験であり、興味深い体験でもあった。

作品のタイトルは「殺彼」で、大介さんと旭さんのコンビにより描かれている。ざっと説明すると様々な殺人鬼が登場する漫画で、ドメスティック・バイオレンスを趣味とする男に、サディスト、食人鬼、あとは……ネクロフィリアかな? なるべくならお近付きになりたくなく、可能であれば会話もしたくない方々が主要登場人物として出演する。主人公格はドメスティック・バイオレンスを趣味とする男だ。

この作品はそんな猟奇的な殺人鬼達が紹介されつつ、被害者視点で殺されるロールプレイングを楽しめるという一風変わった作品である。故に「殺人鬼を彼氏として体感できる」、という意味合いで「殺彼」。このあたりの需要の有無を己は知り得ない。故に、知らないながら面白いと思ったところを語ろうと思う。ただその前に、この作品を読もうと思ったきっかけについても触れておきたい。

「殺彼」を読もうと思ったのは、きっと何か面白い出会いがあるに違いないと思ったからだ。というのも、己はこの作品の作者である旭さんのツイートをきっかけに、やおいに対する認識に変化が生じた経験があるからである。以来、ずっと楽に生きることができるようになった。それは己の人生にとって有意義な体験であった。

そうして……恐々読んでみた「殺彼」は、何一つ共感できないながらも、興味深く読み進めることができる作品であった。

一番大きいのは被害者側の心情があっさり描かれる点にあると思う。この作品は読者が「殺人鬼に無惨に殺される疑似体験」を楽しめる作りになっているため、殺される被害者の心理は深く掘り下げられない。描かれる指先や靴、SNSの発言によってどんなタイプの女性かは類推できるものの、基本的に彼女らの内面は描かれない。そこは読者の想像と妄想に任されるべき部分であり、自由にイメージされることが重要視されるゆえ、台詞も悲鳴も描かれないのだ。

しかし考え方を変えてみると、故にあっさり読めるのである。辛くしんどく悲しい内面が描かれないおかげで、そこになりきりたいわけではない人物はさらっと読み進めることができるのだ。これは「ララミー」の物語さえしんどく悲しく感じる者にとって、ありがたい救いであった。

そして、それはとても優しい物語とも考えられる。だってさ、被害者はあくまでも「読者である自分自身」なのだ。他に悲しい目に遭う人はいないのだ。だったらそれは、ある意味でとても健全なことではなかろうか。殺人鬼に殺されることを望む人が感情移入して読み、殺されることを望まない人はあくまでも蚊帳の外にいるのである。考え方によっては誰も傷つかない物語だ。

そのうえで、だ。殺人鬼達の猟奇的な描写と言ったらどうだろう。えーと、あの、あなた、南京虫ってご存知? この虫はね、メスにも生殖器があるにも関わらず、オスはメスの生殖器でも何でもないところに生殖器をぶっ刺して場合によっては死に至らしめるという、自然界の中でもクレイジーな昆虫なんですけど、それを人間が行うとこうなるんだなぁ……というのが見られまして、世界は広いんだなぁ……と思わされます。マジで。何一つ理解できない。本当に。何なんだよ松本記知という男は。キュートなうさぎちゃんマークを飛び散らせている場合じゃなかろう。やめなさい、そういったことは。

そうしてそこから思い出すのは高校生か浪人生のとき、和月伸宏の「エンバーミング」を読んで悪役の所業にショックを受けたこと。女性の人体を切り取って家具にして愛でる描写があり、何て気が狂ってるのかと慄いたが、後に「魔人探偵脳噛ネウロ」を読み返したとき、しみじみと「ネウロのあれは……少年漫画向けに手加減してくれていたのだなぁ」と感謝し、「エンバーミング」のそれがその作者の思いついた特別な描写でないことを知って遠い目をしたのだった。世の中いろいろな趣向があるね。ははは。

