それはさながらテトリスの如く

2018年3月14日(水) 緑茶カウント:2杯

その人はとても見事な技術を持っていて、目の当たりにするたびに己は感心する。それはさながら上方からテトリスが組まれるのを眺めるようで、見ていて楽しく面白いのだが、直後の仕事を思うと己は「ここに並んでしまったか……」と別の列を選ばなかったことを後悔するのであった。

その方はスーパーマーケットの店員であり、己が立っているのはレジである。その方の仕事は非常に見事で、バーコードを読み取り籠から籠へと商品を移すその手つきには一つも無駄がなく、籠の中にもデッドスペースを作らない。テキパキとテトリスを組み上げるように縦横に商品を並べ、噛み合わせ、一分の隙もなくぎっちり商品を詰め込むのである。

それは惚れ惚れする仕事だ。素晴らしい技術だ。いつまでだって見ていたい。
しかし己はこの後、この複雑に組まれたパズルを解いて商品をレジ袋に詰め直さなければならないのである。

これがまー、なかなか、うん。面倒なんだ。

ぎっちりと組まれた籠を眺めて思うことは、他の客も同じようなことを思っているのだろうか、ということ。
見事な技術に感嘆しつつ、いったいどこから手を出せばいいのやら……と途方に暮れるのであった。



日記録2杯, 日常