ということで、殺人鬼である故に言うまでもないことだが、この作品の主要登場人物は見事にろくでもない人間ばかりである。見事に。結構最低なドメスティック・バイオレンス男がまともに見えるほど、倫理観を突破したキャラクターが登場してむしろ清清しい。人間を鹿か猪の如く狩って食べる人なんざ、冷静に理屈を並べつつも全く会話が通じないんだぜ。出会った時点で終わりである。サディスティック野郎に至っては会話の余地も……、いや、誰であっても会話のしようがない。それは彼らが独自の世界観を持っているからである。

根っこから狂っているのではなく、日常生活を営み、大切な日常やパートナー、常連客を持ちつつも、さらっと道の外に踏み出す描写。ただの狂人ではなく、あくまでも我々の生活の中に潜んでいると思わされるが故に……怖い。

それを美しいと思うか、恐ろしいと思うか、気持ち悪いと思うか、奇妙と思うか、興味深いと思うか。それは全て読者に委ねられている。故に自由度が高く、面白い。自分は恐ろしくも興味深いと思いつつ、作中人物には絶対に関わりたくないと感じるし、殺される疑似体験もしたくない。それは描かれる彼らが非常に生々しくてリアルだからで、生きているように感じるからだ。

どうか、彼らが空想の世界だけに生きる人物でありますように。そしてそれをよその世界から眺められますように、と願って。そう思わずにはいられない作品であった。

「殺彼」。無惨に殺されたい方も、殺されたくない方も、是非。


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殺彼-サツカレ-



日記録2杯, 日常

2018年3月14日(水) 緑茶カウント:2杯

その人はとても見事な技術を持っていて、目の当たりにするたびに己は感心する。それはさながら上方からテトリスが組まれるのを眺めるようで、見ていて楽しく面白いのだが、直後の仕事を思うと己は「ここに並んでしまったか……」と別の列を選ばなかったことを後悔するのであった。

その方はスーパーマーケットの店員であり、己が立っているのはレジである。その方の仕事は非常に見事で、バーコードを読み取り籠から籠へと商品を移すその手つきには一つも無駄がなく、籠の中にもデッドスペースを作らない。テキパキとテトリスを組み上げるように縦横に商品を並べ、噛み合わせ、一分の隙もなくぎっちり商品を詰め込むのである。

それは惚れ惚れする仕事だ。素晴らしい技術だ。いつまでだって見ていたい。
しかし己はこの後、この複雑に組まれたパズルを解いて商品をレジ袋に詰め直さなければならないのである。

これがまー、なかなか、うん。面倒なんだ。

ぎっちりと組まれた籠を眺めて思うことは、他の客も同じようなことを思っているのだろうか、ということ。
見事な技術に感嘆しつつ、いったいどこから手を出せばいいのやら……と途方に暮れるのであった。



日記録2杯, 日常

2018年3月9日(金) 緑茶カウント:2杯

これまで特に触れたことがなかったがひそかに楽しんでいる趣味がある。それは「名字集め」というもので、散歩をしながら家々の表札に書かれた名字をメモに書き留めていく遊びだ。珍しい名字に出会えば感動するし、一つの名字が集中している地域を歩けば興味が湧いて想像が広がる。新興住宅地を歩けば沖縄や北海道に多い名字も見る機会があって面白いし、やけに川の字が多い地域には何かしらの歴史がありそうでわくわくする。

そんなわけで手元には数々の名字のメモがあり、公開してみたいなぁとも思うのだが、ものがものだけに人様のプライバシーに関わるし、己の行動範囲がモロバレで下手をすれば最寄り駅までバレッバレになってしまうため一人でひっそりと楽しんでいる。ではどうして今になってこの趣味に触れたかと言えば、本日放送されたラジオ番組「オーケンのオールナイトニッポンプレミアム」のメールテーマが「オーケンにおすすめの趣味」で、この「名字集め」を投稿してみたところ採用され、興味を持ってもらえたのが嬉しかったからだ。それでちょっと喋りたくなってしまったのさ。

ちなみにこの趣味を遊ぶとき、いちいちメモをとるために立ち止まると明らかに怪しく地域の方々に恐怖を抱かせる恐れがあるので、「山田、吉田、川本、木村、渡辺、安田……」と記憶しながら歩き、曲がり角や横断歩道の手前などでまとめて書き留めるのが吉である。記憶しているとたまに名字が頭の中で歌のようになるのも楽しい。